この小さな母娘に幸福を!R18ver 作:魚料理最高!
白河家の長男である白河夏人にとって、9つ歳の離れた妹の白河涼葉は可愛い妹であると同時に一種の重荷だった。
とある日、家族で出席したパーティーでまだ10歳の妹が大人に囲まれても物怖じせずに笑みを浮かべて相手をしている。
優秀な妹だった。
教えれば教えるほどあらゆる事を吸収する。
勉強や家事に運動。楽器や作法などのお稽古事。
妹は神童と呼ばれるだけの才能を有していた。
だからこそ、その完璧さを目の当たりにする度に自分の至らなさを突き付けられているようで。
「やぁ。挨拶回りは良いのかい?」
「誠さん……」
話しかけてきたのは2つ上の幼馴染みである森岳誠だった。
誠は馴れ馴れしく夏人の肩に手を乗せる。
「相変わらず涼ちゃんは華があるねぇ」
軽い口調で大人達に囲まれている妹を見て誠は口笛を鳴らす。
正直に言うと夏人は誠の事が苦手だ。
昔から互いの親の見えないところで大小問わずに嫌がらせを受けていた。
外面が良いために今までそれが発覚することもなく、互いの家の交流が続いている。
「そういえばおじさん達、近々海外で仕事をするって聞いたけど、本当?」
「うん。海外に敷く鉄道計画に参加できるかもって。その打ち合わせとか地盤調査とか。しばらくは向こうと日本を行き来するみたい」
白河の家は鉄道製造で国内でも大きな会社である。
鉄道の流通では既に日本で欠かせない大企業。
今はその技術を海外にも売り込めないかと交渉を重ねていた。
2人がそんな話をしていると涼葉は囲んでいた大人達から離れて此方にやって来ると誠に会釈する。
「こんばんは、誠さん」
「やぁ、涼ちゃん。おじさん連中に囲まれて疲れちゃった?」
「そんな事は。皆さんご年配の方々だけあって、興味深い話を聞かせて貰ってます」
「はは。涼ちゃんのそういうところが年寄り連中への受けが良いよね」
一見仲の良さそうに見える2人だが、相手に近づいて目を見て話す涼葉が夏人を挟む距離で会話しており。また笑顔でもそれは仮面のように作られた笑顔である事は兄である夏人も察していた。
「兄様。あちらに桃と林檎のショートケーキがあったんです。わたしの身長だとドレスを汚してしまいそうなので、取って頂けませんか?」
少し離れた位置のテーブルに置いてあるケーキを指差す。
それに誠が先に申し出た。
「なら僕が取ってあげようか?」
「ありがとうございます。でも、あのケーキは兄様も好きですので。誠さんは甘いものは苦手でしょう?」
「食べられない訳じゃないけどね」
肩をすくめて苦笑いをする誠。
誠に向かい一礼すると兄の手を引く。
「では行きましょう、兄様」
夏人が誠を苦手とし、嫌がらせを受けていると知っている涼葉は、2人が一緒に居るのを見るとできる限り理由を付けて引き剥がそうとしてくれる。
「大丈夫ですか、兄様?」
「大丈夫だよ。ありがとう、涼葉」
心配そうに兄である自分を見上げる妹
こうして妹の手を煩わせる度に、自分の不甲斐なさに劣等感を感じずにはいられないのだ。
パーティーもそろそろ締めに入ろうとする時間。
大人達の相手をして疲れた夏人は、会場の外で大きく息を吐いていた。
白河の家の跡取りに取り入る為のおべっかにはうんざりしている。器じゃないとすら思うのだ。
それでも妹が文句1つ言わないのに兄である自分が根を上げるのは流石にみっともないと思い、どうにか耐えている。
すると家族の後ろ姿が見えた。
「母さん?」
身を潜めるように辺りを気にした様子の白河静香だった。
此方には気づいてない様子で移動していく。
その様子が気になり、足音を立てずに後を追う。
すると人気のない場所で待っていたのは。
「誠さん?」
別段2人が顔を合わせている事には不思議はないが、どうしてこんな場所で?
