バブル付近で時間の流れから取り残された地方都市でも、金曜夜の繁華街の大通りともなれば、相応に賑わう。身を寄せ合い、インモラルな雰囲気を漂わせながら歩く男女も、よく見かける。
その中でも特に、目立つペアがいた。すれ違う人々から、ちらちらと視線を向けられている。好奇・好色・侮蔑・反感といった、マイナスの感情が込められている。
男のほうに非はない。この街では珍しくもない南米系の移民であり、ラフないでたちをしている。「外人さん」だからと目を向けられはしても、ここまで露骨な反応をされる謂れはない。
問題は、女――八坂神奈子にあった。女神なだけあって、凄まじいまでの美貌を誇っている。軍神らしい勇ましい眉、凜然とした瞳に、すっと通った鼻筋。唇は豊かで、コーラルレッドのリキッドルージュが艶めいている。
モデルに転職すれば大成功まちがいなしの花容だった。とはいえ、注目を浴びている最大の理由は、そこにはなかった。彼女の姿のせいだった。
まず、衣服だ。公共の場を歩くには、あまりにもふしだらすぎた。
額にかけたハート型のサングラスは、フレームにラメが使われており目立つ。上はチューブトップ一丁だ。爆乳と呼ぶにふさわしい乳房が無理矢理押し込まれており、今にもはち切れそうだ。しかも布がかなり薄く、肌が半分透けている。乳頭もぽっちりと浮かんでおり。ノーブラなのが丸わかりだった。
センシティブなのはトップスだけではない。ボトムスも大概だった。絵に描いたようなウルトラマイクロミニスカートだ。股下でいえば、ゼロどころかマイナスだろう。衣服の本来の意義――肌を隠す――を思えば、穿いている意味がまったくない。歩くたびにひらひら揺れる様が扇情的だった。
当然、下着も丸見えだ。紫色の、エナメル製のGストリングであり、クロッチはほぼ紐だ。被覆面積は皆無であり、鼠径部は大部分が露出している。辛うじて裂け目だけは隠れていたが、土手に食い込んでいる始末だった。
後ろ姿もたいへん性的だ。白い背中が、ほとんど剥き出しになっている。むっちりとしたヒップも、半分ほど姿を覗かせていた。美しいレッグラインが、ピンヒールによって飾られている。けばけばしい金色で、悪趣味ですらあった。
頭頂から爪先まで、裸よりも猥褻なほどの姿だ。痴女がいますと通報されてもおかしくない。好奇の目で見られるのも当然だった。
それを助長するのが、彼女の腹だ。ぽっこりと膨れて、前方に突き出していた。
特有の張り具合のある膨らみかたを見て、太っているのだな、と思う馬鹿はいるまい。妊娠しているのだ。そろそろ臨月を迎える勢いだった。
普通の妊婦なら、一瞥はされても、こうまでじろじろ見られはしない。衣装との組み合わせが最悪だった。子を宿してなお夜遊びをやめない、ふしだらでどうしようもない女だと思われているのだ。
神奈子に、気に病んだ様子はない。むしろ、べつに間違ってないしと認めてすらいた。
今の守矢神社は、それなりに安定している。早苗は優秀な神官だし、経営面にも不安はない。死活問題である信仰も、潤沢とはいわずとも、こうして人々の前に姿を現わして遊べるくらいには確保できている。
たいへんよろしい。だからこそ、神奈子にとってはつまらなかった。軍神にとって、安穏たる暮らしは退屈だった。
必然、スリルを求める。数千年前なら隣国に喧嘩でもふっかけるのだが、あいにく今は平和な時代だ。仕方ないので、二番目の趣味にふけっていた。すなわち、男漁りである。
いつの世も、神は好色だ。神奈子も例外ではなかった。色々な男と知り合っては、一晩肌を重ねて愉しんできた。
特に最近は、海外の男にハマッている。黒人のがっしりした体躯や、ペニスの立派さと逞しさ、セックスの力強さに魅了されていた。英語を覚えるのは大変だったが、早苗の教科書も借りて学び、助平な会話を楽しめる程度には習熟した。
何人もセフレを確保して、取っ替え引っ替えしている。今横を歩いている男、ドミニクだってそうだ。荒々しさとねちっこさを兼ね備えたピストンは、男性経験が豊富な神奈子をして、獣のごとく喘がせるほどだ。考えるだけで股穴が疼いてしまう。
