いよいよ90階にロクサーヌが転がりながら入って周りを確認するが周りは50階と同じ構造で
右に長い下りの坂があり眼下には森があり空洞の反対側には上りの坂道がある
中は明るく50階とは違う雰囲気だ。
次々と90階に俺のパーティが入っていく。
パーティみんながが到着すると坂の下に誰かが立っている。
ロクサーヌが遠目で見て「ハイコボルトです。どうしますか?」
「奴は武装しているか?」と聞き返すと
「抜剣はしておりませんが武装はしています……奴は両手をあげて登ってきています」
「両手をあげているということは何か言いたい事があるんだろ?」
「まぁそうですが……話を聞きますか?」
「話せる魔物はほとんど居ないからな」
「私が話す」とエマがそう言って飛び出した。
エマが坂道の中程で「そこで止まれ!!話ならそこからでも出来るだろ?」
彼女は素直に止まった。
「私はアザラス様の配下ラティカ……あなた達は冒険者であろう?申し訳ないが冒険はここまでで帰ってはもらえないだろうか?」
初めて交戦的ではない魔物に出会った。
彼女はハイコボルトいや、アアシマール人だろう。だがかなり人族に近い見た目だ身長は大きめの180以上はあるだろう四肢は長く背中に両手用の剣を装備している。
「なぜそんな事を言っているのかわからない。もう少し説明してくれ」とエマが答える。
「これ以上先の冒険は終了してくれないか?とお願いしにきている」
「そのアザラスに言われてここに来ているのか?」
「いや、私の独断だ」
いや、意味がわからない。戦いたくない……かのように聞こえる。
「素通りはできないのだろう?」
「それはできない。アザラスを倒さなければ先にはいけない」
「では断ったらどうなる?」
「その時は私と戦うことになり、ある人はここで死に、ある人はここで永遠に地獄を見る」と背中の両手剣を持ち構える
「それはわかりやすい」とエマも構える。
俺は見かねて「つまり警告に来たということか?」
「その通りだ」と返事をした。それだけでもかなり理性的に俺には映った
「500年前にもここを通った奴がいると思うのだがその時もお前が相手をしたのか?」
「私は生まれてまだ100年ほどなので知らない」
……つまり初代皇帝はこいつと戦っていないということか……
「俺には君はそのアザラスと言う者をあまり信用していないように見えるが?」
「信用はしていない。あいつはおかしい普通じゃない。いや、狂っている」
「それなら俺たちとアザラスを倒さないか?」と提案する
「それは無理だここは奴が作り出した所だ、奴が死ねば私も死ぬだろうし、死ななければ次の扉は開かない」
その話は否定する言葉が今のところ見つからないがもう少しアザラスが何者かを知りたい。
「アザラスはここで何をしている?」
「アザラスはより種族的に優秀な者になろうとしている。いろんなところから種族を攫い魔法を使って交配させて自らを高度なアアシマール人にしようとしている。わたしは奴の失敗作の子供だ。自分の子供でも容赦なく実験に使うが私は知能が高かったため生かされて奴の日常の世話をさせられている」
「日常の世話?」
「ああ。そうだ。もしあなた達が捕まればここで一生奴の実験材料として使われるだろう。ここまで言ったんだ理解しただろう?早く帰ってくれ」
ラティカはアザラスの下の世話までさせられているのだろう
「そりゃあますます帰れないな」
とエマが言う。
「くどいぞ」
「せっかく一人で来たんだ。私が相手になろう。私が負ければラティカの言う通り帰る事にしよう」
とエマが勝手に決めてしまう。絶対に負けない自信はいったいどこから出てくるのだろうか……
「面白い。私は決して弱くないぞ」
「そりゃあ私も同じ事」
改めて二人は構える
ロクサーヌはそれをみて俺に「大丈夫ですか?」
「もうこうなったら戦いを見るしかないだろう?」
二人は構えてもなかなか踏み出せない。
ラティカの両手剣は明らかにエマの太刀よりも長いし、奴の腕も長いリーチがある分踏み込まないと相手を攻撃できない。
だが、エマには……
「紫電一閃!!」
間合いに入らなくても攻撃ができる
ラティカは防御やかわす行動はせずに始めてみる技をその腕で受けた。腕にはガントレットが付いており、その両手剣を片手で下から振り抜いたこれは流石にエマも避けずにはいられなかった。
後ろにスウェーしたが少しダメージをもらった。そして遠距離攻撃もラティカには弱めに入った程度だった。
その行動には見ていたコレットも驚いた「エマの攻撃を臆さず前に出るとは……」
「何感心してるんだよ」と隣にいたヴィクトリアに小突かれた。
ラティカの連撃は止まらない。両手剣を刺突剣のように軽々と操り何度となく刺突してくる。
エマもその攻撃をアイススケートを滑っているように綺麗にかわす。
