カシアと湖畔の館にワープで帰ってきた
「ただいま」
ロクサーヌとフィーネとニコルが話しているが、リタが俺に気がついて走って寄ってきた。
「おかえりなさいませ。カシア様おはようございます。
ご主人様、昨日付けでリタと、テアはミチオ様の従者になりました。今後ともよろしくお願いします」
「??」
「朝ごはんご用意しますね」
と言ってリタはキッチンへと向かう。
「どういう事?」と俺は小声で言うと、
カシアは見かねて、
「昨日、あの子と寝たんでしょ?」
「何でわかるんですか?もしかしてカシア様も鼻が利くの?」
「な訳ないでしょ。きっとロクサーヌがあなたを守るためにそうしたんでしょ」
「どういうことか全くわかりません」
「彼女はここの従者ではなく、ここにいる誰かの従者だったんでしょ」
「はい。フィーネというエルフの従者でした」
「それだとフィーネは従者かもしれないけど、その従者には守秘義務はないのよ。だから直接ミチオ様が雇う形にしないと、ここの場所、不思議な技、呪文、他の従者の事の守秘義務がないからよ」
「彼女がそんな事するとは思えないけど」
「まぁそうでしょうけど……フィーネさんが内緒よと言っても、しゃべっても罰則はないから……」
「罰則?」
「ええ、そんなことまでしないと思うけど、裏切れば私が制裁に行くよと言う意味よ」
「ロクサーヌはそんなことする人じゃないですよ」
「……そうかしら…ミチオ様を守るためなら、彼女は何でもできるわよ。それくらいは思っていた方がいいわよ」
「……」
俺の方にロクサーヌとフィーネ、ニコル、アーダが寄ってくる
「おかえりなさいませ。カシア様よくおいでになりました。明後日までよろしくお願いします」
「お世話になります。よろしくね」
「ローブお預かりしますか?」
「ううん大丈夫。アーダ、私の部屋はあるかしら?」
「ご用意してあります」
「とりあえず荷物を出してくるわ」と言ってアーダと一緒に部屋に向かう
「いま、リタに聞いたかもしれませんが、リタとテアはご主人様の従者になりました。至らぬ所もあるかもしれませんが、今後はよろしくお願いします」
とフィーネが言ってくる
「いいのかい?」
「リタとテアに聞いたら了承をえられたので問題ありません」
「……そうか…じゃあロクサーヌ、またお願いしてしまう事になるけど、頼むね」
「はい」
とロクサーヌは短く答えるだけだった
朝食を取るために席に着くと、右隣にいる
ロクサーヌが
「遅いから心配しておりました」
「ああ、ちょっとな。カシア様がわがまま言うからな」
「まぁ、カシア様もだいぶ美しくなりましたからね。ミチオ様も放っておかないですよね。ここの館のためにも、粗相がないように気を付けてください」
そっち?!もしかして俺から襲っていると思っているのか?むしろ逆だぞと言いたいが、それを言うとカシアにも何かするかな……
まだ食事は始まらないが
隣にベスタが来た。後ろには何故かラウラがいる。彼女も竜人族だったな
「ミチオ様、今日の私の夢の話を聞いてもらってよかったでしょうか?」
「ああ、朝言っていたもんな。うん、いいよ」
「実は龍神が私の夢に現れまして…お前にはその資格があると言われました」
「唐突だな……もうちょっと詳しく教えてくれるか?」
「はい……龍神が現れたのは初めてではありません、前回はただの偶然だと思っていたのですが、このタイミングでまた現れたので、これはお伝えしなくてはと思いました。龍神には、強さや、悲しみ怒り喜び愛を知っているベスタなら竜王の資格があると言われました。
で……龍神に犯されると思ったらミチオ様だったので朝ビックリしたわけです」と恥ずかしそうに言う。
「前回は?」
「前回は私がオークションに出される前日の夢でした。龍神に最初に声を掛けてくる者の言う事をききなさいと言われ、ご主人様に声を掛けられて、他の者には口を利くなと言われたので、その通りにしました」
「確かにそんなこと言ったな」
「私に何か変化があると思うのですが」
「あっ…そうか、そういうことか……」
迷宮に入っていないから、みんなのレベルや職業の確認をしばらくしていなかったな
ベスタのレベルを見ると、竜生九子のレベルが52まで上がっている!!
いつの間に!!
