ループは慌てて走って下山していた。
「ちょっとちょっと〜!」
なぜなら大きな地響きが起き、シザーリザード達も私のことなど構わず森の方へと逃げていたからだ。
ループは今朝出発したところに戻るとジェルもすでに外で用意していた。
「早く早く」とループを急かす
ループがジェルを見つけるとそのまますぐに騎乗竜に乗り出発した。ジェルは「何があったの?」
「わからないけど……まぁあの人達でしょうね」
逃げている途中不意に日陰になり上を見上げると巨大な岩石が空を浮いている
「アレはなんだ?」
「アレを見つけに向かったんだな」とジェルとループは走りを止めた。周りもすでに魔物達は消えておりその巨大な物はルベリオの方に向かっているようだった。
ジェルは「また会えるかな?」とループに聞くと「さーな」
「マロルってどんな所なんだらうね」
「さーな」
「一緒に行ってみない?」
「すごく遠いらしいよ」
「別にやることないし、どれだけかかってもいいじゃない?」
「そーだな」
要塞が降り立ったルベリオの町は騒然としていた。
なんと、この機動要塞は一度動かし始めたら要塞の称号を持つものの近くに移動すると言う事でここに要塞を置いていかれるのは困るとダイヤモンドドラゴンに言われた。
元々の計画ではこの要塞の中に住民が住んでいればそう簡単にカッシームも攻めてこないだろうと言う打算があったがまさか飛んで移動できるとは思ってもみなかった。
ムシェリカは「一応お聞きするのですが、ベスタ様がここに残るというのはできませんか?」
「はい無理です。私はご主人様と一緒に行動します」と笑顔で答える。
「……ですよね」
これにはシャンタルも困ってしまう。まさか要塞にそんな縛りがあるとは……過去の要塞の称号を持っていた人がこのルベリオ山に持ってきたのね。
ダイヤモンドドラゴンに質問する
「どうやってルベリオ山に停止することを承諾したの?」
「次代の者が私達に会いに来なければ自動で停止する」
つまりベスタの子でないと停止はできないと言うことね。
「他には?」
「ベスタが要塞の称号を譲渡せずにこの世界にいなくなった場合も停止する」
「いつも私の周りを空にうろつくと言うこと?」とベスタも質問する。
「いや飛び立って20分ほどで着くところに移動なら勝手に移動はしない。ただずっとどこにいるかはこちらで確認している」
とストーカー並みの返事が返ってきた。
そうねルベリオからマロルまで20分って距離じゃないものね
俺も聞いた「フィールドウォークなどで移動しても場所は把握していると言うこと?」
「そうね。何せ魔力を常に送っているからね」
「確かに魔力がみなぎっているのは間違いないです」とベスタ
シャンタルとムシェリカ、ベスタと俺で話し合う。
ムシェリカは「やはり住民をここに移住させるのは……」
シャンタルは「ならカッシームの餌食にされてもいいの?私はごめんだわ」
「ルベリオはどうなるのです?この地を捨てるのですか?」とムシェリカは少し興奮気味に話しているが
ダイヤモンドドラゴンが横から口を出す。
「何か勘違いしているが住居用ではなく元々は戦闘用の要塞。しかもソナタたちルベリオという名前はこの要塞の名前だ。この街の名前はただの城下町ルベリオだからな。こっちが名前の元だからな」
「んっ!そうなんですか?」とムシェリカは驚いている。
「ふぅーじゃあマロルにみんなでくる?」と俺が妥協案を言うと「どう言うことですか?」
「いやだから町ごと引っ越す?って事」
「さすが我が家のパトロンスケールが大きいわ」とシャンタルが喜んでいる。
「お母さんパトロンって違います。私のご主人様です」
と言うとシャンタルはベスタがこんなこと言うとは思っていなかったのか嬉しそうに「そうだったわね」と微笑んだ。
「でこの町の住人は何人ぐらいいるの?」
ムシェリカも「先の襲撃で逃げ出した者もいるので正確には分かりませんが8万人ほどでしょうか?」
「8万?けっ結構いるんだね」
「でもついてこない方もいると思います。周辺の村につながる者はもしかしたらついてこないかもしれません」
「周辺の村?」
「はい7つほど村があるので……」
「一応声はかけたほうが良いんじゃないか?ある日無くなっていたら驚くし、困ることもあるだろうから」
「はい直ちに早馬で知らせます」
「俺たちは明日からマロルに戻って子供探しだな」
