※この作品はR-18です。

異世界迷宮でハーレムを(仮    作:九白

63 / 356
葬儀

 

ガイウスは神妙な面持ちで話し始める

「拉致された者、暴行を受けた者、奴隷として虐待されていた者を保護してもらえないか?」

 

「保護と言いますと?」

「病院も保護施設も男性ばかりでな…ミチオの処は女性ばかりだろう、どうだろうか?もちろん資金などはこちらで持つ。その後は名前を変えて田舎に帰してやってもいいと思っているのだが……」

……

「で……本当のところは?他では喋りません」

……

「ミチオと二人にしてくれるか?」とガイウスは人払いを要求してきた。

「ロクサーヌもですか?」

「ああ頼む」

「はい、大丈夫ですご主人様」とロクサーヌは自ら退席する。

 

俺と二人になったガイウスは近づいてきて話し始める。

「実は以前にもマキシムがミチオに忠告したと思うが、獣人や亜人の奴隷は色々あってな……獣人の保護と奴隷の解放をカッシームより何度も警告されておる。だがしかし獣人の奴隷を解放したらそれこそ大混乱になる。そのため虐殺や虐待が明るみに出ると、獣人保護の為侵略をしてくる可能性もある。奴らは武装国家だから戦えば何千と言う命が失われるだろう。今回まずいのはほとんど人族がおらず獣人や亜人の幼女ばかりと言う点だ。

もちろん奴らの国では主に人族が奴隷となっているので、それはお互い様なのだが……」

「そういう事情があるのだ。ミチオ達がどこに今住んでいるのかは我々でも掴んでいない事は色々まずいので、

マキシムに言っておくから帝都にも居を構えろ」

 

「そういう事でしたか……彼女達が治ったらどうしましょうか?」

「奴隷でも従者でも、放免してもいいぞ。いずれにしても名前は変えさせてもらう」

「かしこまりました。そういう事でしたら……ではジョゼが帰ってき次第6名でしたか?保護させてもらいます」

 

「本当にすまないミチオ。本来なら朕が素早い判断で解決しなければいけない事件であったが、感謝している」

 

「ガイウス殿は動き回れないですから。お役に立ててよかったです」

「いい兄弟子を得られてよかった」

「弟弟子は助けないとな」

「ははは」と二人で笑ってしまった

 

 

 

 

ベモール村でセリーと一緒に拉致された2名は怪我していなかったので、少しのお金を渡して、拉致された村に送るようにジョゼに指示、ボーラのアジトにいた猫人族の女の子は顔がかなり腫れていたので保護した。後はレオールの館にいた5名は、半身を火傷していたエルフの少女、中年男に殴られていた猫人族の少女、その他には片目をえぐられた狼人族の少女、片脚を切断されたドワーフの少女、ずっと磔にされ、殴打の跡や鞭打ちの跡があった猫人族の少女の5名だ

ほんと、胸糞の悪い事件だ…

 

ジョゼが帰ってきたので、洞窟も含めて全てを湖畔の館に撤収する事にした。またこの洞窟は今後使う事にした。

入口も出口もない場所はなかなか使えるかもしれない

まぁ元々コボルトがいたから不気味ではあるが……

 

 

帰ってきたらみんなが迎えてくれた。

保護した6名の部屋を融通して、みんなで治癒した

片足しかない彼女にはセリーが義足も作ってくれた。

治療が終わったらお風呂にも入れた。片目がない子にはレースで作ったかわいい眼帯も作ってくれた

かわいい洋服も用意した。

そしてみんなで食事もした。

彼女たちは今まで食べたことのない我が家の食事に満足してくれたようだ。

「何でこんなに良くしてくれるの?」と義足の子が隣にいたエルフのミアに聞いてくる。

「私たちもここにきた時はみんなによくしてもらったの。私たちもコボルトに何年も捕まっていたのよ。助けてもらってまだ2週間なのに、もうずーっと前からここにいるみたいだけどね」と言うと「ウフッ」とミアは笑った。

「ありがとう」

 

