「じゃあとりあえず、クーラタル60階に行って連携を確認しよう」と俺が言うと
セリーが「ご主人様はクーラタル60階の魔物をご存知なのですか?」
「ああ、うん?、20階位下なら大丈夫だろうと……」
「そうでしたか……なら問題ありません」
とセリーに意味深な言い方をされたが問題ないだろう。
俺はワープを使い一気にクーラタル60階層に移動した。
初めて通るワープにアデリナは驚いていたがロクサーヌがキチンと口止めしていた。
セリーは到着すると「クーラタル60階層の魔物はマザーリザードです、シザーリザード同様、土魔法が弱点で火魔法に耐性があります。マザーリザードの特徴は、なんといっても魔物を産み出すことです。魔法でもスキル攻撃でもないので詠唱中断では防げません。魔物が増えると形勢が一気に傾きかねないので注意が必要です。」
エマが手を叩いて「じゃあ、じゃんじゃんマザーリザードを呼ぼう!!」と嬉しそうに提案する。
「いやいやまだ連携を確かめるだけだから」
「いや、だからこそだよこんだけいたらチラチラと接敵してもみんなに獲物が回らない。戦いの中でこそ連携が生まれるのではないか?」
とエマが言うと珍しくロクサーヌがウンウンと頷いている。
セリーが「ほらこうなった……」と俺に小声で言う。
なるほどこれを察知して60階なのかを確認したわけか
「まぁやってみるか。シザーリザードは壁をつたい天井からも襲って来る。注意してかかれ」と俺が言うと早速ロクサーヌは魔物を口笛で呼び寄せる
俺たちはT字路で待ち構えた。三方向から次々にマザーリザードが現れるとシザーリザードを次から次へと呼び出す。
あっという間に三方向から囲まれる形になった。
ロクサーヌ、エマ、そしてジョゼとシャンタルがタッグ組み三方向に相対する
ミリアは天井に張り付き天井を伝ってくる敵に対して攻撃を行う。
中心には魔法士を中心とした陣形で真ん中にアデリナがいた。トトはここを守る様に言われて天井や壁を這って来るものに攻撃を仕掛ける。
一斉にシザーリザードは向かってきたが「一斉射撃!!」と言うとみんなで魔法、弓で次々にシザーリザードを撃破
こないだのルベリオの山を登った時もシザーリザードから襲撃を受けたがあの時はこちらが囲まれていたから大変だったけど一方にいる敵を一斉に攻撃するのなら次々にシザーリザードは沈黙してアイテムとなって消えていく。
どの方面もすごい勢いだが全て防ぎ切っている。漏れた魔物は弓と魔法で撃墜。そして何よりアデリナが高速詠唱で次々にバフをかけていく。
「……レッサーストレングス」(腕力を上げる魔法)
「……テンサーズ・トランスフォーメーション」(機動力や攻撃力を少しづつたくさん上げる魔法)
「……シールド」(魔物の攻撃を避ける魔法)
「……メイジアーマー」(防御力を上げる魔法)
「……アブソープエレメンツ」(ダメージを減少させる魔法)
今までこういったバフをかけて援護する術者がいなかったので、知らなかったが、300秒で無くなるバフを『切れたらかけなおす』なんて器用なことができるものがいなかった。
これはこれで慣れたら大変そうだが、アデリナのタイム管理能力はかなり高い。
みんなからも「これはすごい」と絶賛される。
そんな事が彼女の耳には入っていないのか続け様に呪文を適材適所に唱えていく。
俺からしたらそんな呪文あるんだ……と思えるほどだった。
俺は俺で試したい事が沢山あったので、まずは大賢者の上位互換アビスシーカーの並列思考を試したいと思ったのだが、今この時点で勝手に使っているのだろうか?
普通に戦闘をしながらしっかり考える事ができている。
戦闘している思考とは別に周りの状況が見えている。
そしてここから魔法も使えるのか?
