扉というよりも壁を動かしているような重苦しい音を立てて体育倉庫の引戸が開かれた。
年季の入った鉄の扉はあちこち錆が浮いて塗装も剥がれている。
外装ですらその体たらくなら、車輪の具合など推して知るべきな状態だろう。
日は落ち、月明りと非常灯の薄暗い明かりだけが体育館の中を照らしていたが
倉庫の中に入ってしまえば、それも既に届かなくなり星の輝きだけが中をかろうじて照らしていた。
ひとつの人影がその中にためらいなく入り込むと、入ってきた時と同じように重苦しい扉を閉めると、もう一段階暗さが増したようになり、視覚が奪われる代わりに嗅覚が増すのか、汗やカビ、埃の匂いがさっきよりも強く鼻をついた。
倉庫に入ってきたのは女性……この学校での制服なのだろう、いわゆるオーソドックスなセーラー服を身に着けていた。
顔つきは一瞬、男性と勘違いするよな雰囲気を漂わせるが、それはショートの髪型とメガネの奥の少しばかり鋭い目つきのせいであり、全身を見ればプロポーションのいい女性だった。
「んー、やっぱりこの服はどうもしっくりこないわね」
一人きりの倉庫の中で独り言のように呟くと、スカートの部分に取り付けられた皮のケースから数枚の紙を取り出し倉庫のなるべく端の部分四方に貼り付け、詠唱を口にする。
「……今、暫しの間、この魂に恵のあらんことを……『魂宿御身』(こんしゅくおんみ)」
彼女の唱えた詠唱の効果は肉体を失い、さまよう魂に一時的に肉体を付与する高度な術である。
術を唱えると、倉庫の中の四方の札が一斉に青白い光を放ち、その中心に人の姿を
浮かび上がらせる。
やがて札の発光が収まると、そこには青い光に包まれた半透明の肉体を持った学生服姿の男性が立っていた。
「じゃ、セックスしよっか?」
「は、はい。よろしくお願いします、白鳥(しらとり)さん」
「武(たける)って呼んでよ」
「は、はい。すみません。あの、武……さん」
男性というにはあどけなさが残り、少年の面影を多く残すこの幽霊と
セックスをするために彼女"白鳥武"は彼に肉体を与えたのだった。
====
「……というわけで原因は分かったし今日の夜には終わらせて、報告して、明日の昼には帰れると思うわ」
「あ、そうなんだ。さっすが武!解決早い!」
「でも、最後まで気は抜かないわ、支店のメンバーにもよろしくね」
「はいはーい、わっかりましたー」
導引声聞(どういんしょうもん)の相手は"白鳥深琴"(しらとりみこと)。
白鳥武の双子の姉である。妖魔退治ならば力技を含めて色々と頼もしい存在ながら
こと相手が幽霊となると、てんで役に立たないので
今回の仕事はおとなしく職場待機である。
―――
今回の仕事は大山鳴動して鼠一匹。いや、幽霊一人といったところだった。
・夜中に体育館でボールが勝手に転がる
・音楽室からピアノの音が
・理科室の骸骨が
とまぁ、学校によくある七不思議に尾ひれがついた依頼はよくあるのだが、
その中に本当に幽霊や妖魔といった類が関係しているものもあり
困っている人がいて、それを助ける職業が退魔師なのである。
今回も体育館で幽霊が……部室棟でも頻繁に……困っているという依頼があり
生徒として、そして最もよく目撃されるバスケ部へマネージャーとして潜入しているのだ。
数日間にわたる調査の結果を言ってしまえば
今回の幽霊騒動の騒ぎは、8年前のこの学校の在校生。
旧、1年D組"浅岡 健児"(あさおか けんじ)、バスケ部。
4月25日、通学途中に事故死。不審な点無し。
長らくこの学校にいたが近々、古くなった体育館と部室棟が改築されるので寂しくなって
最後の思い出に遊んでいたとのことだった。
悪気に当てられ悪霊と化し取りつく島もなく人に危害を加える者や
聞く耳も持たず、そこに居座り続ける者、
悪知恵を付けるもの、生前の精神年齢のまま数百年居続ける者……。
霊にも色々とあるのだが生きていた時と同じように自我を持ち続け
話して分かるタイプの霊というの珍しいのだ。
前者のタイプならば強制的に退散願うところだが後者ならばきっかけさえ与えれば自然と
行くべき道へと進んでいってくれるのだ。
3日ほど、誰もいなくなった暗闇の体育館で
運動に付き合ってみたのだがとても運動をしていたとは思えないその動きに疑問を感じ、更に質問を重ねると申し訳なさそうに下を向いてポツリと呟いた。
『……Hしてみたいです』と。