遊びが過ぎて「命中」したのは想定外だったが、神話をひもとけば分かるとおり、本邦の神々は多産だ。なんの問題もない。
困ったことがあるとすれば、早苗の視線が冷たくなったことだろうか。趣味について知られるまでは、尊敬してくれていたのに。
あの娘にも一度、彼のモノを味わわせてやりたい。そうすれば一発で、ハマるに決まっている。自分がそうだったように。
「あは」
ドミニクの手が腰に回される。さらに下へ向かい、尻を撫で回してくる。この後OKか? と尋ねるサインだ。
返事をする。言葉でなど無粋だ。ズボンの膨らみを、撫で回してやる。布越しにも分かるはっきりした存在感に、期待を抱かずにはいられなかった。往来で繰り広げるには大胆すぎる行為に、周囲はぎょっとした顔を見せていた。
『こっちだ』
短い呟きとともに、通りから一本入る。ビルとビルの谷間で忘れ去られた裏路地だ。
壁面に配管が剥き出しで、ところどころカビている。エアコンの室外機から漏れる金属っぽい匂いと、籠もった湿気が鼻孔を満たす。いかにもデッドスペースといった風情があった。
少し奥に進む。大型のダストボックスの陰に連れ込まれた。どれだけ使われていないのか、蓋に取り付けられた南京錠が錆びている。
「ふふ……ここでヤるの?」
表通りの喧噪が遠くに聞こえる。人通りのない路地で、ダストボックスが目隠しになっているとはいえ、屋外だ。誰かに見つかる可能性もゼロではない。
普通なら嫌がるところだろう。が、神奈子はむしろ、心を躍らせていた。こういうスリルをこそ、己は望んでいたのだ。何を拒むことがあろうか?
「んぁ……あむッ、ぢゅるッ、んふ……、ぢゅるぅ」
「ヂュクッ、レロッ、ぢゅるるっ、ぐぷッ、ぢゅる」
ドミニクの首を抱き、柔らかな乳房を押しつけながら、唇を重ねる。情熱的なベーゼだった。吐息に混じって、唾液のこねられる音が響く。舌と舌が絡められ、ヌルヌルと摩擦して互いに快感を与えていく。
「んッ、ふ……んぅ! くふッ、ンッ、ンンッ」
ごつごつした手が、ノーブラの乳房を弄ぶ。チューブトップに戒められた爆乳は、指の圧力を受け止めてむにゅんむにゅんと形を変える。
「ンふぅ!」
ぷっくり膨れ始めた先端を、太い指で布越しにキュッと摘ままれる。ビリビリと痺れるソリッドな快感に、情熱的な声が喉から漏れた。
どうせなら、もっと大胆なところも嬲ってほしい。彼の手を取り、己の下半身に導く。マイクロミニスカートに飾られた、両脚の狭間。Gストリングに覆われた秘部へとだ。
「ンッ、く、ふッ、ンッンッ」
人差し指と中指が、土手に沿って這い回る。ほとんど紐同然のエナメル下着は吸水性皆無で、秘貝からすぐ、じっとりとした蜜が垂れ流しになる。ぬちっ、くちっと、およそ屋外で慣らすべきではない猥褻音が響き始める。
「ぢゅくッ、レロッ、レロロッ」
ドミニクがもう片手を、己の尻ポケットへと伸ばす。取り出したのはスマホだった。熱烈な口交を繰り広げながら、小器用にもロックを外す。インカメラで、神奈子の姿を撮影していく。
写真にしてもビデオにしても、出回った当時は感心した。それが痴態を形に残し、売りさばくために使われ始めたのを見て、もういちど感心した。
だらしない、助平な姿をお気軽に記録し、後々から対象を辱められる。科学の進歩とは素晴らしい。
もちろん、作法だって知っている。カメラに向けて、ピースをつくる。シャランシャランと、一昔前ならシャッター音とは認識しなかったろう音が数度鳴った。
この写真を後から誰かが見たとして、どう思うだろう。接吻しながら股穴を弄くられ、それを進んで撮ってもらっている馬鹿女、といったところか。ゾクゾクしてしまう話だった。
「んはぁ……」
情熱的ベーゼは、たっぷり数分ほども続いた。いいかげん鼻呼吸では保たなくなって、名残惜しくも口を離す。興奮にネトついた唾液の糸が、とろりと唇の間を伝った。
