ロクサーヌが起こしてくれる
「ご主人様お目覚めください」と言ってキスをしてくれる
「おはよ」
みんなも起きてくる
みんなとおはようのキスを順繰りにすると、ロクサーヌは俺の着替えを手伝ってくれる
「これは?」と自分の股間を指差す。
朝の矜持は昨晩あれだけしてもちゃんと行われる
「ご主人様申し訳ありません。今日は急いでおります故、我慢できますか?」
素直に「うん」と言ってしまった。
ロクサーヌに頭を撫でられた。
「じゃあ戸締りしたら、湖畔の館に行こうか」
「はい」
ワープで移動するとすでにもう準備は整っており、すでに出発しているようで、エマが待っていた。
「おはようございます。昨日は寝れましたか?」
「ああ」
「では行きましょう」
マロルに来ると、フィーネが待っており、
「おはようございます」と声をかけてくる。
「ニコルは来ていないの?」
「ニコルと、ユリでご主人様の帝都での住まいを探しております」
「あ、そっちの話も進んでいるのね」
エマが間に入って
「いつまでも住所不定では、不味いですからね」
「なるほど」
「マロルの東地区は未だ道路しかありませんが、すでに多くの工事が終わっています」
「よく頑張ったな」
すでに新しい城壁は半分くらい出来上がっている。
セリーはマロルに残って、作業をする予定になっている
それ以外のメンバーは、モンベルトの集合場所へと移動する。段取りは全てエマが行なっているので、俺は指示通りに今回は動けばいいようだ
「じゃあモンベルトに行ってくる」
「はい。引越しお待ちしております」
モンベルトにワープすると
更に大騒ぎだ。今日明日でみんなが引っ越すわけだから仕方がない
俺達はレティシアのいる館へと向かった
レティシアの館には既にみんなが集まっていた。
エマが
「帝国機動部隊隊長のエドワール様です」と俺に紹介をするその隣にマキシムもいる
「ミチオです。今日と明日よろしくお願いします」
「ミチオ様よろしくお願いします」
レティシアも
「ミチオ様。今日はよろしくお願いします」
エマが地図を使いその段取りをみんなに説明している。
俺は家の移動について肢を外せる平たいスコップを使って板の上に乗せてそれを移動させる方法を説明した
こちらの騎士団にも手伝ってもらって混乱がなるべく無いように手伝ってもらう。
町民に混じる為、護衛も大変だ
俺には、ロクサーヌとベスタが着き、ルティナにはジョゼとミリアが着く。
エマは総現場監督のようだ
俺とルティナで『アイテム』の呪文を使って、アイテムボックスを持つ冒険者、探索者に運んでもらう。
マロルで迷子にならないように、モンベルトと同じように通りを作ったので、同じように家を設置するだけで、すでにマロルの地図には引越し先に名前が記入されていた。
では引越し開始だ!!
町の西側から始めていく。ルティナは北方面俺は南方面から始める
俺とルティナは正直魔法をかけまくるだけなので、呪文への集中力だけは使うが、その他のことは何も考えずに次々と呪文をかけていく。
騎士団の人がスコップを使って肢を外すとそれを冒険者の人がアイテムボックスに入れる。そのスコップに文字を書いて誰の家なのかわかるようにしている。
住人には家の前で待っているようにと言っているだけなので、その魔法を見るとみんな驚く。家がスコップの上に乗せられたのを確認をしたら、住人は広間で機動部隊が既に集まっているので、順繰りにマロルへと移動していく
家が何軒か集まると、冒険者も一緒にマロルへと移動する。
俺とルティナはそうはいかない。建物は全部で500弱あるらしいので、今日中に250は移動させないといけない。
俺とルティナへ120前後ずつ手分けしてやることになった