そして新しい『竜王』と言う新しいジョブが発生している。
「ああ、確かに新しいジョブが発生してる。変えていいか?」
「何というジョブですか?」
「竜王」
ラウラがその言葉に反応した
「えっ!?竜王?!」
ベスタは
「承ります」
と一言言う
俺はよくわからないが、本人的にも問題ないようだったし、カッコいいしな
俺はベスタを竜王にした。
彼女のスキルを見る
竜王lv1
効果 体力×3 腕力×3 防御力×3 MP 大上昇
スキル 竜の加護 竜生九子のスキル ジャベリン8本
リジェネレーション シェイプチェンジドラゴン
上級属性魔法 4位魔法全種
俺は思わず声が出た
「えっ?!えーーーっ!!」
俺は立ち上がり、驚きの声を出してしまった
俺の声にみんなが驚いている
隣にいたロクサーヌが一番驚いている。
「大丈夫ですか?何かあったのですか?ベスタが竜王になった事に問題があるのですか?」
「いや、問題はないよ……リ、リジェネレーションがある…ベスタのスキルにリジェネレーションがある」
「えっ?どういう事ですか?わかるように説明してください」
「うーん…ほら、10日くらい前に迷宮でボロ爺を召喚しただろう?」
「はい、それは覚えています」「その時に、失った四肢を治す方法を聞いたんだ。後天的に失われた能力を取り戻す呪文は……リジェネレーションだと」
「えっ?ご主人様が得ると勝手に思っていました。まさかベスタが……」
「ああ、俺もそのつもりだったが……」
ベスタが俺に言う
「リジェネレーションを唱えられるのは、1日に1回までのようです」
「よし、わかった」
みんなに聞く。「みんないろんな事情でここにいるが、ついにみんなが普通に歩ける時が来たようだ。だが、ベスタは一日に一人しか元に戻せない。だから今日、最初に誰を治すか聞きたい。みんなは誰がいいと思う?」
……
……
「そりゃユリだろう」
「ユリ……」
「そうだな…ユリだな」
とユリの名前が出てくる。
ユリにみんなの視線が行く。
当の本人は「ひまりは足がないから、ひまりの方が大変じゃない?」
ひまりは「ユリ、ユリが綺麗なのは私が一番知ってる。だからユリが先に……」
「いいの?」と泣きながら言う
みんなから拍手が湧き上がる
「ベスタ、申し訳ないが最初はユリにリジェネレーションをかけてやってくれないか」
「かしこまりました」
ユリは付けていた衣服を脱いだ
ベスタがユリに呪文を唱え「リジェネレーション」をかけると、火傷で爛れていた皮膚がみるみる綺麗になっていく。
「おおおおぉぉ……」と歓声が漏れる。
完全に火傷の跡と傷跡が消えて、髪の毛は半分ないが、綺麗に元に戻った。
鏡を見せると、
ユリは、初めて見せる嬉しそうな笑顔。
「まだ髪の毛半分ないけど、元に戻った!!ベスタさんありがとう…ありがとう……ご主人様ありがとうございます……」
と、手をとって喜んだ。
そこにキーカが声を掛けてくる。
「髪の毛でよければ僕が生やそうか?」
「キーカ、そんな事できるのか?」
「そういう呪文あるよ」
「じゃあ是非頼む」
「ああいいよ。じゃあ僕の前に来て」
ユリはキーカの前に行くと呪文を詠唱し始めた
「グロースオブヘア」
と唱えると
ユリの頭から髪の毛が伸びてきた。
胸くらいまで伸びると、キーカは詠唱を止めた
「このくらいでいい?」
ユリは泣いて喜んだ
「もう私……私……ダメだと思っていたの……ずっと醜いまま生きていくんだって……ありがとう皆さん…ありがとうございます…」
ずっと泣いているのをベスタが
「ほら、綺麗になったんだから。もっと喜んで」
と声を掛けてあげる
嬉しそうに
「うん」とユリは答える
ロクサーヌが声をかける。
「よかったね。じゃあ服着ようか。すぐ欲情してしまう人がいるから、ね」
と言うと笑いが起こった。
「ひどいなロクサーヌ」
クラリスが急に手を挙げる。
「はい!!」
「どうした?」
「キーカ髪のばせるのですか???」
興奮気味でクラリスが聞いてくるのでちょっと言葉がおかしい
「うん」
「でしたら私も、私も伸ばしてもらえませんか?」
と興奮気味にクラリスは言う
「うん、いーよ。そのかわり、おいしいご飯作ってくれる?」
「そんなこと全然いいヨォ」
「わかった」と言って同じ呪文をクラリスにも掛けてあげた
クラリスも泣いて喜んでいた。
「コボルトに髪の毛全部切られて、やっとここまで伸びたの。ありがとうキーカ…ありがとう……」
キーカはクラリスの頭をヨシヨシと撫でてあげた。
「ベスタありがとうな。明日も頼むと思うけど」
「明日からは、晩御飯の後にしましょう」
「うん?どうして?」
