次の日の朝早速マロルに戻り引き続き子ども探しを始めるが、
とうとう問題が発生した。それは魔法をかけても光の道が出てこないという問題だ。
子供を二人産んだが道は一本しかできなかった。
つまりそれはすでにその子は亡くなっていると言う事を表している。
イサキオスはそんな彼女にも慰めと励ましの言葉をかけた。
「もう一人いるのだから、その子の分まで愛情を注いであげてください」と言うとその彼女は泣きながら感謝をしていたがやはり一人見つからないと言うのは辛いな。
途中からロクサーヌが現れた。ルティナはバツが悪いのかそそくさと子供探しに頑張っていた。
「昨日はいかがでしたか?」
「……カッシームとの交渉が明日ある。その時はロクサーヌ必ず同行してくれ」と俺が言うと
「もちろんです!」と自らの胸を叩く。
一瞬なんの話を聞かれたのか一瞬動揺したが、今話した内容に齟齬はない。
「場所はペルマスクの教会だ皇帝陛下にも出席していただける様になった」と俺が言うとロクサーヌは『ん?』と一瞬不思議そうな顔をしたが
「人選は?」
「俺を含めて三人で行くつもりだ。俺とロクサーヌ、エマになるだろう」
「かしこまりました。エマに伝えておきます。何もお手伝いできなくて申し訳ありません」
「いや、ロクサーヌにはロクサーヌにしかできないこともたくさんある」と俺が言うとロクサーヌは嬉しそうに返事をした。
その後は騎士団の方へ向かっていったので多分騎士団はこれからシゴかれるのだろう……すまん。
そして午後には……
曇ってきたなとおもったら要塞ルベリオが浮かんでいる。
ベスタがルベリオから降りてくると、
「ご主人様ただいま帰還しました」とベスタが報告する。
「みんな乗っているのか?」
「やはり1割程度の方達がルベリオに残ったり、よその村に行くという判断をされましたが、近隣の村も含め殆どが付いてきました。このまま空中に浮いたままでも大丈夫だとダイヤモンドドラゴンが言っておりましたがそれだと町民が下に降りることができません。どこかに着陸したいのですがどこがいいか判断を仰ぎたいと思います」
ルシールが「ここはルティナさんとしますので」と言われてレティシアのところに相談しに向かう。
レティシアは一応聞いてはいたがまさかこんなに大きいものだとは思っていなかったらしい。
そのこんな大きな岩の一部が落ちてきたら大惨事になってしまうと思っていたところだった。
「ご主人様これがルベリオなのですか?」と上を見上げながら話している。
「ああ、ルベリオが来るのは言ってあったよな」
「はい、まさかこんなに大きなものだとは思っていませんでした」
「これをどこかに着陸させたいと思うのだがどこがいいだろうか?」
「これをですか?」
「ああ」
「これって海ではだめなのでしょうか?」
ベスタが「海でも一時的には大丈夫ですが波で岩が削れてしまうと再度浮き上がった時落石する可能性があると言ってました」
「うーん……じゃあもう一つの汽水湖でどうでしょうか?」
「隣村の?」
「はい。クアール村の汽水湖なら波もほとんどありませんし現在多くのドワーフが住んでいるので漁師はほとんどおらずマロルの拡張事業にも入っているので道も整備されているので大丈夫だと思います」
「わかった。じゃあベスタ一緒に行こう」
「では私はクアール村に言って事情を説明します、なるべくゆっくり着水してください」
「はい」
ベスタは白い翼を広げると俺を姫様抱っこする
「いやちょっとこれは恥ずかしいんだけど?」と言うと
「???……では」両手で俺を抱き抱えるベスタの豊満な胸に押し付けられるが姫さま抱っこというわけにはいかない。
一気に飛び立つとあっという間に頭上のルベリオにむかった
ルベリオでは多くのドラゴンが広間に集まっている。
「人族に我々は受け入れてもらえるだろうか?」などなどドラゴンなのに意外に小さいことを気にしている。
俺が「あの湖に着水できるか?」とダイヤモンドドラゴンに聞くと
「もちろんできるが周りの家を壊さない様にと言う意味だろ?」「ああもちろん」
「どう考えても水が溢れるぞ」
「だからゆっくり着水してくれ」
「だが、このルベリオの底の部分がそもそも湖の底が浅く入りきれないぞ」と答える
ベスタが「ではマロルの汽水湖では?」
「あそこだとどう考えても俺の島が潰れるし、漁師もたくさんいるから無理だろう……」
「いえ、あの岬の先に浮いた状態で」
マロルの元領主の館が立っていた所を言っているのだろう。それだとマロルの城をかなり増築した感じになるな……しかも俺の島よりかなり大きいし、俺の島の目の前で眼下に晒されることになるな……何より南側になるから全く陽が当たらない地域ができるんじゃないか?」
