「よし、出発しよう」
ループがみんなに言う。昨日の怪我もすっかり良くなっていて
ここから先は徒歩になる。
ジェルとはここで別れる事になるのだが、ジェルは昨日の情事でまだ本調子ではない……
「ウン、私も準備しておく。ループが戻り次第出発できるようにしておく」と言うとループと顔を見合わせた。
「大丈夫か?」と言う俺の問いかけも
「契約は入口前までだから」という理由でついていくそうだ。
朝早くには出発したが後ろからはフロストジャイアントそして頭上にはドラゴンが監視している。草も木もない道とも言えないような岩と砂利の道を行く。
ループとセリー、レベッカはカモフラージュのスキルがあるのでそのままだが、俺たちはインジビリティで行くのかと思ったら、魔力を感じればドラゴンが寄ってくるからということでカモフラージュできる砂利の絵が書いてあるマントをかぶって移動する事になった。
「こんなんで大丈夫なのか?」
「君らの派手な格好よりはまだマシ」
ループと笑いながら答えるが嫌味はなかった。
「2時間くらいで入口まで到達できるから……魔物に合わなければね……」
セリーが「ああ、それフラグです」というがループは
「えっ?なにそれ?」と言うそりゃそうだろう。
そしてセリーのフラグの使い方も間違っていない……
歩いている途中で黙っているのもなんだったんでシャンタルにルベリオ要塞について知っていることを話してもらった。
「ルベリオ要塞って言ってもここまで来るのも大変だがそもそも要塞って誰かが何かを守るための物じゃないのか?」と俺が聞くと「神々の戦いではこの地の者達を守る為皆要塞に立て篭もったと言われているわ」
「この地の者って竜人族の事?」
「それはわからないわ竜人族も人族もエルフ族も沢山いたらしいわ」
「ハッキリはわかってないのか?」
「うーん何百年も前のことだからね。しかも今は行くだけでもかなり困難な場所にあるから研究も進んでないのかも。わたしは私の母から聞いたから伝聞だけど……」
「ここに竜人族を移動させると言ってもこんなにドラゴンが住んでいたら大変ではないのか?」
「それも含めて行って確かめないとね。私の先祖がドラゴンと何を話したのか?要塞の称号をどうやって得たのか?そしてそれはなぜ子供に伝わっていくのか?私も知りたい事が沢山あるの」
歩き始めて1時間半が経った。トトはずっと霧化しているのでついてきているのかどうかさえわからない。
突然ロクサーヌが剣を抜き俺を引っ張ると何かを弾き返した。
シザーリザードだ
すると次から次へと攻撃が始まるいつの間にか囲まれていた。
「あんまり大きな音を出すとドラゴンに気が付かれる」とループが言うが奴のシザーを弾けばそれなりの音がする。受けるわけには行かない
後ろからも追いかけてきている。
ベスタの盾にシザーリザードが攻撃するとカン高い金属音は避けられない。
なるべく早く片付けようとするも結構集まってきているようだった
「前方の敵を中心に倒して一点突破しよう」と俺が言うとロクサーヌが頷き「はい。ご主人様……オーバーホエルミング」とロクサーヌが言うと次々に倒していく
ロクサーヌが先頭に立ちしんがりにはベスタがついた
「走るぞ!!」とロクサーヌが言うとみんなはそれに合わせて走っていく
俺がループの頭を手で押さえると「ドラゴンだ!!頭を下げろ」
ジョゼも俺が動くと反応する。
ルティナが「……シールド」の魔法を唱えるとドラゴンがシールドに『ガン!!』とぶつかり転がってシザーリザードも蹴散らしてくれた
「急げ!!」山を駆け上がる
何度となく攻撃を受けたが
「あの岩の裂け目に!!」とループが言うと
一旦そこに退避した。
ドラゴンは動くシザーリザードを追っている
シザーリザードはそれから逃げるのに必死だ
「はぁはぁ」みんなの息が切れる
高地で走ったのでいつもの3倍も苦しい
「あとちょっとだ」とループがそう言うと俺に地図を渡した。
「この裂け目は近道で狭いがここを通って外に出て石橋を渡れば目の前だ」
「ああ」
岩の裂け目通ると中は洞窟のようになっていた。中はかなり冷えていたが魔物は存在していなかった。結構急な上り坂を上がると出口があった
ループが「私はここまでだ……私はこっちのくだりの道を歩いて帰る」
「大丈夫なのか?」
「私一人なら大丈夫。また会えたらその時は……」
「ああ、今までありがとう気をつけて帰ってくれ」
と握手を交わした。
ループはベスタに「あなたのおかげで助かったわ、生意気な事言ってごめんなさい」と言うとベスタと抱擁を交わした。
「あなたがいてくれなかったらここまで来れなかったと思う。ありがとう」
俺たちはループに見送られ洞窟の内部に侵入する。
レベッカとセリーで橋までの道を確認した所、目の前で道も整備されているような感じだったので狙われやすいとも感じた。
セリーが橋の前まで来るとレベッカに止められた。
「何かいる」とレベッカが言うと
油の入った瓶を投げるとその油から少しづつ漏れ出す。
セリーに弓矢で火をつけてもらうとフロストジャイアントの霧化が解けて現れた。
すぐさまセリーとレベッカは後退してカモフラージュではなくエルブンクロークで身を隠した。
そして二人は裂け目を通り過ぎて隠れた。
その間俺はみんなにエルブンクローク(透明化)、インジビリティ(透明化)の魔法をかけて橋を渡る事にした
音を出さないように走った。
後からレベッカとセリーが走って戻ってくる。どこかでまいたのだろう。
だが、橋を誰かが渡っているのが見えて慌ててフロストジャイアントも戻った。走るスピードも速いが「ドンドンドンドン」と音もすごい
キーカが橋を渡る前の道でエマに渡した種を撒くフロストジャイアントが迫り来ると
「あでやかに咲き乱れろ!!」とキーカが言うと一気にそこから一気に蔦が伸びるとフロストジャイアントはその蔦に足を取られ倒れてしまう。その地響きで走っていたキーカも倒れてしまった。
「ウガッウガッウガットトバ」(トトはいないのか?)