疑問に思いつつ隠れて様子を窺っていると、違和感を覚えたのは母の表情だった。
自分達には。それこそ父と2人で居る時ですら見せたことのない、熱を帯びた視線と表情。
小声で話しているのか声はこちらまで届かないが、それでもこの状況に嫌な想像が浮かぶ。
夏人の想像の正解を出すように、誠が静香の腰に手を回す。
母は抵抗することなく受け入れ、互いの顔が近づいた。
それを最後まで見る前に夏人はその場を後にする。
口元を押さえてトイレの洗面台まで移動すると何度も水で顔を洗った。
先程見た光景に嫌悪感を滲ませながら夏人は吐き捨てるように呟く。
「きもちわるい……」
母と幼馴染みの不倫現場を目撃したあの日から、それを父に言うべきか悩んでいると、父から呼び出されて書斎に向かっていた。
「失礼します」
まるで面接のようだと思いながら夏人は中にいる父の返事を聞いてから扉を開けた。
中に入ると自分と妹にあまり似ていない、強面の父が何やら書類を見ていた。
「座れ」
「はい」
言われた通りに座ると見ていた書類を机に置いて此方を向く。
「涼葉と誠君の仲はどうだ?」
いきなり予想外の質問をされて驚いたが、夏人はどうにか表に出さずに答えた。
「顔を合わせれば話をするくらいには仲がよいかと」
質問の意図が分からず、濁すように答えを返した。
すると父がとんでもない事を言ってきた。
「実はな、森岳の息子である誠君と涼葉を婚約させないかという話が出ている」
瞬間、頭がフリーズした。
「それは……あの……涼葉はまだ10歳ですよ? 誠さんとは11も離れてますし」
「だからこそちょうど良いだろう。あれが結婚できる年齢になる頃には誠君も弁護士としてそれなりの実績も積んでいるだろうからな」
森岳誠の父は大手弁護士事務所に所属しており、白河の会社の顧問弁護士も請け負っている。
誠も現在法律大学で弁護士になるべく勉強中だ。
「もちろんまだ決定という訳ではない。だが、これからは2人の仲が深めるようにお前から取り持ちなさい」
ふざけるな────!!
あの男が身内になるのも。妹を差し出すのも冗談ではなかった。
だけど、父に逆らえる訳もなく。
「は、い……」
消え入りそうな声で返した自分に父は不快そうに眉間に皺を寄せて睨んだ。
母の不倫と妹の将来の婚約。
その2つに頭を悩ませて過ごしている。
「どうしたの? 夏人君」
「瑶子……」
大学で腕を組んで考えていると最近付き合い始めた恋人であるショートカットの美人と言える和泉瑶子を見る。
「眉間にスゴい皺が寄ってるよ? 何か悩み事?」
「なんでも、ないよ……うん」
今日の大学での講義は全て終えており、一緒に帰ろうと言われた。
手を繋いで彼女の隣を歩くとホッとする。家に居る時の重圧から解放されるのだ。
「それで、何を悩んでるの?」
近くの喫茶店で瑶子が再び訊いてくる。
「いや、うん。妹に瑶子をいつ会わせようかなってかんがえてたんだ」
誤魔化す意味で言ったが嘘ではない。
涼葉なら彼女ときっと仲良くなれるだろうと思っていた。
だがその場凌ぎの誤魔化しは通じなかったらしい。
「嘘でしょ、それ」
「ハハ……」
視線を泳がせるとこれ以上の問い詰めは無意味と考えたのか、瑶子から引いてくれた。
「それよりも妹さんと会わせてくれるって本当?」
「うん。瑶子が良ければ」
「楽しみ! 前々から話に聞く夏人君の妹さんに会いたいって思ってたの! あ、でももしお兄ちゃんに近づかないで! みたいなこと言われて嫌われたらどうしよう?」
「言われない言われない。俺よりずっとしっかりしてるから」
そもそもそんな事を言う妹の姿が想像できない。
「それじゃあ妹さん……涼葉ちゃんだっけ? 予定が会う日を教えてね。なるべく合わせるから!」
