pixivより転載
あぁ、今日も仕事で疲れた。そう思いながら私は家路につく。給料はいい。都内のマンションで十分に暮らしていける程度には。それでも平日は22時より前に帰れたことがない。そんな日々を新卒から過ごしている。
けれど今日は金曜日だ。毎日忙しくても休日だけは保証されている会社だから、土日は休める。そして、私にとって休日とは人生にとって掛け替えのないものだ。
(まだかな……まだかな……)
エレベーターの階数が私の住む階になるまでが待ち遠しい。そこそこに高い階層に住んでいるから時間がかかる。鞄を肩にかけたまま、もじ、と体をくねらせる。――まだだ。まだダメだ。ここは防犯カメラがある。
やがて私の階に着き、扉が開く。半ばそれを押し開くように身を乗り出すと、せかせかとヒールも音高く歩き出す。
目指すは角部屋。南向きで日当たりの良い我が家。一応鍵は用意しているが、扉が開かれるのはわかっていた。ほら、案の定、扉が控えめに開かれる。
扉の向こうから、「彼」が笑っていた。
「お帰り、
「ただいま
そうして私は、出て来た彼――俊樹にすり寄りながら室内へと滑り込んだ。
俊樹は所謂ヒモだ。偶に気が向けば家事をするが、基本的には犬猫と一緒だ。いればいい、少なくとも私はそういう認識だ。
そして普通の犬猫と違うところは――
「……や、っだ、もうスるの?」
「毎週やってるじゃん」
俊樹が私の腰に手を回し、キスをしてこようとする。辛うじて靴は脱いで鞄を玄関に置いたものの、タイトなミニスカートが特徴的な女もののスーツはまだ脱いでいない。黒ストッキングすら。化粧も落としてないし風呂にも入ってないのだ。私がそのままベッドへ連行されていく中、彼は言った。
「偶にはいいじゃん。俺、史伽のスーツ姿も化粧しているところも好きだよ。それに俺も待ちきれなかったしさ……いいだろ?」
そう言って、ベッドの前で私に抱き着いた彼は子犬のような顔をするので。私は許さざるを得ないのだ。そして私と俊樹は深々と唇を重ね、舌を絡め合わせたのだった。
これからが、私の最高の「癒しタイム」なのだ。
すなわちセックスである。
「んんっ、んっ……」
ベッドに腰かけ背中側に回った俊樹が、私のジャケットの下、シャツのボタンを外し、ブラジャーに包まれた大きな膨らみを鷲掴みにする。これは自慢だが、私の胸はとても大きい。爆乳といわれるものだと、付き合ってはじめて夜を過ごした俊樹に指摘されたことだ。
『史伽のおっぱいは最高だよ』
そう言われて誇らしかった。そして今、開発され切った私の乳房。ずるりとカップからはみ出た乳首をかりかりと爪で軽く引っかかれ、摘ままれるだけで体が跳ねる。その間にも揉みしだかれたり摘ままれたりを繰り返して、だんだんと暖かくなってくる。性感だ。軽く息を詰めていると、俊樹が囁いてくる。
「史伽……」
「な、ぁに、」
ぴくぴくと体を跳ねさせる私に、俊樹は囁いた。彼の声は甘い毒だ。耳を何度か食んだ彼は、そんな私に尋ねてくる。
「タイツ、破いてもいい?」
「んんっ、いい、よっ……そろそろ新しいのに取り換えようと思ってたし……」
「それじゃ遠慮なく」
そう言って俊樹は、私の体をベッドのヘッドボードに預けると、前に回り込んで私のスカートをまくり上げる。そして――黒タイツに爪を立てると、いとも容易く繊維に沿うように裂けていった。その背徳的な様は何度見ても、破かれたこちらとしても迫るものがある。まるで無体を働かれているようだ。レイプ願望はないつもりだったが、こちらの抵抗空しく「メス」にされるというのは、どうやら被虐趣味のあるらしい私にとっては堪らないものがあるらしい。
そしてタイツは私のパンツの前も裂いた。それに背筋に走るものがある。これから何をされるのだろう――私がわくわくして待っていると、「ちょっと待ってて」と俊樹は姿を消した。
やがて戻ってきたとき、彼はなぜかしゃもじを持っていた。木製ではなくプラスチック製の。そう、ごはんが盛りやすいようにイボイボのついている――
それを、彼は私の脚を開かせ。
しゃもじの撓んだ内側を、パンツの上からこすり付けた。薄い布地のそこを。
「あっ♡♡」
「お、やっぱ気持ちいい? 今日飯作ってるとき『これ気持ちよさそうだな』って思って洗って取っておいたんだけど」
