※この作品はR-18です。

異世界迷宮でハーレムを(仮    作:九白

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ミリアのお母さん

 

どうやらみんなは「ジョ・オウ」と呼んでいるらしい。

「ジョ」が偉い敬称だと思っている様だった。

後々ロクサーヌが言っていた言葉は『王妃』だと言う事を思い出したが今更だった。

まぁ自分がガリアとミーリアの子供ということがバレなきゃ問題ないだろうと簡単に考えていた。

 

ネルがこの地に来てから数ヶ月後にはあちこちで子供を作っていたが特にそれについてミリアは違和感はなかった。

ミリアの特殊な生い立ちからオスは番になってもよそで子供を作る行為はミチオも同様だったからで

しかしながらミーレアはそんな事しなかったし、ミーレアはよそで子供を作るなんてと言っていたがミリアにはその意図がわからなかった……

単純に好みではないのだろうぐらいにしか思っていなかった。

 

 

何ヶ月後には森からの突然の来訪者、冒険者のジャガー種のネルソンがこの村にやって来た。

「……ここは村なのか?」

と訪れたが道なき道の先に村があるとは思わなかったらしい。

 

ネルがネルソンに対応した。

「ここには何用だ?」と腕を組んで話しかけてきた。

 

「急にすまない。まさかこんなところに村があるとは思わず……食料の補充と何日か泊まりたいのだが……」

彼はちゃんと礼節をわきまえ懇願した。

「それは我が主人女王に聞いてみる必要があるな」とネルが言うと

 

(女王?!……このプライドの高いホワイトタイガー種の男を使う女王とは……)

 

だが目の前に現れたのは同族の少女だった。マスクをしていても少女だと言うのは当然わかる。なぜこの少女がなぜ慕われているのかはわからなかったし、村ではなく一人森に住んでいた。

 

ネルソンはわざとブラヒム語で「女王様、村での補給と宿泊をお願いできないでしょうか?」と丁寧に聞いた

「うん?ここは宿屋も無いし……食料も必要な分しかみんな持ってないから買えないんじゃ無いかな、あっブラヒム語ではなく村ではバーナ語でないとみんなと話せないよ」

と答えるとブラヒム語ができる人だと言う事を知りバーナ語で

「ですがみんな痩せ細ってはいないし、健康そうに見えました。特にネルという男は立派な体格に見えましたが……」

「ああ、彼はここに住み着いた一人だよ。

うーん……お願いがあるのだが……村には1ヶ月に一度行商の人が来て商品を買っているが、どうも奴は怪しい。冒険者のあなたならこの村に行商を頼める人は知らないか?もしそれが可能なら、いつまでもここにいていいし、食料も私が分けてあげるがどうだろう?」

 

女王の話し方には明らかにブラヒム語とバーナ語では喋っている感じに差がある。

ブラヒム語は声が高くなり可愛い印象、それに対してバーナ語は声が低くなり大人っぽい喋り方になる。これはミリアが意識してそうしているわけではなく、バーナ語は低い発音の方が聞き取りやすいのと早く話せるというメリットがある様だった

 

そしてブラヒム語を教えてくれたロクサーヌや少年テオの声が高かったのも原因かもしれない。高い音程がブラヒム語のそういう発音なんだとミリアはそう理解していただけかもしれない。

 

 

「わ、わかった。街に戻った際には心当たりのある商人に話をしてみよう」

「助かる」

「そうしたらここに私が来ても問題ないんだな」

「??うん??ああ構わないよ」

「ここから数キロ行ったところに迷宮があるんだ。ここから通わせてもらえればしばらくはここを起点に冒険者をしたいのだが問題ないか?」

 

「ああ構わないが、この近くに迷宮が?もしよかったらここに滞在が多いならこの村の者に冒険者として戦い方を教えてははもらえないか?」

「戦い方を?」

「ここには大人の男性が居ない。海賊にみんな殺され子供と女しか居ないだからこの村を守れる男を子供のうちから作りたい。そして生きる方法を身につけてほしいから」

「ああ、わかった」彼はあっさり受け入れてくれたことに驚いた。

 

 

 

それから数日滞在すると村から出て行きたいと以前から言っていたものを街に連れて行ってくれたり、行商人を一緒に連れてきてくれたりした。

村から出て行ったものには奴隷落ちしなくていい様にいくらからのお金をあげた。男手がある方がいいと出て行ったが数ヶ月でこのネルソンを頼って帰ってくることもあった。外での生活はここよりも大変と感じる様だった。

 

そんな者にもネルソンは優しく連れ添ってくれた。

 