本当に楽しみ、という様子に夏人も笑みを浮かべる。
今は両親も海外に出張中。時間を合わせるのはそう難しくないだろう。
なのにどうして、こんなささやかな平穏を保たせてはくれないのか。
誠から携帯に連絡が来た。
その内容は信じられない物だった。
『だからさ。ちょっと涼ちゃんと2人っきりにさせてくれればいいんだよ。僕達の事はもうおじさんに聞いてるんだろ?』
「……まだ決定じゃないよ。涼葉だって大学生の誠さんと2人きりになるのは」
『だから夏人に取り持って欲しいんだって』
母親と不倫しているような男とどうして妹を2人きりに出来るのか。
とにかく断ろうとすると、誠から出てはいけない名前が出てくる。
『そういえばお前の彼女、和泉瑶子ちゃんだっけ? ショートカットのかわいい子だね』
息が止まるかと思った。
彼女が出来たことは誠には、それこそ家族にも話していない。なのにどうして。
『お前と同じ大学に通ってるくらいだから、頭の良い子何だろうね。でも家柄は普通。そんな子と付き合ってると知ったら、おじさんが黙ってないんじゃないかなぁ?』
そんな事は知っている。
だからまだ周りの誰にも話していないのだ。
話せばきっと父は自分と瑶子を引き離してくると知っているから。
いつだってあの人は付き合う人間を自分の思い通りに選別してくる。
だけど。
「……父に言いたければどうぞ。好きにすればいいよ」
夏人だってその程度の事で妹を売り渡すつもりはない。
しかし森岳誠という人間の下衆さは、夏人の予想を大きく越えていた。
誠から画像が送られてきた。
「!?」
息が止まった。
画像には、椅子に縛られてぐったりしている和泉瑶子が居たからだ。
『僕って交友関係が広いからね。お金でこわ~い友人にお願いしたんだ。もうエッチした? 初めてなら最低な思い出になるだろうなぁ?』
「やめろ……」
震えた声でそう抵抗するのが精一杯だった。
その反応に満足したように堪えるような笑い声が携帯越しから聞こえた。
『なら分かるよね? 夏人は妹と恋人のどっちを僕に差し出してくれるの?』
「どうして、そこまで涼葉を……」
何だかんだで誠は女には困っていない筈だ。
母の事もある。
態々こんなことまでして涼葉に手を出す理由が分からない。
『涼ちゃん、僕の事が嫌いだよね? どんなに取り繕っても、僕を軽蔑してるのが隠せてないんだよ。人生の先輩にそんな態度を取ったらどうなるか、少し教えてあげようと思って。それにどうせ僕の物になるなら少しくらい"味見"しても良いよね?』
誠のニタニタとした笑いが見えるようだった。
自然と動悸が早くなり、意識していないと携帯を落としてしまいそうだ。
白河夏人の選択は────。
「兄様! 開けてください! ここから出してください!? どうしてっ!?」
涼葉は知らないマンションの一室に閉じ込められていた。
兄によって。
夏人に誠の嫌がらせを止めさせられらかもしれないから手伝って欲しいと頼まれてついて行った。
この部屋の前に立った際に、突き飛ばすように背中から押され、扉を閉められた。
外で夏人が扉を塞いでいるのか、涼葉が押しても開かない。
「涼ちゃん……」
自分をそう呼ぶ最も嫌いな男性。
中にいたその人物はいつもと同じ笑顔な筈なのに、その笑みを見て背筋が寒くなったのは本能か、それとも状況からか。
誠が涼葉に触れようとした近づくと体当たりをすると予想外の反撃によろめき、その手を逃れる。
涼葉は頭を動かしてどうするか考える。
(ベランダに出て誰かに助けを────)
ベランダのロックを外そうと手を伸ばすが届く前に手首を捕まれた。
「何しようとしてるの? ダメじゃないか」
「兄様っ! 助けてくださいっ!! 兄様っ!!」
外にいる筈の兄を呼んで何度も助けを求めた。
