「クーラタル94階です。ゴールドサイクロプスがこの階の魔物になります。サイクロプス系は魔法抵抗力が強いので魔法攻撃よりも物理攻撃が有効だと思われます。ボスもわかっていません」
みんなは94階についてすぐの大きな長い階段に座ってセリーの話を聞いていた。
ロクサーヌからも「ここはいろんな鉱物の匂いであまり鼻が効かないので前後左右、天井が高いので上からの不意打ちに気をつけるように」
と言われた。この階はとても暗く迷宮のように薄ぼんやりと壁が光っているわけでもない。
ルティナが聞いてくる
「明るくライトの魔法をかけた方がいいかみんなにダークビジョンの魔法を使って目の感度を上げるべきか」を聞いて来た。
迷宮探索なら後者だろう。みんなにダークビジョンをかけて進む事にした。魔法をみんなにかけている途中セリーの実家の坑道を思い出す。
魔法をかけて辺りを見渡すと人工的な柱の様なものも見える。何かを祀ってあったのかそもそも人間用ではなくサイクロプスの身長に合わせて作られている様に見えた。
かなり風化が進んだ神殿の柱を感じ受ける。
いつもならロクサーヌを先頭に歩くところだが今日はレベッカが先頭で索敵しながらの行軍になる。
「ガイドポストスペル」で道順を示すと行軍が始まるセリーは辺りを見て
「大きい坑道にも見えますね。一度ミンミンと一緒にこの坑道の鉱物の有無を見に来ますか?」と俺に聞いてくる。
確かにロクサーヌの鼻が効かなくなるほどだ通常の鉱物だけでなく他の珍しい鉱物も取れるかもしれない。
「それはできるならお願いしたいが、迷宮探索はどうする?」
「問題ないです。何人か護衛をつけて入りますし、掘ったりすることはないので大きな音も出ないですから。それにこの入り口の部分だけだったら問題ないと思います」
「そうか。ならお願いしよう」
「はい。高価な鉱物が発見されるといいですね」
とニコニコ笑いながら進んでいるが、ダークビジョンを使っているから普通に話せるが使っていなければ真っ暗だ
レベッカが先行していたが戻ってきた。
どうやらゴールドサイクロプスが4匹いる様だが、少し事情が違う様だ。
エマに話している。
その言葉を俺にも伝えてくれた。
「ゴールドサイクロプスを4体発見したがそれ以外にもコボルトも大量にいるらしい……中にはイェーガーやゲネラールもいるようだコボルトの数は100近いどうする?」と俺に聞いて来た
「コボルトたちに後ろに回られたりしたら厄介だ。叩いておこう」
「わかった」
俺たちは近くまでよると奴らはネズミやら虫を捕まえて食べている様だった。やはりここで自生した魔物ということか……
計画通りにルティナ達はインヴィジリティを使ってゆっくりと広場の側面まで回る。真っ暗の中、透明化の魔法を使って一歩づつ気が付かれないように移動する。
「カタッ」石を蹴飛ばしてしまうがコボルト達は気が付かなかった……
側面まできたらルティナは
「サンダージャッジメント!!」と唱えると
轟音と共に魔物たちの阿鼻叫喚の声が聞こえる。真っ暗闇の中で稲光だけが一瞬の光を生み出してゴールドサイクロプスを照らす。ゴールドサイクロプスは焦る感じもなくダメージもほとんど受けていない様だった
だがほとんどのコボルトは倒す事が一撃でできた。コボルト達が暴れた為土埃も多く舞う。ゴールドサイクロプスはその魔法を唱えた方向に指をやるとコボルト達はみんなそちらに向かっていく。
俺達はその側面からゴールドサイクロプスに進んでいく
エマとミリアが縮地で一瞬でゴールドサイクロプスの目の前まで行くと両足を切断する。巨体が倒れると一瞬コボルト達も振り返りゴールドサイクロプスの一体に目がいく
すかさずルティナとルシールは攻撃魔法を唱える。
「「ブレイズストーム」」バフをかけた炎の嵐はコボルト達を飲み込むと
火ダルマとなって絶叫する。炎の灯りが辺りを照らすとその不気味さが一層増した。
それでもルティナとルシールの前に出て来たコボルトはジョゼとラティカが立ちはだかる。
他のゴールドサイクロプスもメーアとロクサーヌ
ベスタとシャンタル、アナイシャとリナの2人一組で当たる
キーカと俺はバフでみんなのフォローを担当した
戦闘はあっという間に終わった。
コボルトの方も決着がついた様だった。