ミアはみんなにプリンを持ってきた

「これ美味しいよ」

みんなに1個ずつ渡す

初めて見る食べ物にみんな目を丸くして見ている

一口食べると

「美味しい…」

「たくさん食べたら横になりなさい。もうどこも痛くはない?ゆっくり休んで」

「はい…」

 

食事中、俺の左隣には色々な娘がやってくる

まずはアーダがやってきて、

「ポーションの代金を預かっているのでお渡しします」

と金貨80枚入った袋を渡してくる

「昨日今日と移動を手伝ってくれてありがとうな」

「いえ、たいしたことは…しておりませんので…」

と少し顔が赤くなる

席を立ち自分の席に戻る。

 

次はセリーがやってくる。リナと一緒に

食事の席は目の前にいるのに……

「ご主人様、今回の件で確信しました。もしあの時、私ではなくリナだったら助からなかったかもしれません。もし助からずに、あのような不届き者に私のリナが…あんな奴に奪われてしまうことを考えたら身の毛もよだちます…ですから今日の夜、リナをお手付きいただきたいのですが!!」

 

セリーさん、すごい剣幕で言ってますがすごい事言ってますよ?自分の妹のはじめてを俺に強要しているようにも聞こえますが……

リナはちょっと恥ずかしそうに、おねーちゃん何言っているの?と言う顔をしている。

 

俺はロクサーヌの方を見て

「そういうことなんだが……」

「では……セリーのお部屋で」

いいんだ?

何故かセリーは拳を上げて

「よし!」

と言っている

この世界はよくわからないな…やはり、俺とは考え方も常識も違うらしい

 

次にクロエがやってきて

「助けていただきありがとうございます」

とお礼を言いに来た

「クロエも大変な思いをさせたな」

「何をしてもダメでしたが、なんかちょっと勇気を貰えました」

「これからもみんなのフォローをよろしく頼むな」

「はい」

と言うと嬉しそうに元の席に戻る

 

今度は

ルティナが隣にやってきて、

「ベスタちゃんと私は、我々の販売促進事業としてあと数日は下着の販売とプリンの販売に集中するのですが、迷宮攻略や戦闘について離脱したいとは思っておりません。なので、私たち抜きで話を進めないでいただきたいと思います」

以前ベスタもそんなこと言っていたな

「ああ、わかった」

「販売の人材に置いてもここのメンバーでやりますので、よろしくお願いします」

「ああ」

朝食を取ると、正午近くになる、午後は自由時間とした

と言っても、みんな各々にお仕事があるのでそれをするようだ。どれもやりがいがあるようで一日中ダラダラとするものはいないようだ

 

……

 

ルティナチームは帝都に移動して最後の追い込みにかかる

ベスタとセリー達は移動式冷蔵庫の製作を手伝うようだ

ミリアはクロエと釣りに行くらしい

 

マロルの墓地には

俺以外にロクサーヌ、エマ、ジョゼ、テア、ラウラ、ルシールに来てもらう事にした

 

墓地の霊安所は教会のようになっていたバリルの遺体と共に、スセが待っていた。

「あっミチオ様」

「待たせたか?」

「いえ、バリル殿は本当に生き返るのですか?」

「俺も初めてだから……あの場でああしないと、バリルも一味だと思われて処刑されるからな。書類上ではバリルはもう死んだことになっているんだよな」

「はい、そのように言われてそうしました」

……

俺は魔法にてファインデスの解除呪文を唱えると

バリルは無反応だった

 

「えっ?」

「え〜〜〜っ!!」

スセは蘇らない事に驚いている。

「えっ、死んじゃったの?」

 

「いえ、心音が聞こえますので」とロクサーヌが答えるとロクサーヌは立ち上がりバリルをいきなり殴った

バキッ

「え?!」

 

「誰じゃ!!」

とバリルはすごい剣幕で起きて怒る

「本来ならご主人様に武器を向けるなど万死に値するのですが、優しいご主人様のご厚意で蘇らせてもらえたのに…もう一回死にますか?」

……

ロクサーヌさん怖い

ジョゼが俺の前に立って盾で庇う

 