しかし扉の向こうに居る兄は応えてはくれない。
そんな涼葉に誠は腕を押さえつける形で床に押し倒した。
「本当はベッドで優しくしてあげようと思ったけど、暴れて面倒だからね」
言って、涼葉の手を押さえているのとは反対の手で顔に触れようとする。
「イタッ!?」
すると涼葉が誠の指を噛んで抵抗した。
誠に向けている目は今にも泣きそうなのに、それでも睨んでくる。
「ハッ。躾のしがいあるね」
噛まれた指を引っ込めると誠は着物の帯に手を掛ける。
帯を緩めると着物をはだけさせると涼葉の肌、まだ膨らみのない年相応の胸が露になる。
「あ────っ!?」
羞恥から顔を赤くする涼葉の反応に誠は舌を舐めずる。
「最近は年増の相手ばかりだったから、涼ちゃんくらいの年齢の子を相手にすると思うと興奮する」
涼葉の肩を上から押さえ付けて胸に吸い付くようにむしゃぶりついてくる。
嫌悪する男の生暖かな舌と鼻息の感触がひたすらに気持ち悪い。
「んく────はぁ、やめ……!!」
身じろぎして逃れようとするがそもそも体格差が違い、誠自身普段から鍛えていて同世代よりも力が強い方なのだ。
涼葉も運動は得意な方だが、流石に大学生に勝てるような力はない。
「はなし────あうっ!?」
離れるように声を出そうとすると乳首を噛まれて思わず仰け反った。
そこまでして誠上半身を起き上がらせる。
「その眼と
すると今度は涼葉の閉じている股に手を動かした。
「え……?」
何処を触れられたのか理解が追いつかないでいる。
涼葉の中では誰かにそんなところを触れられるなんて想像の外だった。
パンツ越しにクリトリスを撫でられると背中にゾワッと悪寒が走った。
「どこを触ってっ!? やめてくださいっ!!」
「だってちゃんと解してあげないと。できるだけ膣内に入れたいし。でもま、1回でガバガバになっても可哀想だし、将来で今と味比べした時に萎えるからね」
涼葉には何を言っているのかまったく理解できない。
ただこれから、自分にとってとても辛いことをされるのだという予感だけ。
「いたっ!? んぅ……っ!?」
パンツの中に手を入れて人差し指を涼葉の膣内へと入れるとその痛みに涼葉は咄嗟に下唇を噛む。
せめてもの抵抗で誠の腕を離そうと腕を押したり引っ掻いたりするが、その程度の事は子猫のじゃれ付きのような物で、逆にその必死さが嗜虐心を刺激する。
「あんまり濡れないね。涼ちゃんもしかして不感症? それなら、無理矢理濡らすしかないかなぁ?」
そもそもな話、こんな状況で性的快感を覚えて興奮するよりも恐怖と羞恥による不快感の方が遥かに勝っているだけなのだが。
しかし誠には関係ないし、それならそれで別の手段を取るだけだ。
涼葉の着けているパンツを下ろすと、今度は女性器に口付けてきた。
この行為に限界を迎えてとうとう顔をこれ以上無い程に真っ赤にさせて泣き出してしまう。
「やめてっ!? 汚い!!」
頭を押したり足をバタつかせて逃げようとするが、太腿を強く捕まれて離れない。
舌で女性器を舐める音や吸い付く音が室内に響く。
膣内へと侵入する舌の感触が気持ち悪くて拒絶するように膣内を締める。
何度も何度も、誰にも見せることのない陰部を異性に好き勝手弄られる屈辱に頭が真っ白になった。
ようやく顔を離すと、誠は唇を腕で拭った。
見下ろすと、悔しそうに涙を流しながら顔を背ける涼葉に誠は更なる興奮を覚えた。
「やっぱり小学生のマンコは狭いわ。でも力を抜いた方がいいよ。これから舌や指よりもっと大きな物を入れるんだから」
誠はファスナーを下ろしてズボンを中から男性器を取り出す。
「え……? あ、え?」
「本当は先ず咥えて貰おうと思ったけど、噛みつかれそうだからね。それは
見せつけるように露出された男性器。
