アーダに連れられ、ハルツ公爵の城にやってきた。
門番はしょっちゅう来るなと言う顔で俺を見てくる
ハルツの城には顔パスで中に入れる
執務室に直行で行けるあたり、この城の警備は大丈夫なのか心配になる
コンコン
ゴスラーの声で「どうぞ」
と言う声が聞こえたので中に入る。
「ミチオです」
「ああよく来た。うん?今日はハルツ公爵はいないのだが……彼女は?」
「彼女?……彼女はアーダですよ?」
「えっ!!」
ゴスラーは驚いている。あれから会ったことないのか……
「お世話になっているアーダです。カシア様付きでしたが、今はミチオ様のお手伝いをさせてもらっています」
「そうかそうか。すっかり変わってしまってびっくりした」
「この年頃は急に成長したりしますからね。何かのレベルが上がったのかもしれませんね」
そんなに急に成長はしないだろうと思ったが、まぁそう言っておこう
「今日はカシア様に先日エディング様をご紹介していただいたのでそのお礼をと思いまして」
手土産にプリンを6個持ってきてよかった
「これはわざわざありがとうございます。アーダ、カシア様を呼んできてもらえるか?」
「かしこまりました」
と、アーダが席を離れる。
ゴスラーと二人になってしまった。
何か話さないと……
「以前迷宮を攻略をされてましたね?50階層のラストボスはどんなやつでしたか?」
「ハルバーの迷宮の事ですね」
「はい」
「50階層のラストボスはイェーガーよりももう少し強い重装甲のナイトのコボルトでした。その他にイェーガーが10ほどいましたが、なんとか勝てる事が出来ました。ナイトは大変でした。1時間以上戦っていたと思います。よかったらクーラタルの50階層はどんな奴でしたか?」
「将軍と出てました。あと大量のコボルトでした」
「いや、ブロッケン様から聞いてましたが、大量というレベルではないでしょう。軍並みの数だとか」
「まぁ、あの数はさすがにまずいと思いましたよ…うちには頼れる味方がいますので、なんとか勝てました」
「またご謙遜を」
さすが、ゴスラーは長年迷宮に入っている事はある、鋭いな
でも、50階層の魔物はいろんなタイプがいるんだな。貴重な話を聞けた。
「今ベイルを攻略をしているのですが、なにかごぞんじですか?」
「ベイルの迷宮は全然進んでないそうだな。あそこの領主はセルマー伯よりも迷宮攻略に消極的だからな。8年ほど前に御子息が後を継がれてから全然迷宮攻略が進んでないようだし、ベイルもマロルも盗賊が跋扈しているしな…治安も悪くなっているようだが、他領の事だから私たちにはどうにも出来ないからな…申し訳ないがベイル迷宮には私たちも入った事がないのでお役に立つ情報はありません」
「いえ、ありがとうございます」
「でもベイルをミチオ様が攻略されたら……いや、なぜミチオ様がベイルを攻略しているのでしょうか?」
「解放会のエステル様に依頼されてですが?」と答えると
「なるほど、誰の息もかかってないミチオ様にお願いするとはそういう事ですね」
「どういうことですか?」
「領土は狭いがマロルとベイルをミチオ様に治めていただこうとガイウス様の思惑があるかもしれませんね。なら、なおさらあいつは卑怯な手も使ってきますので気をつけてください」
「マロルの領主の名前はごぞんじですか?」
「レオールです。私も彼の周りを調べて、わかった事がありましたらルークに知らせます故」
「ありがとうございます。後、気になるのですが、マロル領主は人族以外の奴隷を使っているのですか?」
人族の貴族たちは、あまり人族以外の奴隷を使わないからな。以前、ガイウスのパーティメンバーのマキシムさんが言ってたな
人族以外の奴隷しかパーティに入れてない事を気にしていたな
「確かに人族の貴族は人族を奴隷にしますね。余り亜人には興味ないのではないか?」
では、なぜリナをお取り置きしたのだろう?
なかなかカシアが来ない…なにをしているのだろう?
