非情にもチャイムの鐘は時間通り鳴り響いた。
クラスのみんなは不服そうにプールサイドへと上がっていく。
私はチャイムがなるとすぐにプールから上がり出口に向かって歩いて行った。
もちろん上がる前に自らの手でスクール水着の切れ込みを広げて下の毛が全てオープンになっている状態にした。
不運にも入り口には軽井沢さん、佐藤さん、松下さん、篠原さん池くんと綾小路くん、そしてその状況をニヤニヤ笑っている櫛田さんがいた。
幸いだったのはこの惨状を見られた男子が池くんと綾小路君だけだったということだろう。
須藤君は欠席していて春樹君はもう退学していたため池くんが女子グループと自由時間に一緒にいたということだろう。
私が隠さずに陰毛を曝け出しているのを確認した後、櫛田さんは大声で叫んだ。
「堀北さん!下!下!水着破れてるよ!」
その声を聞き、入り口付近にいた5人の視線が私の股間に集中した。
私は咄嗟に隠したくなるのを我慢すると、慌てて確認するように自分でも股間に視線を送った。
状況は想像していたよりも酷かった。
私の下の毛で隠されているところなど何一つなかった。つまり全てオープンになってしまっている。
逆三角形に整えている形だけでなく長さや色そして量までも前の6人には余さず知られてしまった。
それは櫛田さんに見られるよりも何倍も恥ずかしかった。なまじ毛がプールの水によって湿り一部が水滴として滴っている状態だったのが私の羞恥心をさらに掻き立てていた。
私は驚くような風を装い一瞬だけプールの方を振り返った。これで大多数のクラスメイトに陰毛が見られてしまったことになる。
幸い、プールから出口まで距離があるため詳細には見られないないことくらいだろう。
しかし、そんなことは気休めにもならなかった。
プールへと振り返った時間は一秒未満だったにも関わらずその時間は時が止まったように静まり返っていたのもありとても長く感じた。
何よりその時間に私はプールへ視線を向けていたのに目があった人は1人もいなかったのだ。つまり、その瞬間、私に注がれた視線は全て股間部分のオープンになっている直毛の黒色の下の毛に集中していたようだ。
私が悲鳴をあげるよりも前に軽井沢さんが持っていたフェイスタオルで股間部分を覆い隠してくれた。
私が何も言えずに立ちすくんでいると手を引きながら出口の方へ一緒に付き添ってくれた。
櫛田さんと目が合うと彼女は心配そうな顔をしながらこちらを見ていた。その心配している表情の裏にどす黒い笑顔を浮かべているとはみんな知らないだろう。
軽井沢さんは私を励ましわけでもなくただ何も言わずにロッカーまで付き添ってくれた。
私はその場で着替えようと思っていたのだが軽井沢さんは自分のロッカーの荷物をまとめて私のところに再度やってきた。
「堀北さん。ここだとみんな来ると思うから機械室に移動しよ?平田くんと櫛田さんがみんなを少し待機してるように言ってたのが聞こえたから今行けば誰にも会わないと思う。それにあそこなら誰も来ないと思うから。」
「ええ。わかったわ。」
私は頷くと軽井沢さんと同じようにロッカーの荷物をまとめると彼女に連れられてプールの浄化や温度調節をしている機械室までやってきた。
「少し待ってて。」
軽井沢さんは機械室から出て行った。
多分、平田くんたちにもう大丈夫だと伝えに行ったのだろう。
私はその場に頭を抱えながらへたり込んだ。
軽井沢さんがタオルを瞬時に巻いてくれなかったらどうなっていたのか。
そして、綾小路君と池君に全てを見られてしまったという事実にショックを受けた。
やはり、異性にプライベートなところを見られるというのは衝撃が大きかったみたいだ。
ドアが開いた音がした。
軽井沢さんが帰ってきたみたいだ。
「ちょっと恥ずかしいだろうけど我慢してね。」
軽井沢さんは私の水着の状態を確認するために巻いていたタオルを取ってしまった。
咄嗟に隠そうとする私の手を掴んでを首を振る。
「堀北さん。隠さないで。平田くんがこれが事故からならいいんだけど、故意の悪戯だったかどうかを心配してたの。だから色々調べるね。」
私はそんなことなど予想もしていなかった。
ただ、その後着替えて帰るだけとたかを括っていた。
「そうね、私も事故なら仕方ないと思うけど故意でこんなことをした人がいたら許せないわ。」
軽井沢さんに同調するもののこれが櫛田さんがやったとバレてしまって困るのは私だ。
事故だということにしなければいけない。
「とりあえず切り込み部分を見せてもらうね。」