性知識が乏しくても、これから自分がとても恐くて辛くて痛い思いをさせられるのだと直感で理解する。
涼葉の腰を固定するように掴んで、男性器は女性器へと近づいてくる。
「着物姿の小学生とヤれるとかマジで興奮する……大丈夫だよ涼ちゃん。壊さないようには気をつけてあげるから」
「あ、あ、あぁ……」
恐がっている涼葉を気にもせずに誠は腰を前へと押し出して涼葉の膣内へとぺニスを侵攻させた。
「あ、がぁっ!?」
ぺニスの先端が侵入してくるとそれだけでその苦痛から息が止まり、絞り出すような声が出た。
大きく見開かれた目から溢れる涙は最早垂れ流しているという表現が的確だ。
先端が入って誠が驚いた顔をする。
「うわ。なにこれ? 初めてなのに、締め付けがヤバっ! 涼ちゃんの膣内へ……名器かも……!」
とても10歳の少女の膣内とは思えない、未開発でありながら男から搾ろうとする締め付け。
涼葉は今も誠の腕などを引っ掻いて抵抗しているが、そんな些細な痛みなど気にならない程の快感をぺニスから伝えてくる。
ただその快感は誠だけの物であり、涼葉には苦痛と恐怖しかない。
そんな中でも、涼葉は懸命に助けを呼ぶ。
「たすけて……にい、さまぁ!! 助けて。たすけて……兄様ぁ……」
必死に玄関の向こうに居る見えない兄に手を伸ばして助けを呼ぶ。
誠が動いて男性器が進んでくるたびに身が裂かれるような錯覚する。
そんな姿があまりにも滑稽で、誠は嗤った。
「自分を売った兄貴に助けを求めるとか! ウケるよねぇ!!」
そこで誠のぺニス涼葉の処女膜へと到達して破こうと動いてくる。その痛みは先程までの比ではなく、涼葉はな精神は完全に限界を迎えて絶叫した。
「痛い! イタイィっ!? もうやだ許してぇ!! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!」
髪を振り乱しながら涙と鼻水を垂らして謝る。
何故、誰に謝っているのかも涼葉は理解できていない。
ただこの苦痛から逃れようと今出来ることを咄嗟に判断しただけ。
しかし、その姿はむしろ誠にとっては興奮を増長させるスパイスにしかならない。
処女膜が破られ、女性器から血が流れる。
「う、えがぁ……」
「あはは! ヤベェ! あの涼葉お嬢様のアへ顔とか!! 最っ高!!」
苦痛から白目を剥きかけている涼葉を見て誠は堪えきれず哄笑した。
そこであることを思いつく。
「ねぇ、涼ちゃん。両手でピースサインして笑ってよ」
「ぴー、す……?」
「そうそう。出来たら止めてあげる」
腰を動かす誠に涼葉は苦痛の声を漏らす。
それでも止めるという言葉だけに反応して言われた通りに両手でピースサインを作った。
「いいよいいよー。はい、チーズ」
いつの間にか手にしていた携帯で涼葉を撮った。
だけどもう今の涼葉にそれを気にしている余裕はなくて。
やっと楽になると思って肺から酸素を吐き出すと、膣内の異常に気付く。
「あ、ヤバい。ごめんね、涼ちゃん。涼ちゃんの膣内が良すぎて、我慢出来そうにないや。でも、涼ちゃんくらいの年齢ならゴム要らないよね? 僕も生は久々だし」
言い終えると、誠のぺニスは膣内で脈打ち、ドクドクと涼葉の膣内へと熱い液体を注いできた。
「う、あ、あ……」
涼葉は掠れた声しか出ず、誠は自分の男性器を引き抜くと、フゥ、と息を吐く。
「これは将来が楽しみだわ。じゃあ涼ちゃん。最後の記念に」
女性器から垂れている精液。
虚ろな眼で茫然としている涼葉。
そんな涼葉の痛ましい姿に誠はもう一度携帯のシャッターを切った。
「いやー。君の妹は最高だったよ。あ、彼女さんは隣の部屋だよ。何もしてないから安心したら?」
ヘラヘラとした表情の誠に夏人は本気でこの男を殺してやろうかと思った。
