今日から45階層だ
そういえば…帝国解放会が45階をクリアしたら連絡しろ、って言っていたな…
正直に言うべきか悩むな……
セリーの言うように44階層を周回する手もあるのだが……
前回23階層の試験から1ヶ月か……
早いかな……半年くらいかけた方がいいのか?
45階層からまた敵が強くなるとセリーも言っていたけど
どうなのだろうか?
かと言ってロクサーヌはやる気満々だしな
装備も整えたし、新しい戦法も試していかないといけないしな
「44階層で、フォーメーションと新しい戦法を確認してから45階層に行こう」
「かしこまりました」
ロクサーヌにホワイトキャタピラーを見つけてもらい、
ベスタを先頭に戦う
ベスタは教えた通り、盾を叩いたりして相手を攻撃する。
シールドで突き返す、ベスタならではの力技だ
充分ヘイトを稼いでから攻撃する
後ろから攻撃するから数発で倒れる
6匹いてもあっという間だ
「どうだベスタ?ダメージはあるか?」
「いえ、盾のおかげで全くダメージは受けてないです」
何回か戦ったが問題ないようなので、そのままボス戦に
レッドキャタピラー2匹が出てくる
同じようにヘイトをベスタに稼いでもらう
ゴムが盾についても全く問題はないようだ
ベスタの真後ろはロクサーヌのように避けないので安心だ
ベスタが盾の脇から攻撃すると、遅れて皆が横に散開してサイドアタックを1匹ずつかける
一斉に攻撃することで、あっという間に倒せても、もう1匹はベスタの方を向いている
ミリアは常に相手の後ろに回って攻撃する
すごいな
もう1匹も、石化はしないが、あっという間に倒せた
もちろんゴムの糸も出てきた
何回か周回して、いよいよ45階層に行く
「45階層はネペンテスです。火が弱点の植物です」
ロクサーヌにエンカウントしてもらう
俺は
魔道士、勇者、魔法使い、遊び人、ダンサーの
魔法4連で行く
ベスタも盾を使わずに、二刀流で速攻で決める
ロクサーヌは攻撃すら受けない
ミリアも石化が効くのであっという間に終わるな
何回かエンカウントしてもらってホワイトキャタピラーが混合してても問題はないようだ
ネペンテスは「
さあ!たくさん取ろう!!
30枚くらい取ったところで
ハサミ式食虫植物のカードが出てきた。半夏は
薬草採取士にして滋養剤が90個できたので皆に配る
というところで、ロクサーヌの号令のもと朝食だ
帰ってきてからさっそくみんなでシャワーを浴びる
夏は特に気持ちいい
当然俺はみんなを見て大きくなるのだが、ミリアとルティナが二人で舐めてくれる
ベスタは俺のお尻を、セリーは俺の胸を、そしてロクサーヌはキスをしてくれる
ベスタの長い舌が俺の尻を舐め、俺の膝はガクガクとする…と、あっという間に果ててしまう
ミリアはすっかり全部飲み込んで美味しそうに舌なめずりをする。その顔を見て、ゾクゾクする。綺麗に舐めとってくれる
何事もなかったように俺はいう
「サッパリしたな」
俺がな!!
「サッパリしましたか?」
「気持ちいいですね」
と、少し半笑いでリビングに。パンとハムエッグを食べる
「この後はどうしましょうか?」
「弓の練習をして欲しい」
「かしこまりました」
家の近くで練習すると色々目立つので
みんなでベイルの迷宮近くの森にやってきた。ここで練習することにする
ミリアはすぐできるようになった
ジャンプして宙返りしても打てる
さすが暗殺者にしているだけある。
こういうのは得意なのか?
