次の日の朝、ロクサーヌが俺を起こしてくれた。俺の下半身はレティシアが起こしてくれた。
「おはよう」
「おはようございます」長い接吻の後、俺の顔中にキスをしてくれる。下腹部では俺の朝のイニシエーションをレティシアが収めてくれる
ジュボジュボと音を立てて咥えられ、俺は腰が抜けそうだが
あっという間にレティシアの口に放出してしまう……
なんと素晴らしい朝だろう。
ロクサーヌが
「ご主人様、そろそろ用意しないと間に合わなくなってしまいます。ご主人様はモンベルトより皇帝陛下をお迎えして、国境付近の砦で国家条約を結ばれる予定です。エマとベスタを連れて行ってください」
「ベスタ?」
「はい。ご主人様に何かあった時にはやはりベスタが優秀です。何やら、セリー達と何か作っていましたし……」
「わかった。ロクサーヌの言う通りにするよ。ロクサーヌ達はどうする?」
「周辺の警備と、交渉の様子を窺います。近くにはいますので、何かありましたら駆けつけます」
「なら安心だな」
俺とエマ、ベスタでモンベルトに向かう。街は殆どもぬけの殻になっているので異様だ。パブロ邸の前にすでに馬車が到着している。馬車は8人乗りで8頭立ての大きめの馬車だ。兵隊は50人くらいだろう。まだガイウスは来ていないようだ。
「ミチオ様、お待ちしておりました。まもなく皇帝陛下もお見えになります」すでにカルロスが到着している。
ベスタ用に連れてきてくれた馬があるのでベスタは乗馬で向かうらしい。
しばらくするとガイウスがフィールドウォークでモンベルトまでやってきた
「これはすごいな…街のほとんどがなくなっているじゃないか」
じっくり見る時間はないので、馬車はすぐに動き出す
結構速いスピードで動いているけど……エマに聞いた
「馬車でどれくらいかかる?」
「多分2〜3時間だと思います」
「フィールドウォークでいけないのか?」
「多分その砦はすでにアンチフィールドウォークがなされているので、馬車がなければ徒歩ということになってしまいます。なので3日前からこの馬車部隊は先行してモンベルトに向かっていました」
「えっ、機動部隊の方達よりも前に出てるの?」
「はい、マロルから出立しております。なので2〜3時間は我慢してください」
「はっはっは兄者は忙しいからな。2〜3時間でも時間は無駄にしたくはないか……」
(それなら別の馬車を用意してほしかった。みんなといちゃつきながらだったら2〜3時間あっという間だけど、目の前にガイウス……キツい……なんかボロが出そうで)
とエマにESPで送った。
「いえ、これくらいは我慢しないとですね」
とガイウスには答えたが、
(エマとイチャイチャしながらなら3時間でも楽しいのに……)と送ると、顔をエマが赤くしている
(そんな…Hした後すぐに交渉なんてできるわけないじゃないですか!多分エロい顔したままの交渉になってしまいます!)
まぁそうだよな……
(それはそれでそそるけどな)
とエマに返すと
エマは俺の足を軽く蹴ってきた
なので特にする事がないので、税金についてこの際いろいろ聞いてみた。
人頭税については1人に1年で自由民なら1万ナール、
奴隷の主人は3万ナール
土着の農奴や商人は年5千ナール
帝国領土に入国の際には5千ナール
領土内ではその領主毎に1馬車300ナールと言う事だった。
だが実際、帝国国内なら人の移動については無税なので、馬車で移動する時のみ必要ということになるようだ。まぁつまり大荷物の商人相手の場合という事だろう。海路も同じで、海路の場合は一隻1500ナールということになるらしいが、これはそこの領主がある程度裁量権が認められているので、多少の差があるがどこもそれほど変わらないらしい
国庫に納入する人頭税は騎士団がまとめている。どこの騎士団でもギルドでも受け付けているようだ。地方領主と折半という形になっているが入国税は国庫に通行税は領主に入るそうだ
つまり、商業都市ほど領主は儲かる湾口施設があればなおさらという事らしい。
ただ、商業都市ほど盗賊も集まりやすく、スラム化が一部で発生したり、治安が悪くなったりもするようだ
そのほかにも、マロル領の鉱山や治水問題や迷宮の数も教えてくれた。
ガイウスの話は思っていた感じとは違い
逆にとても有意義な3時間であった。
砦の50メートルほど手前で下車する。
「どうしてこれほど手前に?」
ここから先は非武装で武器は持っていけないそうだ。