最後は敗走するコボルトもいたが魔法で1匹残らず退治した。
ゴールドサイクロプスからは4〜50枚の金貨を手に入れたが
以前の俺ならこの程度の戦いで1000万円程度のお金を手に入れたら喜んでいたかもしれないが、『その程度ぐらいの』金額ならなるべく戦わずに先に進みたいミリアが「こんなのもあったよ」と持って来たのは金の塊だった
「これは?」
「金塊レアドロップですね」と言ってその金を持つと「5キロぐらいでしょうか?」
「これで金貨はどれくらいできるんだ?」
「おおよそですけど……160枚というところでしょうか?」
「つまり、この戦いで金貨200枚くらい手に入れる事ができたということか?」
「そういう事になりますね」
これはでかい気がする……急に意見が変わってしまう俺も俺だが金貨50枚と200枚ではかなり違う。旨味も違う
我が家の4ヶ月の食費だ。
育ち盛りというか食べても太らない大食いが多いからな
と俺が思っていた所セリーが横で
「でもコボルトはなんの旨みもないですね」と軽くいなす。
確かに……コボルトが落とすのはコボルトフラワーぐらいだが自生しているコボルトはそれすら落とさない……ただの臭い死骸だけが残る。
これは一体どうなってしまうのかは気になるがやはり迷宮に吸収されてしまうのだろうか?
「コボルトが厄介だなあれだかいると……」と俺が漏らすと
セリーは「なるべくコボルトのいない敵に当たると良いですね」
と言っていたがまさにそれはフラグ
この後4回ほど戦ったがそのほとんどにコボルトが百匹以上いて
まぁ面倒という感じだった。
自生したコボルトのレベルはまちまちでいずれも5レベルから20レベルくらいのまぁ雑魚敵と言わざる得ないほどの敵だ
ゴールドサイクロプスはこのコボルトを餌として食べているらしい。
そして戦闘になると味方ごと攻撃してくるので単純にゴールドサイクロプスの周りにただ徘徊している虫のような存在なのかもしれない。
途中ゴールドサイクロプスに魔法を使ってみたがやはり魔法の抵抗は強くほとんどダメージは食らっている様子はなかった。
4時間かけてやっとボス部屋の前まで来た。
上りの階段が多かった様に感じたがよっぽど地下だったのだろうか?
石板に手を当てると巨大な扉が開く
その先にはまた巨大な部屋というか洞窟の広場という感じだ
遠くだが中央で煙が集まっていくのが見える
みんながその煙を注目する。
そこには3つの白い生き物と6体のゴールドサイクロプスが発生した。
遠くからでも確認できる。
エマは「単体ではない様だ」と言うと少し安心した様にも見えた。
単体で現れるボスは大抵とんでもなく強いのだが、今回は複数の敵と言うことはあの白いのがボスという事になる
「鑑定」
プラチナサイクロプス
Lv94 ♂
プラチナサイクロプスはゴールドサイクロプスよりも小さく3メートルくらいだろうかプラチナというよりも白い体で手が6本ついておりその手には全て剣を握っている。
「武器持ちか……」
「まず数を減らそう」俺がそのように言うと「確かに」とジョゼも答える
「分断する必要があるな」とエマが言うと
あいつらの群れはあまりそばから離れなかった。
ゴールドサイクロプスは棍棒のようなものを持っているが力任せの攻撃は一撃貰ったらかなり危ない。
十分なバフと透明化してからこの部屋に入っているので暗闇でも俺たちを見つけるのは困難だろう。
ロクサーヌ、ミリア、エマはプラチナサイクロプスを
それ以外はゴールドサイクロプスを相手する事になった。
二手に別れ側面からの攻撃を中距離から弓でミリアが攻撃する。
ミリアの弓はプラチナサイクロプスの頭を狙って攻撃したが
暗闇の中での弓矢は奴の剣に弾かれた。
「パリィもするのかよ……」
ミリアは連写に変えたが全てその6本の剣で弾き返す。打って来た方向に全ての魔物が移動を始める。あちら側にはミリアとエマが居る
セリーが弓でミリアの方に向かっている魔物達の背後から一番後ろにいたプラチナサイクロプスの頭を狙った
全く無音の特殊加工された矢をやはり剣で弾き飛ばした。
「まじか……」
これでプラチナサイクロプスは2体エマとミリアの方に
1体がこちらに向かって来た。
ロクサーヌとベスタが前に立つ。