「難しいですね」
「やっぱり一旦海だな汽水湖の外側に着水してくれ。セリーと相談してやはり山に設置すると思う」
「レティシアいいだろうか?」
「ご主人様がよければ問題ありません」
汽水湖の出口の直ぐ近くに着水して道まで『エラ・ブリッジ』で橋を作って町民が行き来できる様にした。
俺はルベリオに住む住民のために今回のことを説明した。
「隣にいるベスタと一緒に移動するため、強制的に戦場に向かう可能性があるため、不安に思うものはマロルに新居を構えてほしい。こちらで新居は用意する」
と言うとやはりこの地に居を構えたいと思う様で希望者が殺到した。
あくまでここは仮の住まいで、ベスタとシャンタルについて来たと言うのが本音か……
ルベリオから降りる者を見ているとレティシアが
「兵隊はここに住んでもらってもいいんじゃないですか?」
と言って来た。
「でも家族は嫌がるのではないか?」
「単身の者だけでもここに住んでもらってもいいと思います」
それじゃあ朝起きたら戦場に連れてこられている事も起こりかねんな。そりゃ不幸としかいえないが
「俺はみんながいいのなら俺はここに誰が住んでもらってもいい」
と説明した。
マロルの都市計画もかなり大掛かりになりすでにギチギチになっているがにぎやかになったといえば間違いない。市場では常に人でごった返している。
物流の流通量も増え、人々に紙幣も使われる様になり、たくさんのお金の動きが活発になっている。
ここでマロルに移住する者もそれには驚くだろう。
だが竜人族は竜人族たちで発展した20年間の仕事もここで十分発揮できるだろう。
順調に竜人族が降りてくるのを見てレティシアが俺に提案してくる。
「今日から早速ペルマスクに移動しませんか?」
と言ってきた。
「どうしてだ?」
「私達も追従させていただきます。明日ではペルマスクを見て回ることもできませんし、いざという時のバックアップも用意できません」
「私達というと?」
「私とミリア様、ジョゼ、そしてイサキオスがよろしいかと思います」
「んっ?なぜイサキオス?」
「イサキオスは僧侶です。教会で話し合うので、できたら素手でも強い僧侶であるイサキオスが近くにいた方が1つ多くコマを用意できます」
「なるほど。わかった今日からペルマスクに移動しよう。用意してくれ」
「はい」とレティシアが言うと直ちに用意に取り掛かる
ルティナとルシールに俺は今日からペルマスクに入ることになった事を伝えると
「後は少しなのでこちらでお任せください」と二人は明日の子供探しを引き続きつづけることを快諾してくれた。
直ぐにエマとロクサーヌも集まり
ペルマスクに旅立つことになった。
俺たちは三人で、後はジョゼがレティシアのパーティでの行動になる。あえて同じパーティにしなかったのはインテリジェンスカードの提示が必要だからである。
「急に呼び出して申し訳ない。急に今日ペルマスクに向かうことにした。明日の準備もある。明日は大事なカッシームとの会談となる。気を引き締めて対応しようと思う」
と俺が言うと、レティシアは
「大丈夫です。会談にはロクサーヌさんもエマさんもいます。全てうまくいきます」
レティシアどうしてそう思う?
一拍おいてレティシアは話し始める
「カッシームのアスランは知恵者ご主人様の偉大さは目にするとわかるでしょう」と意味深な発言をしてレティシアは俺に助言?をした。
と俺は意味がわからなかったが
「えっ?うん?!ああ……」と返す返事が分からずそう答えた。
ペルマスクに移動する。
ジョゼもレベルが上がっているのか一気にみんなを連れてきてもMP切れという事にはならなさそうだ。
ロクサーヌがペルマスクの冒険者ギルドで事情を説明する。
すると冒険者ギルドの職員は慌てて上司に相談に向かった。
俺たちは少し冒険者ギルドで待つことになったが待っている間にギルドの職員が話し始める
「ペルマスクでは冒険者ギルドを除くすべての建物に遮蔽セメントが使われています。
フィールドウォークが使えるのは冒険者ギルドだけとなっています。
町は誰でも自由に歩くことはできますが住民を外に連れ出すのは厳禁です
住民を外に連れ出すのは法律違反となります…………」
このクドクドと説明するくだりは最初に来た時と同じだが……
ギルド職員の言葉を遮る様に
「私が参事委員のテオドールという者です。すでにお話は伺っていますが、皆様明日にご来国されると思っていましたが……」
「ああ、だが早めに来てゆっくりしたいと思ってな。迷惑だったか?」
「いえその様なことはありません。大事な会談とだけ聞いておりますがインテリジェンスカードを見せてもらうのが一応ルールとなっております。よろしいでしょうか?」