相手にも同じ条件でなされている。こちらの境界には王国の兵士がもちろん非武装で来ている。あちらには帝国兵が行っている。
俺に限ってはアイテムボックスも、ボーナス武器もあるので全く意味がないが、ここは黙っておこう。
下車する前にエマが俺に武器を預かってほしいというのはこういう事だったのかと感心した
我々が着くのに遅れて10分程で相手の馬車もきたようだ
互いに10名ずつが砦に入る
1階の広間にて会談の席が設けられた
5名ずつ着席して、その背後に5名の騎士が立っている。もちろん俺の後ろにはベスタが立っている
ものすごい目立つ大柄な体型に、そしてさらに大型の鎧を着ている。ベスタでなければとても着れない重量らしい
いいのだろうか?俺の方がガイウスよりよっぽど目立っている。
その間にもエマは交渉を始めていた
「……2国間では友好的な関係であったにもかかわらず、侵略行為があった事を憤慨しており、その代償を求めるものである……」
と相手はしっかりとその内容を目を瞑り聞いている。
「1.モンベルト及びペトロについては我々帝国が領有する事とする」
「2.モンベルト及びペトロの財産は全て帝国の物とする」
「3.戦争の損害賠償としてブルガ王国に5億ナールを請求する」
「4.捕らえた捕虜の返還は無しとする」
「5.今後の国境の閉鎖は行わず、改めて友好関係を築く」
と言う条件を相手に提示した。
ガイウスの前にいるのがブルガ王国の国王ルイス2世。その隣、エマの前にいるのが斜め上のことを言ってきたディアゴ男爵のようだ。
エマの条件をディアゴ男爵は到底受け入れられないらしい。
「なぜ貴国がモンベルトを占領しているのに、我々が戦時賠償金を払わなければならないのか?」
エマが淡々と答える
「それはブルガ王国のパブロ男爵が先にナバ平原に侵攻したため。我々は仕方なく迎撃し、モンベルトの領邸を仕方なく占拠したまでです」
当然の主張ではあるがディアゴ男爵は続けて
「すでにモンベルトが略奪を受けている事を考えると、心が苦しいです……」
エマは
「パブロの娘は捕まえましたが、略奪行為は行っておりません」
「えっ?」
この世界では戦争、紛争で略奪は付き物のようだ
まぁ確かに略奪して、若い男女を奴隷として持ち帰り売り飛ばせば結構な値段になるだろう
ルイス2世は話し始める
「まぁ帝国の言い分はとても理解できる。我とて、国を攻められれば同じ対応をしたかもしれない。だが、我が王国の兵が1兵も戻ってきていないので、本当のことを確かめる術がないのだが、我々が得た情報では、確かにナバ平原への行軍と血みどろの戦地はあったようだ……
ここはどうだろう。お金で全て無かったことにできないだろうか?我とて、帝国との友好関係を崩したくない」
ガイウスが答える
「なるほど…そうであれば、友好関係を維持することがとても有意義であると朕も思う。ミチオ殿はどう思うか?」
「はい、皇帝陛下の御意向のままに」
エマが引き継ぐ
「では1と、2を書き直すと言うことでよろしいでしょうか?」
ブルガ国王は「で、いくら積めば返還に応じてもらえるのだろうか?」
エマが即答する
「戦時賠償金を含め、ズバリ15億ナール!!」
いや、叩き売りやテレフォンショッピングじゃないんだぞ…
「……それはあまりに高額ではないだろうか?」
向こうの秘書官だろうか内務官だろうかわからないが急に声を上げた。
「高くはないと思いますが……」とエマの返答で
沈黙が流れる
また違う内務官が
「ところであの詩はどこまで本当なのでしょうか?」
あの詩?話題を変えてきたな
エマが即答する
「歌?ああ、吟遊詩人のですか?……それは我々と戦ってみたらわかることです。どこまで本当かはご想像にお任せします」
ブルガ国王は申し訳なさそうに言う
「そうか……申し訳ない。合わせて10億ナールにはならないだろうか?」
「せめて、12億ナールはいただかないと……」
「わかった、これ以上は我々も望まない。12億ナールで手を打たせてくれ」
「では項目の1を、7億ナールを返還費用とし、旧パブロ領土をブルガ王国に返還し翌日までに退去」
「2.国境線は退去後1ヶ月前に戻す……ということでよろしいでしょうか?」
俺は合わせて質問する
「パブロの娘についてだが……」
ディエゴ男爵が答えた
「没落した貴族の娘などそちらでどう扱っても問題ない。奴隷にでもして売ってもらっても構わない。返還されても処分に困るだけだからな」
誰からも異論はなかった……