「うん……ここは……?たしか、マリア夫人!?マリア夫人に化けていた奴はどうした?」

スセが答える

「逃げられてしまいました。レオール様は奪爵され、今のマロル領領主にはこちらのミチオ様がなられるご予定です。マリア様の遺体がこちらに遺棄されているようです。それと……バリル殿は死んだ事になっております」

「何と、またもや私だけが生き残ってしまったのか?」

俺はバリルに

「スセがバリル殿はなんとか情状酌量されないかを懇願してきたし、俺にとってもバリルは嫌なやつでも悪いやつでも無いからな。こうして、仮死状態にして死んだ事にさせてもらった。スセに礼を言うんだな」

「スセ……」

「バリル殿、一緒にマリア様の遺体を探して埋葬しましょう。バリル殿がいなければマリア様もずっとそのままになってしまいます」

「ああそうだな。スセすまないな」とバリルは礼を言う

 

 

「それとバリル、お前は名前を変えないとな。死んでる事になっているからな」

俺はしたことの無い奴隷商人をメインジョブにすると、先程ガイウスの所で名前の変え方について習ったのでバリルに試す

「名前の希望はあるか?」

「急に言われてもな……」

「じゃあ俺が適当に」

「適当にってなんじゃ!!」

「じゃあ、なんかあるのか?」

「いや、無い……」

「じゃあ真ん中の『リ』を取って バートルでどうだ?」

「なんか適当じゃな……」

スセが

「バートル…いいではないですか?私の故郷のお話で出てくる英雄の名前で、忠義と正義を重んじている豪傑な武人の名前でバリル殿にピッタリだと思います」

「そ、そうか?バートル…いい響きだな」

バリル…お前チョロいな…

「じゃあバートルでいいな」

「ああ頼む」

 

インテリジェンスカードを出し、名前変更の呪文を唱えると、インテリジェンスカードの名前が変わる

俺に見えているのは日本語だが、ブラヒム語に変換されているのだろう。

名前以外は何も変わらないのでこれで終了だ

 

よし

じゃあ俺たちは墓を探しに行こう。

「ロクサーヌはここで待つか?」

「はい よろしいでしょうか?」

「アラン殿が来たらリリーナに会わせてやってくれ」

「はい」

「俺たちはマリア夫人の遺体を探してくる」

「わがままを言って申し訳ありません」

「いや、最後なんだから一緒にいてやってくれ」

「ありがとうございます」

 

俺たちはバートルの案内で旧領主の墓に連れていかれる。

 

バートルは一つの墓の前に停まる

「こちらです」

「そうか……」

俺は手を合わせるとみんなも同じように手を合わせる

 

「じゃあ始めよう」

「本当にやるんじゃな」

「ああそのままでいいのか?」

「いやダメだ」と言うとバートルはスコップで土を掘る

 

「テア頼む」

テアは言われると

まずは墓石をどかす。

「えっ!!」とバートルが驚いている。100キロほどある重さの石をヒョイと上げてるのを見て目玉が飛び出そうだ

テアはものすごく大きなスコップを持ってきている、

「じゃあ大まかにまず私が掘ります」

グサッ、グワッと一気にショベルカーのような勢いで掘っていく

「なんか柔らかいので、そんな前に掘られた感じではありません」

すぐに石棺に辿り着くと棺の周りをみんなで掘る

 

トラップがあるかもしれないので、テアに遠くからスコップで開けてもらうが、トラップはなかった

一つは前の領主のものであろう白骨化された遺体と隣には首の上は狼の頭が無理やり縫い付けられた女性の遺体がある。その横に首だけ死体がある

「酷いことをする」とバートルが嘆く

隣にもう一つ棺が入れられる程の穴を魔法で掘る

新しい棺にはマリア夫人の遺体から狼の頭を取り外し焼却した。新たに元の首をマリア夫人の胴体に丁寧に繋げ

棺に納める

土をかけるのはみんなでやった。あっという間だったが、バートルは満足そうだった。

テアに手伝ってもらって良かった

俺は、

「責任を持って、石職人に墓石を作ってもらうよ」

「ああ、色々とすまないな。最初は年配者に対しての礼儀を知らない不届者と思っていたが、何から何まで感謝する」

「俺にじゃなくスセに感謝してくれ」

「スセ、ありがとう」

「で、バートル。無職になったがこれからどうする?」

……

 