デュランダルで切ってもう片手で脇腹にパンチを当てた瞬間に接触しないといけない6位魔法(ディスインテグレイト)初めて使う魔法だ。
どこか魔法は飛び道具的な気がしていたが接近戦での魔法で接触しないといけない魔法はあまり使ってこなかった
もちろん詠唱破棄されているので詠唱どころか呪文名も入っていないので、
シザーリザードが粉砕したのをみてロクサーヌがスキルを使って粉砕したのかと思ったみたいで「大丈夫ですか?」と聞いて来るほどだった。
シモンをMP全開放で倒したものと同じ事をしたと思われたのだろう。
「ああ大丈夫だ」
戦闘再開すると今度は接近戦でマジックミサイルを使ってみた
剣を使いながら魔法も扱えるのは大きい
見た目は剣を使いながらの魔法陣が浮かび上がり背後から撃ちまくっている感じになる。
なるほどこれは好きかも。
ロクサーヌも「オーバーホエルミング」と小声で言うと、俺について来る様に次々とシザーリザードを撃破一気にマザーリザードまで達する。
「グラウンドストーム」を連発してシザーリザードとマザーリザードを串刺しにする。
エマは「繚乱桜花!」と叫ぶとエマが分身したかの様に次々にシザーリザードを両断する。
それと同じ様にアナイシャもアラクネに変身するとその手の刃で縦横無尽にシザーリザードを粉砕する。
そしてエマが「紫電一閃!」と言いながら水平に藤乃を払うとマザーリザードまでそれが届き息の根を止める。
もう一方では
メーアが大剣を振るい一気に何匹ものシザーリザードを真っ二つにしていく「トリプルスラッシュ!!」「ドリルクラッシャー!」を連発しているので他のメンバーが攻撃できないと言うか攻撃しなくても次々に倒してしまうからだ。
メーアの圧倒的なパワーでまるでチリを払うかの様に次々とシザーリザードがはけていく。
コレットが「メーアさん連携ですよ連携」と言うと
「あっそうか」と言うと大剣にコレットがジャンプするとそのままコレットをパワーで弾き飛ばす。
コレットは回転しながら大型アックスを回転させ駒のようにシザーリザードをミンチにした。
コレットは血まみれで「あちゃー」コレットは弾き飛ばされたところでも大型アックスを軽々と振り回す。
シャンタル、ラウラ、ヴィクトリアが後に続く彼女たちも間を詰めてマザーリザードを駆逐した。
全ての戦闘が終わりミリアがアイテムのトカゲの皮を回収して
トカゲのカードも手に入れた。
圧倒的すぎると感じたものの、「あと2、3回はやってみないと」と言われ仕方なく同じ事を後2回行った。
やはり突出してしまいがちの者とそうで無い者に分かれてしまうがそれは勝負感というやつで中々それは変えられないらしいがアデリナのやはりバフがよかったらしく、いつもは深夜迷宮に行ってくれている人たちからしてみれば全く『違う』と言うのが判明した。
俺やロクサーヌ、ミリア、エマ、メーアなどは攻撃力が充分なので防御のバフだけだったらしい。
「アデリナそんなに魔法をバンバン使って大丈夫なのか?」
「私は魔力自動回復と言うのがあるらしいので大丈夫です」
と可愛くガッツポーズをする。
頼もしいな
「かなりアデリナのバフがみんなには効果が高いみたいだ。絶対やられない様に自分の防御力も上げておくんだぞ」
「はい。お気遣いありがとうございます」
午前中のうちに81階に少し行ってみる事となった。
81階に到着するとセリーが話を始める
「81階層はクィーンビーで先ほどのマザーリザード同様キラービーを呼び寄せます。毒攻撃があるので注意が必要です」
アデリナが『ブレス』『レジストポイズン』を担当してくれた。みんなの周りに光の点がくるくると周り始める。
ロクサーヌがフェンリルと先頭を歩き
ナビゲーションのスキルで道案内をする。
「クィーンビーがそこを曲がると5匹います。」
と小声で言う。
「クィーンが5匹いるって事?」
「はい」
クィーン同士で仲がいいんだな。
あっという間にキラービーが大量に集まって来る。俺たちの存在に気がついたらしい
集まってきたキラービーには魔法で対応する。俺とルティナ、ルシールで「ブレイズストーム」を一斉に射出
一気にキラービーは倒す事ができたが
クィーンビーは高速移動でそれで仕留める事ができなかったので、エマとミリアで縮地で接近して攻撃
ロクサーヌも「オーバーホエルミング」を使って高速で動くクィーンを次々に撃破。
マリーもヴィクトリアも「これはすごい」と感心するほどの動きであった。
何回か接敵したが全て同様の方法で攻撃して片付けた。
2時間ほど歩いて、ボス部屋の待機部屋まで到着した。
セリーが「このクーラタル三周目に入ってからの魔物強さが桁違いです。そして、残念ながらここのボスの情報もありませんでした。どんな魔物かわからないですが、この階の魔物は『蜂』なのでそういうものだと思います。情報少ないのですが十分注意しましょう」
大きな扉が開く
移動中もずっとアデリナは呪文を唱えて万全な用意をしている。
中にゾロゾロと21人入っていく。
エマに「安全地帯を作れ」と言われてルティナ、ルシールとアデリナの三人で鋼鉄の壁を作ったりして部屋の端っこに安全地帯を作った。
部屋の中央には煙がグルグルと巻かれていくと170センチ程の雌型の魔物が一人現れる。見た目は美しく黄色と黒の服を着てショートカットに瞳の色は黄色でぱっちりとしている。
セリーに「本来ならもっと現れるはずだろ?」
「はい本来なら6体出て来るはずです」
「気をつけろ1匹ということはこいつは大変危険なやつだ!!」とエマが言う。
鑑定!!