セリーとベスタは力があるので悠々と引ける
ロクサーヌは凛々しい感じだ
ルティナは持ち前のセンスですぐに覚えた。見た目も美しい
一番できないのは俺である
ミリアがセリーに言う
「もう少し小さくならないですか?」
「私も思っていました。戦闘中になれば小回りが利く方がいいですし、前衛ですからね」
「ご主人様…何かいい方法はご存知ないですか?」
「短弓と言うのがあるが…大分威力が下がるんだ…迷宮にいるような敵は倒すのに時間がかかるかもな」
「うーん、引く力はあるからな……連射はできなくなるが、コンパウンドボウはどうだろう?」
「コンパウンドボウとはなんでしょうか?」
「滑車を使った弓なんだが、どんなだったかな……」
「こんな風にカムを2つ使って、滑車の原理で、ダマスカス鋼をこんなふうに加工して……」
「いきなりすごく難しい構造ですね。」
「あと、発射装置もあったほうがいいな」
「こんな風に指で押すと、カチッとなるように。指でずっと押さえてると指がちぎれてしまうから」
「なるほど…まずは木で作ってみましょう」
ここは森だから、木ならいくらでもある
「作ってみました。どうでしょう?」
「小さくなった〜」
「でもこれ、すごい力使うね…引いてしまったら軽いけど」
10メートルくらい離れた木に向かって矢を放った
矢は突き刺さり、20センチほどめり込んでいる
「え?」
「一回でかなり木が歪んでいますね…これはやっぱり金属で作った方が良さそうですね」
「この滑車は壊れやすいから、ここは少しくらいでは壊れないように作りましょう」
「構造はわかりましたので、こないだの材料のダマスカス鋼と鋼鉄で作ります」
スキルを使って弓が出来上がっていく。
ダマスカス鋼コンパウンドボウ+1 空き
「できました」
「セリーは本当に凄いな」
「ミリア、試してみるか?」
「うん、ご主人様」
「うううっ、かた……い」
「無理しなくて良いよ」
「うりゃーーー」
「引けた」
「引いたらだいぶ軽いね」
狙いを済まして……
シュッ
木が貫通した……
これってすごい殺傷力あるんじゃない?
ミリアは暗殺者だし、夜目も利くし、この世界の人は弓知らないし、兜かぶっていても貫通するくらいの威力があったら、まさしくアサシン
ミリアに向いている武器なんだろう
「ミリアすごいね。でも、引くのにそんなに力がいるならもうちょっと弱くしよう」
「はい。戦闘で使うとなると、もうちょっと軽く引ける方がいいです」
ニコニコしてる
再度調整して確かめる
宙返りしながらでも打てるようだ
もともと猫人族だからだろうか、ジャンプ力、体の柔らかさはすごい
ミリアは手を挙げる
「はい!それと、シュッと投げるナイフも欲しいです。なるべく小さいのが良いです」
「セリー、作れるか?」
「まずは木で作ってみて、形を確認します」
「こんな感じでしょうか?」
持ってきたのはペーパーナイフみたいな感じでもので、
20センチほどのものだ
俺が見て
「狙いやすいようにもっと先端に重みがあって、ナイフの柄の部分は金属剥き出しでも良いんじゃないかな?」
「なるほど。ためになります。」
「では、もう一回作ります」
これってどこかで見たことあるような形
「クナイだ」
5個ほどできた
ミリアが投げると綺麗に木に刺さった
「ミリアすごい」
嬉しそうに答える
「テヘヘ ありがとうセリーおねーちゃん、ご主人様」
「あと、鏃の形で用途を変えられる。殺傷力を強くしたり、貫通力をあげたり、音を鳴らす形、矢を抜けないようにしたり…」
「そうなんですか?!」
「細い糸をつけて狩猟用にもできるよ」
「作ってみます」
その間にベスタはシールドバッシュの練習をロクサーヌとしている
ルティナは長弓の練習をしている。俺も弓の練習をしよう
俺にはアイテムボックスがあるので、長弓でも持ち運びは問題ないがもちろん前の世界で使うことはなかった。
当たり前か……
軽いいじめを受けた時、まぁナイフとかボウガンや弓とか、ネットで仕組みとか使用方法とか見たけど、もちろんその時は買うこともなかったし、もちろん思いとどまったけど、こんなところで役に立つとは……
えっ、普通調べるよな……?
俺ってサイコパスだったか?