と倒れたフロストジャイアントが言うとキーカをレベッカが抱えて走る
橋の先には洞窟の入口のようなものがありみんなそこに入っていく。
「急げ!!」
フロストジャイアントは立ち上がり橋を渡ってくる。
すると洞窟の前でトトが霧化を解いて「ここは私が食い止めるから先に行って欲しい」
とトトが言う。セリーに武器や鎧、大盾を2枚片手づつ装備している。
「アタシは自分で自分のムコを探す、アンタラの言いなりにはならない」
「そんなこと言わねえで俺のとこさこい。あんな人族について行ってもおまえは幸せにならないぃ子供もこしられんぞ」
「アタシはアタシの道を行く邪魔しないで」
「そっただこと言うやつは無理矢理でも連れてけえる」
「やれるもんならやってみろ」
「おお、ここでお前はフロストジャイアントで俺たちでしか満足できないのを教えてやっから!!」と下半身を大きくしている。
「そう言う所がイヤじゃ」
フロストジャイアントはトトに抱きつこうとしている
トトはそのフロストジャイアントに比べれば1メートル以上小さいが彼女は戦士だメーアから借りた大剣を振り回すがフロストジャイアントはヒョイヒョイとよける。
「そげなもん振り回して俺らに勝てるわけなかろう?」
「後からすぐに追いつくから先に行って」
と洞窟の先はすぐに何かわかったようでロクサーヌが口を閉じるようにしてきて「この先にドラゴンの巣があります」
セリーの実家の洞窟で見たドラゴンの巣の縦穴があり横には穴が沢山空いているのでまるで煙突だ
目の前にはいかにもな大きな扉がある。
「だがあんなところ通ったらドラゴンの的になる。どうする?」とシャンタル
前方にはドラゴン後方にはフロストジャイアント
「一瞬ドラゴンが降りてこれないようにすればいいんじゃない?」とルティナ
「いや、そうだけどどうする?」
「私とミチオ様であの真ん中にブレイズボールを起動させ爆風と上昇気流で降りてこれなければ一気にリナにあの扉を開けてもらうって言うのはどう?」
「こっちにも爆風は来るだろ?」
「だから穴を掘ってそこに隠れる」
えーむちゃくちゃのように聞こえるがもう隠れていくのは無理だろう。ドラゴン達もフロストジャイアントがここに現れて興奮している
トトも一人でここを通させまいとしている。
あの発情したフロストジャイアントは見るに耐えない……
「じゃあそれでやってみよう」
「デリートサンド」でみんなが隠れられるような穴を掘ったそして、先頭には盾を構えてベスタそしてすぐその後ろにはリナが待機している。あのリナの小柄な体でドラゴンも通れるような巨大な扉を開けることができるのだろうか?
