堀北が自らスクール水着の股間部分の陰毛をハミ毛させるために掴んだとき、周囲にいるクラスメイトたちは歓声をあげた。
「剛毛だ。」とさんざん評された秘部の毛をついにみることができるからだ。
しかし、堀北には自主的に自らその毛を見せるつもりはなかった。
「自分からハミ毛をしろ」というのであれば、一度股の水着を掴んではみ出ないように内側にした毛を外側に広げるだけでいい。
実際にみんなの期待とは裏腹に、数十本ほどの毛がスクール水着の外側に露出するにとどまった。
しかし、それでも堀北の羞恥の度合いは変わらなかった。むしろ見られているのがクラスメイト全員だと意識するとよりこっちの方が恥ずかしいかもしれない。
昨日、池たちが見た量と比較すると少ない。しかし、男子生徒は次々と興奮の声を上げた。
彼らは知識として、クラスの女子にも自分たちと同じように陰毛が生えているということを知っている。
しかし、実際にそれを目にする機会は恋人を作らない限りない。
本来なら、長い間自分磨きをし続け、異性に気を配り、最大限の信頼関係を気づきあげて初めて手に入れられるような報酬を彼らなんの犠牲を払わずに手に入れたのだ。しかも、その相手は堀北鈴音という外見だけ見ても学年でもトップクラス、頭もいい。そして、性格は高飛車というすべてを兼ね備えている。
男子たちが興奮をするのは当たり前だった。
ハミ毛をした堀北は櫛田の指示により、体の方向を180°回転させてまたみんなのほうへと向けた。
クラスメイトの視線は容赦なく、堀北の身体の隅々に及んだ。
一番多かったのは、やはり胸への視線だ。堀北の胸部の水着には先ほどまであったサポーターが外されており、堀北の胸の形をそのまま浮かび上がらせている。
それを目に焼き付けておこうと、特に男子たちから熱狂的な視線が集中していた。
逆に下のほうはどうかというと胸には及ばないまでも視線を集めていた。
しかし、少しだけでしかも横にはみ出しただけの毛にそこまで惹かれるものはいなかった。
ただ、「ああ、そんな感じか」といった感想で一目見たあとはまた胸に視線を戻すものがほとんどだった。
「みんなそんなに必死に見なくてももう少ししたら本物を御開帳させるから安心して!」
櫛田の言葉を聞いた堀北は一瞬、目を見開いた後すぐに俯いた。
顔色こそ変わってはいないものの、内心はかなり動揺しているはずだ。
クラスの男子からは「おおー!」という喜びの声が聞こえた。
そして、櫛田の指示のもと堀北1人での体操がはじまった。
最初は屈伸だ。両足を伸ばしたり曲げたりする簡単な運動だが、その動きに合わせて腰や胸も動くためかなり扇情的に見える。堀北の胸の揺れに合わせてどよめきが起こる。
普段の体操は男女別で行っていたためこんなにも水着の女子がエロい動きをしているとは知らなかった。
だからこの瞬間だけは男たちは目を輝かせながら食い入るように見ていた。
「こんなことをして、恥ずかしいと思わないわけ?男子どもよく聞きなさい。あなたたちがくだらない欲望を丸出しにすればするほど女子たちの評価はただ下がりするわ。あんまり調子に乗らない方が身のためよ。」
屈伸を終えた頃、捨て台詞を吐くように言った。
しかし、体操自体は止めることなく続けて伸脚の体操をはじめる。
膝を曲げて足を伸ばす運動だが、それによって堀北の股が丸見えになってしまう。
しかし何事も起こっていないように淡々とこなしていく堀北であったが池の思わぬ一言でそのポーカーフェイスは崩れ去ることになった。
堀北が腰を落としたより深い伸脚の体操に入ったときのことだ。
「堀北の股のところ...なんかシミになってね?」
池の一言に周囲の生徒たちが一斉にその部分に注目する。確かに言われてみると少しだけ色が濃くなっているような気がしないでもない。
池は生粋の巨乳好きである。堀北も貧乳というわけではないがその程度の胸では興味が湧かないというのが彼の本音だった。そのためハミ毛を眺めながらその本体はどんなふうになっているのか妄想を続けていたのだが、ずっと股の部分を見ていたために最初は粒くらいの色だったところがだんだんとシミと呼べるくらいまで拡大したことに気づいたのだ。