「んっ……待って晩御飯のしゃもじは……?」
「予備があるから大丈夫。それよりほら、こっちに集中しなよ」
「あっ♡♡あっ♡♡♡♡気持ちいい♡♡♡♡気持ちいいよぉ♡♡♡♡もっとぐりぐりして♡♡♡♡」
腰を前に突き出してびくびくと体が震える。そして思う。パンツ越しでこれなら実際にナマでこすり付けられたらどうなるんだろう――
その思考を読んだように、俊樹は笑ってしゃもじを置くと、私のパンツの両端に手を置いた。そしてずり下げる――タイツがまたびりびりと無残に破ける音がした。
「あ……」
「もう濡れてるな。でももっと濡らそうな」
「――あっ♡♡♡♡♡」
そう言って俊樹は、しゃもじを私の濡れた陰部にこすり付けた。陰唇がいぼでこすられ、クリトリスの皮が剥けてその中に触れる。その度にびくんびくんと体が跳ねた。そしてその都度、晒された乳房がぼよんぼよんと跳ねる。ピンク色の乳首がびんびんに勃ち上がっていた。その様をじっと眺めていた俊樹は、やがて私の秘部がびしょびしょに濡れ、しゃもじからも愛液が垂れさがった頃。がくがくと腰が揺れる。子宮がキュンキュンと甘くときめいていて、降りてきていることがなんとなくわかった。
俊樹とのセックスはいつもこうだ。ドロドロに意識も体も溶かされ何もかもがどうでもよくなってしまう。これが疲れた体には最高に気持ちよかった。私にとっての最高のリラクゼーションだった。
けれど――
俊樹は枕の下からコンドームを取り出す。そしてそれを、俊樹の凶悪なほどに大きなペニスに手際良く被せながら、私の両足を抱えた。私はワクワクが止まらなかった。早く、早く入れて欲しい。俊樹の肉棒で私のナカをぐちゃぐちゃにして欲しい。私が腰を揺らしながら催促すると、不意に俊樹は笑って言う。
「ところでさ、史伽。またお金もらえる? 5万ぐらい」
「えぇ……?」
――いつもこうだ。
いつも、というには大袈裟だ。偶に、だ。偶にこうして情事の最中に金の無心をしてくる。私はそれに、いつも彼の卑怯を心で罵る。口では「ダメだよ……」と言いながら、体は早く、早くと彼のペニスを待っている。
「ちゃんと倍にして返すからさ、ね?」
「そういって返してくれたこと、な――あっ♡♡♡♡♡」
危うく口論になりかけたところで、俊樹は宣言なしに私のナカにペニスを突き込んだ。奥の奥まで。この日1番大きな声を上げた。防音のマンションでよかったと、毎回思う。私はこうして毎回毎回、無様に喘ぎ声をあげてしまうので。
激しいピストン。かと思えば緩急をつけて入れてくる。その動きが堪らなくて、体が揺れる。乳房が揺れる。俊樹はその揺れた乳房、乳首に吸い付いた。「あっ♡」と再び声を上げた。乳首は弱いのだ。ちゅくちゅくと吸い付いている様は赤子にすら見えて、母性本能とやらに結びついてくる。なんてかわいい私の恋人。
乳首に吸い付かれ、下はぐちゅぐちゅと音を立て何度もピストンされ。口を離した俊樹は言った。
「なぁ、どうしてもダメか? 3万でもいいんだ。――なっ?」
「ひぃうっ!」
今度は大きく深く突き上げられる。喉をさらした。さらにピストンをされ、私はいつしか意識が朦朧としてくる。それを見て取ったらしい俊樹は、重ねて問うた。
「な? いいだろ、お前の稼ぎならお小遣い程度だろ。な? 気持ちいいだろ? 気持ちいいなら3万くれよ。その証にWピースしてくれればいいからさ」
それで、そのときの私はもう目の前がチカチカとしていてどうしようもなくて。半ば無意識に答えた。所謂アヘ顔だったと思う。両手で辛うじてピースサインをした。
「おかねあげゆ♡いくらでもあげゆから硬くておっきいおちんぽもっとちょーだい♡♡♡」
俊樹はにやり、と笑った。気がした。
「――あぁ、今週末もドロドロになろうな……!」
「あーっ♡♡♡♡♡」
私は、果てた。
そして私は、俊樹が私の財布から手慣れた様子で3万円を持っていくのを、ベッドの上からぼんやりと眺めた。
このあと俊樹が私を風呂場に連れて行って、化粧落としと一緒に体中を隅々まで洗うついでに第2ラウンドまでいってくれるのをわかっていたから、私はそれまでぼんやりと横たわっていた。
これでいいのだ。彼は私を体で癒してくれる。その対価なら十分じゃないか。私はまだ疼く股間と乳首を無意識に自分で弄りながら、風呂を沸かしてくれている彼を待っていた。
End.