よし、言質を取った。レティシアはもう完全に俺のものだ
互いに条約にサインして1冊ずつそれを持って握手をする
ブルガ国王はその場で白金貨12億ナール分を取り出し、ガイウスに渡して握手をした
これで万事解決した。あの言い回しだったら、領民の返還、建物は求めることができないはず。エマがうまく文章でこちらが譲歩する形をとり、文章の真意をまだ相手は理解していないようだ。
お互いが席を離れたその時
ディアゴ男爵が俺を指差し
「今お前、武器を持っていただろう」
と俺を指差した。
「え?いや持ってないが?」
ディアゴ男爵は急にテーブルの上に乗り
テーブルは片側まで2メートルはあるのでテーブルの上を歩いてきた
「いや、確かに今持っていた。国王陛下を安全な場所に」
と言うと、3名の騎士に守られブルガ国王は連れて行かれてしまった。
「ディアゴよ、余計な事をするな!」と言っていたが連れて行かれてしまう
うち一人が外に出て、旗で何かの合図を送る
ディアゴは俺の胸ぐらを掴もうとしたのだろう。手を出そうとしたので、後ろからベスタがそれを弾く
「痛っ」
ガイウスがディアゴに問う
「これはどういう事だ?」
「一旦こちらで皆さんの身柄を拘束させていただきます」
マキシムとカルロスが皇帝の前に立ち
「それは出来ない。ここは今日まで我々帝国の領土である。控えろ!!」
「では仕方ありません。捕らえろ!!抵抗して命がなくなっても知りませんよ」
とメイスで俺を攻撃しようとした。
ベスタが俺の椅子を引いて俺の前に出る。その次の瞬間シールドでディアゴを吹き飛ばすと相手の騎士二人にぶつかる。俺はESPでロクサーヌに
(緊急事態だ)
と言う事を告げる
ロクサーヌから
(上に逃げてください。すでに王国の兵隊が砦に向かっています。帝国の兵士はファイヤーウォールで足止めを受けています)
「ガイウス様、上に逃げてください」
「上か?わかった、行くぞ」
ちょうど広間を出たところに上につながる階段がある
俺は最後尾で階段の前にサンドウォールで足止めする
「上だ!上にのぼるぞ!急げ急げ!!」と俺の前にはベスタがいる。
砦の上に出ると、俺はその扉に「マジックロック」をかけた。これでぶち破らない限り、上には来れないはず
(ロクサーヌ、上に来たぞ)
(今準備しますので少々お待ちを)
ディアゴはどうせ馬車に乗れなければここからの脱出はできないはずと睨んで、帝国兵が集まるファイヤーウォールの前に集まった。その数は300
狭い街道脇からは出ることはできず立ち往生している。互いに壁の前で睨み合っているが、反対側が見えないのでどうなっているのかわからないのでもどかしい時間が過ぎる。
その間エマがベスタに
「ベスタ、皇帝陛下に何かあっては困る。入れてもらえないか?」とベスタに聞くと、俺の顔を見るので
なんだかはわからないが俺は頷いておいた
「わかりました。ミチオ様用に作りましたが致し方ありません」
ベスタは屈むと鎖骨下につけていた鉄のワイヤーを外す。ベスタの鎧の後ろの部分が開閉して、背もたれのついた椅子が出てきた。
「皇帝陛下、こちらの椅子に座り、脚を穴の中に入れてください」
「わかった」
ガイウスが座るとベスタの脇にある穴に脚を入れる
「窮屈ではないですか?」
「ああ大丈夫だ」
「では、お腹にあるベルトを締めてください」
「やったぞ」
「では私の首横にある穴に手を入れて、ハンドルを握っていてください」
「わかった」
「では閉めます」と言うと鎧の後ろの部分が閉まりちょうどベスタの頭よりちょっと高い位置に頭がくる
ベスタは大楯を背中に装着させた
ちょうどおんぶした形になるが、よく見れば二つの鎧を一つにした形だ。革などで補強されているので全くわからなかったが、俺がよく襲われるからこのような鎧を用意したのか……
エマがベスタの背中を叩くとベスタは無事に中に羽織った事を確認して立ち上がる。
中でガイウスが「おおー!すごい!」
ディアゴは帝国の馬車の前まで行き、まだファイヤーウォールが解けないかと待っていた。
そこに、一瞬バシャとした音が聞こえたと思ったら
ディアゴの頭が無くなった骸が血を噴き出しながら震えて立っている。そのままファイヤーウォールに倒れてしまった
体に燃え移り、悲鳴を発する
「あの噂は本当だったんだ」と1人のブルガ兵が言った。
噂とはミチオ軍と戦うと司令官の首がなくなると言う噂があった。実際パブロの頭が急に無くなったのは事実だったから