その後ネルソンはミリアに求婚するも、「私はムリ」と言う一言で片付けてられたがいつのまにかこの村に住み着いた。約束通り男の子に武器の使い方や獲物の狩り方など生きていくうえで大事な事を多く教えてくれた。

ネルソンもいつの間にかあちこちで子供を作っていた。

 

不誠実に感じるものもいたが、冒険者とはこんな人たちなんだろう。特に結婚をするわけでもなく番になるわけでもなく子供を作っていた。生きて行くための生存本能かもしれない。

 

この村では「皆兄妹」と言う事でお父さんがいてもいなくても年齢順でお兄ちゃんお姉ちゃん、弟、妹だった。

私が兄妹だと思っていたのもそのせいだったのだろう。どうやらミーレアはその後番になることはなかったので実は一人っ子だと言う事をずいぶん後で知った。

 

 

その後もピューマ種のファランやライオン種のバルガもこの村の住人となった

ファランはネルソンが連れてきたやはりソロで活動している冒険者だった。

ネルソンはいつもいるわけではないから、自分がいない時は彼を頼ってくれと連れてきた。彼もネルソン同様剣と学問を教えたがどちらかと言うと勉強や農作物を育てる方が得意だった。簡単なブラヒム語と計算などを子供達に教えた。

 

バルガはちょっと特殊で他の町で漁師をしていたが難破してこの村の海岸で見つけた。村にある船はネルが乗ってきた船しかないのでそれをあげるわけにもいかなかった。

徒歩でネルソンが元の村に連れて行くと言っていたが、前の漁港で一人暮らしで特に身寄りもないからここで漁師として住みたいと言ってきたので小型ボートを作るとそれで海に漁に出て村の女の子や未亡人にも漁の仕方を教えた。

 

気がついたからみんな番を持ちそれぞれに子供を作っていた。

 

猫人族はあまり執着がないのか、結婚もせずに子供を作っていた。

ミリアも子供は好きなのでその事に特に疑問も持たずいたがミリアにはテオのことがあり、ミチオ以外と夜を共にすることは到底ムリだった。

 

1年もするとまた海賊がやってきた

前回の事を反省して簡単な物見櫓と壁と門を作ってあった。

海まで見渡せる物見櫓は海賊船が来たらドラを鳴らす様に訓練して事前に村人を海から引き上げさせ、ミリアにもその音は聞こえる様にしてあった。

 

ネルとファランが陣頭の指揮を取る。

ネルは壁から石を投げて奴らを足止めする

「女王はまだか?」とネルが村民に聞くも答えれるものはいなかった。

「全く……よし、みんなは壁から降りてファランの指揮に入ってくれ、俺は剣士として奴らと戦う!」

 

海賊のリーダーは下船はせずに海上でお茶を飲んでいる。

「親方一緒に降りなくていいですか?」

「ああ、いいだろう。こんな小さい村私が出るほどでもない……みんなの手柄にしてやらねば」

とお茶を飲む。

崖からミリアが弓を引くとかなり離れたところから狙い澄ました様にリーダーの頭を撃ち抜いた。頭が吹っ飛ぶと体からトマトのピューレが吹き出したかの様に血まみれになった。

 

目の前にいた部下も椅子から転げ落ちた

「襲撃だ!!」と海賊達が言うとみんな物陰に隠れた

 

ミリアは「縮地」を連続で使い空中で狙いをつけて弓を連続して少しづつ近づいて崖から巡回移動しながら移動してきた。

「お前は?」

「私はこの村のオウカだ」と答えると

「お前が王?小娘が笑わせる」

と言った瞬間首が落ちる

「はぁ〜だからオウカって言ってるのに……」

 

「式蜘蛛」と言うと札を出して巨大な蜘蛛が2匹現れ海賊たちを捕縛、麻痺させる

甲板の上はパニックになる

みんな剣を構えるもミリアの圧倒的な強さに仲間を盾にするもの自分だけは逃げ切ろうとするものみんな等しく首を切った

せめて死の苦しみが少ない様に首を切り一瞬であの世に行ける様ミリアなりの配慮だった。

 

ミリアはそのまま海に飛び降りるも水上歩行ができるため海の上を歩いて村に戻る

城壁の前ではネルとファランそして少年達が海賊と戦っている。

「女王はまだか?」とファランを問い詰めるが

少年達も「こっちに向かっているはずだ」と答えるだけだった。

 

 

海の上を歩いている姿を見たネルは

「女王か?」

それは奇跡を見ているかの様だった。

オウカは波の上を歩いてこっちに向かってくる。

オウカが城壁の前まで来ると海賊一網打尽でやられた。

ネルが「遅かったな」と言うと

「バルガが漁の船欲しいと言っていたから海賊船を手に入れてきた」

 