「え!?まじ?」
「あんなこと言っておきながら1番楽しんでたのは堀北、お前だったのかよw」
「馬鹿なことを言わないでちょうだい。そんなことあるわけないでしょう。」
ハミ毛のことで頭がいっぱいになっていた堀北は自分の失態に気づいたようだ。
そしてそれを悟られまいと否定するが、それは火に油を注ぐ行為だった。
「じゃあなんでそんなに焦ってんだよ。」
「別になんでもないわよ!それよりもう終わりでいいかしら。もう十分準備運動をしたと思うわ。」
堀北は楽しそうにこちらを見ている櫛田にお伺いを立てるように尋ねた。
「そうかな?私の記憶が間違ってなければ次は前後屈だと思うんだけど。平田くんどうだっけ?」
「うん、確かそうだね。」
櫛田の確認に答えた通り、この後前後屈はストレッチを行う予定だった。
「間違えていたみたい。私の記憶違いよ。ごめんなさい。」
「記憶違い、ね?実は股間のところを体操で見せたくなかっただけじゃないの?」
「.....」
堀北は何もいうことなく体操を再開した。
何事もなかったのように振る舞ってはいるがその顔は羞恥に馴染んでいてサポーターが取り払われた乳首はその形を浮き彫りにしていて股間の方に注目をすると薄らではあるが色の変色が確認できる。
前屈をしているときは体を前に倒す姿勢なので恥ずかしくところはみんなに見られずに済むので束の間の時間を享受した。
しかし、数秒後にはその代償を払うかのように上半身を後ろに仰け反らなければいけなかった。もちろん手は腰に添えなければいけないので隠すことはできない。
堀北は前屈をしていた体をもとに戻して後ろに身体を仰け反らせようとするが、一瞬の間躊躇してしまった。
そして、櫛田と視線が交錯する。
櫛田は安全圏から処刑命令をいつ出そうかと楽しんでいるような目をしていた。
そして、悟る。こんなやつに負けてたまるもんかと。
見たければ見ればいい。胸だって、背中だって太ももだって、アソコだって。見られても失うものなんてない。
自らの心に誇りさえあれば、兄のようになりたいと願う立派な志さえあればどうにでもなる。この場で辱めを受けたって自分は何も変わらない。
それが一瞬の間に堀北の頭の中で考えられたことだった。
躊躇する必要などない。
深呼吸をして、控え気味だった足の広げ方も改める。不自然にならない程度にめいいっぱい見せつけてやる。
そして腰を突き出すようにすると身体を後ろに反らせて「5,6,7,8」と凛とした声でカウントしていく。
腰に手を当てながら反らすことで、その美しいラインがくっきりと浮かび上がる。脚はすらっと伸びている。堀北が脚を開いたお陰でヒップの膨らみまでしっかりと見ることができる。
そして、アソコにみんなの視線は集まっていた。スクール水着の生地はハイレグとは言えないまでもV字の形をしていてその周辺には隠れ家を失った、黒色の陰毛がちょこちょこと顔を覗かせている。
またその中央にはシミと呼べるであろう変色した箇所がしっかりと存在した。
大きさはそこまでないものの楕円形とも丸とも言えないような歪な形をしていてシミの周囲のラインもまばらであった。それが何を意味するのか。万が一にも水が跳ねたことによってできたシミならば綺麗なラインをしているか、楕円形といえるかのどちらかである可能性が高く勢いがあったというのは見てわかるだろう。
しかし、堀北の股間にあるシミは「ジワっっ...!!」という擬音がピッタリの形だった。
本来であれば男性の生殖器を受け入れるために潤滑油として分泌される液体が、あろうことか、おまんこの許容量を超えてしまったために外に出てしまいそれが目立つ証拠となって衆目に晒されている。
「こいつ、やけになったぞ!!」
「堀北がここまで見せるとは思わなかったぜ!」
「あれ、本当に感じてるやつじゃん...。」
「あのシミは……マジだろ。」