『すっかりできあがってんな?』
ニタニタと口元を吊り上げながら、先ほどまで土手を擦っていた指先を見せつけてくる。人差し指と中指の間を、透明な糸が引いている。彼女の流した卑猥汁によるものだった。
『これだけヌレてて、服着てる意味なんかないだろ? 脱いじまえよ』
さも親切心からの提案といった風を装っているが、とんでもない。実質的には命令だった。従わせるための根拠は、ペニスだ。
ラフなカーゴにギンギンと浮かぶテントを見ると、思わず生唾を呑み込んでしまう。そうね、と呟き、衣服に手をかけた。誰が見ているとも分からぬ空間で、素肌を晒す。
表通りで悪目立ちしていたのは衣装のせいだ。とはいえ、格好を除いても、神奈子が誰もが振り向く美女であるのに疑いはない。女神――種族でなく、美人のたとえとして――と称するのがふさわしい。
顔だけでなく、身体つきもだった。ほんのり日に焼けた肌は、荒れもせずきめ細かさと潤いを保っている。湯上がりの姿などは、はるかに若いはずの早苗に嫉妬されるほどだ。まさに女性と称すべき豊かなボディラインを象る様は、圧倒的ですらあった。
すらりとした首に、胸鎖乳突筋のラインが浮かんでいる。鎖骨がうっすらと浮かぶ様には、どんな男であろうとも興奮を抑えられまい。
だが、それ以上に目を引くのは乳房だ。もともと、普段のゆったりした衣装の上からでも分かる巨乳だった。孕んで以来乳腺が発達し、今や爆乳だ。
チューブトップを脱ぐ瞬間、ひっかかってぐぐぐ……っと持ち上がった。解放された瞬間、ばるんっ! と弾んだ。漫画の世界から飛び出したような動きに、ドミニクも口笛を吹いたほどだ。
露わになったバストは、軽く人の頭くらいはある。サイズにしてIカップにもなり、見ているだけで重量感が伝わってくる。さすがに重すぎて、若干垂れ下がっているが、生々しい魅力を演出している。
母たる授乳器官を、黒ずんだ乳輪が卑猥に飾り立てている。かなり大きく、人差し指と親指でつくった輪っかほどもある。また乳頭も長かった。乳輪が着色するのは妊娠中によくある現象だが、これは弄られすぎなのも手伝っている。好みは分かれるだろうが、好きな者にはたまるまい。
そんな乳暈をぐるりと取り囲んで、刺青が彫られている。戯画化した精子が、乳首めがけて殺到している。授乳のためにあるはずの胸を、下卑た性行為用の器官に成り下がらせる、最低のタトゥーだった。
ドミニクの「頼み」で刻んだものだった。鏡で見るたび、己がどんな存在になったかを思い知らされる。ペニスに屈して、大事な身体に下品な彫り物まで入れる女。一生消えないからこそ、どれほどふしだらであるかを強調する。ゾクゾクしてしまう。
視線を下げれば、誰が見ても妊婦と分かる、臨月期の腹にいきつく。卵形に膨らみ、ずっしりと重量感がある。妊娠線がうっすら浮かんでおり、極めてフェティッシュだ。
実のところ、まさか孕むとは神奈子も思っていなかった。生で、遠慮なく中出しを愉しんできたとはいえ、それは神と人だからだ。種族を越えて卵子を屈服させる、まして軍神を孕ませるなど、並大抵ではないと思っていた。
その無理無茶を無理矢理叶えてしまったのが、ドミニクだった。雄々しい魔羅からは雄々しい種が出る。海の外からきた逞しき子種に、彼女の子宮は征服されてしまったのだ。
ペニスで支配して以来、ドミニクは神奈子を半ばオモチャにしていた。たとえば、彼女の下腹だ。臍下あたりにも、タトゥーが彫られている。クイーン・オブ・スペード、黒人専用の女を意味する意匠だった。
彼女くらいの外見年齢であれば、相応に陰毛が育っていておかしくない。にもかかわらず、そこはつるりとしていた。こっ恥ずかしくだらしない、無毛地帯となっている。あおあおと残った毛根の痕が、剃り上げられたのだと告げている。
まるで童女のような三角州に対して、裂け目は相当に使い込まれていた。ローストビーフを思わせる色合いの小陰唇がはみ出している。ぬらぬらと粘っこい愛液を滴らせる様には、むせ返るエロスがあった。
