モンベルトの冒険者ギルドは、冒険者ギルドと酒場が併設している大きな建物だ。
酔っ払いもいるようだが、気にせずにカウンターに向かう。
もちろん商人のジョブがついている人のカウンターに並んだ。
俺たちの番が来ると、俺は受付の女性にお願いした。
「滋養丸を5000個買えますか?」
「5000個ですか?」
「はい。買えますか?」
「ちょっと調べてきます……少々お待ちを」
……
……
しばらくすると先ほどの受付の方が来て、
「2000ほどしかありませんでした」
「では2000個ください」
「あっはい」
「では、在庫切れも起こしているので84000でよろしいでしょうか?」
「はい」
と言うと、俺は金貨9枚出してお釣りをもらった
「ご主人様、こんな所でも買うんですね」
「なかなか在庫というのがないからな。遠出した時はこうやって買う習慣をつけないとな」
「にいちゃん羽振りがいいな。先輩の俺に何か奢ってくれないか?それとも可愛い女の子たちでもいいぞ。けっけっけ」
と巨漢の男がビアジョッキを片手にやってきた。
ロクサーヌが俺の前に立ち塞がり言った
「下がりなさい」
「お姉ちゃんが付き合ってくれるのか?」と声を掛けて来たのと同時に片手を肩に回そうとしたので、俺がその腕を取り、
小声で「スリープ」を唱えると、その巨漢の男は俺が肩を貸してやり、近くの席に座らせた。
「飲み過ぎじゃないのか?まだ昼にもなってないぞ」
と言いながら、その場をそそくさと立ち去った。
周りの人も何も言わないところを見ると、奴はここらへんでは厄介者なのであろう。笑い声すらあった。
「申し訳ありませんご主人様……」
「ここで大騒ぎになったら大変だろ?」
「はい…」
外に出ると、騎士らしきものが馬を何頭も引き連れ、街道を走っていく。
近くにいた串焼き屋のおばちゃんに
「あれはどうしたの?」
と俺が聞くと、「戦争だよ。隣の国の領土に行くらしいよ。全く……」
「誰も馬に乗ってないけど?」
「ああ、偉い騎士のほとんどは現地にフィールドウォークで行くからね。下っ端が馬を引き連れて現地に入り呼び寄せるんだよ」
「へー」
「あんた何も知らないんだね」
「まぁ見たことなかったんで」
「平和なとこにいたんだね。兵隊は昨日のうちに出発していたよ」
「ここの姫さんは本当にかわいそうだよ。ここの領主は女を道具としか思っていないからね。早くに王妃様が亡くなってからは、姫様がこの領地をきりもりしてるからね。男どもは遊んでいるだけで、何年かに一度戦争ごっこ。女の私にゃ何したいのか全くわからないよ。はい串焼き」
「頼んでないけど?!」
「ここまで聞いておいていらないのかい?」
「いただきます」
焼いた肉の串焼きを受け取り代金を払う。
もらった串焼きはキーカに渡すと嬉しそうに食べる。
「やったー」
街道は雑多な感じで大変賑わっている。帝都とはまた違った賑わい方だ
街の中心にここの領主の居城がある。ぐるっと街を見学してみたが、こんな活気がある所と戦争しなくてはいけないと思うとちょっと心苦しい。
マロルと比べると……
城門から外に出ると、平原なので、ワープできないので外に出ないで、もう一つの街ペトロへと向かう。
こちらはそれほど栄えてはおらず、本国とモンベルトの中継地点と農村を少し豊かにした感じの町で、山の麓にある町のようだ。街の真ん中に川が流れ、それほど川も汚れていない。町人の殆どが農奴のようだ
一つの家で奴隷を何人か買っているようで、その者に作物を作らせているようだ。人族の者が細い木の棒を持って奴隷たちを家に誘導している
こういう風に奴隷を使うのが一般的なのかもしれない
河原で腰掛けて、リタが作ってくれたおにぎりを食べることにした。
「シャケおにぎりとは……最高すぎる」
「キーカ美味しいな」
「うん美味しい。リタは本当にすごいな。こんな美味しい物を作れるなんて」
ロクサーヌが答える
「本当ですね。でも、ご主人様のご考案の料理が多いんですよ?」
「そうなのか?!」
「ああ、俺の料理にリタはかなり興味を持っているみたいだしな」
……
「でも、この町もそうだけど、さっきのモンベルトもなるべく被害がないといいな」
「はい」
クロエも答える
「ご主人様はお優しいのですね」
「ミチオの話はいつも難しいな」とキーカ
一応冒険者ギルドや商人ギルド、探索者ギルドもあるようだ。この町も一通り回ってみたところで、帝都にワープで行く
俺はロクサーヌに聞いた
「どうだった?」
ロクサーヌが
「どうと言いますと?普通の町ですね」
「そうなのか?」
「町には色々特色があったりしますからね。2つは確かにちょっと違う感じでしたね」
「ベイルやマロルとは何が違うと思う?」
「うーん…何か違いますかね?」
「スラムがなかったな。ベイルやマロルにはスラムがあり、そこで盗賊団が縄張りと称して覇権争いをしている。今回の件が終わったらマルティナに手助けして、盗賊団の一掃をする必要があるかもな」
「そうですね。治安は良くなると思います」
俺たちはメイド服を頼んだ洋品店に向かっている。
洋品店に入ると店員が迎えてくれる。
「キーカにも何か服を買ってあげよう。ロクサーヌ、選んでやってもらえるか?」
「はい」
メイド服の検品を行い、名前もついていることを確認した。全部同じデザインだからな
結構時間かかってしまったが、
ロクサーヌに声をかけると、