噂ではなかった。
「やばいってこれはやばいって。指揮官がいないんだから撤退でいいじゃないか?」と一人が言うと、
みんな一人また一人と勝手に撤退を始めた
そうだ。反重力の矢がディアゴの頭を撃ち抜いたのだった。周りにいた者には突然頭がなくなったようにしか見えない
(ご主人様、用意ができました。頭を下げて下さい)
俺は何がなんだかわからないが、頭を低くして下げた。
シュッと音がすると頭の上にロープが引かれている
するとそこに、ジップラインでロクサーヌとミリアがやってくる。
「どいてどいて」と俺が言うとみんな端に寄った。
ロクサーヌとミリアがジップラインを持ってきてくれた。
滑車に鉄の棒がついた簡素なものだが、充分なものだ
エマが
「まず私が先に行き、安全を確認する」
「わかった」
エマが先にジップラインで下に降りる。
100メートル以上先まであるので、先がどうなっているかわからないが行くしかない。
エマが滑り始めると
ものすごいスピードになるが、途中からこのスピード感に楽しくなってしまった。
「うわぁ…結構楽しいかも」
と言っているとすぐに地面が近くなってきた。もうすぐか?と思ったら、反重力の矢は途中で止まって宙を浮いている。何にも当たっていないので、まだ牽引されているのか鉄のワイヤーには張力がある
「うあっ」と思ったら空中に放り出されるが、このくらいなら簡単に怪我せず受け身をとれる。くるっと回転すると綺麗に勢いを殺して着地する
ミチオに合図をする
(大丈夫だが、ロープは途中までしかないから、私の言うタイミングで手を離して)
そのままをマキシムに伝えると、マキシムが滑空した
「うおっ!うおっ、うおー!」
と脚をバタつかせやってきた
「マキシム、手を離せ」
「おう」
手を離すと、なんとかゴロゴロと転がって着地できた
「これはやばいな」
マキシムとエマは葉っぱを集め緩衝材にした
次々と兵隊が滑空する。
待っている間に、馬車部隊に我々は自力で脱出するのでモンベルトで落ち合う旨をマキシムがESPで送った
護衛の兵隊、カルロスと次々に滑空していく。
下では充分な葉っぱが集まり、ベスタの番になった
ベスタが行く事を伝えた
「皇帝陛下、しっかりと掴まって、歯を食いしばっておいて下さい」と言うとベスタは滑空した。
鉄のワイヤーはこの重い鎧のベスタでも弛む事なくピンとした形で保っている。
ガイウスからも外の様子は細い隙間から見えている。
「うぉーこれはすごいスピードだな。まるで飛んでいるようだ」
ガイウスが思わず子供っぽい事を言ってはしゃいでいる
「間も無くですしっかりつかまってください」
なんとか着地して皇帝陛下にも怪我はなかった様子なので、ロクサーヌから先に行き、すぐ後ろに俺がついていく。最後にミリアが滑空することになった。ミリアはもうすぐ打ち破られそうな扉を見張りながら腰にロープで縛り後ろ向きに滑空するようだ
弓を構え順番を待つ。
2人ほぼ同時に滑空するが最後のミリアだけはまだ残っている
ドン!扉が打ち破られた瞬間、ミリアは滑空を始めた。慌てて兵士が詰め寄ってくるも、ミリアは弓で次々とブルガ兵に矢を当てていく
「ご主人様、ロープを切ったら、セリーが放った矢が地面に飛んでくるので避けて下さい」と大声で言うと
「わかった」
着地と同時に横に避ける
この矢を放ったセリーにESPで合図を送ると、セリーがこの鉄のロープを切る手筈になっていた。セリーはワイヤーカッターでこの鉄のワイヤーを切った。
するとセリーの放った反重力の矢は再び飛び始め地面に刺さった。
後ろ向きに滑空しているミリアは自分と滑車をつなげていたロープを切るとくるっと体を捻らせ背面からでも綺麗に着地した
砦から全員無事に脱出できたことを確認すると、
セリーとルティナは二人でモンベルトにフィールドウォークで既に移動を完了している
俺たちはなるべく砦から離れて、フィールドウォークでモンベルトまで戻ってきた。そこでセリーとルティナに合流した
ベスタの背面からガイウスが降りてきて、
「いや素晴らしい、是非我が帝国にも一人このような逸材がいればいいのだが……」
ベスタがヘルメットを取り答える
「この鎧は70キロほどあります。ガイウス様の体重を合わせると150キロ以上あり、それで全力疾走できる者を見つけるのはなかなか大変だと思います」