『ほれ、自分で広げろよ』
へらへらと軽薄な笑みを浮かべながら、顎をしゃくってくる。守矢神社の祭神にして山坂と湖の権化に、すさまじく横柄だ。が、文句をいうつもりはなかった。むしろ嬉々として従う。攻め込んで攻め込まれての血なまぐさい時代から生き抜いてきた彼女にとって、己を支配した者に従うのは当然だった。
命じられたとおり、指先で裂け目を割り開く。ニチャァ……と、卑猥音が響いた。
「あはッ」
誰にも隠すべき恥部を、こんな野外で曝け出している事実が、子宮を疼かせる。とろとろと、蜜が滴ってたまらなかった。
『くっせぇ汁垂れ流しやがってよ、ビッチが。自分でどう思うよ、このマンコ?』
「くく……、アンタもだけど、私もだいぶ、遊んできたからねぇ。男を悦ばせることに関しちゃ一級品さね」
『そうかよ。使い心地抜群だって?』
「もちろん。キツキツで、ナカでウネッて締め付けてザーメン搾り取る、淫乱中の淫乱穴さ。屈服させられたのは、アンタくらいのもんだね」
『そりゃいい。ホレ言ってみろよ。私のマンコはチンポ咥え込みまくりの、アバズレマンコですってよ』
「はは。酷いこと言わせるもんだね……。私のマンコは、チンポ咥え込みまくりの、セックス大好きなどうしようもない変態アバズレマンコです……あはッ」
自らの品位を貶める言葉を垂れ流す。求められた以上のおまけまでつけてだ。乾を創造する神ともあろうものが、はしたないでは済まされない。ゾクゾクと、マゾヒスティックなエクスタシーが胸中を満たす。
『そんな変態マンコっぷり、記念に残しといてやるか。ほれ脚開け脚』
股の間に、スマホが差し込まれる。命じられるまま、脚を広げて受け入れる。シャランシャランと、また音が鳴る。
「嗚呼……」
誰にも秘められるべき部位を、堂々と記録に残されている。恥辱に、快感がこみ上げてくる。
『SNSにアップしといてやるか。へへへ』
「そうして私の穴が、男共のオカズになるって? それは……ククッ、素敵だねぇ?」
神奈子自身は手を出していないが、早苗がやっているので、概要は知っている。そうでなくても、ネットに個人情報を上げると云々……と、ずっと前から言われているのだ。不特定多数に己の恥部を見られ、おそらく取り返しもつかないと思うと、破滅的な官能が押し寄せてきた。
ドミニクがぽちぽちとスマホを弄っているあいだ、神奈子もただ突っ立っているわけではない。姿勢を変え、壁に手をつき、尻を突き出す。
マイクロミニスカートに収まらないほどの巨尻だ。ムチムチと、今にもはち切れんばかりだった。
もともと、鍛錬は欠かさずにいたのだ。発達した大臀筋・中殿筋・梨状筋の上に、孕んだ結果脂が載り、雄の性欲を刺激しまくるヒップが生まれていた。
幾何学の世界から飛び出してきた、完璧な球だ。無茶苦茶に腰を打ち付けてやりたいという、暴力的な性衝動を喚起させる。
そんな尻たぶを、自ら割り開く。むっちぃい……と露わになった尻穴の周りには、薔薇のタトゥーが彫られていた。キュッと窄まった薄灰色のおちょぼ口からは、紐がぷらりと垂れ下がっている。アナルビーズだった。
『おら、ひり出してみろよ』
またしても、あごをしゃくって命じてくる。疑似とはいえ、排泄行為を人前でさらすのだ。軍神の名折れといってもいい屈辱だ。思わず濡れてしまいそうなほど、たまらなかった。
「んッ、ふ――」
腹膜に力を入れる。ぐっ、ぐぐっと、腹の中の異物感が押し出されていくのを感じる。肛門が割り広げられる。むりむりむりぃ……と、腸粘液にまみれた珠がアヌスから姿を覗かせる。
「おんッ……!」
ぬるんっ! と、珠が一つ、勢いよく飛び出した。喉の奥から、間抜けな声が漏れる。野太いクソをひり出したときにも似た、原始的快感は、彼女が普段被っている凜々しさを剥ぎ取るのに十分だった。
「あっは――ぉおおおんッ!」
紐の先端、取っ手の部分に指をひっかけ、一気に引っ張る。合計十ほどの珠が、ぬるるるるんッ! と一息に飛び出す。肛門神経叢を刺激され、身体がビクンと跳ねる。