次々に攻撃をしてくるラティカに対して涼しげにそれをギリギリで避けている。
コレットが「明鏡止水だ」
と言うとそこからラティカの攻撃をギリギリでかわすとその勢いの力をうまく利用して
「水鏡円舞」と言うとカウンターを決めるそれはまるで相手の懐に吸い込まれるように入っていった。
ラティカは弾き返されたが何よりその攻撃に驚いた。
まさか自分がこの体格差で弾き飛ばされるとは思っていなかったようだ。
今の攻撃は初めて見た「アレは?」ロクサーヌに聞いてもロクサーヌも初めて見たそうだ。
ラティカの波状攻撃はエマは見事に防いでいる。
そしてラティカは攻撃しているのにだんだんと追い詰められている。
圧倒的な差がある。
「くっ」ラティカはエマがここまで強いとは思っていなかった。
ラティカは手を止めて話し始めた。
「本当にアザラスを倒せるのか?」
「どんなやつかは知らないがもちろんそのつもりだ」
「奴はまだコボルトだがコボルトはどの種族にも子供を成せるそれを魔法でいじってより高度な生命体を作り、その生命体の魂交換をして永遠の命を手に入れると言っていた。だが奴はまだ『オス』個体を作る事が出来ていない。
倒すなら今のうちだが奴には処刑人と言うアイアンゴーレムを作り出している。私のようなコマ遣いではなく戦闘用だ。そんな奴と戦えるか?奴は無慈悲なサイコ野郎だ。毎日私を嬲って痛めつけて快楽を得ているが私は呪いで奴を攻撃できない。一方的にやられるだけだ。そしていくらでも痛めつけられるように丈夫にできている……痛みだけが……永遠に続く」
「どうやってそんな事ができるんだ?」
セリーが「ステーラでも似たように培養液で竜人族を作っていましたからできないことはないのでしょう。ブルックもまたクローン技術を使って蘇っています。考えられないことはないです」
確かに。
「そして研究にはこの場所は最高だと言っていた。倒されても1日で復活できるし、自分が寿命で死ぬことはない。アアシマールになったらここを出て地上の王になると言っていた。だから奴は元から殺さないといくらでも復活する。そしてまた、新たな悲劇が繰り返されるだけだ。私は死ぬ用意があるが、繰り返されるのはゴメンだ」
セリーが言い返す「話を聞いていて思った事があるのですが良いでしょうか?
ここで魔物登録は多分そのアザラスだけです。死んで復活するのもアザラスだけです。つまり何が言いたいかと言うと魔法で作られたゴーレムはわかりませんが少なくても全く別個体の貴方はアザラスが死んでも死なないのではないでしょうか?貴方は復活しないと聞いているんですよね」
「ええ……」
「つまりそう思わされているだけかも知れません。それと元を立つと言うのはどう言う意味でしょうか?」
「もう復活しないようにして欲しいということです」
「私達にはまだその方法はわかりません。ですがこの迷宮の最後を見る事が出来ればそれも叶うかも知れません。それは……」とセリーは俺の顔を見る
「ああ、俺が約束しよう。この迷宮の秘密を解きアザラス復活を阻止する」
と、とりあえず戦闘を回避できる方法があるのかも知れないし、いずれにしてもこの迷宮の最後がどんなものなのかを知りたい。
「わかった。なら協力しよう」
セリーはそこからさらに話を続ける
「私たちはここまでくるのに多くの敵に遭遇してきました。この迷宮で出会った人を残念ですがあまり信用できません。一緒について来て、そのアザラスに操られて最終的に戦って倒す羽目にもなるかも知れません。そこで、今から仮死の魔法をかけて戦闘が終わるまで死んでいてください。いづれにしても死の覚悟が有るのでしたら、そうしてくれると助かります。戦いの後我々が負ければ貴方はそのまま死んで私たちがその汚辱にたえる
勝てば貴方を連れてこの迷宮から救い出します。どうですか?」
ラティカには選択肢は無かった。先ほど自分は死んでも構わないと言ったのだし、このままエマと戦闘しても勝ち目はない事を知った。アザラスの最後を見届けたいと思っても彼女の言うようにアザラスに操られる事も考えられる。
計算された合理的な考えだ。
「わかった……その申し出を受けよう。一つ約束してくれ。あの屋敷を完全に燃やしてすべてを灰にしてから次の階に行ってくれ」
「わ、わかった」と俺は返事をした
彼女を横に寝かせると
ルティナを呼んで仮死の魔法を唱える
「……テンポラルステーシス」とルティナが唱えると彼女は眠るように死んでしまった。
セリーに聞く「これ仮死だよな」
「はい。バリルにかけた魔法と同じでルティナの解除で蘇りますが、それまでは死んでいるのと変わりません。3日も置いておくと不味いですがそれぐらい迄なら問題なく甦らせる事が出来ます」
「セリーはずっと先のことまで読んでいるんだな」と感心すると