「俺か……冒険者になるかな。ずっと仕えていたからな。こんな歳で恥ずかしいがまた旅がしたい。」

「いいんじゃないか?悪い奴に騙されないようにな」

「おまえさんには敵わんな」

「餞別に取っておいてくれ。旅にも資金がいるだろう」

と俺は金貨5枚入っている袋を渡した。

「こんなジジイがそんなに大金持っていても、使い切らんよ。気持ちだけで充分だ」

と断ってくる。

「旅をしながら稼ぐっていうのもやってみたかったんだよ。感謝する」

「レオールとは決闘裁判になるだろうと言われているので、その時は申し訳ないが手加減せずにレオールを切る。それだけの事はしてきたからな」

 

……沈黙後

「確かにな、ワシが付いておきながら……本当にスマン。

前の領主と一緒に冒険者としてあちこち行って仕えていたが、亡くなり、夫人に仕えて、家督がレオール様に移ると誠心誠意仕えたが、正せなかったのが不徳の致すところだが、ミチオ殿にお任せする。介錯してもらってくれるか」

 

「罪を知っていて加担したならバートルにも罪はあると思うが知らなかったのならしょうがないだろ」

「いや、知ろうとしなかったのかもしれないな。側近から門番に降格されて自分自身も腐っていたのかも知れん…今になって色々思うところはあるが言い訳でしかない」

 

「そうか。でもこれからは自分のために生きたら良いさ」

「すまないな」

「大きな借りができてしまったな。この大恩はいつか返せると良いのだが……」

「まぁあんまり気負いせずに」

「どこかで会ったら」

と握手するとバートルは別れて歩いていった。

スセもついていくのかと思ったが彼女は帝国に帰る場所があるのだろう。スセもバートルとは別れて違う道を歩いていく

 

俺達はまた霊安所に戻ると、リリーナの棺の周りにはアランとロクサーヌがいた

ロクサーヌは遺体であるリリーナを撫でている。

俺の存在に気がついたのか気がついていないのか、

 

「人間はなぜここまで残酷な事ができるのでしょうか?」

 

と俺に聞いたのか、嘆いたのかはわからないが

俯き加減に泣いている。

 

 

 

しばらくの沈黙後

 

「お別れはできたか?」とロクサーヌに聞くと、

「はい……」

「では埋葬しよう」

アランが俺に言う

「今回は色々ありがとうございます、今後はこれまで以上にミチオ様に協力させていただきたいと思っております」

「こういう事が今後はなくなると良いな」

「はい、まったくです」

台車に棺を乗せるとテアに運んでもらった。

本来ならたくさんの人がみんなで持っていかないといけないのだが、テアは一人で台車を押していく。

棺は他の棺よりも軽くその軽さがまた悲しみを誘う

 

テアは先程の大きなスコップであっという間に棺を入れる穴を作った

みんなで棺を穴に下ろす

みんなで少しずつ砂をかける

ロクサーヌは終始涙でいっぱいだ

埋葬が終わり墓石も用意してあったので、リリーナを埋葬した場所に墓石を建てると手を合わせる

しばらくロクサーヌはその場所を離れなかったが、

「ご主人様ありがとうございました」

と泣きながら言うとロクサーヌも立ち上がり帰路についた。

 

 

「うん?俺、なんか忘れているような……」




いつも読んでいただきありがとうございます
お願いがあります
私と一緒にこの話を読んでいる方がどれくらいいるのか知りたく
自分への励みになるので、読んだ最新話には『しおり』
をしていただけませんか?

高評価や感想とコメントを入れていただけると嬉しいです
2024.09.12改編
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。