60回ほど家や集合住宅を小さくしたら、一回マロルに戻り、家を元に戻すという作業がある
俺は10軒目あたりから快調なピッチで呪文をかけて1時間もかからなかった
マロルに戻ると今度はリバースの呪文で戻していくことになる。
家の前にはそこの住人が待っていて、騎士団の人が立て看板と名前を確認して、既に置かれている小さな家と板に書いている名前を確認して待っている。俺がリバースをかけると元の大きさに戻る
住人は元に戻ると安堵したようだった。後はフィーネが上下水道を用意してくれていたので、それを騎士団の人が説明して、ギルドの人がそれらを設置する
俺は小さくして、大きくするをひたすら繰り返すだけだった。この作業も1時間で60軒分終わったので、またモンベルトに戻ってまた小さくする作業を行う。その間ロクサーヌとベスタは俺の護衛をしっかりしてくれていた。遠巻きには騎士団がロープを張り、人を寄せ付けないようにしている
大きな集合住宅もあるが5階建でも15センチまで小さくなるので、大きな問題はなかった。
今日の俺が担当する分はお昼頃までには終わっていた
見に来たレティシア達も
「すごい……」と絶句
既に町の一画が完全に更地になっている
俺はルティナの方を見に行くとまだ終わってはいないようだったので手伝った。
「ご主人様ありがとうございます」
俺とはMPが違うし、呪文の詠唱破棄がないのでその度に呪文を唱えているから負担も大きい
ハイエーテルのりんご味をあげると喜んだ
「美味しい!!よっしゃもうちょっと頑張ります!!」
町の半分があっという間になくなった。
今日の分は終了した。機動部隊の人たちと住民も呆気に取られていた。
レティシアは
「こんなの見たこともない」
とエマと進捗状況を日陰のある城壁から見ている
「たしかに凄まじいよな。すでに街の半分が消えた」
「はい」
「それで、どうだ?」
「どうと言いますと?」
「ミチオが言うには、私とジョゼ、そしてレティシアを行政官にしてマロルを運営してほしいそうだ」
「私は一般市民になるのかと思っていました」
「本気か?」
とエマとレティシアが笑う
「町民の半分はレティシアを支持している。我々にはまだ無い能力の内政を整えてほしいそうだ」
「では落ちぶれ貴族を雇ってもらえるのですか?」
「最初からその気だっただろう」
「エマさんはなんでもお見通しですね」
「それと、私からのアドバイスだが望まぬ者に抱かれるのと、望んだ者に抱かれるのでは全然違うぞ。なかなかチャンスはないかもしれないが、チャンスがあった時にはそれを活かすといい。ミチオは拒んだりはしないから」
レティシアはうつむきながら、顔を赤くして短く返事をした
「はい」
……
俺たちは今日のお引っ越しが終わり
ちょっと遅めの朝ごはんを食べに湖畔の館に戻る。
リタも
「もうお戻りですか?今からお届けしようかと思っていました」
「今日の朝ごはんは何?」とみんなに聞かれ
「今日はご主人様から教えていただいたカツサンドにしました」
みんなが続々と帰ってきた
「いただきます」
と言うと、みんな一斉に食べ始める
「美味しい」
「ところで何か問題はあったか?」
と俺が聞くと、エマが答えた
「大きな問題はないです。家の中の皿が割れたとか、多少の事はありますが、おおむね順調に進みました。レティシアには行政官をしてほしい旨を伝えました」
ロクサーヌが言う
「行政官になる際には、私兵を持っているのは問題だと思います」
「あの女ばかりの騎士団か?」
「はい」
「明日から鞍替えしてマロルの騎士団には入れないだろうから、集団お見合いすればいいんじゃない?夫婦になればそのまま騎士団に残りたい人、孤児院やギルド職員として働いてくれる人なども出てくるんじゃないかな?」