剥き出しの雌穴から、ぷしぃッと卑猥汁が噴き出す。アヌスの性感で、軽く達していた。
『大した一発芸だなオイ? あぁ我慢できねぇ、おら、しゃぶれよ』
「ふふ、待ってました」
人の痴態を一発芸とあざ笑い、写真に残しておきながら、男は腰を突き出してくる。カーゴパンツの股間あたりには、真っ直ぐ歩くのも難しそうなほどのテントができていた。
もちろん、支配者の命令に逆らう神奈子ではない。むしろ、王を出迎える家臣のごとく、恭しく迎える。
ふんぞり返る男の前で腰を下ろす。眼前で見るに、膨らみは相当なサイズだった。
「んふ――」
口で布地の端をつまみ、ゆっくりと下ろしていく。フェラチオの前には女が脱がせる、その際には手でなく口を使う――ドミニクによって仕込まれた、彼好みの作法の一つだった。
もちろん、簡単ではない。内側で膨れ上がったモノが引っかかりまくるからだ。チューブトップを脱ぐときの神奈子と、似た理屈だった。となれば、解放された瞬間に起きることも同じだった。
「あっ!」
跳ね橋のごとくブルンッ! と現れたイチモツが、顔面を打つ。ベチィンッ……! と芯に響く打擲を受け、じんじんと甘い疼きを頬に覚える。
露わになった男根は、ペニスの王とでも称するべき威容を誇っていた。黒光りする刀身は長さにして十インチほどもあり、中東に伝わる曲刀のごとく反り返っている。
赤黒い亀頭は槍の穂先を思わせ、女を貫くときを待っているかのようだ。カリ首も深く刻まれており、まるで大理石彫刻だった。幹は太く、赤子の腕ほどもあり、表面をぐねぐねと血管が這い回っている。根元の玉はぱんぱんに膨れ上がっており、どれほどの欲望を溜め込んでいるか暗に伝えてきた。
無意識のうちに、鼻孔がヒクつく。ムワムワとまき散らされる雄フェロモンが、雌性を刺激する。ジュワッ、ジュワッと股穴が濡れそぼつのを、自分でも感じた。
「あはぁ……れろぉおお」
蛇のごとき舌が口腔から伸びる。たっぷりと唾液のまぶされた粘膜が、玉から亀頭にかけて舐め上げていく。全男性を代表するかのごとき肉竿を、よだれでべとべとにしていく。ぬるんっ、ぬるんっと、さながらマーキングだ。
「むちゅッ、んちゅッ、むちゅッ、んちゅ」
竿全体に、何度も口づけていく。今日のために選んだローズレッドのルージュが、唇の痕を魚拓のごとく残していく。
『おい。ちんたらやってねぇで、さっさとしゃぶれっての』
「あはッ――アンッ、えぁ――あむぅううッ」
よだれでべとべとになったモノで、頬を往復ビンタされる。ベチベチベチッ、と音が鳴るたび、柔らかな頬が唾液と陰茎のニオイにまみれていく。
屈辱に瞳を蕩かしながら、大口を開いた。いま口内を覗いたなら、興奮にネトついた唾が糸をひく様を目の当たりにできたろう。
ぱっくりと、他人の性器を口腔に迎え入れる。猛烈な熱が、唇と舌を通じて伝わってきた。火傷してしまいそうなほどの熱が。
「んふぅうう……ッ」
口いっぱいに満ちるのは、ドミニクの体臭、そして陰茎独特の香りだ。どちらも、今の神奈子にとっては、興奮のスイッチとなっていた。目尻を垂れ下げ、瞳を蕩かしながら、雌豚そのものの声を漏らす。次の瞬間なにをするかといえば、もちろん決まっていた。
「んぢゅるぅッ、ぢゅうるッ、ぐぽッ! んんふッ、んぢゅぷッ、くっぽッ、んぶぢゅるぅ」
頭を激しく前後させ、しゃぶり上げていく。頬は火男のごとく窄められ、唇でぢゅうぢゅうと吸い付いている。肉竿に、口紅の痕が残されていく。ここまでしゃぶれましたよと示す、一種の喫水線だ。
口内では、舌が縦横無尽に躍っている。諏訪子に対抗すべく、蛇の要素をもった彼女ならではの、自由自在な動きだった。
『おっおッ。やっぱしゃぶらせるならこの便女だよなァ』
人間ではありえない口淫は、数多の女をベッドテクで屈服させてきたドミニクをして、満足させる水準にある。腰を軽くカクつかせながら、嘲りきった声色で罵倒してくる。
『ほら視線こっち向けろよ、これも全世界に公開してやっからよ。喜べよ? 実名入りで晒してやるからな』