「あっそうだ。これを」
キュアポーションを5本ほど取り出しゴスラーの前に出す
「また迷宮を攻略をする時にお使いください」
「これは?」
「アーダの実家のエディング様と共同で、キュアポーションという名前で販売しております。HPが少し回復しますし、傷に直接振りかけても効果があります」
「たしか…ポーションはとても不味いのではなかっただろうか?」
「味も改良しております。とても飲みやすくなっています。それに、気を失っているものにも飲ませやすいですよ」
「確かに、それで男女混合のパーティは揉める事があるからな」
やっぱりそうなんだ。俺だって迷宮でゴスラーに知らないうちにキスされて砕かれた滋養丸を口移しされたら嫌だからな
コンコン
扉が開く「お待たせしました」とカシアがやってきた
その後にアーダがついて歩いている。アーダは何か木箱を持っているな。
カシア様と挨拶をすると
「今度、ベスタがプリン屋をやることになりまして。つきましては、カシア様にまず味を見てもらおうとお持ちしました」
「ミチオ様、先日はありがとうございました。あら、キュアポーションですか?」
「はい、ゴスラーさんにはプリンよりもこっちの方がいいかと思いまして」
「そうなの?ゴスラーもプリンを気に入ると思いますよ?」
カシアはアーダにスプーンを持ってくるように指示した
「カシア様はお召し上がりになった事があるのですか?」
と俺が聞くと
「以前オーモルの別荘で一ついただきました。いつミチオ様が持ってきてくれるのか待っておりましたのよ?」
「申し訳ありません。そんなにおいしかったですか?」
「ええ。どうしてこんなものまで作れるのか不思議ですわ」
確かに不自然だよな。冒険者がこんなもの作れるなんて
俺は小さい時母さんがおやつに色々作ってくれたのを覚えていたんだが、
「私が小さい時に母が作ってくれたもので、今は他界しております。母はどこでこれを知ったのかは分かりません」
「そうでしたか…それは余計な事を聞いてしまって申し訳ありません」
「いいえ、母が作ってくれたプリンがみんなに気に入ってもらえたなら嬉しいです」
アーダはスプーンと紅茶を持ってきてくれた。
アーダはカシア様の後ろに立つ
「アーダ、なにをしているの?」
「なにを、と言いますと?」
「あなたも隣に座って一緒に食べましょう」
「よろしいのでしょうか?」
「もちろんよ」
みんなでプリンをいただいた。俺はもう何個も食べているが、ゴスラーは人生初めてのプリンは衝撃的であったようだ
「これは……なんという事だ…ミチオ様、これはとても美味しいですな!」
「それは良かった」
「いや、何個でも食べられそうですな!」
カシアが言う
「はしたないですよ、ゴスラー。後2個ありますから、残りは主人とゴスラーとで食べなさい」
「良いのですか?」
「私はアーダに持ってきてもらいますから。フフフッ」
「ありがとうございます」
あっという間に完食した。
「ルティナの話をしてもよろしいでしょうか?」
「ゴスラー、申し訳ありませんが……」
「かしこまりました」
とゴスラーが退席する
「ミチオ殿、またおみやげはプリンでお願いします」
と笑いながら言いながら席を外す
「ルティナの下着はその後どうでしょうか?とても気に入ってますので、また追加していただきたいと思っております」
「夏の90日にショーをするので、前の日はオーモルの別荘に泊まっていただけませんか? 色々試着したいと思いますので、それとどうでしょうか?みんなどれくらい購入するか見当も付きません」
「うーん…ガイウス様の奥様も呼んでいますか?」
「いえ、どんな風に呼んで良いのかわからなかったので…」
「でしたら、献上してみたらよろしいのでは?」
「サイズがわかりませんので」
「ルティナを連れて行ってフィッティングすれば良いのでは?」
「奥様が気に入ってくれれば、ミチオ様も安泰ですし、大量に貴族に売れると思いますよ?」
「なるほど…インフルエンサーが必要ということですか」
「インフルエンサーとは?」
「流行や行動を引っ張る人、みたいな使い方をします」
「そうなのですね」
「気に入ってもらえますかね?」
「気にいると思うわよ?」
「奥様のお名前は?」
「アリシア様です。決して寝取るような事はしてはダメよ」
「はははは」
一同笑うが、笑えない
「楽しかったわ。今日はゴスラーもいるので、諦めますが、今度ね」
「今日の目的はこれでしょ?」と
木箱を開ける
確かにエルフの外套が入っている
「では、これは確かにルティナに渡しておきます。ハルツ公爵には了解は得ているのですよね?」
「ええ」
「ありがとうございます」
これで、5つ揃った。ミリアは姿を消すスキルがあるから、これで奇襲が行える。
「では早速皇帝陛下に連絡してみます」
「もう行ってしまうのですか?食事をとっていくのかと思いましたのに」