表情はよく見えなかったが頬が少し赤らんで見えたのは武の気のせいではないだろう。
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『いけない、こんな事しちゃいけない』
武は頭の中ではやってはいけないことだと分かっていた。
しかし、以前に妖魔に捕まり酷い凌辱調教を受けた彼女は後遺症ととして
酷い身体のうずきに悩まされていたのだ。
いつ襲ってくるかわからない性の欲求を押さえこむため
退魔支店の所長"夜"によって封印を施されているのだが
それも完全なものではなく、妖気の強いところや穢れた場所に近づくと
封印が弱まることがあるのだった。
――― 学校裏の社―、古井戸―、大きな杉の木―、事故のあった交差点―、
武はいくつかの場所を思い出していた。きっとここ数日間の探索の中で今回の件とは関係のない形で封印を弱めてしまう事になったのだろう。
完全に自制が利かないほどでは無いが、性衝動を抑えるほどでは無かった。
「服、脱ぐわね」
少年の放つ青白い光の中、見せつけるようにゆっくりとセーラー服を脱ぎ
それを丁寧に畳んで窓際にいくつか並んでいる跳び箱の上に置いた。
一応、学校からの借り物なので汚すわけにはいかないのだ。
「き、綺麗です」
「……ありがと」
ととのった顔立ちに、抜群のプロポーション。そして白い上下の下着という格好が
薄青い光に照らされてコントラストも鮮やかに浮かび上がる。
その姿に健児は正直に自分の気持ちを伝えた。
「あなたも服、脱いで」
「あっ、はい」
促されて服を脱ぎトランクス一枚になる間、武は丸めてあったマットを床に広げていた。
表面積が増えた分、倉庫内に汗とカビの匂いが一段強さを増したが
これから行う行為を想像する二人には、そんな事はさして気にならなかった。
「おちんちん見るね」
準備万端となったところで武の性欲のギアが一気に上がった。
『セックス、交尾、オマ〇コ』
『指じゃ物足りない、極太のペニスで子宮まで突かれたい』
『……目の前にオチンチンがある』
理性はまだ働いているが、体の疼きがほんの少しそれに勝り始めていた。
ドランクスを一気に足元まで下すと、上を向いたペニスが飛びだしてきた。
武の下着姿を見て既に臨戦態勢は整っているようだ。
「ふーん、立派ね」
武は人差し指と中指を包皮に当てると少し余り気味だった皮を根元の方へと追いやるようにしごき上げる。
少しひんやりとした指と、さっきまで皮に包まれていた部分が空気に当たると同時に快感が襲われ、健児は一気に限界に達していた。
「あ、ボ、ボクもう!」
「あっ!」
叫び声と小さな驚きの声が聞こえると同時に亀頭の先端から黄色みがかった精液が飛び出し、覗き込むように見ていた武の顔を汚していた。
「早い……けど、すっごぃおい、いっぱい出たね、初めてだもんね、……うれしいよ」
「す、すみません武さん」
「大丈夫、気にしないで……出しておいた方が後から気持ちいいのが長続きするから……」
武はペニスの先端部に残っていた精液をペロリと舐めるとカリ首まで口に含み
尿道に残っていた精子も残らずに吸い上げる。口の中いっぱいに精子の青臭い匂いが
充満するが、それが更に興奮を高めていくのだった。
「ちゅるっ、ちゅ。ジュポッ」
「ああっ、すごい」
「んふふっ、すぐ勃起しちゃうのね、元気なおちんちんね」
口から一旦解放されたペニスは固さを取り戻し、更なる快感を期待して先端から
透明な液が玉を作っていた。武は顔に飛んだ精液を指でぬぐい、愛おしそうにもう一度口に運んだ。
「あの、今度は、口で……」
「んふっ、いいわよ、健児君のおちんちん、熱くて、強くてたくましくて……ンくっ」
舌先をすぼめ、玉の間から亀頭の先端まで一気に何度も往復する。亀頭の先端の
汁を舌先ですくいとるが、すぐに新しい液体が湧き出てくる。
「あぁっ、武さん、すごい、あぁっ」
「ちゅる、ちゅぽ、シューッ、ちゅ……気持ちいい?もう一回出しちゃう?」
「は、はい。いいんですか?」
「頭に手を置いて乱暴にわたしの口を好きに使っていいのよ、んっ」
しゃべりながらも愛おしそうにペニスに口を這わせ、決して離すことなく亀頭を口の中で頬の裏側に押し付けて唾液をたっぷりと含ませ舌で巻きかせるようにペニスに絡ませていく。
「ああっ! ボク、もう!」
「ん、んんっ!!
