95階に移動すると92階の水浸しの神殿とは違ってここは間違いなく神殿である事は間違いない。
しかし誰が手入れをしているのかは謎だが木も植えてあり美しい白亜の神殿という名前でもおかしくない。
その神殿のどの部分かは分からないが外ではなく神殿の中というのはわかる。
「ここは……」
真っ暗な地下の廃墟になった坑道からここは光溢れ眩しさすら感じる。
「誰かが手入れをしているのでしょうか?」とセリーが俺に聞くが俺にわかるわけがない
「攻略はまた明日だな。明日になればわかるだろう」
ワープで我が家に戻ってくる。
我が家に戻って来たらルティナに「メイジズソードはどこで習ったのですか?」
と聞かれたので「うん?タダオが使っていた……けど?」
「呪文の名前聞こえなかったんですよね。もう一個使ってましたよね?」
「ああ。ビックハンドだろ?」
「私も使っていいですか?」
「ああもちろんだ」
「なんで今日急に使ったのですか?」
「いつもは乱戦だろ?誤って味方に攻撃しそうだったから……ははは」
「でどうでしたか?5本の剣を一気に使うのは?」
「並列思考のスキルがあったから意外に自分で剣を使っている感じと変わらなかったな」
帰ってくるとダイニングホールにいったん座るとリタが「お帰りなさい」と言う言葉と同時にみんなに水と水差しを持って来てくれる。
この何気ないこの水がとてもありがたい。みんなもゴクゴクと飲んでいく。
セリーが「この後ミンミンたちを連れてもう一回94階に早速行ってみませんか?」
「ああ、そうだな。思い立ったが吉日だからな」
「なんですかそれは?思い立った?吉日?とはなんですか?」
「いや、なんでもないよ。俺の住んでいた地域では、決めた日を先延ばしにせずにすぐ実行した方が良いという意味だよ」
「それは良い教えですね。ではミンミン達を呼んできます」
というとクロエを呼ぶとセリーは移動を始める。
待っている間にみんなのレベルチェックをする。
あれだけ93階、94階でたくさんの魔物を倒しても、目新しいジョブを現れず、みんなのレベルが上がるだけにとどまった。レベル自体は結構上がっているんだがな……
みんなのレベルチェックが終わる頃になるとミンミン達ノームが8人ほどでレティシアの所に集まったようなので俺とロクサーヌはついてくるということだったので一緒にレティシアの所に向かった。
「ご主人!!元気だったか?」と相変わらず12歳くらい少女にしか見えない。
集まってくれたみんなと握手するとセリーと合わせて11人パーティで午前中に行っていた94階に戻る。
当然『真っ暗』である。
今回はこの入り口の部分だけで探すだけなので「コンティニュアルライト」を唱えこの付近を明るくする。
大きな階段に所々ライトをつけるとミンミン達の顔色が変わった。
「ふぁぁ〜ご主人ここはすごいぞ」
「ここではどんな鉱物が取れるのか探索してもらっても良いか?」
「ああ任せておけ」
8人のノーム達は嬉しそうにお互い顔を見合って壁に手を当てる。
「うふぁっ」と思わず声が漏れてしまうものもいる。
コロコロと壁から鉱物がこぼれ落ちる。
彼等ノームは掘らなくても眠っている鉱物を次々に壁から取り出す事ができる。
次々に壁から鉱物がこぼれ落ちる。セリーはアイテムボックスでその鉱物を仕分けして拾っている。俺にできる事は見張りと鑑定ぐらいだが、セリーは特に鑑定することもなく次々に仕分けしているので正直邪魔者でしかない。
俺とロクサーヌは階段の上まで行くとそこに「アラーム」の魔法を唱えるとここを通ったらアラームが鳴るのでみんなもこのアラームの音が鳴ったら逃げるように伝えた。
セリーとノーム達は俺達の事はそっちのけで興奮気味に鉱物を集めていた。
セリーはあらかた集まるとそれをインゴットにしたりしているのでセリーも忙しそうだ。
俺は階段の上の方でロクサーヌと一緒にその様子を見ているだけだった。
当然寝不足の俺はしばらくすると眠くなる。
ロクサーヌは「ここに」と自分の膝枕で寝てて良いと言ってくる。
「そうか……」
と言って俺はロクサーヌの膝枕に頭を寄せると堪能する間もなくすぐに眠りに入ってしまった。
俺の中では一瞬目をつぶっただけと思ったら結構寝ていたようだった。