「確かにな……ミチオの部下はみんな優れたものばかりだな。毎日誰かに命を狙われていると、優秀な人材でないと命をとられるな。刺激的といえば刺激的だが……毎日だと大変そうだ」と、笑いながら俺に言う
言われてみれば、毎日命を狙われているな……本当に一歩踏み外すと死が隣り合わせの生活だからな……
「確かにその通りです。毎日命を狙われるのは辛いですね」俺も笑いながら答える
「そうだ、この12億ナールはミチオ殿に渡しておこう」
「全額でしょうか?」
「朕は何もしていないからな。マロルの発展にでも使ってくれ。それに今回の件でブルガ国王に貸しができたからな。和睦の内容は書簡でやり取りをすることになろう」
「では、マロルの発展のために使わせていただきます」
ガイウスは少しの兵士を残して帝都にフィールドウォークで帰った
馬車隊はまだこちらに向かっている途中だろう
馬車隊には申し訳ないが俺たちも帰らせてもらった
湖畔の館に帰ると、安堵する間も無く、レティシアに午後時間があるのでしたら、民衆に挨拶をしたほうが良いとのことだった
ずっと先送りにしていた事なので、いざやるとなると緊張する。
わずか3時間でここまでの人が集まるなんて……
当然エマが行事の進行をしてくれている。何せ人がたくさんいるから。行政官の発表、外交官の発表をして
「ではマロル領主、ミチオ・カガ様です」
拍手が街全体を包む
壇上に立つとあたりは静寂になった
「俺は……」
「ミチオ様もう少し大きな声で」と小声でエマに言われる。
「マロル領主のミチオだ…………俺は…守りたかったんだ…俺について来てくれたパーティのみんな…そして俺を支えてくれてきたみんなを……今度はこのマロルの民衆を俺は守っていく。飢餓や病気、天災、魔物に敵の兵隊から。必ず俺が守る。だから安心してここで生活してほしい。そしてみんなも好きな人を一緒に守っていこう。……マロルの民に祝福あれ」
「…………」
聴衆は静寂な空気が流れている。
パチパチパチパチ
昨日俺を刺そうとした子供が拍手し始めた
周りのみんなも拍手が広がる。
「盗賊団を1日で壊滅されたり、敵軍を1日で倒したりしたから、俺はもっとこぇー奴が来るかと思っていたら、皆を護りたいってびっくりしたよ」
「もっと偉そうな奴だと思ってた」
「俺は熊みたいなやつだと思っていた」
「前のマロルの領主の汚名を払拭してくれ!!」
拍手が鳴り止まない
「まだ若いのに……泣けてくるねぇ」
「いいぞー!」
よかった…滑ったのかと思ったよ
まぁ守りたいだけというのは本心だ。ここの世界の住人になって、守りたいものが増えた……
前の世界では無かった…………護りたいもの…………
俺が壇上から降りると
俺たちの旅団のみんなが跪いている。その後ろにはマロルの騎士、ベイルの騎士、モンベルトの騎士が皆跪いている。
ロクサーヌが
「さすがご主人様です。私が信じていた通りです。でもまだまだこれからですよ」
セリーがその隣にいる
「このパーティに参加できて本当によかったです。これからも頑張ります」とガッツポーズをする
「ミリアのご主人様すごいです。さすがです」
「私が竜王になれたのはご主人様のおかげです。何もできない私を拾っていただきありがとうございます。我が身を呈しても必ずお衛りします」
「わたくしよりも先に貴族になるなんて生意気よ……なんて冗談。わたくしが護ってあげるからね チュ」とほっぺにキスをする
ロクサーヌが「ルティナ?あなた何しているの?ちょっとこっちきなさい」
「えっーー!!」
と言うとルティナは逃げてみんなが笑っている
エマも声をかけてくる
「まぁミチオにしては上出来だ」
「俺にしては上出来すぎるだろ?」とエマに言うとエマは微笑み返してきた。
マロルの街は
まだまだ拍手は鳴り止むことはなかった。
2024.09.14改編
不自然な部分の追記と、説明不足の所を足しました。
沢山のUA、お気に入り、しおりをありがとうございます
今回のお話で1章が終わりです
さて次回から2章なのですが、私事で申し訳ないのですが、いつも寝そべりながらとかとんでもない姿勢で書いていたせいで1ヶ月前から左手に痺れが出てしまいました
医者に行ったところ、寝ながらスマホを長時間していませんか?と聞かれ重度な肩こりで指先に痺れが出ているそうです
痺れが残ると本業にも問題が出る為、夏休みを取ったばかりですが、痺れが取れるまでお休みさせていただきます。すでに2章は書き始めているので、必ず戻ってきますのでその時はよろしくお願いします。