生まれてから今日までここまで殺意を抱いたのは初めてだ。
しかしそんな夏人の心情さえ誠は鼻で嗤う。
「なにその顔。君が涼ちゃんを僕に売ったんだよ。あぁ、それと口裏は適当に合わせてね。でないと撮った写真、ネットで公開しちゃうかも」
携帯を見せてくる誠に涼葉の写真が撮られたのだと察する。
「消して……それ、消してよ」
「やだよ。僕だって保険は欲しいし。ま、安心して。僕だって将来の奥さんになる女の子の裸を他の男に見られるなんて嫌だから。だからさ、お互いの為にしっかり口裏は合わせてね?」
話は終わりとその場から上機嫌に去っていく誠に夏人はどうしてこの場に包丁1本でも用意しなかったのかと本気で後悔した。
だけど先ずは隣の部屋に居るという瑶子の部屋に入った。
するとそこには画像通り椅子に拘束されていた。
轡を外すと、泣いた瑶子がたどたどしく状況を説明してくる。
「アルバイトの帰りにいきなり、たくさんの、男の人に囲まれて……それで……」
「分かってる。ごめん……ごめんな……」
巻き込んでしまった事を詫びると瑶子が夏人の胸に飛び込んでくる。
頭を撫でて落ち着かせるが、いつまでも涼葉を放っておく訳にもいかず、財布からお金を取り出した。
「この金でタクシー呼んで先に帰って。俺はまだやることがあるから」
「やることって、なに?」
「……ごめん」
それだけ告げると夏人は涼葉の居る部屋に急ぐ。
中に入って妹の姿を見ると夏人は口を手で覆った。
行為をした後で痛々しい姿で放置された妹。
とにかくどうにかしようとするとついてきた瑶子が呆然とした声を出す。
「なにこれ?」
小学生女子の強姦跡。
それを見た瑶子は夏人に質問する。
「夏人君。この子、妹さんだよね? 前に携帯の画像で見せてくれた。もしかして私の代わりに……?」
信じられない光景に瑶子が問うと夏人はただ視線を背けるだけだったが、それだけで充分だった。
次の瞬間、夏人の頬からパシンッと張られる音が鳴る。
「こんな……こんなことなら! 私がやられた方が……!!」
そこまで言って俯くと、玄関を指差した。
「出ていって」
「え?」
「妹さんの身体を洗ってあげないと可哀想でしょ? シャワーが使えないならせめて拭いてあげなきゃ」
兄とはいえ男性にやらせる訳にはいかない。
瑶子の気遣いに夏人は頭を下げて礼を言った。それしか出来なかった。
事件後、涼葉は部屋から出ずに過ごしている。
一度だけ部屋を訪れて謝罪したが、その時の怯えて体を縮めながら敵を見るような視線に耐えきれず、部屋の中に入ることすら出来なかった。
雇っている使用人達の中でも涼葉と仲の良い女性に世話を頼んだ。
そして────。
「妊娠っ!?」
「はい。間違いないかと。検査薬にも陽性と出ています」
涼葉のカウンセラーとして来てもらっている女性医師の言葉に夏人は頭が真っ白になった。
「ここ最近は会話している間に吐き気を訴えてくる事が多くて。最初は精神的な物かと思っていましたが。でも涼葉さんの態度に引っ掛かってて。彼女、トイレに駆け込まずに部屋で吐こうとするんです。まるで、自分を見られる事を怖がるみたいに」
涼葉も既に自分の妊娠に気付いている。
立ち尽くしている夏人に女性医師から質問する。
「何か心当たりは?」
「……いえ、特には」
そう答えた夏人の嘘に女性医師は気付いている。ただ、今は納得するふりをする事にしたのだ。
「とにかく今はご両親と相談してください。今は国外でしたよね?」
「はい。帰ってくるのは最低でも半年近く後かと」
「何とかして此方に戻って来てもらって下さい。堕ろすのなら、保護者の許可が必要になりますから。ですが────」
有り得ないと思いつつももう1つの案を出す。
「もしも出産をする意志があるのなら、私にご相談ください。友人に、口の固い産婦人科医が居ますので」