「ああ、ごめん」
俺はどうやらセリーに起こされたようだった
「ご主人様、そろそろ帰りましょうもうすぐ食事の時間だと思います」
「そうか……ロクサーヌ寝過ぎたな。」
「大丈夫ですよ。お疲れだったのでしょう」
「で、収穫はどうだった?」
「はい。ものすごい収穫です。珍しいものもあったので帰ったらお知らせします」
俺達はノーム達と一緒にレティシアの家の前まで帰って来た。
「ご主人、今日は楽しかったな。ずっと寝ていたようだが」
「いやすまん。ただじっと見ているだけだったから」
「まぁ良いって。又あそこに連れて行ってくれ」
「ああまた頼むよ」
ノーム達とも別れ俺たちは我が家に戻る。
セリーは戻ってくるとある鉱物を見せてくれた
それはインゴットにはされておらずそのままの形でパラパラ小石ほどの大きさの物が置かれた。
その場にいたみんなも珍しい鉱物に集まった。
「これなんですけどインゴットにはできないんですよね」
その鉱物はやや紫色の鉱物で中でゆらゆらと輝きがゆらめいている。
俺はその鉱物を鑑定してみると
鉱物 リンテライト
と出てくる。
「リンテライトというらしいけど知ってるか?」
その場にいる誰もその名前を初めて聞くようだった。
「……」「いや知らないです」
じゃあ解析をしてみよう
「解析」
リンテライト
所有者の『魔力』『意志』に反応して硬度が変化する
「これでも詳しくはわからないみたいだが、魔力や意志によって硬さが変わるみたいだ」
「なるほど、だからスキルを使ってもインゴットに変化しないんですね。加工方法がなかったら意味がないですね」
とセリーが言うとドワーフのマノンとアドラの意見は違った。
「なら、昔のやり方でやれば良いんじゃない?」「うん。そう」
「昔のやり方?」
「そう。私達2人は戦士職と鍛治しかして来ていないから元々魔力低いし、スキルを使わずに炉に火を入れて溶かして加工する昔のやり方を試してみても良いんじゃない?」
「えっ?スキルを使わずに?!」
「そう。魔力による変化ができないならそれを試してみる価値はありそうですけど?」とアドラ
「まぁ他に方法もないみたいだし試してみるしかないですね。ご主人様それでよろしいでしょうか?」
「ああ構わないよ」
「他にはどんな鉱物が?」
「そりゃもちろんすごいことになっていますよ」とセリーが言うとアイテムボックスから次々にそのインゴットを出す
「まずオリハルコンが7つ、ミスリルも7つ、魔鉱石が18、プラチナが1つ、ゴールドが10、シルバーが12ですね」
とゴロゴロと高価なインゴットが現れる。
「まだあります」とセリーが続ける「こちらは鉱石ではないのですが宝石になります。」と広げられたのはどれも色のついた石や透明な石にしか見えないがゴロゴロと無造作に出てくる
「まだカットされていないからわからないと思いますが、こちらはダイヤモンドです」とかなり大きな石を持ってそう言う
「はぁ?!」
「ただこの状態だとわかりませんよね。宝飾のギルドがあるのでそこに出して最高のカットをしてもらいます。うまくいけばこれも大きな外交カードになると思います」
「いや、これらは俺の妻に1人づつにプレゼントをしたい」
「えっ?!」
みんなの声が固まる。
「これ一個で国が買えてしまいますよ」
「ああ、そうだとしても自分の妻にはもらって欲しい」
周りにいるみんなの目がギンギンになって『それ本気で言ってます?!』と顔に書いてあるようだ
俺は話を変えて「他はどうするつもりだ?」
「まだ考えていませんが何かありますか?」
「んー……みんなの装備も比較的最近変えたばかりだしたな」
「そうなんですよ」
ルティナが「ハイハイハイ!!」と手をあげてアピールする。
「ルティナ何かあるのか?」
「はい。ルーン文字の研究なのですが、魔力を通しやすいミスリルを使いたいです。構想はあるのですが、とりあえずご主人様ではなく他の者に試してから使いたいのですが?」
「ルーン文字を使った武器なのか?」
「いえ武器ではなくまずは防御の方が優れているような気がします」
エマが「じゃあ盾役のベスタかトト?」
「種族が違うのでできれば人族でそして魔力があるもので試したいと思っています」
と言うとみんなの目はジョゼに集まる。