うーんこれは仕方がない……先にロークサーヌから始める。
俺はその隙に先日得た上級鑑定士のスキルでインテリジェンスカードも自由に書き換えることができる。
当たり障りのないファーストジョブを騎士に変更した。
一国の王が職業騎士なんら問題ないはずだし、レベルが表示されるわけでも無い。
騎士はレベル1だがまぁ問題ないだろう。
ロクサーヌの次にエマ
二人の職業を見てテオドールは驚いている。
ロクサーヌは英雄そしてエマは剣王にしているのを忘れていた。参事委員の人はその職業に驚いていたがさぞかし俺のジョブに期待していたのだろう。『騎士』と出た時の奴の顔
(なんだこの二人がすごいのか)と言う顔が腹立たしかったが
まぁ俺が目立つ必要がないと言うことで納得していた。
町に出る時には騎士から教会への案内地図をもらった。
「宿泊先をまず決めないとな。何処かおすすめはあるかい?」
「はい?えっ?では白亜の楼閣はどうでしょうか?格式がありセキュリティもしっかりとしているので」
彼の勧め通りにそこへ向かった。彼の言う通り真っ白な建物は品を感じるほどだった。
「全員で7名だが3部屋取れるか?」と聞くと
「問題ありません2万4千ナールになりますがそれでよろしいでしょうか?」
確かに高いな。だが今更高いから他を当たるとも言えないので
「ああお願いする」と答えるとちゃんと部屋まで案内してくれた。部屋には風呂もついていたので、やはりお金を出せば違うのだな。
エマが「でも水しか出ませんよ。我が家の様にお湯が出るわけではありません」
確かにすっかりと今の環境に慣れてきている自分に驚く
「城砦内を散策しましょう」とレティシアが提案してくる。
当然俺が行くと言うとみんなついてくることになる
島内はまるで迷路の様に道は狭く所狭しに店が並んでいる。
レティシアが「壁も建物もみんな白いんですね」
エマが「遮蔽セメントを使っているからだろ?」
「なんでこんなことするの?」
「ここの職人が勝手に出て行かない様に、または連れて行かれない様にしているからだな」
「じゃあ閉じ込められているの?」
「いや、一概そう言う訳でもない保護の意味合いもあるからなここの職人はこれで満足しているのだから我々が口出しすることはできない」とエマが話してくれた。
歩いていたら、ロクサーヌが一人の女性に呼び止められた
「あら、久しぶりね。琥珀を売りにきたの?」
「ご無沙汰しております。今日は琥珀を売りにきたのではありません」
「うん?鏡かしら?旦那呼ぶ?」彼女の胸元には琥珀の首飾りが付いていた。
「いえ、今日はお忍び旅行で」
とロクサーヌが言うと、俺に「ご主人様、こちらが以前鏡を売っていただいた職人の奥様です」とわざと聞こえる様に言う。
ああ、以前鏡のやり取りで来た鏡職人の店か。
「先日は良い取引をありがとうございます」と俺から挨拶すると
奥さんは「あっごめんなさい」と謝った。「こんな若くて素敵な人があなたのご主人様って、こちらこそ素敵な琥珀をありがとうございます」と丁寧に挨拶をしてくれた
それからお茶をするのにお店に入ると夕陽が綺麗だった、特に明日のことを何か話す訳でもなく、ただゆっくりと陽が沈むのを見ているだけだった。俺の隣にはロクサーヌが座り肩の上にロクサーヌの頭を乗せて肩ズンをしてくる。赤く光る太陽を見ながら
「綺麗ですね」とロクサーヌが言うと「そうだね」
……
「以前ここに来た時はまさかここでゆっくりするとは思っていませんでしたね」
「あの時はお金を工面するのに忙しかったからな」
「そうでしたね」
「まぁいつも大変だったな」
「ご主人様はゆっくりするとかないですからね。たまにはこうやってゆっくりするのもいいのではないですか?」
「そうだな」
レティシアが「あーご主人様申し訳ないですが、宿に私たちは食事の手配とかあるので先に帰ります」
「うんそうか。じゃあ帰ろうか?」
「いえ、せっかくですからもう少しゆっくりしていてください」
「わかったしばらくしたら帰るよ」
「はい。ごゆっくり」と言うと宿に戻るミリアは帰りたくないと言っていたが引きずられる様に帰ることになった。
ロクサーヌと二人きりになることはあまりない。ロクサーヌは俺の顔を見て夕陽で顔が赤いのかそれとも恥ずかしくて顔が赤いのかは分からないが恥ずかしそうにしている。
ロクサーヌにキスをするとロクサーヌは嬉しそうに頷く
頭を撫でてしばらく二人の時間を太陽が沈むまで堪能した。
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