「堀北さんのおま〇こがぁ~」
急に威勢のいい声と態度で体操を再開したために、てっきり勘違いなのだろうかとDクラスの面々は考えてしまった。
しかし、その逆で堀北がここまで来たら仕方ないので見せつけようという発想であることを知ると大盛り上がりを見せた。
そして、堀北は櫛田の方を見てこう言った。
「……これで満足かしら?」
「ふぅん、開き直ったんだ?」
「ええ。あなたたちに見せるためにしたことだから後悔はないわ。」
「じゃあ、そのシミの説明はなんてするの?まさかこの後に及んで汗なんて言うわけないよね?」
堀北は一瞬言葉に詰まってしまい奥歯を噛み締めた。
シミの説明。なぜそれができたのか。それを自ら説明してしまったら、自分が...堀北鈴音が公衆の面前で感じてしまったと性的に興奮したのだと宣言するようなものだ。
クラスメイトの前で強制的に着替えさせられ、今日、さっきまで履いてい下着を晒され、裏地まで確認された上でそれを犬のやつに舐めさせられたのだ。
そんなことをしても感じるような人間と認めてしまって良いのか。
「鈴音。お前は俺のようになれない。お前にはプライドのせいで自分をありのままに見せることができないからだ。そうでなければお前の周りからは人が離れていくだろう。」
兄にクラス投票を前にして、何かアドバイスをもらえないかと頼んだ時に言われた言葉だ。
最初に言われた時はどういうことはわからなかった。その時は堀北の策がうまく行っておりその実績によって人がついてきたからだ。しかし、今は違う。実績がなくなった今、堀北は今までの仕打ちを受けている。
ーーーーープライドを捨てるーーーーー
それが今自分に与えられた試練なのだと堀北は悟った。そして、力強く言い放った。
「汗のわけないでしょう。それは私の...ンこからでた愛液よ。これで満足かしら?」
「「おぉおおおっっっ!!!!」」
男子生徒たちは一斉に雄叫びを上げた。女子生徒も目を丸くして驚きを隠せない。
普段から冷静沈着、成績優秀、才色兼備を体現しているような存在が、性器の名称を口にした上にそこから分泌された体液の名前をはっきりと口にした。
そして、恥ずかしげもなく堂々と腰に手を当てて胸を張っている。
その姿に男子たちは感嘆の声を上げ、女子たちも動揺を隠しきれない。
しかし、それで許す櫛田ではなかった。
「どこから出たって言ったのかなぁ?よく聞こえなかったよ?大きな声で言えるのかな?」
挑発するような態度を取る櫛田を一瞥するとゴクリと唾を呑み込み口を開いた。
「これは...私の、おまんこから出た愛液よ...!」
「「マジかよ....!!!」」
あの堀北の口からおまんこなどという言葉が出てくるとは思ってもいなかった男子たちは大盛り上がりだ。
「へぇ……そっか。認めるんだね。みんなの前で裸を見られて興奮するような変態さんだって?」
櫛田は改めて確認するように堀北に問う。一度認めたにも関わらず、だ。
それは堀北に対して、勢いで言ったという言い訳をさせない為のものでもあり、立場をわからせるためでもあった。しかも前はシミが愛液だと認めるか?という問いだった。
今回は愛液が出てしまった=変態なの?ともっとエスカレートしている。こうなれば意地だ。堀北は堂々と先ほどよりも声量を強めて宣言した。
「そうよ。私はみんなに見られていることに快感を覚えたわ。」
「くくっ!認めたぜ!」
「すっごいな堀北……」
「ヤバすぎだろあいつ……」
「でもちょっとエロいかも。」
ざわざわした雰囲気を櫛田が制して皆を静かにさせた。そして、取り返しのつかない質問を堀北に投げかける。
「じゃあ.....ここで素っ裸になってもいいんだね?」
静寂の中、櫛田が覗き込むようにして問いかけてくる。
「……好きにしなさい。もう何もかもがどうでもいいわ。あなたたちの気が済むならそれで構わない。」
堀北は投げやりな態度を取った。
「おっけー!じゃあ何があっても抵抗しちゃダメだよ?」
堀北は何も言わずにコクンと頷いた。