軽井沢さんは遠慮なく私のスクール水着の切れ込み部分に手を伸ばした。
「縦に切れ込みが入ってるって感じだね。ちょうど1cmくらいかな….。」
軽井沢さんは切り込みのおおよその長さを測った後質問をしてきた。
「でもこの切れ込みだけだとあんなに下の毛が全部丸見えになるなんてならないんじゃないのかなぁ。今も少し見えてるけど毛自体を手で切れ込みから出すくらいじゃないと見えないし….。堀北さんごめんね。」
軽井沢さんは水着の切れ込み部分を両手でわ左右に広げた。またしても私の下の毛がフルオープンになる。しかし、広げられた水着の生地がもとに戻ろうと縮み、毛の一部は水着に隠れてしまう。
「堀北さんの毛の形って結構広くて今私が広げて見ても半分くらいはすぐに隠れたよね….。じゃあ、そもそも下の毛を全部出した後に毛を引っ張って戻すしかないのな….。」
私が黙っている間にも軽井沢さんの実況見聞は進行していく。
毛が半分隠れてしまうとは、少し説明が難しい。
下の毛を外に出そうとすると水着は伸ばして広げた分だけゴムのように縮んで元に戻ろうとしてしまいその勢いで毛が隠れてしまい結果的に半分程度の面積しか外に見えるようにならないということだ。
それを全てオープンにするために私は切れ込みを広げて毛を全て出した後で毛を外に引っ張りだして水着が元に戻ろうと縮んでも大丈夫なようにしたのだ。
しかし、そのようにしたおかげで事故だと言い張るには厳しいような気がする。そのことを軽井沢さんに指摘された時どうしたらいいのだろう…。
「ごめん。堀北さん。やっぱり広げるだけだと全部は見えるようにならないみたいで….頼みずらいんだけど私が水着を広げるからその間、その….下の毛が隠れないように持っててもらってもいいかな?」
「ええ。大丈夫よ。正確に状況を把握するためには仕方ないわ。他人に下の毛なんて触られなくないだろうっていうあなたの気遣いだけで嬉しいわ。」
「ごめんね。堀北さんは被害者なのに。ほんとに許せない…。早く終わらせるね。」
軽井沢さんが水着の切れ込みを開けると再度私の下の毛が露出した。じっくりと自分の下の毛がオープンになるところをまじまじと見るのは初めてで少し恥ずかしい。私は露出した毛を掴むと軽井沢さんはゆっくりと水着から手を離した。すると毛は隠れることなく見える状態のままになり先程と同じようになった。
「これがさっき起こった状態だよね…?堀北さんの毛のが全部出ちゃってる状態。」
軽井沢さんの質問に私は肯定しながらも顔を赤らめてしまった。
「ええ。私の下の毛で隠れている部分はないわね。も、もういいかしら。流石に同性とはいえ恥ずかしいわ。」
私が水着を直そうとすると軽井沢さんは少し待ってと言うと荷物から携帯電話を取り出した。
「とりあえず、どういう状態だったのかを記録しておいた方がいいと思うの。あれが故意に起こったんだとしたら証拠は必要な気がするから。」
軽井沢さんは私に向かってカメラを向けてきた。
私は咄嗟に股間部分を手で隠す。
「堀北さん!私も意地悪でしてるわけじゃないよ。」
「それはわかってるわ、わかってるけど…。」
私はまだ手を離すことは出来なかった。
「早くしないと授業遅刻しちゃうよ。10,9,8,7……」
軽井沢さんからカウントダウンが飛んでくる。
7が数えられた時、私は両手のうち右手を股間から離した。
左手を離すと永遠に消えない記録として残ってしまう。
「….6,…..5…..4…..」
無情にもペースを落としてカウントダウンは継続していく。3を数えたあたりで私は覚悟を決めた。
最後の左手もゆっくりと脱力して下に降ろしていく。
カウントダウンが鳴り止む瞬間には私の両手は完全に気をつけの状態で降ろされており手で覆い隠していた場所を見えないようにしてくれるものは何一つ残っていなった。
フラッシュと共にシャッター音が数回続いた。
私に出来たことはただ、カメラから目を背けることくらいだった。
撮影が終わると軽井沢さんは記録された写真を見せてきた。
そこには顔を赤くしながら悔しそうに唇を噛み目を逸らしながらも自らの陰毛を晒している私がいた。
しかも、指示されているわけでもないのに脚も半歩程度開いていたためこれが私の意志で撮影されたものと言われても言い訳できるか怪しい状態だった。
軽井沢さんは私の頭をがんばったねと言いながら撫でてくれた。
その後、荷物をまとめると一足さきに更衣室へと去って行った。
私がその後、その場で自慰行為をはじめてしまったことは言うまでもない。