健児はやんわりとした刺激では足りなくなったのだろう、武の頭を両手で挟み込むと腰を激しく動かし始めた。
「ん、んくっ、ジチュポッ、ジュルリ、ジュ、ちゅぽッちゅぽッ」
口をすぼめるとペニスが強引にその中に入り込んで来る。
混ざった唾液とカウパー液を潤滑剤にして、喉の奥に亀頭が当たるまで深いストロークを何度も繰り返しながら更に脈打つ血管に舌をまとわりつかせる。
「ん、んーーっ、ん、んーーっ、ジュポッ、んーーっ」
「はぁっ、はあっ、ああっ、はぁっ」
「ジュポッ、ジュポッ、ジュポッ、ジュポッ、ジュポッ、ジュポッ……」
『ドクン』ペニスのその躍動する瞬間、武は健児の腰に手を回し、さっきまでのストロークより深い部分までペニスを飲み込んでいた。
「んッー、んんーんーんんッーー」
「あぁあっ、ボク、また出ちゃいます!」
精液が亀頭の先端部から食道に直接注ぎ込まれ、体は反射的にそれを吐き出そうとするが武はペニスを根元まで加えたまま呼吸を整えるとコクン、コクンと喉を鳴らしながらそれを飲み込んでいった。
「ジュルリ、ジュッポンッ」
ペニスが武の口の中から引き出されると唾液と精液が混ざってできた粘度の強い液体が糸を引き、ペニス全体を覆っていた。
「すっごい……2回目なのに、こんなにいっぱい」
「はぁっはぁっ、き、気持ちよかったです」
しゃべりながら武は再びペニスを唇や舌を這わせると残っていた精液や唾液をなめとっていった。
「じゃ、いよいよ本番ね」
「は、はい。お願いします」
「下着、脱がせてくれる?」
言い終わるよりも早く武をやさしくマットに押し倒すと健児は武の胸へとむしゃぶり付いていった。
「んふふ、すごい、おっぱい好き?」
「はっ、はい、大好きです」
少し手こずりながらもホックを外すと形の良いバストがプルンと音を立てるように飛び出した。
「や、柔らかいです」
「あん、そう、やさしくね、好きにしていいのよ」
乳首に赤ちゃんのように吸いつき、乳輪の沿いに舌を這わせ、少し強く握れば自分の指の形に自在に姿を変えるつぶれないマシュマロの感触に健児は興奮していた。
「あん、そう。うん。ちゅっちゅって吸ってぇ」
勃起した乳首を更に舌で転がし無我夢中で吸い上げる。
初めて女性にそういう行為を行うので時々遠慮なく吸い上げてしまい、痛みを与えてしまうのだが
そんな小さな事など関係ないほど武の身体も熱さを増していた。
無我夢中でバストを堪能していた健児は、武の下半身にちらちらと目線をやる。
純白のショーツの中央に染みができているのは見間違えでは無いだろう。
武はその目線に気が付くと腰を浮かしてショーツを脱がせやすく誘導する。
慣れない手つきでショーツが引っ張られて足から引き抜かれると既に淫貝の間の縦筋から
粘度の高い蜜が溢れていた。
「あれ、武さん、その札は?」
「!」
性器の隣からやや上にかけて小さな退魔札を貼っていることを武はすっかり失念していた。この札こそ、性欲を抑えるための札で普段使用するものよりも小型なのは体育などの着替えの際に他の生徒に見つからないようにするためだった。
「妖魔……ですね?」
「……」
図星を突かれたその言葉に武は黙って頷いた。
長年、霊として自我をもって彷徨っていれば他の幽霊、思念、妖魔の類とは少なからず関わり合いに会うもので、隠し通せる訳などないのだ。
「ちょっと前に、退魔の仕事で失敗して捕まっちゃってさ」
「そう、なんですか……」
「それから数日間、妖魔に犯され続けました」
「……」
その時のことを思い出しながら武は鼻を一度すすり上げ、無理に笑顔を作り他人事のように淡々と話を続けた。そうでなければ、とても人に話せるような内容ではなかったのだ。
「性器もお尻の穴も口も、全身を精液で数え切れないぐらい汚されました」
「……」
「快楽に落ちて、触手を欲しがるようになりました。そしてその時の発作がまだ起きます」