「私もご一緒します。」「いやベスタはここでみんなを受け入れる準備をしてくれ」
「かしこまりました」と少し残念そうだったがいた仕方ない。
夕飯はリタたちを呼んでこちらでみんなで食べることにした。
大きいテーブルを何個も繋げてみんなで一緒に食事する。
今日はハンバーグを作ることにした。
食事が始まるとすぐにワイワイガヤガヤと大盛り上がりだ。
シャンタルの孫たちも一緒に食事することになって大きな広場が笑顔に包まれる。
「まぁ俺のしたかったことってこう言うことなのかな」
と独り言を言うと隣にいたロクサーヌが「でも大事なことです」と俺の言った意味がわかったのか察したのかはわからないが「これ、とても美味しいですよ」と俺に言う
「そうだな。美味しいって大事だよな」
「はいそうです」
食事もあらかた終わりベスタのプリンがみんなに配られた。
「やったープリンだー」とララの声も聞こえる
俺はみんなのステータスを確認する。
ついに大賢者が80レベルに達して新たなジョブが現れた
アビスシーカーLv1
効果 知力4倍 MP4倍
スキル 詠唱省略 結晶化促進 9位魔法 並列思考4倍 魔法耐性 上位神聖魔法 大賢者スキル
それと上位錬成士の上位互換
オーバーサイエンティスト Lv1
効果 知力2倍 器用大上昇 精神中上昇 MP 大上昇
スキル 上位錬成士スキル アイテム合成 魔物合成 融解
魔物アイテム合成 鉱物生成 精神異常耐性 状態異常耐性
もう一つ眠っていたジョブ鑑定士の上位互換
上級鑑定士 Lv1
効果 知力中上昇 精神力中上昇
スキル 解析 ステータス隠蔽 鑑定妨害
の三つが登場した。こないだ出発する前はまだなかったのにこの3日間でだいぶ経験値が入ったようだ。
ロクサーヌは順調に英雄が育っている。
エマは……
剣聖の上位互換剣王がでている……
「エマ、剣王と言うジョブがでている。剣王にしておくよ」
「剣王とな?私に相応しいジョブだな」
剣王
効果 腕力大上昇 2倍 HP2倍 敏捷大上昇
スキル 剣聖スキル 連続縮地 連続空歩 高速連続攻撃 状態異常耐性 見切り 針の一穴 オートカウンター オート防御
ミリアは……
ミリアは魔法使いの上位互換の魔導士が出てきたので魔導士に変換。
「ミリア、魔導士にしておいたぞ」
「やったーえっとどんな魔法使えるだったけ?」
そしてベスタの聖騎士の上位互換ディバインナイトが出てきた
神聖騎士ディバインナイトLv1
効果 体力特大上昇 精神大上昇 知力大上昇HP大上昇
MP大上昇 聖騎士スキル 神聖魔法6位 絶対防御
オート防御 オートカウンター 高速戦闘 ピニオン
「ベスタ、ディバインナイトになったぞ」
「どんなことができるのでしょうか?」
「うーんそうだな神聖魔法6位まで使えるからだいぶ使えるんじゃないか?」
「嬉しいです」
なんだろう最後の一つピニオンって?
「ベスタ、ピニオンを使ってみてくれピニオンと願うだけだと思う」
ベスタはそう言われると心の中でそれを暗唱する
(ピニオン)
すると大きな白い羽をバサっと広げてベスタに羽が生える。
「えっ?何それ」とみんなが驚くベスタの体格がいいからかそれはまたりっぱな羽が生えた
それを見た周りの町民たちは「天使様?」とみんなベスタをみてそう思った。
それは一晩で瞬く間に町民に知れ渡ることになる。
その後
すぐに効果を発揮した。
要塞で引っ越すことにみんな前向きになったようだった
「私たちの守護者は天使様だ」と言う噂が次の日各村までそれは伝わっていた。
ベスタはその見た目にまず喜んだ。
「素敵!!純白の鎧にピッタリ!!」
その羽は直接生えているわけではなく見た目のエフェクトと防御機能や攻撃機能を有している。新たな腕のように動かせ、飛ぶのも実際羽を使って飛んでいるように見えるが実際は魔法の力で浮いているのが正解なようだ。
ベスタのジョブで会場は盛り上がっていたので俺のジョブについて話す機会はなかったが、俺は俺なりに試していく必要が色々あるな……
次の日の朝はやくにロクサーヌに起こされるとマロルで早速竜人族の子供探しということになったが、いきなり呪文を使って「はいこの子があなたの子です」と言うのではなく
あくまで里親として振る舞うようにみんなに伝えることになった。
こちらに戻ってくるとすでに広場には多くの竜人族が集まっていた。
