「査問審査会を開廷します。今回は皇帝陛下自ら判断されるという事になりました。裁定をよろしくお願いします」と言うと皇帝陛下が1階上の階から手を上げ入ってきて上から見下ろす
正座している者以外は皆立ち上がったので俺も立ち上がる
皆が一礼する
「着席してください。これからは指名された者のみお答えください」と審査官が言う
レイン伯爵が手を挙げると指名されたので最初に話す
「まず私がここに呼ばれたのが何故かわかりません。説明をいただけますか?」
審査官は俺を指名した。
「スティーグを始め騎士団の皆さんが許可もなく、我が領土内に兵を派兵し、また我々を盗賊扱いまでして、襲撃を受けたのだがこれはなぜですか?」
審査官はスティーグを指名した。
「覚えにありません」
審査官は騎士団を指名した。
「スティーグ様は『ここに奪われた金貨があるので取り返しに来た』と言われました。『他領土での勝手な活動は禁止されているのでは?』と言う我々の質問には、『正式に許可を得ている』ともおっしゃっておりました。エナ様とマナ様が聞いておられました」
審査官はエナとマナを指名した
「はい確かに聞きました。私たちがそこに到着すると、ホー……違ったイサキオスとバルハがいました。バルハとイサキオスはあのミチオ様に操られていると推察しました。彼らは私たちに攻撃してきたのです」
審査官は質問した
「イサキオスとバルハとの関係をお願いします」
「仕事仲間です」
「どんなお仕事ですか?」
「主に諜報活動です」
「今回は?」
「奪還作戦と聞いていました」
審査官はイサキオスを指名した
「自分は元帝国兵です。そのような諜報活動等の仕事についた覚えはないし、そちらの2人は先日の戦闘で初めて会いました。自分の事をホークと呼んでいましたが、そうやって呼ばれていることすら覚えにありません。クラフの街で酔っ払って次に起きたら3年後でミチオ様に捕まっていました。身体中刺青だらけになっていました」
審査官はバルハを指名した
「私たちも同様です2年間の記憶がなく最後の記憶が、スティーグの我々の力を使った諜報活動を1年手伝ってくれたら、村に食糧援助をしてくれると言う約束でしたが、それは果たされず、2年間の記憶も消されてしまっています。村は……村は消失しているそうです」
審査官はスティーグを指名する
「2人の話は憶えていません」
レイン伯爵夫人が手を挙げる
審査官はレイン伯爵夫人を指名する
「スティーグは私たちの執事の中でも最も古い執事です。まさか彼がこんな蛮行をしていたとは知りませんでした。なんのためにしたのか、覚えがないと言うのは理解できません」
レイン伯爵が手を挙げる
審査官に指名される
「スティーグがこんなやつだとは知らなかった。彼が勝手にやった事で私はとても迷惑している」
スティーグは俯いたまま何も言わない
俺も手を挙げる
審査官は俺を指名する
「エナとマナは現在でも[カース]状態だと思われますがこの場で[リムーブカース]をしてもいいのですが、その前に彼女たちが何を知っているのかを聞きたいです」
審査官はエナとマナを指名する
「私たちは非力なので、諜報活動ばかりで、全容はわかりませんが、殺人、破壊活動はイサキオスとバルハ達が多かったと思います」
審査官はスティーグを指名する
「全く憶えにありません」
ここで皇帝陛下が声を出す
「真実の指輪を使っても誓えるか?」
スティーグは短く「はい」と答える
審査官に真実の指輪を渡して、
「朕が質問してもいいか?」と審議官に問う
「お願いします」
スティーグが指輪をはめると、ガイウスがスティーグに聞く
「ここでお前が話したことに偽りはないか」
「はい、ありません」
「何人も集めて諜報活動とは誰の為にしていたのだ?」
「内容は覚えておりませんが、レイン伯爵のためだと思います」
レイン伯爵は指名もされていないのに頭に血が上って発言をしてしまう
「スティーグ!自分のためだろう!私のせいにするな!!」と恫喝する
審査官はスティーグに聞く
「では、奪われたお金は誰にいくら奪われたのだ?」
「そこにいるルティナに10億ナールです」
指輪を審査官が外す
「私が指名しない人は喋らないでください」
審査官はレイン伯爵を指名する。
「今のスティーグの発言に関して反論があればどうぞ」
「10億ナールは奪われたのではなく、ルティナに支払ったのだ、スティーグが勘違いをしたのだろう。耄碌しているからな。私の金が奪われたと思ったのではないか?」
レイン伯爵は全てスティーグに罪をなすりつけているように見える
審査官がエナとマナに質問する
「活動場所と詰所を教えてください」
「スティーグの屋敷になります」
審査官は皇帝陛下に言う
「スティーグの屋敷は捕まった次の日に何者かの手によって放火され焼失しております。家族もいませんので、これ以上の調書の作成はできませんでした」
審査官に呪い解く事をお願いされた。
俺は魔法で2人に[リムーブカース]を唱えた
審査官が質問する名前と年齢と最後に覚えている事を聞いた
「名前はエナ、年齢は15歳、最後の記憶は奴隷としてそこのおじいさんに買われた」
あまりの変貌にざわめいた。
影で見えないが皇帝陛下の周りには沢山の審査官がいるようだ
実際はこの子達は18歳、やはり3年ほどの記憶が無くなっている
審査官がイサキオスを指差して
「この人の名前はわかるか?」
「わかりません」
ガイウス皇帝陛下が立ち上がった。
「評定する」
マキシムが立ち上がるので、俺たちも立ち上がる
もちろんレイン伯爵達も立ち上がる
「スティーグが単独で殺人や破壊活動をして金銭を集めて贅沢をしている様子はなかったようだ。有罪に近いが全て状況証拠で物的証拠に乏しい、だが耄碌をしている者に兵隊を勝手に動かせる権利を与えているのは間違いなくレインの過失であろう。その監督不行き届きは間違いない。
今後半年間の減封と審査官を3名派遣するので、協力するように。それと、ミチオ準男爵にも、虚偽がないか3ヶ月間の審査官1名の受け入れを命ずる。
スティーグは1年間留置したのち思い出す事がなければ死刑。騎士団は3ヶ月の減俸、エナ、マナ、イサキオス、バルハ他4名は被害者として無罪とする」
まじか!!俺も?
