朧げに誰かが走ってくる
扉を開けて何か近づいてくる
「こんな所に……探しましたよ、ご主人様」と言うと
ロクサーヌはジョゼの上を通り越して俺にキスをしてくる
俺は寝ぼけているのか?ロクサーヌの唇が俺を起こす
「うん?」
左隣にいたジョゼが飛び起きたがロクサーヌはそれをひょいと避ける。
慌ててシーツでジョゼは体を隠すが
「あなたは……うん?ジョゼ?」
もちろんエマも起きているが、裸でくっついていて、手を恋人繋ぎで繋いでいる
それにはロクサーヌもピクっと眉が動いた
「ホラ、エマはもう起きてるでしょ」と言うと
「バレたか」
ジョゼはベッドの隅で怯えている
俺は起きると
「つめた!」と言ってしまった
エマが
「ジョゼが大興奮して私のベッドをプールにしたみたいで……ご主人様激しいから……」
と言うと俺の胸を人差し指でグリグリする
俺はジョゼが隣にいないと思ったらベッドから降りてシーツにくるまっている
だから俺とエマは裸だ
「ジョゼ?」
「はい」
エマはジョゼに
「これは、変わりすぎだろ?」
と言われてもジョゼは意味がわからない
「ジョゼ、お尻を見せろ」
「は?」
ジョゼは意味もわからないし、このシチュエーションでお尻を見せると言う行為が何のイニシエーションなのかわからずにいる
「ほら早く、後ろ向いて」
エマはシーツを剥ぎ取ると
白い肌が露出する
「ジョゼ?」と俺も反応してしまった
エマはジョゼのお尻を触ると、
「やっぱりそうなるか……」
「えっ何か?」
「焼きごての烙印が消えてる」
「え?!本当ですか?」
「ああ」
俺はエマに説明を求める
「えっ?気がついてなかった?コボルトは自分の子供を産ませたりするとお尻に焼きごてで印をつけるんだよ。これがあると、戻ってきても結婚もできないし、娼婦としても働けなくなるから、絶望の印になるんだ」
ジョゼが涙を流している
「でもどうやって……」
エマが頭を撫でながら答える
「体中の傷も無くなっているだろう。内密にしてほしいが、ある条件が揃ってミチオに抱かれるとこんな風になるんだよ」
「ありがとうございます、ありがとうございます」と泣きながら何度も俺にお礼をしている
いや俺はただジョゼとまぐわっただけだけど……俺の欲望をかなえただけなんだけど、お礼を言われると申し訳なくなる
ロクサーヌはすでに俺に抱きつき俺に服を着せてくれている
「あれ?髪が長い」
やっと少し冷静になれたのか、ジョゼは自分の髪が長くなっていることに気がつく
エマは
「鏡を見てみろ」
エマの部屋にある鏡を見に行こうとジョゼは立ち上がり、近づく
「あっ……歩ける」
完全ではないが自分で少し歩けるようになっている
鏡の前にジョゼが立つと本人が一番驚いている
「えっ?!」
昨日までウルフカットのような髪型は女神のような髪型になって傷も全て無くなっている。顔も少し整った感じになっているし、全身もち肌になり、胸も少し大きくなっている
その姿を見て
ジョゼは口を押さえて涙を流している
「ミチオの特濃を五発も食らうと結構変わるな〜」
と意味不明なことを言っているが、
ロクサーヌは
「初めてで5回もできたの?ジョゼすごいね…ほら!みんな早く用意して迷宮に行こう。ジョゼも喜んでばっかりじゃなくて急いで!それとこの件は内密にね」
「内密って、ムリだろ…」とエマがボソッと言う
広間にみんな集まると、やはりみんなジョゼを見ている
「だれ?」
「ジョゼです」
「えっと……どうして?」
「何が?」
「なんか一晩で変わってません?」
みんなが色々ジョゼに聞いている
エマが答える
「昨日、唐揚げをたくさん食べたからじゃないかな」
「えっ???」
エマ、説明雑だな…いつもの戦闘メンバーはそれで理解できたらしい