後ろの方で遠巻きに聞いていたジョゼは
「私?!」と自分に指を刺して驚く
エマも「ジョゼなら適任かもな。盾役でもあるし十分な魔力もある」
「わ、わかりました」
「ルーンは精神系に長けている魔法が多い気がしますが今回はそれはなるべくなくして使っている者に負担をかけない方法で試したいと思っています。うまくいけばご主人様の防具にも使いたいと思っています」
ジョゼも「それでお願いします。ご主人様からいただいたこの命ぜひ使ってください」
「いや、そこまで言わなくても……ルティナも無茶苦茶しないようにな」
俺たちは90階の戦いで散々な思いをしていたからルティナにも釘を刺しておく。
「そう言うことでしたら、これらはロージーさんとフィーネさんにお渡ししましょうか?何かの役に立つかもしれません」
割り込んできたルティナも「そうね。ゴーレムにもルーン文字を入れられたらパワーアップするかもしれないしね」
俺はロージーを思いやると「まぁロージーが素直にそれを喜ぶかどうかは不安だけどな……」
「まぁ渡してみないとどんな顔をするかはわからないわよ」
「そりゃあそうだな」
俺達も着替えてダイニングホールに集まり食事をとる
今日はボルシチをセリー達ドワーフが作ってくれたようだ。
寒い冬にはとても心地よい暖かさのスープでみんなも幸せそうな顔をしている。
リタに「新しく入ったインディラはどうだ?」
「はい。彼女はメモを取りながら熱心に手伝ってくれています。香辛料などのスパイスに詳しいので私も彼女からいろいろ学びたいと思います」
と、とっても前向きな意見を言うリタだった。
カッシーム地方から来たからもしかしたらスパイなのではないかと思ったが杞憂だった純粋にカレー財団の人なのだろう。
早めの解散で明日に備える事になった。
毎日がボス戦をしている俺たちにとっては休養もとても大事だ。
今日の敵だってネームドではなくても強敵に違いない。
次の朝早速ルティナはミスリルを使った防具を用意してきた。
アーマーとグリーブ(脛当て)そしてシールドを用意してきた。
アーマーは肩当てと胸の一部にミスリルが使われておりそれ以外はオリハルコンでできているようだ。
ミスリルにはそれぞれルーン文字が刻まれている
グリーブには外側のふくらはぎの一部にミスリルが埋め込まれてルーン文字が刻まれている。
そして盾にも同様に一部にミスリルが使われてそこにはルーン文字が刻まれていた。
ルティナは「それぞれミスリル一つに対して1つのルーン文字しか入れられないけどアーマーには3つグリーブに対の者を1づつそして盾にも1つのルーン文字が入れてあるわ」
そしてそのミスリルはジョゼが装備すると反応してそのパーツにゆらゆらと光が灯る。
「これに使う魔力はジョゼのものではなくて、魔鉱石から得て魔結晶でも補充できるので本人の魔力は使わないでもできるけど本人の魔力でも起動可能よ」
鑑定すると
激烈のミスリルアーマー(ルーン)
スキル 防御力2倍 物理攻撃削減 重量カウントなし空中歩行
ルーン 魔法防御力上昇 物理防御力上昇 精神攻撃防御
祝福のミスリルグリーブ(ルーン)
スキル 経験値2倍 ジャンプ力3倍 移動力増強
ルーン 状態異常防御
守護のミスリルシールド
スキル 防御力2倍 オートマップ ナビゲーション
ルーン 物理防御力中上昇
と防御力が格段に上がりちゃんとセリーにスキルもつけてもらっているのでルーンで補えない部分はフォローしてある。これを見ると職業の特性を付与できるように見えた。
ルティナはジョゼにいろいろ説明している。
みんなも同じ物が欲しいと言う羨望の眼差しでジョゼを見ていた。
「よし、準備はできたようだな」とエマが言うと
ジョゼも「出発しましょう」と返事を返す。
エマがジョゼの肩を叩くとジョゼは頷き俺に「必ずお守りします」と小声で言われた。
いや、ジョゼに死なれても俺も困ると思いつつもワープを使いクーラタルの95階に移動する。
先週は申し訳ないです。
今週と来週お休みしようと思っていましたが、先週と来週お休みさせていただきます。
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