「えっ?それでもう海賊船を叩いてきたの?」

「ああ、そうだよ」

 

 

戦闘が終わり海賊達の死体を集めて焼き埋めた

海賊船は血の海だった……

 

「まぁこの血は洗えば問題ないから」とバルガも困惑気味

バルガも流石にこんな大きい船があっても一人で操舵できない。せっかくだけど小さい小舟をもらった。

海賊達は金品やお宝なども大量に持っていた。

その中には自爆玉。そう魔鉱石も含まれていた。ミチオに聞いた通りに

生まれたての赤ちゃんにそれを使うと……何も起こらなかった。ただ魔鉱石が無くなっただけだった。

確かに赤ちゃんの時にいきなり攻撃魔法ができる様にはならない。

見た目は何も変わらないが多分この子は魔法使いになったと言う事を信じるしかなかった。

 

お宝の中には防具や武器もたくさん持っていたのでそれらも全部回収した。売れそうなものは商人に売って現金にした。

 

毎年のように海賊が現れ村を襲った。だがほとんどの戦いでミリアは海賊をその都度皆殺しにして、この辺りをいつしか海賊の墓場と名付けられる様になった。

 

だが海賊達以外にもあるものを奴らは運んできていた。

それは病気だ

当然ミリアがそんな事に気がつくわけもない……

 

奴らの運んできた病気で村民襲うとは思ってもいなかった

もっとも血飛沫を受けているミリアは病気の耐性があった為全く病気になることはなかったが不衛生な海賊の船を清掃したりしたものからうつっていった。

その中にミーレアもいた

赤ん坊のミリアが4歳になる頃だった。

 

ミーレアは床に伏せりオウカが赤子の自分の世話をしていた

「オウカちゃんごめんねぇコホッコホッ」と咳混じりで答える

「私は大丈夫今は自分が良くなる事を考えて」

昼夜を問わずミーレアの家にいて二人の看病をしたが一向にミーレアはよくならなかった。

 

5日が経った

その間にもミリアは、この村を離れるのは後ろ髪を引かれる思いだったがネルに町の場所を聞いて薬を買いに行ったが通行証などは持っていなかったので夜に忍び込み次の日薬屋に買いに行った。

ミリアにはどんな薬を買っていいのか分からなかった。まさかそんなにいろんな種類があるとは思っていなかったからだ。

 

どんな症状かを聞かれ細かく話したがどれを買えばよかったのか全くわからなかったので、亭主の勧めでコレというものを買った。

 

優しい亭主はいろんなものを付けて渡してくれた

「ありがとう」

 

「ところでこの町は何ていう名前?」とブラヒム語で話した

優しい亭主は「ここはカシオンという場所だよ」

もちろんミリアは聞いたことがなかったのでここがマロルとはすごく離れているのがわかった。思い切って「マロルという場所は知ってる?」と聞いたが

 

「ごめんねお嬢ちゃんマロルという場所はわからないなぁ」

と答えるとミリアは残念そうに店を出る。

帰り道自分でも薄々感じていた。

 

私の記憶には母はいない……ジョオウだけだった。だとするとこの病気でミーレアは死んでしまうかもしれない…でも私ができることはやらないと……もしかしたら……助かって赤ん坊のミリアは母との記憶を作れるかもしれない……だとしたらだとしたら……

自分は村から出ただろうか?

 

でなければミチオ様に仕えることはできなかっただろうし、その後私がここに来るわけもない。

前回の海賊達に母ともども売られてしまうのだろうか?

そんな事を考えながら自分のやっていることに自問自答していた。

 

家に着いてミーレアに薬を飲ませた。少しは効いたのだろうか彼女は次の日には家事をしていた。

「まだ休んでいた方がいいんじゃない?」と聞いても

「買ってきてくれた薬が効いたのかな。元気になったよ」

と言ってミリアに礼を言う。

この日は台風が近づいてきていた。風はだんだんと強くなっていた。

 

夜になるとミーレアはまた高熱が出てきていた。

「ごめんなさいね。オウカちゃんが町まで行って薬買ってきてくれたのに……」

「無理するからだよ。薬を飲んでゆっくり休みな」と言って頭の手拭いを交換する。

 

「お願いがあるんだけど……」とミーレアはオウカに言う

「何?鳥粥でも作る?」

「ううん、違うの、私が死んじゃったらオウカちゃんミリアのお母さんになってくれないかな?」

「やだ、無理だよ」

「頼れる人がオウカちゃんしかいないの」

「私はとにかく無理だから。ミーレアは頑張って病気を治してミリアの面倒を見るんだよ」

「私もそうしたいけど……」

 