「ああ、そういうことかー。なるほど、美味しかったもんね」ルティナが答える
ルシールとラウラ、コレットは全く意味がわからなかった
周りの様子を見てセリーがもっともらしい事を言う
「ご主人様のスキルの1つで、ご主人様の近くにいると本人の魔力が反応して、しばしばこういうことがあります。だから私を含め、綺麗な女性ばかりになります。この事はご主人様が誘拐されたら大変だから、内密にね?」
さらっとセリーはすごいこと言っているが、嘘は言っていない。筋は通っている
「なるほど、そんなスキルがあるとは……」
「確かにご主人様と一番話していたのはジョゼだからね」
「うんうん」
なんとなく納得できたようだが、まるで俺が何かの病原菌みたいだな
コレットがジョゼに言う
「なんかジョゼ綺麗になったな。ご主人様のパーティが美人揃いの理由がわかったな」
とジョゼに言うとジョゼはまた泣いてしまう
「なんで泣く?悪いこと言ったか?嬉しくないのか?」
「ううん、ありがとう…嬉しいよ?ちょっとびっくりしただけ」
「よかった。じゃあ今日も頑張ろう」
「そうですね。頑張りましょう!」
俺たちはベイルの33階に昨日同様に来ている
ロクサーヌのスキルによって
魔物を誘き寄せ連続で戦っている
昨日よりも様になってきている
30分ほど戦って一旦誘き寄せるのをやめると休憩する
「いかがでしたか?」
俺の顔を見てジョゼが聞いてくる
なぜか隣にいたエマが答える
「乱戦になったら視野が狭くなるから、もっとジョゼがヘイトを稼いで周りのフォローをしないとな」
今の俺に聞いてきたんだろ 俺ポカーンだし
「あっありがとうございます」
とエマに答える
エマが俺に言ってくる
「ここでどうでしょう?この者を連れて44階に行ってみては?全員クーラタルの50階層まで行っているわけですから無茶という事はないと思うのですが……」
セリーが
「でもこの間まで歩くのも困難でしたからやはり危険では?」
「攻撃はできなくてもジョゼが盾役になってくれるなら防御力は上がっていると思います」
ベスタがフォローする
俺は
「ジョゼ達はどうなんだ?」
「48階までは一緒に参加できると思います。まだ50階はクリアしていないので49階のスタートまででしたら微力ですが頑張ります」
「そっか……じゃあ一番大事なことを言うぞ」
「はい」
「死なないようにな」
「かしこまりました」
「じゃあ44階に行こうか」
セリーが言う
「44階はスパイススパイダーです」
「蜘蛛か……ではサクッと最短ルートで行こう」
ロクサーヌの案内で進んでいく途中エンカウントしたが、危なげなく攻略できている
4人は主に中距離から攻撃に徹している
ジョゼが俺に聞く
「攻撃力が高いとこんなに早く倒せるのですね。クーラタルの36階も確かスパイススパイダーでしたがこんなに早く倒せるとはやはり私たちの常識を覆しますね。あと今更なのですが、私たちはもしやクランなのでしょうか?」
「そうだよ?知らなかったの?」
ルティナが答えた
ルティナがリーダーでロクサーヌ、エマ、ベスタ、ミリア、セリーのパーティだと思っていようで、二つのパーティで攻略しているのだと思っていたらしい
実際、クランはほとんどいないからな
二つのパーティで攻略していると思う方が自然か
ワープも複数のパーティを移動できる呪文だと思っていたのかもな
「で、大丈夫そう?」
「はい。中距離攻撃と後方確認でしたら、危ないところはないので」
その後も何回か、エンカウントしたが危なげなくボス部屋待機所まできた。ここまではペッパーを8つゲットした
「セリー、ボスは?」
「スパイクスパイダーです」
「ああ、バカでっかい蜘蛛だな」