完全にキーカは飽きているようで、商品を確認するためのテーブルに座って見ているがロクサーヌはまじまじと見ている。
キーカはロクサーヌに「クイック」の呪文をかける
ロクサーヌの動きが速くなった
ロクサーヌは気がついてないようだがロクサーヌが速く動いている。
「これとこれがいいと思います」と俺に持ってきた。
「クスッ」と俺が笑うとロクサーヌがなんで?と言う顔をしている。
俺はロクサーヌが選んだ商品をキーカに見せると
「キーカ、これでいいか?」
「うん」
代金を払うと
湖畔の館に戻ってきた。キーカに言って
「みんなの席に洋服置いてこれるかな?」と俺が言うと。
「できるよ。もう覚えたモン」
メイド服のみんなの席に置いていく。
合っているのかはわからないが次々に置いていく
「キーカはじゃあここでちょっとお留守番だ。ひまりたちやリタたちを守れるか?」
「ああ、もちろんできるぞ」
「じゃあ頼むぞ」
「たのまれた」
クロエにナバ平原に連れて行ってもらった。
すでにマキシムの部隊は到着しており、パルパやマルティナも到着している。
「よく来てくれた」と俺が言うと
パルパは口汚く
「お前が呼んだんだろ!!」と俺に言ってくる。
マルティナも
「早速はめられた気分だわ…」
俺は聞こえないふりをして
「騎士団は連れてきたか?」
「ええ」と言って目を合わさないようにして呆れているようだった
相手はまだ来ていないようだ
ナバ平原の手前にモンゴルのゲルのような建物が立っており、そこの中に案内された
マキシムや俺のパーティや湖畔の館のみんなもいる
ゲルの中には大きな机があり、その1番上座にエマが座っている
エマが作戦をみんなに説明し始めた
エマの説明は詳細まできちんと話してくれた
こんなに上手く行くものなのか?何度もそう思ってきたが
エマがかなり自信あるようで俺はそれに納得した
その後は戦場に色々仕掛けをしておく必要があったので、ルティナとパルパを連れて魔法で罠を張っておく。
ルティナは
「コレ意味あるの?」
「ああ、エマの作戦では」
「いくつもいくつもこんなにいる?」
「いざという時のためだからな」
パルパにも話を聞いた。
「その後何か新しい魔法は見つけたか?」
「新しい魔法ではないが、サモンモンスターという呪文があってな、これにはレベルがあるはずだ。呪文レベルが高いほど上位モンスターを召喚できるはずだ。どこまでできるか知らんが、お前さんなら何か召喚できるんじゃないか?」
「なるほど」
サモンモンスターを唱えてみるとヒットした
「いろんな項目が出てきた。1から10まで数字が出てくるが?」
「ブッ!!10?!そんな高位モンスターまでいけるのか?今実行しないでくれ。それはいざという時に使ってくれ」
「ああ、じゃあいけそうだなー」
「どんなのが出てくるのか……今から心配じゃワイ」
夜はここ、ナバ平原で野営することになった。リタに料理を持ってきてもらい、すごい量のシチューを作ってきてくれた。パンと兵隊の分も全員分持ってきていた。
兵隊は携帯食を食べるつもりでいたのに、まさかの料理にびっくりしている。
夜は酒も飲んでみんな楽しんでいるようだ
我々湖畔の館チームと、戦闘メンバーで同じシチューを食べ、みんなと明日のことについて話し合った
残ってお酒を飲みたい人はエマを中心にマキシムの兵隊達と一緒に酒を酌み交わしているようだ。
「明日に響かないようにな」
と言うとエマは
「はい」
と返事して、自分のテントに向かう
ロクサーヌが
「丘の先まで見にいきませんか?」と誘われた
俺とロクサーヌはナバ平原を一望できるところに来た、
「ロクサーヌ…こんなこと言うの恥ずかしいんだが、言ってもいいか?」
「え?なんでしょうか?」
「実はさ……」
「はい。何かまずいことがありましたか?」
「いや不味くはないんだが……」
「はい」
「実はさ今回の作戦にはみんな馬が乗れることが前提じゃないか」
「はい、そうでしたね」
「実はさ…俺、馬乗れないんだけど……言えなかったんだよね。みんなが集まっている所でさ…俺、馬乗れないんだよねって」
「みんなさ…乗れるのが普通みたいに話しているからさ…俺…言いそびれちゃったんだよね…」
「そうでしたか…全然問題ないです。私の後ろに乗っていけば問題ないです」
「大将が馬乗れないなんて見たことないからさ」
「じゃあ練習しましょう。簡単ですから」
「ありがとうな」
一切馬鹿にされた様子もなく、ただ真っ直ぐ俺を見て提案してきた。
月のない世界の夜は暗い。慣れてくれば近くにいるロクサーヌは見える。ロクサーヌは見えているのだろう。
俺はずっとロクサーヌを見る
ロクサーヌは俺にキスをする。
俺もそれを受け止める
「明日も早いです。風も出てきましたし、もう寝ましょう」
風で髪が顔にかからないように指で押さえる
ロクサーヌは綺麗だ
「ああ」
俺とロクサーヌは同じテントになっている
流石に周りは兵隊だらけでHするわけにはいかないので悶々とロクサーヌの胸の中で寝ることにした
朝はしっかり夜明け前にロクサーヌが起こしてくれた
朝ももちろん明ける前にリタが朝食を持ってきてくれた。
キーカやテア、ニコル、フィーネやひまりたちも手伝ってくれている。今日の朝は肉野菜のおじやだな。
お腹に優しいメニューでありがたい。
さぁ今日はどうなるやら……
2024.09.15改編