「今日は別荘から離脱する者がいるかも知れないので、その手続きがあるために申し訳ありません」
「もう」
アーダと帝都のルティナの下へ戻る
「ルティナ、これからちょっといいか?」
「突然ですね。なんでしょうか?」
「これから皇帝陛下に会いに行こう」
「は?えっ?えええ〜〜っ!!」
ルティナはかなり驚いている。
みんなも驚いている
「今からですか?」
「そう今から。アポ無しだけど」
「アポ無しで会えるんですか?」
「どうだろう?でもアポは取れると思う」
「なんで私がついていくのですか?」
「下着をいくつかアリシア様に献上して、ショーを確実な物にしよう。そこはルティナの手腕次第だと思う」
「わかりました。アリシア様にお会いした事はありますか?」
「ああ」
「細身の方でしたか?」
「ああ、皇帝は貧乳好きだしな」
「え?なんでそんな事知っているのですか」
「イニシエーションでな」
「???、ご主人様の言う言葉の意味はわからないですけど、用意してきます」
「自信作とレパートリーを考えて、いくつか持っていけよ!」
「はい!!」
「ロクサーヌもついてきてくれるか?」
「もちろんです」
用意ができると、3人でロッジに行く
「いってまいります」とニコルやお店の人達にルティナは敬礼する
「頑張れよ」ニコルが励ます。両手の拳を挙げる
セバスが迎えてくれる。
「ミチオ様いらっしゃいませ。今日は?」
「実はガイウス様の奥様のアリシア様に献上品があるのだが、どうやったらガイウス様に会えるだろうか?」
「そうでしたか」
「それでしたら、いまちょうどエステル様と上の階にいますが、聞いてきますか?」
「お願いします」
ナイスタイミングだ
しばらくすると、セバスが降りてきた。
「会うそうです。どうぞ上がってきてもらえますか?」
階段を登る間にルティナとロクサーヌに皇帝陛下を見た事があるか聞いてみた。
もちろんないようだったので、俺から紹介する事を伝えた
「こちらです」
扉を叩く
「ミチオです」
「入ってくれ」
「失礼します」
3人で部屋に入る。
「兄者どうした?」
とからかうように言う
「実は、今度商売を始めまして」
「今その話をエステルと話していたところだ。キュアポーションだろう?うちにも定期的に卸してほしいのだが」
「いや、実はその件ではなくて、女性物の下着を作って販売することになったのですが」
「なんと!ポーションだけでなく他にもあるのか?また女物の下着とはミチオ殿は多才ですな!」
とエステルが驚く
「はい、色々ございます」
「二人とも、とても美人だな」
「ロクサーヌとルティナと申します」
話を戻して
「それでなぜ朕に?」
「ガイウス様の奥様のアリシア様に招待状を送る方法がわからず、ガイウス様に聞いた方がよろしいかと思いまして。」
「なんの招待状なのだ?」
「貴族の皆様に下着ショーをお見せしようかと思いまして、その招待状です」
「他のご婦人に遅れる事になったら申し訳なくなるので、いち早く献上しようと思いまして、ルティナを連れてきました。彼女がフィッティングいたしますので」
「今日はセリーはいないのか?」
「今日は家にいます」
ロクサーヌが驚いて二人は俺に小声で聞く
「セリーを知っておられるのですか?」
「ご主人様どういうことですか?」
「いや、ちょっとした友達かな」
ガイウス…余計なこと聞くなよ…冷や汗出るだろ……
「兄者の頼みということだったら、ブルーノを呼んでくれ」
とセバスに言う
すぐさまブルーノが来る
「ガイウス様お待たせしました」
「ミチオ殿がアリシアに献上品があるのだそうだ。ミチオ殿がわざわざ持ってくるのだから、よっぽどだと思う。そのため、アリシアをココに連れてきてほしい」
ルティナは今の煽りで完全に固まっている。
俺は小声で
「貴族になって、諸侯会議に出るんだろう?こんなところでビビってどうする」
と言われて、ルティナは奮起した
「そうですね、貴族からミチオ様を守らないといけないのに、こんなことでビビっていたらダメですよね」
「???」
「ところで、ショーとやらはいつあるのだ?」
「夏の90日にあるのですが」
「後10日程か、朕も行って良いのか?」
「男子禁制なので申し訳ありません」
「朕でもダメか?」
「はい」
「ミチオがダメというなら、どうやってもダメなのだろうな……」
「ルティナとやら、朕に見覚えがないか?」
「申し訳ありません」ルティナが答える
俺はガイウスに
「ルティナはカシア様の従姉妹になりますので、似ているのかもしれません」
「カシア?ブロッケンの嫁か……確かに似ているな」
ルティナがガイウスに答える
「カシア様もモデルをしてもらえる事になっております」
「ではなんとしても朕も見に行かないとな。ハハハ」
だからダメだと言ってるだろ?
2024.09.03改編