「実はもう一つの懸念点があったからです。先ほどは言いませんでしたが、
80階であったように、実はこのラティカがこの階の守護者なのかも知れないと思ったからです。アザラスはフェイクで本命はこっちと言うことも考えられます。ハイコボルトですからその可能性も捨てきれません。この魔法をかけて次の扉が開けばこれで終了というわけだったのですがロクサーヌさんどうですか?反対側の扉は開きましたか?」
ロクサーヌが反対側の崖を見るが
「いや、そんな風には見えないな」
「はぁそうでしたか……やはりアザラスを倒すのが本命ですね。いや、でもわかりません2体倒すのが条件かも知れません。片隅に覚えておいてください。いづれにしても彼女はこの階から脱出するまで信用できません。」とセリーが忠告してくれた。
「じゃあとっととアザラスを倒すか」
坂を降りて奴の家を探すのはとても簡単だった真ん中に家を建てているからだった。
「無防備ですね」とセリーが言う
レベッカは周りを偵察する。
やはりこの家で間違いないようだ、フードを被り鉄の鎧を着たゴーレムが5体家の周りに立っている。中に何かがいるのも確認できた。
なかから「ラティカ!!どこに行った!!ラティカ!!」とすごい剣幕で大声で呼んでいる。
俺たちは魔法で姿を消したまま、家を魔法で一斉攻撃を始めた
「ブレイズストーム!」
をかけたが家に到達する前に魔法は霧散した
アザラスは外に出ると「ネズミが入ったか?」と嬉しそうに言うと空を飛んで真っ暗な馬に上に上質な椅子組んであり、そこに座る。その馬はこの世のものではなく、目と口が光っている
そして体にはいろんな文様が浮かび上がるルティナが「あれ、ルーン文字?!」
と声を出してしまうとアザラスは魔法を唱え「ブレイズボール」
ルティナは咄嗟にシールドを張ってそれを食い止めた。
「メスのネズミか今晩は楽しめそうだな」と言うと馬は走り始めてこちらに不用意に近づいて来る。そして5体の処刑人と呼ばれる鉄のゴーレムも動き出す。
奴を近くで見ると醜悪な顔で腰の曲がった爺さんにも見える
ロクサーヌが横から攻撃する。
「ビーストストレングス、ビーストアタック!」
奴にはバリアのようなものがあったがそれを突き破ると馬を引っ掻いたようになった
アザラスは「元気な犬もいるのか?」とかなり余裕の様子だ。
「11号!この犬の相手をしろ!」と言うと地中からも処刑人が現れロクサーヌの足を掴んで地面にロクサーヌを叩きつける。
「大事な実験体だから殺すなよ」と言うと
俺はあっという間にブチギレてしまった
デュランダルを出すと処刑人に飛び出してしまう
「なんとオスネズミもいるじゃないか!?」と喜んでいる
力任せに剣を奴に振るって処刑人の腕を切り落とした。
隣にいた黒馬は前足を高く上げるとそのまま俺に攻撃するモーションになった。
すかさずそこにベスタがシールドで守って前足攻撃を防いでくれた。ベスタはそのままシールドバッシュをかけると巨体な馬が後ろに弾かれた。
「おおっなんて事だ。我が馬が弾かれるとは」
トトが霧状になってロクサーヌを救助した。
「巨人族もいるのか!!なるほど、ラティカは貴殿達にやられたか……グレイモアはどうした?」
と聞かれて「もちろん倒して来た」と答えると、
「ワシの最高傑作だったのだがな。強かっただろ?貴殿らが倒したのか。これは久しぶりに沸るな。今回はちゃんと用意しておいたから負けないぞ」
と嬉しそうに言う。
「ふざけるな」
ミリアが背後から攻撃するもやはりバリアに弾かれてしまう。
処刑人が次から次へとこちらに向かって来た。
シャンタルが「私がなんとかあのバリアを破壊する」と言って来た。
「えっ?」
セリーも出て来て「ご主人様、もっと冷静に……ロクサーヌさんは無事です。」と俺に言って来た
その言葉を聞いて俺も冷静になった
いやーやっとここまで来たと言う感じです。
丁寧に1階づつ描いていたのでそれを無視するわけにもいきませんでしたからここまで来るのに読むのをやめてしまった方も多いのではないでしょうか?なぜ初代皇帝は迷宮攻略をやめてしまったのかを含めたこのお話始め
最初から描きたかった部分の一つでもあります。
この階まで頑張って読んでくれてありがとう。
この後に起こる大事件が色んなこととリンクしていきます。
いつも読んでいただきありがとうございます
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「X」にて、こんな人をモデルとしていますと言うのと、相関図を出しています。カギがついているので、捨てメールなどでアドレスを作ってアカウント作ってもらい申請してください。
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