「じゃあルティナいくぞ」
「はい」
「「ブレイズボール!!」」を唱えた瞬間俺たちはその穴にはいってジョゼが盾で俺たち上に被せてくれた。
「ドンっ」と言う音と共に
爆風が俺たちが通ってきた洞窟そして煙突のようになっている縦穴に爆風が走る
トトにはESPで(洞窟の穴から避けろ!!)と伝えた
次の瞬間リナはダッシュで扉まで向かう。
トトはワザと何人かのフロストジャイアントに押し倒されるとその洞窟から出てきた爆風をモロに受けた。
フロストジャイアントはその炎をモロに受けてしまい
大声を出してしまう「ウゴー!!ウオッウオッ」
そして全身に皆炎を浴びてしまって焼けてしまった。トトはフロストジャイアントを振り払って霧化して俺たちを追いかける
俺たちもリナの後を追いかける
リナは扉まで来ると「うんんんんんっ開けぇ!!」とめいいっぱい押した
すると人が一人分通れるくらいあいたのでその中に転がり込む
ドラゴン達が扉が開いた事に気がついたがなかなか上昇気流で下に降りられないドラゴン達からは俺たちが見えているが
フロストジャイアントの声も聞こえたのでオスのドラゴン達はそちらに向かった。
橋の上で悶絶しているフロストジャイアントにドラゴンは体当たりするとフロストジャイアントとの戦闘が始まった。
そして俺たちはなんとかトトも追いついて扉にみんな入る事ができた。
だが暗くてまだ何も見えない。
俺たちは暗い所をそのわずかに開いた扉の光をもとに進んだ
俺とルティナ、ベスタはすぐさま「ダークビジョン」の魔法を自分にかけた。
「うわっ!!」と俺が声を出すのと同時に一筋のブレスが天井をかけるとシャンデリアのような大きな物に火がついた。
そうそこは龍の城があり、さらに周りには竜が鎮座していた。
その中でもかなり大型で真っ赤なドラゴンが俺たちの前に音もなく近づいてきた。あの大きさで音もなく?!
「お前達ここに何をしにきた?」とブラヒム語で聞いてきた
クルルルルっと喉を鳴らしながら俺たちを監視する。
シャンタルが「私の称号は要塞だ。ここの主人に話があってきた。話を聞いてもらえないか?」と言うと一瞬の沈黙の後
奥から真っ白になドラゴンがヌッと現れて
「お前か」と言ってきた。
シャンタルが話し始める「私は族長として今まで眼下に見える竜人族を束ねていたものだ。私の先祖は代々ここの要塞の称号を受け継いできた。今竜人族が他国に攻められ危険に晒されている。この要塞に避難させてもらえないだろうか?そして叶うならここでの生活も許して欲しい……」
と言うと
「それで来たのか?」とあっさり聞き返す。
「認めてくれるのか?」
「そこにいるのは龍神の加護持ちか……名前は?」
白いドラゴンは50メートル級の大きさで自分の聞きたいことだけを聞いて会話が噛み合っていない。
ベスタに興味を持ったのか
ベスタが答える「私の名前はベスタ」
「ほう……なるほど。では、まだ何もわかっていない若造のルビードラゴンと戦ってくれ」
セリーが驚き俺に耳打ちをする
「あのドラゴンはレッドドラゴンの最上種ですかなり危険なドラゴンです。しかも300年以上生きている感じなのでエンシェント級です。と言うことは……あの白いドラゴンはダイヤモンドドラゴン?あのドラゴンは700年近く生きているはずです」
俺が「みんなでルビードラゴンと戦うのか?」と聞くと
「いやそこのベスタだけだ」
シャンタルは止める「それは無理だろう?」
「なら、お前の要塞の称号を娘に継承させよう」
ルビードラゴンだって30メートル以上ある
「怖いか?そんな小さき身体で俺と戦う?!ふざけているのか?すぐに消し炭にしてくれる」
とベスタを必要に煽る
ダイヤモンドドラゴンが何か魔法を唱えると
ベスタにシャンタルの称号が継承された
「そんなことしても無駄だ。そんなちっぽけで情けないご主人様を守るために戦っているのか?愚かな。今ならお前だけ逃してやってもいいぞ。お前は要塞の称号持ちだからなはっはっはっ」
ベスタは自分が色々言われるのは平気だったが
ミチオのことを言われたら黙っていない
「クチだけは達者だなニート野郎ママの言うとおりにしないと叩かれるぞ」
それには周りのドラゴンも笑っている。笑っているドラゴンも多分伝説級のドラゴンなのだろう大きさが今まで見てきたドラゴンとは違う
「じゃあ戦うのだな?」とダイヤモンドドラゴンが聞くと
「ええっ」
ベスタはかなり怒っているが「俺はそんな事言われたぐらいなんともないから……」と言ってももう遅いようだ……
ベスタは要塞の称号を得て魔力が増大している。
ルビードラゴンは「かわいそうに……」と言いながら戦う場所のハジからハジまでをうろうろとする。身が軽いからか止まっていられないのか?
俺たちも後ろに下がるように言われる
ダイヤモンドドラゴンが合図を出すらしい
「……ハジメ!!」
少し遅くなりました。次回の月曜はお休みします。
なので次の更新は来週の金曜日を予定しています。よろしくお願いします。
毎週月曜日、金曜日の22時頃に更新してます。
誤字報告していただけると大変助かります
https://twitter.com/kujira_ts
「X」にて、こんな人をモデルとしていますと言うのと、相関図を出しています。カギがついているので、捨てメールなどでアドレスを作ってアカウント作ってもらい申請してください。
また、急なご連絡もxでしているので是非登録してください。
ーーお願いーー
高評価と読み終えたらしおりもお願いします。励みになります