「ありがとうございます」
その日の内に父に連絡を取った。
涼葉が引き込もっている事は事件の事を隠しつつ説明してあり、妊娠に関しての返答は。
『堕胎させろ。書類が必要なら此方に送れ』
予想通り過ぎて吐き気がした。
それからまた涼葉の部屋に行く。
「涼葉」
部屋に入って名前を呼ぶと、涼葉は体を小さくして部屋の隅にいた。
「聞いたよ、お腹の子の事」
「……」
お腹の子の話題に涼葉の肩が跳ねた。
そんな妹に夏人は書類を見せる。
「俺は、お腹の子を堕ろすべきだと思う。だから……」
「────のせいなのに……?」
「え?」
「兄様のせいじゃないですか!!」
感情を爆発させた涼葉は泣きながら夏人の胸を叩いてきた。
「わたしは、助けてって何度も言ったのに! 助けてくれなかったっ!! 何回も! それなのにっ!!」
言い訳をする資格など有るわけもなく、夏人はただそれを受け止めた。
「……それなのに……今度はわたしに自分の子供を殺すサインをさせるのですか?」
最後はすがるように見てくる妹に夏人は何も言えなかった。
だけどその願いだけは────。
涼葉の堕胎次期を過ぎて両親が帰ってくると、お腹の大きくなった娘に夏人は父から殴られた。
女性医師の友人である産婦人科医は開業医で事情を説明すると最初は何度も堕胎を勧められたが、涼葉自身が拒否し続けた事で家に来て貰うなどして診てもらった。
そして出産は世間から隠しながら行われる。
産まれてきた女の子は
陽愛も世間から隠す形で育てられる。
その頃には僅かではあるが、涼葉も笑顔を見せるようになっていた。
「あの赤子は養子に出す。幸い遠縁に子供のいない夫婦がいる。最近では養子縁組を考えていたらしい」
勝手に孫の今後を決める父に夏人は平静を装いつつ妹について質問した。
「涼葉はきっと納得しませんよ」
「涼葉には遠くにある寮制の女学園に転校させる。1年遅れるなら誰も知らない地の方が過ごし易かろう」
そこなら、今回のような間違いは起こるまいと言ったのを夏人は聞き逃さなかった。
この後に起こることは結局、何も決められなかった白河夏人の責任である。
彼が母の浮気を報告していれば。
妹が誰の子を産んだのか。
それを警察や父に報告すれば、きっとあの悲劇は回避出来たのだ。
大学から帰ると屋敷の中が騒然としていた。
使用人の1人である女性が腰を抜かしているのを気付いて近寄る。
「何かありましたかっ!?」
言い終えると同時に庭に転がっている人物に気付いた。
「誠さ……!?」
倒れていたのは森岳誠だった。
涼葉の妊娠を教えた時に父親として名乗り出る覚悟はある? と訊いてからは家に近づく事もなかったのに。
誠は頭を斧でカチ割られて死んでいた。
腰を抜かしている使用人が夏人にすがり付く。
「奥様が、刃物を持って、お嬢様の部屋に……」
最悪の事態を予想するのはそれだけで充分だった。
妹の部屋に着くと、そこには複数の使用人に押さえ付けられている母。
部屋の中を覗くとあまりの惨状に夏人は膝を折った。
「涼葉……」
妹とそして一緒に居ただろう赤子は包丁で何度も刺されており、特に腹部は重点的に刺されていた。
飛び散った血が部屋を赤く染めている。
着ている着物と顔が血に染まっている母は夏人に気付くとポツリと話し始めた。
「あの人だけが私に愛してると言ってくれたのよ。旦那様も言ってくれなかった言葉を。それをこの子は横から拐って子供まで作って。きっと涼葉から誘惑したのでしょうね。私の娘ですもの。同じ人を好きになるに決まってるわ」
小さな声で囁くように呟く。
それは違うと言おうとしたが、あまりにも現実離れした光景に顎が思うように動かない。
幼い妹と産まれて数ヵ月の姪を見る。
これは、誰のせいだ?