「2匹出てくるから二手に分かれよう」
あえて、ロクサーヌと、エマ、ミリアを入れて攻撃特化のパーティと防御力特化のパーティに分かれた
攻撃力特化のパーティが終わったらもう1匹を倒す算段だ
ロクサーヌが前面でスパイクスパイダーの攻撃をかわして
エマとミリアで縮地で頭上から攻撃して、瞬殺だった
3人は終了と共に防御力特化のチームに合流する
ベスタとジョゼが盾役になり、ラウラと俺、コレット、セリーでなんとか倒せた
「あら?終わってる」
エマが言うと
「ああ、なんとかな」
ミリアが何かを持ってきた
「これ落ちていたよ」
セリーがそれをみて
「八角ですね、暗がりでよく見つけられましたね」
「八角?」
「はい。調味料の一種です」
「へーどんな味なの?」
「たくさん使わないのですが少し甘みがあります」
「じゃあ今度使ってみようか」
「はい!」
45階層に来た
セリーが言う
「ここはマダムバタフライです」
ロクサーヌの案内で最短ルート攻略を進めていく
途中何度かエンカウントするも、
蜘蛛はエマとロクサーヌ、コレット、ラウラで対応して他のメンバーは魔法と弓でバタフライの対応をした
ボス部屋待機所までなんなく来れた
エマがロクサーヌを見て
「またやるか?」
「次は負けません」
と聞く最初は意味がわからなかったが、
セリーからここのボスはオオミズアオだと言うのを聞いて納得した
ロクサーヌは精霊召喚をしてビルドアップしている
「あっずるいな」
ボス部屋に入ると煙の中からオオミズアオが2匹現れ、マダムバタフライ2匹は俺たちで攻撃してすぐに終わる
ロクサーヌとエマはそれを各々待ち構えていた
お互いに構えると、一瞬の静寂が走る
俺が1ナールコインを投げ入れると4人は一斉に剣撃を始めた
俺を含む他の人達は端っこに座る
ジョゼが俺に小声で
「何をしているのですか?」
「前回もこの魔物を倒す時に、1対1でどちらが早く倒せるか勝負したんだよ。今日はロクサーヌのリベンジ戦かな?」
相変わらず、ロクサーヌには全く当たっていない。素早い動きで相手の攻撃を避けている
一方でエマはパリィで相手の剣の攻撃を躱している
両者とも少しずつ前に進み相手を圧倒している。オオミズアオは相変わらずフシューフシュー言っているが、ロクサーヌの相手は既に血みどろだ
細かい攻撃が何度も当たっているのだろう
ロクサーヌは相手の攻撃をパリィで大きく弾いた
その瞬間
「ダブルビーストアタック!!」
と言って一気に6撃与えオオミズアオは倒れた
倒れた魔物にとどめを刺した
美しい勝ちっぷりだ
ロクサーヌはスッと体勢を整えるとエマに
「手伝おうか?」
と聞いてくる
「結構です。もう終わりますから」
エマはディザームをすると、相手の剣が地面に落ちて、縮地をすると、一気に相手の懐に入り込み、刀でついて相手を吹き飛ばす、それをさらに縮地で近づいてとどめを刺す
「今回は負けたが、次回は負けないからな」
と言っている間にもう次の階に行く準備をみんなとしている
「おい、せめて聞けよ」とエマがみんなに言う。
46階層に来た
セリーが言う
「ここはピックホッグです」
「ああ、土吐くやつね」
「ここが終わったら今日の探索を終了しよう。最短ルートで行こう」
「はい、かしこまりました」
とロクサーヌが先導していく
途中何度かエンカウントしたが、弱点の水魔法を使いなんなく倒し、豚バラ肉をゲットした
たまには豚バラ肉も必要だよね、大事にアイテムボックスに入れる
ボス部屋の前まで難なく来れた。
「ボスは我々がまだ戦ったことのない相手で、ワイルドボアです。豚ではなく巨大な猪です」
「みんな大丈夫か?避けるときは横に避けろよ。そしてもう1匹の位置を確認しとけよ」