「んぢゅるぅうッ……」
あまつさえ、スマホで撮影してくる始末だった。もちろん、抗議などしない。むしろいっそう強くペニスに吸いつき、だらしない顔を晒してみせる。
命じられたとおりに、カメラへと視線を向ける。だけでなく、ピースサインまでつくってみせる。好色、ふしだら、下品――そんな言葉では到底言い表せない、淫猥極まる様だった。
それでもなお、足りなかった。大きく両脚を広げ、内側に指を差し込む。濡れた肉穴を、自ら掻き回していく。
「ぢゅるっ、ンゥッ! ぢゅくッ、ぢゅぽッ、ぐぽッ、ずよよ、んふぅううんッ」
ぐっちゅぐっちゅと、妊娠済みのヴァギナをこね回していく。散々ほじくられて開拓されきった卑猥穴は、どうしようもない悦びの蜜音を鳴らす。
腰を躍らせながら、激しく孕み穴をほじくる。オナニーであり、このあと使っていただくための前準備でもあった。襞という襞を入念に耕して、十インチ級の大業物を受け入れられるよう整えていく。
「ぢゅるぷッ、ぢゅぷッ、んっふぅ、んぅう」
雌汁が膣口からぶちゅぶちゅとまき散らされている。飛び散ったラブジュースが、地面に卑猥な染みをつくっていく。野良犬すら辟易する、どうしようもないマーキングだった。
快楽が燃料となり、フェラチオはいっそう激しくなる。ぐっぽぐっぽと、およそ口腔があげない音を鳴らす。男が限界を迎えるまでに、さほど時間はかからなかった。
『ぉうッ、出るぞ、そのツラ便器にしてやる、そらッ』
「んふぅッ。ぐぽッ――っは、あはぁ、あぁああ、もっとぶちまけてぇ……ッ」
腰が引かれ、イチモツが引き抜かれる。ワインからコルク栓を抜くのに似た、小気味良い音が響く。
黒光りするイチモツから、真っ白な濁液が勢いよくぶちまけられていく。水に浮かべれば沈むこと間違いなしの、ずっしりした汚濁が顔面を汚していく。
女は顔が命という。ならば顔射は、命を踏み躙る行為に等しい。尊厳をめちゃめちゃにされながら、神奈子は目を閉じて、恍惚の溜息を漏らして射精を受け止める。ほう、と吐いた溜息は、えげつないペニス臭を纏っていた。
ここは屋外で、シャワーもなにもない。コトが終われば、スペルマまみれの顔で表通りに出なければならない。いったい、どんな目で見られるだろう。今から楽しみで仕方なかった。
シャラン、シャランと音が鳴る。精液まみれの顔まで、電子記録として保存されていく。きっとまた、SNSに上げるのだろう。
「アァ……」
八坂神奈子という「人間」は存在しないので、実名入りで写真をばら撒かれようが、ほぼ無害だ。とはいえ、己の名が貶められていくことには、破滅的な快感を覚えた。何人の男が、己の痴態でマスをかくのだろう。想像するだに、甘く蕩けてしまいそうだった。
『さぁて……次はいよいよ本番だな。ボケッとしてねぇでケツこっちむけろよ』
尿道の残滓を頬に擦りつけて、男の射精はおしまいだ。神奈子はといえば、額からおとがいまで、顔じゅうべとべとになっていた。普段の凜々しい姿からは想像もつかない、どうしようもない便女の顔だ。
それだけ大量にぶちまけておいて、彼はなおも満足していなかった。本邦の男ではありえない絶倫っぷりだ。だからこそ、彼らとの付き合いはやめられない。
「あはっ。かしこまりました……」
普段の尊大な口調は鳴りをひそめ、恭しい言葉遣いになっていた。顔面いっぱいをぐちゃぐちゃにされて、マゾ豚のスイッチが入ったのだ。
のっそりと立ち上がる。恍惚でややふらついている。配線剥き出しのコンクリート壁は、ひんやりとしてやや湿っている。むろん、この程度の冷たさで燃え上がる官能を冷ませるわけもない。
命じられたとおり、尻を突き出す。くねっ、くねっと、上下左右に腰を振る。暴力的なサイズのヒップが躍る様は、見ているだけで勃起を誘う。
さらには、自ら肉穴を割り開き、子を宿した肉穴の内部を男に見せつける。とろり、とろりとネバつく汁が滴っている。ヌラついた粘膜が収縮を繰り返す様は、まさしくハメ頃といった風情だ。