その答えは夏人自身が知っている。
知っていて、何も行動しなかった。
その愚行の皺寄せを全て妹に押し付けた、自分の────。
「あう、あ……う、うわあああああああああああっ!?」
頭を抱えて夏人はその場で狂ったように絶叫した。
妹と姪の葬儀から数ヵ月後。
白河夏人は墓の前に立っていた。
あれから父はより一層仕事に打ち込んでいる。
事件の責任の大半を森岳誠に押し付ける形で終わった。
母である白河静香と浮気してかなりの額のお金を受け取っていたことや、他の人間にも脅迫などの犯罪行為に手を染めていたことが分かり、非難の殆どは死んだ彼に向く形となった。
もちろん夏人の父にも非難の目は向いたが、嘘を言わずかつ発言の表現を工夫して最小限に留めた。
その影響で森岳誠の父は職を辞し、何処かへ逃げたらしい。
母である白河静香は捕まり、現在は刑務所である。
カッとなって娘と孫娘を殺害した事が原因で、以前は年齢よりも随分若く見えていたのに、先日面会に行った時は白髪と皺が増えて老婆のようだった。
和泉瑶子とは涼葉の事件以後別れている。
今は同じ大学に居ても話すことはない。
「涼葉……
何だかんだで優秀な妹だ。きっと上手くやっているのだろう。
天国なんて物があれば、だが。
「あれからあんまり食べてなくてさ。5キロも痩せたんだけど、最近はようやく食欲が戻ってきたんだ。肉はまだ抵抗があるけど」
色々と報告している内に色々な事を思い出す。
何故か着物が落ち着くと言って小さい頃から好んで着物を着ていた少し変わった妹。
昔から聞き分けが良すぎて、喧嘩すらした事がなかったように思う。
ワガママもたった一度だけ。
今更になってもっとこうしていればああしていればと後悔ばかりで苛む。
「ごめんな、情けない兄貴で……」
妹が死んでから何度も自殺を考えた。
しかし白河夏人にはそんな度胸すら持ち合わせてないのだ。
手を合わせて黙祷する。
────もしも、妹の人生に続きが有るのなら、娘と一緒に幸せに暮らせる場所に連れていってあげてください。どうか、どうか。
目を覚ますと、白河涼葉は見知らぬ部屋で木製の椅子に座っていた。
視線を上げるとそこには自分よりも5つ程歳上に見える長い銀髪の少女が座っていた。
その少女は無表情だが、眼だけは憐れむような視線を涼葉に向けている。
ここが何処か訊く前に銀髪の少女は口を開く。
「白河凉葉さん。ようこそ、死後の世界へ。貴女はつい先程、不幸にも亡くなりました。貴女は死んだのです」
番外編で森岳誠を登場させる予定があるので補完的意味で書きました。