夜更けになると風がますます強くなってきた。

ネルが私の所に来て

「みんなで洞窟に避難した方が良くないか?」とオウカに聞きに来た

「そうした方がいいか?」とネルに聞き返す。

「ああ、ここの家ではもしかしたら吹き飛ばされるかもしれないから今晩は避難した方がいいと思う」

「わかった。じゃあネルが先導して避難してくれ私も後から行く」

「わかった」

ネルとネルソン、ファラン、バルガ達はみんなを連れて洞窟に向かった。

 

私は前に上着を着せて子供のミリアを紐で結びつけ、後ろにミーレアのおんぶして連れて行く。

ミリアは嬉しそうに私に抱っこされた。

「ちょっとの間我慢してくれ」とミーレアにいうと「うん。ごめんね」と謝る

上から外套をかけて洞窟に向かった。

 

洞窟はもうすでに一杯だった。もちろん入るだけなら入れたが、ミーレアが病気なのはみんな知っていた。そしてその病気がうつるのも知っていた。

みんながここに入ってくるのは困る……と言う顔しているのはミリアでもわかった。

ここにミーレアは置いて置けないと感じた私は子供のミリアをネルに託して

「子供だけでもここに居させてやってくれ」

とお願いすると「それは構わないが……いや、待ってくれ、女王こんな雨の中無理だろう」と留めるが私は今いた家に戻った……

私はずぶ濡れだったが雨に濡れることはどうってことない。

ただ顔から雨が滴っているのはわかる。ミーレアだって限界だろう。

 

だが家に着いてみるとすでに屋根は暴風で吹き飛ばされていた。

「まずいな」とボソリと言う

 

「仕方がない」と言って村の人達には見せたくなかったが

影収納にミーレアを入れて森の自分の家に連れて行くことにした

大雨の中自分の家に到着する。

木の上に作ったツリーハウスだが大木の一部に空間を作って人一人寝れるだけのスペースがある。

そこにミーレアを影収納から引っ張り上げるとそこに寝させた。

そのベッドには自分以外寝たこともないし、村民をここに連れてきたこともない。

ミーレアが気がつくと

「ここは?」

「私の家」

「オウカちゃんには私の病気はうつらないの?」

「うん。そうだね私は病気にならないからね」

「ミリアは?」

「洞窟にいたネルに預けてきたから大丈夫」

 

「さっきの話お願い」

「また?」

「もう私長くないみたい。さっきから全然体があったかくならないの」

「そんな事ないよ。すぐ良くなる」

「何でそんなに拒むの?今ならガリアが言っていたのがわかるわオウカちゃんしかいないからっていった意味が」

と言うと私は濡れた自分の服を脱いで新しい服を着る。

 

「じゃあ本当のこと言うね。信じてもらえないかもしれないけど」

「うん」

「私の本当の名前はオウカではなくて、ミリアなんだ」

「そうなの?同じ名前なの?」

「うん。そしてあなたの子供でもある」

「私のミリアは小さいわ」

「うん。私は多分未来から来たミリア。だから無理。いつ迎えがくるかわからない。意味わからないでしょ?」

「ううん。今まで思っていた事が全部理解できた。ガリアとも言っていたの。オウカちゃんはミリアみたいだって。他人とは思えないって。その迎えが来るまででもいいわ。ミリアが大人になる前でもいいから。ミリアの事頼めない?ねぇお願いミリア」

「わかったよ。しつこいな。今は自分の体を良くする事を考えて。早く眠りなさい。明日のことはまた明日考えましょう」

「うん。わかったミリアの言う通りにする」と言って笑顔で寝付く。

 

 

次の朝、ミリアが目を醒めると、ミーレアは笑顔のまま亡くなっていた。

「ほら起きて。あなたにはミリアという子供がいるでしょ?早く起きて」

と体を揺らすが反応はなかった……

 

ミリアからは大粒の涙が出てきて

「う、う、う……お母さん」

と言ってベッドにミリアは項垂れた……

 

 

 

 

 

 




いつも読んでいただきありがとうございます
先週はごめんなさい。
全然間に合わなかったです。でも、お話はこのまま続けて行くつもりです。
ご迷惑をおかけしておりますが何卒よろしくお願いします。

ミリアの一人称がコロコロ変わります。
「私」「ミリア」「オウカ」
今の所子供のミリアは自我がないので一人称ありません。
次回以降に出てくると思います。

毎週土曜日の22時頃に更新してます。
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