ヴェスパクィーン
Lv81 ♀
ヴェスパクィーンとの戦闘はすぐには始まらず音波みたいな音で何かを言っている。
俺には何を言っているのか魔法でわかる。
彼女は「ここは私の住んでいる所だ、さっさと立ち去れ。立ち去らなければ戦闘の対象になる」
「いや、ちょっとだけまってくれ。俺達は先の階に進みたいだけだ……」
「ここは私の住処早く出て行け」これしか言わない。だが話せる魔物は珍しい80階では普通に会話ができていたのだから、この先は話す事ができるのかもしれないが……
ヴェスパクィーンに
「住処って言うがここには何もないぞ?」
「…………」
「いつから住んでいたんだ?」
「…………わからない。いや記憶が無い……
わからない。わからない」
と頭を押さえ混乱している様だ。
ロクサーヌが
「ご主人様あの者の話す言葉が理解できるのですか?」
「ああ」
「ああ、うんうん」
とヴェスパクィーンは明後日の方向をみて何かを聞き入れている
「やはりお前達を殺処分する必要がある」
と言うと彼女はキーカが使っている様な刺突剣(レイピア)と取り出した。
「やはり話は通じないか……」
ヴェスパクィーンはレイピアを我々に向け
「あなた達には何の恨みもないがあなた達をここで全員倒すわ」
と言うと同時にバスケットボール程の蜂が次々に現れる
ロクサーヌは「戦闘用意!」
30匹ほど現れた見たことのない蜂が現れた
キラービーでもクィーンビーでもない知らない蜂だ
ここで初めて鑑定の上位互換解析を使った
解析
プラズマスティンガービー
Lv40
針の先端から高エネルギーのプラズマを発生させ攻撃する
アーマードハニカムビー
Lv40
体が非常に硬い装甲のように外骨格に覆われているそして手足についている蜜で物理攻撃を無効化する
クロノビー
Lv40
一瞬だけ時間の流れを変えて早くしたり遅くしたりする事ができる。
グラビティネクタービー
lv40
蜜を飛ばして来る。触れた対象者を空中に浮かせたり動けない様にする事ができる。
と一気に4種類の蜂が確認された。だが他にもいろんな蜂がいる様に見えるが、どれを見ても攻撃がやばい
「あの蜂の攻撃に当たるな!!かわせ!」
それしか言えなかった
するとプラズマスティンガービー3匹のお腹が光り始めるとエネルギーが集まっていく。
「避けろ!!雷撃が来るぞ」
全く魔法陣は無かったのでスキルと言うことになる。
プラズマスティンガービーがプラズマを発生させると
それはまさに雷?レーザーが飛んでくる。その音は凄まじい
バリバリバリバリと耳元で雷が発生している様だった
だが俺のパーティでそれに当たるものはいなかった
「針を向けた方に飛んでくるならわかりやすい」
と次の瞬間エマの脇腹にレイピアが突き刺さり
エマが負傷して横に転がるエマは脇腹から血を出していた
縮地?いや違うもっと何か違う方法で攻撃してきた。
「よく避けたな。胸を狙ったつもりだったが……」とヴェスパクィーンは言うと冷静にレイピアを振るって血を拭った
中距離の攻撃を得意とするラウラが槍で攻撃するも一瞬でその姿を消すと後ろにいたジョゼを攻撃して脚にレイピアを突き刺した
ジョゼもたまらず転倒するわずかに肌が出ている部分に正確に攻撃して来る。二人とも対毒耐性をつけているが間違いなくあの剣の先から毒が出ている。
「防御が追いつかないなんて」
だが、ヴェスパクィーンだけを見ていればいいだけでは無かった移動しながらプラズマスティンガービーは次のプラズマビームを発射する。
エマが「こいつ強いぞ」
ミリアがヴェスパクィーンに縮地で近づくと剣と刀で猛烈な撃ち合いになる。金属音だけが聞こえるがあのミリアと互角だ
一瞬背後をとってミリアがクリティカルヒットが入ったと思った瞬間
背中に張り付いていたアーマードハニカムビーが蜜でそれを防いだ。ミリアは誘われた形になった。
ミリアが「ぬぬぬっ」といっているあいだにミリアにも攻撃を入れるミリアは咄嗟に後ろに飛んだがお腹を攻撃され弾き飛ばされる。
そしてさらにヴェスパクィーンは召喚した
これはもう蜂じゃないだろ?と思ったが巨大なティラノサウルスで黄色と黒の縞々模様だが大きさは恐竜と変わらない
こんな蜂いるのか?
解析すると
ティラノサウルス(従属化)
Lv40
ティラノサウルスがヴェスパクィーンの毒で従属化されている
凶暴なバーサーク状態になっている
毒で従属化?これは色々やばい……
いつも読んでいただきありがとうございます。
遅くなり申し訳ありません。
次回は来週の金曜日を予定しております。なかなか時間が作れず先に進みませんがよろしくお願いします。
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