もうルティナが既にうまい
50メートル先の的に当てられるようになっている
引いている姿もサマになってる
「ご主人様どうですか?十発中十発を的に当てられるようになりました!」
「ルティナもすごいな」
耳が動く。嬉しいようだ
「ありがとうございます!」
ロクサーヌが慌ててやってくる
「ご主人様、近くに洞窟があります。中からコボルトの匂いがします」
「30匹ほどいます、奥に人の匂いもします」
森の奥の崖部分側面に
3メートル程の穴が空いている
俺たちはすでに鎧を装着して、森の茂みから覗いている
迷宮以外の物に入るのは初めてだ
ミリアに偵察を頼む
入り口付近にコボルトが2匹いる。ミリアとルティナの
弓で1匹ずつ弓で射る
音も立てず倒れていく
夜目が利くミリアが先行する
ルティナが
「クリエイトファイヤー」
で、洞窟を照らしていく
ロクサーヌにはもう既に敵が見えたのか
「このくらいの敵なら殲滅できます」
ロクサーヌがベスタの肩を叩き、ベスタがミリアの肩を叩く。ミリアは武器を弓からエストックに持ち替える
肩を叩かれるとダッシュで前の暗闇に消えていく
セリーとルティナは俺の前と後ろにいる
血の匂い、獣の匂いがする
これは死の匂い
迷宮とは違い、壁は発光してない
俺には前の様子が見えてないが、セリーはドワーフの特性だろうか?見えているようだ
ルティナは10メートルずつ「クリエイトファイヤー」 と、照明を壁につける
魔法の炎であたりを照らす
昼間なのに、洞窟の中は真っ暗で涼しさすら感じる
先行した三人の声が聞こえる
あっという間に前が静かになる
30メートル先に行くと大きな広場に出た
15メートル四方の広場だ
クリエイトファイヤーを天井にかける
全体を照らすと、コボルトの死体と、糞尿の匂い
女性の裸体が何体か転がっている
女性の一人は死んでる
コボルトの子供も死んでる
ロクサーヌが始末したようだ
「コボルトは子供とて、後の災いになります」
「種族間での子供ができないのではないのだろうか?」
「コボルトだけは他の種族と子供を成せるのです。生まれて来るのは全てコボルトですが」
「コボルトは迷宮から出てきたのだろうか?」
「はい。迷宮から出てきた魔物は、死んでも消えません。そして、その環境に適応していくのです」
「この娘たちも、どこかの村から攫われてきたのでしょう」
「ここで繁殖し、力をつけたものがイェーガーになったりします」
ほかの女性に目を向け、鑑定すると
二人は生きているようだ
目はうつろで
痩せこけて、あざだらけだ……
「癒し」
魔法をかけると、
気がついたようだ。
「大丈夫か?」
俺が声をかけると、
「殺して下さい…」
「もう、何匹も…コボルトの子を産まされました…」
「まだ、お腹の中にも宿されています…」
後で聞いたが、コボルトの子供は5日ほどで生まれるそうだ
「助けて頂いたのに、申し訳ありません…どこのどなたかわかりませんが、私達を殺していただけませんか…?」
泣きながら訴える
もう一人は意識はあるが、精神が崩壊しているのか、口をパクパクとしている
俺はロクサーヌを見る
ロクサーヌは首を振り、口をつぐみ泣いている
代わりにセリーが答える
「ご主人様は毒薬を生成できるようになっているはずですから、よかったら彼女らに飲ませてあげて、苦しむ事なく、浄化してあげてはいただけないでしょうか?」
「自分の宿した子を殺すことになっても、あの世に行けば全ての罪は許されます」
俺は目の前が真っ暗になった
俺は……
こういう時どうすればいいんだ?
ロクサーヌも
「お願いします…」
と泣きながら訴える。ミリアもベスタもルティナもうつむいている。
「うん……そうだな」
人の意見に乗っかって、自分の罪を軽くしようとしているのだろうか
セリーは木のコップを生成し
俺はそこに、安らかな死を得られるようにと願いながら
「クリエイトポイズン」と唱えた
コップを渡すと
俺は
「自分で選びな…」
もう一人の精神が崩壊している女の子に
「エリー、よかったね…」と言いながら、
彼女に飲ませてあげる
彼女は頼りない飲み方でごくりと飲むと眠るように亡くなった
「本当にありがとうございました」
名前も知らない彼女は笑顔を見せた
毒を飲んで、スッと安堵したかのように、眠るように死んだ
敵でもない人を、間接的ではあるが、俺は人を死なせた……
俺に罪はないのだろうか?
それでも生きた方が良いというのは偽善でも言った方が良かったのだろうか?
生きていたら受けていた彼女たちの今後の扱いを想像すると、吐き気すら感じる。モンスターの子を宿している女の子…既に精神が崩壊して、歩くこともできないほど衰弱している女の子…
この過酷な世界では彼女達の安寧は得られないだろう
それを知っているからこそ、ロクサーヌ達は彼女たちの浄化を望んだのかもしれない
しばしの沈黙が流れた……
ベスタが奥の部屋を発見した
その部屋には金貨5枚、銀貨20枚ほどと、装備品がいくらか放置されていた
セリーが最初に告げる
「これらは売ってお金にしましょう」
アイテムボックスを開き採取する
確かにここに置いていても意味がないのはわかるが、彼女たちは本当に強い
病気が発生するかもしれないので、
外に出して穴を
「デリートサンド」で掘った
コボルトは焼いて
「クリエイトサンド」
で埋めた
彼女達三人は別々に穴を魔法で掘り、焼いて砂をかけた
俺はなんだか手を合わせる
「それはなんですか?」
「俺の前にいたところでは、死んだ人を弔うときは手を合わせて見送る習慣があるんだよ…」
というと、みんなが手を合わせた
もうすっかり日が暮れていた……
23.06.06改編