ここでの生活には全く問題はなくレティシアも充分に体力の回復を千人の彼女たちにさせてきたようだった。
「本当に我が子に会えるのでしょうか?」と言ってくるのもそりゃ当然だし心配だろう。
ルティナが改めてみんなに説明してくれる。
「皆さんには魔法で我が子を探し出しますが、もしかしたらもうすでに亡くなっているかもしれません…もしかしたらここにはいないかもしれません。でも、光の道が出てきたら私たちは一緒に最後まで探します。しかし、うまく見つかってもすぐに引き渡しもありません。子ども達も急に私がママよと言われても受け入れできないので、あくまで皆さんには里親として紹介させてもらいます。基本的に同種の養子縁組しか今までしてきておりません。なので竜人族の大人が少なかったので今まで養子縁組件数は少ないので、ご自身のお子さんを見つけても歓喜したり、強く抱きしめたりしないようにお願いします。他の子供もいます。他の子供が不安になるようなことが無いように毅然とした態度でお願いします」とルティナはみんなに注意事項を説明した。
聞いていてそりゃもっともだ。ルティナはただのエロフではなかった……
ルティナが最初の一人を選び名前を聞いた
「私の名前はアンゼリカです」
「アンゼリカ、では始めるわ。魔法で貴方の子供に導くわ。……ガイドポストスペル」
を唱えると魔法陣が浮かび上がり光の道が地面に浮かび上がる
「この先に貴方のお子さんがいるわ」
アンゼリカは今にも走り出しそうなのをじっと我慢しながらルティナと一緒に歩いていく。
やはり孤児院に続いていた。ルティナとアンゼリカ以外にはその光の道は見えてない。
そしてその光の道は多くの子どもの中の一人につながっている……
アンゼリカは見えた瞬間初めて見る我が子でもその子が自分の子だと確信が持てるほどだった大きな声出してはいけない。ましては涙を出さないようにと言われても
口を押さえると勝手に涙が出てしまう……
ルティナはイサキオスに「そのオレンジの服を着ている子」と小さい声で指示すると、イサキオスは頷いて
「ルルアン、ちょっとお話ししよう」
「はい。牧師様」
イサキオスは全ての子供の名前を覚えたいる。その子を横に連れて来ると
アンゼリカは膝が崩れ、涙が我慢できない様子だった。
ルルアンはそんなこと知る由もなく「お姉さん大丈夫?どこか痛いの?」と優しく聞く。
「ううん大丈夫よ。ちょっと嬉しかっただけ」と今のが掠れていたがめいいっぱいの声だった。
個室に連れて行くと
イサキオスが「ルルアンここでの生活はどうだい?」と三人の前で話す。
「ここは沢山のお友達がいるし、先生も、牧師様、司祭様みんな優しくしてくれるよ。前いたところは暗いところだったけど今はすごくお日様をあたって楽しいよ」
「そうですか」とイサキオスが言う。
「ルルアン実はですね。貴方のお母さんになりたいと言うお姉さんがいましてね。ルルアンは実際会ってみてどうかな?って思って呼んだんですよ」
「えーお母さん?お母さんってどんな感じかわからないけど、お姉さんがお母さんなら嬉しいな」
と言われるとアンゼリカの涙は止まらなかった。
「ごめんね。嬉しくって泣いちゃった……ルルアンくんみたいな子供がいたらいいなって、ずっと思っていたから……」
「本当!嬉しいけどなんだか照れちゃうな。でもお母さんがいたらここのみんなともお別れなの?」
「しばらくは通ってお友達と遊んだりご飯を食べたりしますよ。大きくなったらミリアお姉ちゃんの所かな」
「えっ?!ミリアお姉ちゃんも好き!やったー」
ルティナは、「まずは一緒にご飯でも食べてください」とアンゼリカに言うと
「いいんですか?ルルアンくんも一緒にご飯食べてくれる?」
「お姉さんと?あっいけない、お母さんと?」
アンゼリカが頷くと、思わずルルアンはアンゼリカに抱きついてしまうと堰を切ったようにアンゼリカは涙が止まらなくなってしまった。
「ごめん痛かった?」とルルアンが謝るもアンゼリカへ抱きついてくれたルルアンを抱きしめて「ううんありがとう、ありがとう」と何度もお礼を言った。
まぁあとは勝手にうまくいくでしょう。元々親子なんだから。
またルティナも自分の母親を思い出して目頭が熱くなってしまうのであった。
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