エマが答える
「なるほどどちらも独身ばかりですからな」
「今はマキシム殿の旗下の騎士団が交代で駐在してくれているが、帰るまでには騎士団を500人までは増やしたいな」
「現状では100名ほどですからね。訓練と並行して募集かけていかないといけないですね。それとも、傭兵や旅団など、金で集めると言う方法もあります」
「うーんそれは、戦争の時は必要が出てくるかもしれませんが、常備兵としては、やはり騎士団として用意した方が良いと思います」とロクサーヌが進言する
「じゃあ騎士団の団長はエマかな……訓練はロクサーヌにも手伝ってもらって……」
「ロクサーヌに訓練ですか?死人がでますよ?」と笑い話になった
「そんなことないです。ちゃんと手加減しますから」
「これは失礼。団長は私ではなく、レティシアにしたらいいのではないでしょうか?そうしましたら、先の騎士達も受け入れしやすいですし」
「レティシア?」
「彼女は普段は令嬢のようにスカートを履いてますが、彼女のジョブは騎士ですし、集団戦略の才は持ち合わせていると思います。ジョゼには内政の在り方を勉強させつつ騎士団も率いてもらうのがいいかと思います」
「わかった、ではそうしてもらえるか」
ミリアが聞いてくる
「今日この後は?」
「今日この後はお休みにしようと思う。自由行動だな」
「はーい」
エマが「今日この後は自由行動とするので、明日も今日同様に頑張ってくれと、ミチオ様からの伝言だ」
と大声で言う
俺が大声を出さなくても、エマの通る声でみんなに指示がでる
ニコルが俺の席までやってきた
「ご主人様ここ2.3日帝都での邸宅をユリと探しておりました。話がまとまりそうなので、帝都にご一緒に来ていただけませんか?」
「そうか。じゃあちょっと行くかな」
ロクサーヌは昼の帝都は特に危なくはないので、ニコルと、ユリに同行はせず、騎士団の訓練を頼まれたので挨拶に行くようだ
セリーは、図書館に行きたいそうだ。ルティナとベスタは自分の店に行きたいそうだ。一緒に連れて行こう。エマはマロルをブラブラと歩き回りたいと言っていた
ミリアはもちろん魚釣りだそうだ
みんなを届けたのちにニコルとユリとで不動産屋の所に行く
ここでは、クーラタルのように金物屋が不動産屋兼業ではなく、ちゃんと不動産屋があるようで、装飾が派手なおっさんでいかにも成金っぽい、アコギな商売をしているのだろう。ここまであからさまなやつは、初めてだ
「これはニコル様お待ちしておりました。こちらがミチオ様ですか?」
「俺のことを話してあるのか?」
「はい。勝手にすみませんですがミチオ様ならという事で、皇后様からの推挙で、とっておきの場所を提供してくれました」
「皇后?アリシア様か?」
「はい」
なるほどそういうことか……
案内してもらうと、もう宮殿のある人工島にかかる橋の目の前じゃん
「ミチオは狙われやすいからここにしたらどうか?とアリシア様から言われまして」
とニコルは言う
「しかもここの価格がびっくりするくらい安いんですよ。ミチオ様価格だそうです」
立派な門構えの中に入ると、
これも敷地内に入るとびっくりするような家が立っている。
不動産屋が俺に説明をしてくれる
「大きなパーティ会場として使える広間と、小さな広間が3つ、ベッドルームは50あります。そして外からは見えない中庭があり、敷地は帝都の中でも指折りです。伯爵様でもこの好立地で敷地面積は欲しくても手に入れることは出来ないでしょう。それと、執事3名メイドが8名守衛2名庭番が2名付いてなんと、5000万ナールという破格の金額です」
「ふむふむ」
5000万ナール?いや安いとは思うけどこんなに大きな家いらないでしょう。なぜアリシア様がこんなことを?