「あはぁ、どうか、どうか淫乱変態おまんこ女の八坂神奈子のプッシーに、貴方の逞しくて強ぉいデカチンポぶち込んで、ズコズコしてぇ。今も疼いてヌレヌレになってる穴っぽこ、黒人専用便女穴に造り替えて、孕み子宮にティッシュ感覚で中出しぶちまけてぇ!」
長口上で挿入を誘い、己を貶める。そうしている間にも、膣口から涎が滴って止まらない。どうしようもないとは、まさにこのことだった。
ドミニクも、そう考えたらしい。ハン、と鼻で笑う。人を人とも思わぬ侮蔑が込められていた。
それでも、イチモツはおっ勃てている。あれほど射精したにもかかわらず、まったく萎えていなかった。恐ろしいまでの絶倫っぷりだ。
「あぉんッ……!」
剥き出しの裂け目に、亀頭が押し当てられる。感じたのは、火傷しそうな熱と、魂を絡め取るような悪意。そして、圧倒的な存在感だ。今からコレにほじられるのだと思うと、嬉しくてたまらなくなる。
喉の奥から漏れるのは、品のない嬌声だった。とても、八坂神奈子とは思えない。
『そぉら、ファックの時間だッ』
「ぉッ、ひッ。あぉおおおおおおッ!」
腰が突き出される。ぬぶんっ! と音を立てて、剛直はあっさりと孕み穴へと侵入する。ばしんっ! と、尻肉と下腹の打ち付けられあう音が続いた。
何度も穿たれほじくられ、すっかりソレの形に変えられた膣襞は、己の主人を歓待すべくヌルヌルと絡みつく。絡みついて搾り上げる動きは、身体の一部とは思えないほどだった。そういう軟体生物なのだと説明されたほうが、まだ納得できるくらいだ。
力強く張り出した亀頭にゴリゴリと抉られ、あがる声はけたたましかった。嬌声ははしたなく、かつだらしなく、表通りにまで聞こえそうなほどだった。雌としての悦びが、はっきりと現れている。
『あー……なんつーか、口マンコは悪くねぇんだけどな……』
吐き捨てるように、ドミニクは呟く。がっかりだ、といわんばかりの声色だった。
『神奈子よぉ。お前、自分の穴がキツキツでナカでウネッて締め付けてザーメン搾り取るとか言ってたよなァ? そりゃいつの話だ? てめぇのマンコ、ハメすぎでユルッユルのガバ穴になってんだけどよ。ハメ過ぎで黒ずんでて生臭えし、自惚れんのも大概にしろっつうのこの期待外れマンコが!』
「あひぃいッ!? おひッ、ぉおおおんッ!?」
ストロークが開始される。どぢゅッ! どぢゅッ! と、孕女に対して容赦のないピストンだった。苛立ちとともに繰り出される腰使いに、母胎への気遣いなど欠片として存在していなかった。
「ぉッ、ひッ、あぉッ、ぉおんッ、はへっ、あぉおッ!」
ゆるゆるふわふわとペニスに絡みつく肉襞を、ダメにしてやるといわんばかりの勢いでゴリゴリとほじくり倒してくる。体内から音が聞こえる勢いだった。ひぃひぃとよがりながら、結合部から雌汁をまき散らす。
ゴツッ、ゴツッと、体内から音が聞こえていた。そのたび、スリリングな性感が脳天を貫いていく。孕む前とくらべいささか浅くなったヴァギナの最奥、子を宿した子宮の入口を、こじ開けるかのごとくノックされているのだ。
「あひッ、あぉッ! ぉおんッ、いひッ、あぉッ、ひぃい!」
孕んでおらずとも不妊症のリスクがあり、まして今は流産の危険性すらある行為だ。にもかかわらず、神奈子は抗議もせず、おんおんと下品声をあげてよがるばかりだ。黒光りするペニスに抉られるのがよすぎて、まともにものを考えていられない。
『ったく、せめて俺のフォロワー数になってくれや』
「あはぁッ、はへっ、あぉッ、ぉひぃッ」
半ば白目すらむく神奈子をよそに、男はずいぶんと気楽だった。ポチポチとスマホを操作する余裕すらあった。結合部の無修正写真を記録していく。セックスという、神聖にして秘められるべき瞬間を全世界に配信され、おんおんとよがる。
『おらてめぇもマンコ締めてケツ振んだよ、使えねぇ奴だな』
「あひッ、あはッ、かはッ……! ッ、……ッ!」