「わかりました」
クーラタルでは出てこなかった敵だ
部屋に入ると
煙から2体の巨大な猪が出てきた。2メートルはある
それとピックホッグも2匹いる
もうすでに突撃の準備をしている
「横に広がれ」
俺は魔法を唱えて2匹のピックホッグを早々に倒し、相手の数を減らした
ベスタが盾を叩き音で威嚇する。2匹ともベスタをターゲットにしてものすごい勢いで突進してきた
ベスタはギリギリで左側面にジャンプしてアイスジャベリンをワイルドボアの側面に打ち付ける
エマは
「ミチオ、ルティナ、ルシール、氷系の壁を呪文で作って退避する場所を作ってくれ」
たしかにこのただ広い部屋では相手に狙い撃ちだ。イノシシは案外小回りが利く。ギリギリで避けないと攻撃されてしまう
俺とルティナとルシールは慌ててアイス系のウォールを作る
アイスジャベリンを受けていない方がルシールをターゲットにした
「ルシール!突進してくるぞ!!よけろ!!」
ルシールの作ったアイスウォールではワイルドボアの突撃に耐えられなかったのか、壁に激突後そのままルシールに突進してくる
ルシールも慌てて横に逃げるが、足の一部にダメージを受けた。攻撃は装具にあたり立ち上がることができないようだ
「オーバードライブ!」
俺はワイルドボアの側面にデュランダルで攻撃
「ピギィ!!」と大きな声で鳴く
もちろんターゲットは俺に移った。
「ジョゼ、ルシールを頼む」
エマがミリアに
「前足を狙え」
と言うと一気に俺の目の前にいるワイルドボアの前足を横から攻撃した
前足に、ダメージを受けると途端に突進力が下がっているようで、
俺への攻撃も緩んでいるロクサーヌもこちらのワイルドボアにターゲットを移した
ベスタがもう1匹を相手にしている。突進してくるワイルドボアを大盾で受け止めた。ベスタの身長とほぼ同じくらいのワイルドボアだが、全長はもっとでかい。車が突っ込んでくるのと同じ突撃力だが、ベスタはそれを盾で受け止めた
すごい力だ
受け止めるとベスタは剣でワイルドボアの鼻を切り落とした
エマは縮地で一気に間を詰め、前足を攻撃すると倒れた
もう一本の刀、紅桜で首筋に刃を突きつけワイルドボアは絶命した
俺を狙っているワイルドボアも俺のオーバードライブのスピードにはついていけず、ロクサーヌの
「ダブルビーストアタック」でフィニッシュブローとなった
「ミリア、ロクサーヌ、ありがとう」
「ルシール大丈夫だったか?」
「危ないところを助けていただき、ありがとうございます」
ジョゼがルシールに肩を貸している
「怪我はないか?」
「はい。攻撃は装具にあたり、装具が壊れてしまいました。すみません」
「装具だけならよかった。セリーに直してもらおう」
「セリー、ルシールの装具を直してもらえるか?」
「はい、みせてもらえますか?」
うんうん
「大丈夫です。すぐ直ります」
「じゃあ頼むよ」
その間にミリアが大きなお肉の塊を2つ持ってきた
鑑定すると豚ロースの塊らしい
これも大事な食糧だからアイテムボックスにしまっておく
エマの侍の上位職が出てきた
侍総大将Lv1
効果 腕力×2 体力大上昇 敏捷性大上昇 精神大上昇
スキル 侍スキル クリティカル発生率中上昇 クイック 居合術 精神異常耐性 状態異常耐性 攻撃スキル
「エマ今から侍総大将になったぞ!!」
「えっ?!よっしゃあー念願の侍マスターになった!!どんなスキルがあるんだ?」
「居合術と攻撃スキルっていうのがあるが何かわかるか?あと、クイックというのもあるぞ、あとは精神と状態異常耐性だな」
「わかった。今日はもう終わりだろ?後でやってみる」
「よし!今日はここまでにして帰るとしよう」
2024.09.03改編