「ここは私達が」と言って前に出ると、
ロクサーヌはヴァンティスを憑依させると更にスピードが上がった。「ビーストストレングス、ビーストスピード、プレデター、アニマルビガー」と次々にスキルを発動させる。
最後にフェンリルを呼び出しその背に乗る
ロクサーヌは「ラウラ、リナは黄色いのを頼むぞ」
「はっ!!」と短く返事をすると4人で突撃していく。
当然俺もそれに続いていくセリーとジョゼ、アナイシャもそれに続く
思い通り2匹の白いのはこっちに来たことを確認すると、弓で一斉射撃するが2匹が次々と弓を叩き落とす。
「よし、接近戦だ!!気合い入れて行けよ」ミリアとエマは一気に縮地で間を詰めて一撃入れようとするがたった1本の剣で弾き飛ばされる。
ミリアはフェイントをかけて腕に攻撃したが浅かったようだ
奴の6本の腕からくる連続攻撃を素早いパリィで弾くメーアが頭上から
「パイルドライバー!!」
と攻撃するも2本の腕で対応して4本の腕はそのままミリアを攻撃していた。
メーアは壁まで弾かれるミリアも後退しながら剣を塞ぐのが精一杯だった
ロクサーヌとの攻防は互角だギリギリの所で受けずにロクサーヌは避けているので「受け」のダメージもない
フェンリルも攻撃するがすべて弾かれる。
俺がこれだけ物理が強いなら魔法攻撃が弱いもワンチャンあるかもと思い
「マジックミサイル」を3本だけ出して攻撃すると
プラチナサイクロプスは目をカッと見開くと
ギリギリの所で光のバリアみたいなものに当たるとマジックミサイルはこちらに向かって来た。
「反射するのかよ」と思ってそれを避けるとトトがそれを盾で受ける。
魔法を反射するのはみんなが見ていた。
耐性だけではなく反射するのかよ
ベスタもプラチナサイクロプスに取り憑いた
取り回しのいいカラドボルグと大楯を装備している。盾で攻撃をいなしながらカラドボルグで攻撃すると流石に一撃重いのか奴も体制を崩す。
それに合わせてロクサーヌも攻撃するが
スピードのロクサーヌの一撃は受けられるともう1本の剣で攻撃を受けて体ごと弾き飛ばされてしまう。
クルッと体を捻り壁を蹴ってまた攻撃するが奴は個体でなくても圧倒的な強さだ
「じゃあこれはどうだ。メイジズソード」
を唱えると5本の魔法の剣がクルクルと回るながら現れた
リナは棍棒をブンブンと振り回しているゴールドサイクロプスの攻撃を避けながら超接近戦に持ち込み「ディヴァインインパクト!!」と言ってパンチをゴールドサイクロプスにあてるとゴールドサイクロプスはニヤっと笑うとまるできいてないという顔だったが
ぶち当てた反対の背中からパァンと弾けると一撃でゴールドサイクロプスを沈めた。
ラウラは槍で奴の棍棒を一点攻撃で砕くと、マリーが「エンタングル」と言うと足元から黒いツタが奴の足に絡みつき動けなくなるとラウラがその頭部にある大きな目玉を一撃で付くと頭に大きな風穴が開く。
俺は魔法の剣でベスタとロクサーヌの助太刀をする
2人の剣と5本の魔法の剣で攻撃すると6本しかない剣では一本足りない
プラチナサイクロプスは目を見開いて1本その魔法を消した。
「今だ!」と俺がいうとピンポイントに弓矢で攻撃できるセリーが一撃を放つとその矢は見事に奴の目に刺さる。
周りが見えなくなると、もうロクサーヌの敵ではない。6本の腕は全てロクサーヌの剣戟で切り落とされそして最後には首も落とされた。
「えっ?ご主人様達もう倒してる?!」とルティナがチラッと俺達の方を見て焦ってる
こちらはまだメーアがゴールドサイクロプスを1匹仕留めているだけだった。
ゴールドサイクロプスがシャンタルに棍棒で攻撃するとシールドでそれを防ぐゴールドサイクロプスは何か硬い壁を殴っただけでその勢いのまま巨大な斧で足を攻撃すると脚は折れてバランスを崩す。コレットが斧を持ってクルクルと回転しながら奴の頭にクリーンヒットそのまま倒れて2匹目も倒した。
キーカとラティカでもう1匹のゴールドサイクロプスを相手にしている。ゴールドサイクロプスはキーカをターゲットにすると棍棒を振り回してくる
「なんで僕なんだよ!!?」と走りながら避けるもラティカ