やかましいくらいだった嬌声が、突如としてやむ。すらりとした首を、ドミニクのゴツゴツとした手が絞めていた。ぎりぎりと酸素供給を断たれ、身体はビクビクと痙攣する。ふわふわしていた肉穴もキュッキュッと締まり、男根を悦ばせる。
余裕などあるまいに、ピストンに合わせて腰をくねらせる。Iカップバストをゆっさゆっさと揺らし、尻肉を震わせる。求められるまま、男を悦ばせていく。まさしく、便女に相応しい姿だった。
『おッいいぞいいぞ、そら、ご褒美だ!』
「ぉッ……! ひッ、かっはぁッ……!」
パァン! と、ピストンサウンドとはまた別の鋭い打擲音が響いた。ストロークのたび波打って震えていたむちむちの尻肉に、平手を打ち込まれたのだ。手加減などなかった。掌の痕が赤く、くっきりと残るほどだった。
それを何発も、連続して繰り出してくる。痛みとともに訪れる、甘いマゾの疼きが、彼女をさらに昂ぶらせていく。
『そぉらこっちもだッ』
ドミニクはなおも、満足しなかった。また、平手を打ち込んでくる。今度は、子を宿している腹へ。
ポルチオ責めといい、臨月の妊婦に対して、信じがたい行為だった。とはいえ、彼を責めても、どこ吹く風だろう。あくまで自分が気持ちよく射精できればいいのであって、結果として神奈子がどうなろうと、彼にとってはどうでもいいのだから。
神奈子もまた、文句など言うつもりもなかった。酸欠の苦しみの中で訪れる、極限の快楽は、他の何にも代えがたかったのだから。
『おっ、おっ、締まりが良くなってきた。イきそうになるとマンコ締めてきやがってよ。そらこっちも出すぞ、妊婦マンコに濃厚中出しだ、嬉しいよなぁオイ?』
「……ッ!」
『おっと、コレじゃ喋れねぇか、ほら言ってみろよ、嬉しいってよぉ!』
「はひッ、嬉しい、嬉しいですぅッ、どうか神奈子の孕みゆるゆるガバマンコに中出しして、変態ガチアクメさせてぇええッ!」
涎すら垂らし喚きたてながら、腰をへこへこ振り立てる。ドミニクのピストンも、激しさを増していく。過剰なほど分泌される雌汁がなければ、肉襞が擦り切れていただろう。
『そらッ、食らえ!』
「あぉッ、ぉおおおおおおおおおおんッ!」
腰がいっとう深く突き出される。子を宿した聖域への入口と、ペニスがむっちゅりとキスをする。八坂神奈子を串刺しにした次の瞬間、男はなんの遠慮もなく、孕み腹へと子種をぶちまけた。
どくどくと注がれるのは、本邦の男達とは比較にもならない濃厚精子。二発目であるのに、量も濃度もまるで薄れていなかった。
全雄を代表するかのごとき優秀な遺伝子は、女を屈服させ雌に堕とすに十分すぎる。熱いマグマをぶちまけられているかのごとき感覚に、神奈子も簡単に絶頂へと至った。
ガクガクと全身を痙攣させ、半ば白目すら剥いて、結合部より熱い潮をぶしゃぁっと噴き出す。上がる声に守矢神社の祭神としての威厳など欠片もない。臨月に至ろうとも変態交尾をやめられない、どうしようもない精液便女にしてマゾ豚が一匹いるだけだった。
「はひッ、おひ、ひぃッ、あぉぅ、ぉおお……ッ」
睾丸の中身を自分勝手に吐き出して、やがて射精は終わる。その頃には、神奈子はすっかり精根尽き果てていた。もはや立ってすらいられず、ぐったりと地面に崩れ落ちる。
『はん。もうグロッキーかよ。だらしねぇ女だよなぁ?』
対するドミニクは、軽く汗こそかいているが、まるで余裕といった風情だった。圧倒的なペニスと、ほじられるヴァギナという立場の違いを明白に表していた。
『んじゃ俺は帰るから。ティッシュ代わりくらいにはなったぜ』
愛液と精液に塗れたペニスを彼女の髪で拭うと、男はさっさと陰茎をしまい、衣服を整える。やるだけやって、さっさと路地裏を後にしていく。まさにヤり捨てだ。
「……あ、っへ、あはッ、あはッ、あはぁ……」
残されたのは神奈子一人。夏場に道端で潰れている蛙のように、グッタリと地べたに転がされている。虚な瞳で曖昧な笑みを浮かべ、嬌声とも笑い声ともわからぬ鳴き声を漏らしている。その指はいつまでも、甘く強烈な余韻に浸る肉穴をこねくっていた。