「いいんだけどね。ここじゃあ他の伯爵様とかに恨まれるんじゃないかな」
もう狙われまくっている俺からしたらそんなに目立ちたくないんだが……
「もう少しこじんまりした所の方がいいかな。私たちにはフィールドウォークがあるので、基本移動は馬車とかはあまり使わないので、こんな宮殿近くでなくても……」
ニコルが「いいのですか?皇后様推挙ですよ」
と耳打ちする
「俺はクーラタルくらいの家だと思っていたよ」
「えっ!?それでいいわけないじゃないですか?貴族なのですから屋敷又は湖畔の館ほどの大きさを用意しないとまずいですよ」
「湖畔の館静かで気に入っているんだけど……」
「ここと湖畔の館は1500キロも離れているんですよ。馬車だと半月かかる距離をさくっとこれている方がおかしいです」
「でもさ……高いよね」
「いえ、激安です」
「もっと安い所ないですかね」と不動産屋に聞く。
「えっ!!!それはこちらも困ります……この値段はミチオ様のみになっております。正しい売価は5億ナールなので……」
不動産屋のおっさんは冷汗をかきまくって、顔がダラダラだ
ふと窓から外を見ると
門の所に馬車が止まる。誰かが降りて来てこちらの屋敷に向かってくる
「アリシア様だ」
不動産屋がビビる。
「えっミチオ様絶対ここで決めてください。ここがダメって言われたら私打首になるから」
「でも金払うの俺でしょう?」
「えーーー頼みますよ。私が1/3出しますので」
アリシア様がやってきた。
「ミチオやっときたな。待っておったぞ」
「先日はショーの参加ありがとうございます」
「そんなこと大したことない。下着の件では、また余を優遇するように」
「はい、かしこまりました」
「でミチオここの家に決めたか?」
「申し訳ありません。未だ決めかねております」
「なぜじゃ?ここなら余もギョウザパーティなるものに参加できると思ったのだが?」
それか……ちょくちょく来る気だな。
「それにここは私の姉君の家だったのだが、いくつかある他の宮殿に引っ越してもらった。引きこもりのつまらん姉君だったからな。遠くなっても問題無かろうということになってな」
えー追い出したんじゃないそれって。自分にとって利益のあるものを近くに住まわせるとは、帝国恐るべし
「ですが皇后様。私には今、マロル再建にお金がかかっておりまして、再建費用を少しでも多くかけたいと思っておりましたからこのような金額だと、平民からお金を吸い上げて贅沢していると思われてしまいます」
「お金?」とアリシアが言うと
不動産屋が慌てて、口を挟む。
「ミチオ様はここに決めようかと思っていたところです。ここの維持費用について検討されていたみたいです」
うん?こいつ5000万ナールを、自分のポッケナイナイにしようとしていたな〜
アリシア様は無償でここを譲るつもりだったのでは?
ESPリングを中指にはめて隣にいる不動産屋に心の中で質問する
(おいお前)
心の中で俺の声が聞こえてびっくりしている。
(お前中抜きしようとしていたな?貴族相手に……俺の今の状況をアリシア様に伝えたらお前本当に打首だな)
(それだけはご勘弁ください。な、な、なんでもしますので)
不動産屋のおっさんはまるでシャワーを浴びたかのように汗をかいている
「アリシア様」と俺が声をかけた時、不動産屋は心臓が止まるほど怯えていた。
「維持費用と少し改装もしないといけないと思っていたので、彼と相談していたんです」
「たしかにミチオは大所帯らしいからな」
「そこのお前」
「はい!!」
「余が命令する。維持費用と改装費用も其方が用意せよ。そしてそれをありがたく受けよ」
直立不動で不動産屋は答える「かしこまりました!!」
「で、ミチオはいつ引っ越してくるのじゃ?」
「マロルがひと段落してからになると思います。まずは民の平和と安全を築いてから自分の事になります」
「ミチオは天晴れな漢だな」
「ありがとうございます」
「それと引っ越しした際には、ちゃんとお披露目パーティもするんじゃぞ」
「かしこまりました」
「楽しみにしているぞ」と言って馬車の方に帰っていった
不動産屋はそのまま直立不動のままだ
「首切られなくてよかったな。もしバレたらアリシア様のご厚意に泥を塗るところだったな」
「ヒィ」
「俺には感謝しても感謝しきれないのでは?」
「その通りです。ありがとうございました」
「まぁでも俺は優しい貴族だから、ここの10年分の維持費用と、改修費用、お披露目パーティの予算で手を打とうじゃないか?どうだ?」
「それでよろしいのでしょうか?」
「ああ、俺を騙したけど、それで許そう」
ニコルは
「そんな事で許すのですか?ご主人様はお優しいのですね。ナバ平原の時のように、ミンチ肉にしてしまうのではないかとヒヤヒヤしておりました」とニコルも不動産屋をいじめる
「ヒィ」
ユリは「いっそ欲が出てこないように、去勢してしまった方が良いのではないでしょうか?」
とショートナイフを出す。
綺麗な顔をしているからそのギャップが怖いです
「ヒィ、これからはミチオ様に助力を惜しみませんゆえ、お許しを……」
「じゃあ俺は優しいから、次又騙そうとしたら、去勢だな。この次はミンチ……そのつもりでいろよ」
「はい!!」
まぁ結果的にはここに決めることになってしまった。正直持て余してしまいそうだ
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