「閉廷」
レイン伯爵夫人がルティナに謝ってきた
「ごめんなさい。こんなことになるなんて……」
ルティナは「いえ」
と短く答えるだけだった。
審査官がルティナに触る事を禁止した。
別々の扉から広間から退出する。イサキオスが俺の前に寄ってきて、
「私は無実放免らしい。いろいろ迷惑をおかけした。本当にすまないと思っている」
と頭を下げて謝ってきた。記憶がないのに謝ってくるあたり元は真面目なんだろう
「これからはどうするんだ?」
「まだ何も決まっていないが……」
「では、うちで働かないか?今人手不足だから」
「いいのか?それは助かるが……大丈夫か?」
「ああ構わないよ。ただし俺の女には手を出すな」
こう見えてもイカついイケメンだと言うことには変わらない。
「えっ?!……こう見えても僧兵。節操は心得ている」
「あと、酒には気をつけろよ」
「それは……本当に気をつける」
セレに連れられバルハも来た。
セレが俺に問う
「この間の話は本当でしょうか?」
「ああ新しい村を作るって話だろ?」
バルハは目を丸くして俺に聞く
「本当の本当に?」
「ああ。本当の本当だ」
「ありがとう」と言って俺の両手を取る
「一緒にくるか?」
「……でもまず以前の里を見に行きたい」
「ああそうだな。彼らにレイン伯爵に復讐しないようによくよく言っておけよ。今度疑われるのは俺だから」
「はい」
「じゃあ待ってるから、帰ってきたらマロルのレティシアに会いに行くか、帝都の俺の屋敷に来てくれ」
「わかった」
スセが残っている。
「スセは行かないのか?」
「私は一度見に行っているから大丈夫だ。それよりもこの双子はミチオ殿が預かってくれ」
「はぁ?どうして?」
「行く当てもないし、奴隷だしな。ミチオ殿の所が最適だろ?」
「ご主人様なんでもしますので、置いていただけないでしょうか?」と2人は息ぴったりで上目遣いで俺に懇願する
「えーー」
「という訳で、ここで世話をすることになった」と俺は湖畔の館に連れてきてみんなの前で説明する。
ロクサーヌは「その双子は奴隷ですからわかりますが、何故スセも来ているのでしょうか?」
「今日の審議で俺の言ったことに偽りはないかを調べるため審査官を受け入れることになったのだが、その審査官です」
「御紹介に与りました審査官のスセです。ここはとてもいかがわしい感じがするのですが……」
いつのまにかみんなここにいる時はかなりの薄着。ロクサーヌが注意しているからかろうじて、薄いチェニックを羽織っている感じで、下着だけではないが、その格好では外に出れないでしょうという服装だ
後ろの方で座っていた者が
「ここはミチオ様のハーレムだよ?何が悪いの?」
「そうなのですか?」
「そうですね……いつの間にかそういうことになりました」とセリーが答える
「では書類などはどこに保管されているのですか?」
「書類ですか?そんなのどこにも保存してないかな……」
「マロルの書類は?」
「えっと……知らない……エマが知っているんじゃないかな」
「いえ、私が管理しています」と手を挙げた人物がいる
ジョゼだ
「私と、エマさんがすでに行政官に選ばれているので、まだ始めたばかりですが内政面の方では私が管理しています」
「そうでしたか。書類はどちらに?」
「マロルの旧貴族邸を改築してそこに保管してあります」
という事で双子はロクサーヌに任せて俺とジョゼとスセで
マロルに移動する。
俺も初めて行くんだけどね
立派な屋敷だ。ジョゼに案内され歩きながらの移動になる
ここから先はどうやら遮蔽セメントが使われているらしい
「それにしてもスセが審査官でくるとは思わなかったよ」
「審査官の資格も取っていたので皇帝陛下に指名され任命されました。短い間ですがよろしくお願いします。」
「スパイ活動をしたり審査官したり大変だな」
「スパイ?」
「あっ諜報活動ね」
「調べるといったところでは同じようなものですから」
「なるほど」
ジョゼに案内された所には沢山の書類が保存されているようだ。誰がこれをまとめて、保存しているのだろうか?
その部屋には7人ほどのおじさんがいる。ジョゼが
「こちらが執務官になります。何かありましたら質問してください」
スセは執務官に説明を受ける
うーん話が長くなりそうなので、
「俺はもういいかな?」
ジョゼは
「大丈夫です、こちらで対応します」
俺は全然意味がわからないので窓から外を見る。すると植物園が見えるその位置へそそくさとワープでレティシアの植物園に移動した。
祝1周年
書き始めてから1年経ってしまいました。長いような短いようなあっという間ですね。
お休み中に地図を書こうと考えたのですが、なかなかいいアプリに出会えず作れませんでした。申し訳ありません。宿題にさせて下さい