「……」
「そして、そして……」
『苗床にされ、子供が生めない身体に――』
そう言おうとした時、健児の言葉がそれを遮った
「もう、いいです」
「……」
「武さんは、とても可愛くて、やさしくて、うまく言えないけど、とても素晴らしい方です。そうでなきゃ、こんな幽霊に何日も付き合ったりしません」
「……」
「武さんの事、大好きで、あなたとしたいです」
「……ありがと」
武は片手で一旦メガネを外し、もう片方の手で溜まった涙をぬぐうと秘部がよく見えるように足を開いた。
「男の人は本当に……処女じゃないけど本当に初めてなの。やさしくしてね」
「は、はい」
一旦なえかけたペニスに再び血液が集まり始め、見る見るうちに膨張し始め、それに輪をかけて破裂しそうなほどに亀頭部分の皮膚が張り詰めていた
「ここよ、ここ。分かる?」
「わ、わかります」
武はペニスをやさしく掴むと入り口と軽くぶつかるところぐらいで誘導を止めた。
それは最後の一押しは、男性にしてもらいたいという女心からだった。
「ああん、入ってきた、入ってきたぁ」
「う、すごい、です」
「あん、あ、あ、すごい。パンパンして、動いて、動いてぇぇ」
限界にまで膨張したペニスが狭い肉壁をかき分けながら膣内を進み、先端部が子宮口にぶつかるまで一気に差し込まれた。
あまりの快感に根元まで入れたところで健児の動きが止まるが、今度はペニスの血管にまとわりついてくるヒダの感触が襲い掛かってくる。
「あ、あったかくて、気持ちいいです」
「いいから、突いて、突いてぇ、ペニス出し入れして、かき回してぇ!ぐっちゃんぐっちゃんにしてぇ!」
再び武の性衝動のスイッチが入ってしまったのは健児も気がついていた。
しかし、それも含めて今の白鳥武であり、彼はそんな彼女の事が大好きだった。
「武さん、好きです、本当に大好きです」
「ピストンもっともっと、激しくしてぇ! 何発でも出していいからぁ!」
武の身体は紅潮し、荒い息の中で卑猥な言葉を並べる。無尽蔵とも言えるぐらいの愛液を垂れ流し、激しくかき回され、水飴のようになった液体が肉棒にまとわりつく。ぎちぎちに締め付けてあるのに滑りがよく、それに絡みついてくるヒダ。さっき二回出していなければ
とっくの前に絶頂を迎えてしまっていただろう。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「はぁ、きちゃうきちゃう、イグの、いっちゃうの中に、中に出して」
二人の荒い声と粘度のある液体をかき混ぜる音だけが倉庫の中に響き渡る。
「う、あっ」
「あん、ああん、あん! いっちゃうぅぅう!!!」
武の身体がマヒするように弾け、形の良いおっぱいがプルリとひときわ大きく揺れる。
健児はペニスを今までで一番深いところに押し込もうと腰を突き出しながら今までに感じたこともないような射精感を味わっていた。
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「ありがとうございました。武さん、本当に大好きです」
マットに横たわり、目もうつろな武に健児は頭を下げた。
「時間みたいです。このままあっちの世界へ行こうと思います」
身体から放つ光が大分薄れていき、身体も半透明から完全な無へとなっていく中
健児は武のメガネを外すとそっと唇を重ねた。
「武さん、本当にありがとう。幸せになって下さい」
メガネをそっと窓際に折りたたまれたセーラー服の上に置いた瞬間、光が消え、匂いも、存在も、彼などそこに最初から居なかったかのように静寂が訪れた。
『……成仏できてよかった』
ぼんやりとした頭で武もまた、彼の行く先に光があるようにと心から願っていた。
『そういえば、今のファーストキスだったわ』
武は唇にそっと指を当て、頬をほんのりと赤らめた。