「日中、パーティのメンバーが何らかの理由で腕などを失ったら、全滅の可能性もあります。特にご主人様は……放っておけませんし。夜でしたらその後、ご主人様が腕をなくす危険性はありませんので」
「そうか?……ベスタのいいと思う方でいいよ」
「はい、ではそのように。テアやリナはこれで治るのでしょうか?」
「いや、テアとリナは先天性のものだから、残念だけど治らないと思うよ。ボロ爺がそう言っていたし」
「かしこまりました」
カシアがアーダと共に俺の隣の席にやってきた。
「どうしたの?盛り上がって、何かあったのですか?」
「ええ。今ちょっとした事がありまして……」
「教えてくれないの?」
ロクサーヌが横から口を出す
「内密にできますか?」
「また?」
「はい」
「はい、かしこまりました」
俺が答える。
「リジェネレーションができるように今なったのです」
「それってなに?」
「ここにいる多くのものは、カシア様も知っている通り自力では走れなかったり、装具を使わないと歩くのも困難な者もおりますが、この呪文でそういった機能を取り戻せます」
「えっ?それってすごい事じゃない?えっ?それって目が見えないとかも?」
「先天的に見えなかったものは無理なようです、怪我や病気なら治せると思いますが?」
「なら、お願いしたい人がいるわ」
「ただし、一日に一人しかできないので、早くても1ヶ月後になってしまいます。俺としては、まずここのものを治してやりたい」
「ええもちろん、それで構わないわ」
「カシア様、なるべくご内密に」
「ええわかったわ」
みんなが自分の席に着くと、遅めの朝食か配られる。
リタが
「今日の朝食はチーズとキノコのリゾットです」
ロクサーヌが
「これ私好き!!」
リタも気を使っているのかな……
みんなに配られる。
カシアにも当然配られる。
「このスープみたいのがリゾットなの?」
「ええそうですよ。よかったら少し食べてみてはいかがですか?」
「ええ、いただくわ」
カシアがスプーンで食べると
「これ美味しい」
カシアは結局全部食べてしまった。
「こんなおいしいものを毎日食べていたら太るわよ」
とロクサーヌに言うが、隣にいるセリーが答える。
「ご主人様と夜伽をしている間はそのような事はなく、むしろ胸やお尻につくようです、ウフフ。なので私たちは好きなだけ食べられます」
「そうでした。なら、私もおかわり!!」
「えっ……そういう事?」
もちろんセリーは俺とカシアがそうなっていた事を知らない。
「そんな大きな声で言って大丈夫ですか?」と小声でカシアに言う
「だってここのことはみんな内密でしょ?うーん…でも、もしそうなったらそうなったで、私もずっとここにいられるし、それはそれでいいかもしれないわね」
こわいこわい。
「全部内密にしておきましょう」と白い目で俺を見ながらセリーも答える
カシアは美味しそうにチーズリゾットを食べている。
エマが言う。
「この後の予定を聞いたら、それだけで痩せますよ」
エマが立ち上がり、
今日の予定を説明する。人の配置と、ベスタ班、戦闘班、ルティナ班に大きく分かれる。
「俺は?」
「今日はロクサーヌとロッジに向かってください。色々なことを決めるはずです」
なら、ESPリングをエマに渡しておく。
「ベスタ、さっき4位魔法まで使えるようになったから、ESPをルティナに聞いて覚えておくように」
「はい」
「では、解散!」
「カシア様もルティナと一緒にお願いします」
「はい」
アーダが俺の近くに寄ってきた。
「自宅から預かっておりましたお金を渡したいと思うのですが」
「あっそうか……でも、うーん…アーダにここの金庫番って頼めない?」
「えっ?でも、私は商人ではないので」
「そうか……でもアーダに頼みたいんだよな」
「なぜ私に?」
「だって、将来は商売をしたいんじゃなかったっけ?」
「いずれは……とは思っていましたが……」
「うーん…じゃあ三人まとめて、アルフレッドの所に行こう」
「誰ですか?」
「フィーネ、ニコル!!」
と俺は2人を呼ぶ。
「はい」
「ロクサーヌも一緒に来てくれるか?」
「で、アルフレッドって誰?」とニコルが俺に聞く
「教皇様」
「はい?今からですか?」とフィーネが答える。
「ああ、アーダも商人になってもらって、ここのお金を管理してもらおうと思っているんだよね。どう思う?」
「それは問題ないと思いますが…それと教皇様に何の関係があるのですか?」
「三人ともとても才能があるから、セカンドジョブをつけようと思って」
実はこのお話で原作も含めると300話となります。だからリジェネレーションという名前にしたのではなく、たまたまというか、かなり前からベスタが使えるようにと考えていました。
高評価よろしくお願いします
2024.10.19