「逃げてばかりだとターゲットにしにくい」と言うが逃げないわけにはいかない。石につまずくとその目の前にゴールドサイクロプスは棍棒を今まさに振り下ろそうとしていた。
「…………⚪︎▽◻︎グラビティフィクス」と転がりながらその棍棒を避けて奴の足に魔法をかけた。
この魔法はヒットしたらしく効果を発揮した
次の一歩を前にゴールドサイクロプスが出そうとすると足が床にくっついてあげられずバランスを崩してそのまま倒れてしまうがキーカの方に倒れてくる。
「ぎゃーー!」と転がるとギリギリの所でぶつからなかった。
「よし、キーがよくやった!」とラティカが後ろからゴールドサイクロプスの頭に剣を突き刺して奴の息の根を止めた。
「ふー」とキーカが安堵するとラティカはハイタッチを求めて来たのでキーカは「はぁー」と息をつきながらハイタッチした。
ミリアは「緋徹」を取り出すと二刀流で迫る
6本の剣を2本で凌ぐ段々とスピードが上がりミリアは顔に切り傷がつく
周りのものには見えないくらいの速さでミリアは6本の剣をパリィしながら前に進む。
そしてその限界が近づき少しづつミリアの速さが増して
緋徹をプラチナサイクロプスの胸に刺すとそのまま「バーンボールバーンボールバーンボールバーンボール…………」とすごいスピードで連呼するとその速さで奴の体の中で発動する。
奴の体の中でバーンボールが次々と発動して
「バンバンバンバン………………」爆発音が次第に体の外に漏れる。
奴の体がマップになってもまだ爆発音がする。
ミリアは1人てプラチナサイクロプスを倒した
「えっ?もうここだけじゃん」とエマにルティナが言う
「ご主人様ずるいいつのまにかそんな呪文覚えたの?」
「私にもできるの?メイジズソード」ルティナにも詠唱破棄があるのでミチオの見様見真似で呪文を発動すると5本の剣がミリアの周りを回って現れた
「でた!」
ミチオと同じように攻撃するもエマの1本の刀では合わせても6本……
プラチナサイクロプスはその攻撃を防いでいた。
「ルシールあなたもできるでしょ?」
「えっ私は詠唱破棄ではなく高速詠唱だから呪文知らないと発動できません」と必死にルシールが答える。
その隙に後ろからすでに追いついていたフェンリルが奴の背中を爪で攻撃すると目と体が一瞬フェンリルの方を向く
「よし、よくやった!虚心坦懐!!」一瞬空間が歪むと奴は袈裟斬りを受けて肩から斜めに切られ倒れそうなところを
フェンリルが背後から奴の首を刎ねた。
「ちょっお前……」といいところを全てフェンリルに持って行かれた
「本当にそういうところ主人にそっくりだよな〜」エマが愚痴る。
合流すると「大丈夫だったか?」
「ああ問題ない」と不機嫌そうにエマが答えるがミチオにはなんの問題があったのか分からなかったが全部倒せたようだ。
「ご主人様ミリアまた1人で倒したよ」とミリアは嬉しそうに俺に報告して来た。
あれを1人で倒すとは本当にすごい。
「それとこれ」とプラチナ塊を持って来た
「落ちてたよ」
セリーが見て「確かにこれはプラチナです。」
他にもプラチナ貨が7枚落ちていた。
「セリーさん?これでプラチナ貨は何枚作れるのですか?」となぜか敬語に
「もちろんこれも160枚ほどだと思いますけど?……」と震えながら答える
ラウラが「どういう事ですか?」と横から聞いてくるので
セリーが冷静になって答える「167枚分のプラチナ貨という事で1億6700万ナール分です」と答えるとみんなが喜んだ
ルティナが「この1回の戦いで1億6700万ナール?はー夢あるわーここまで来たかいあるねー……で、ワープでもう一回挑戦する?」
とルティナは目の色を変えているが
ミリアは「1億?それってすごいの?ねーぇねーぇ」とみんなに聞いているがルシールが答えてあげる「お魚が5000万匹買えますよ」と言うと
ミリアは目から星が出るほど驚いている「そんなに買ったら魚いなくなっちゃうよ」と魚の心配をしている。
エマは
「よく分からないがすごいな。今日は美味しい酒が飲めそうだ」とエマも少し喜んだ。
「とりあえずは次の階に行ってからだな」と俺が言うとみんなもそりゃそうだと言う顔をしていた。
そして94階の攻略が終わった。
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