白くて無機質な天井に薄いグリーンのカーテンに囲まれたベッドの上で目が覚めた。
「あ、イタタ・・・」
寝返りが打ちたくても、うてない。
中学生になる九条圭吾の両足は、ギブスでがっちりと固定されている。
授業が終わり下校時に、友達らと歩道を歩いていたときに事故に遭ったのだ。
交通事故に遭い入院しているのだから、てっきり家族のものが看病しているものと思い、圭吾は自由になる首だけを横に向け、寝ているベッドの周りを見渡すが誰もいない。
ベッドの脇にある小机の上に置かれている時計を見れば、短い針はすでに真上を過ぎている。
(ちぇっ。俺が入院しているのに誰も来んとは・・・俺も)
家族のものに対しての恨み言。愚痴を想いの中でこぼしていたときだった。
トン、トン
軽く扉をノックする音が聞こえ、フレグランスの甘い香りが漂ってきた。
鼻孔をくすぐる芳香に圭吾は心当たりがあった。
(叔母さんの病院に入院しているのだろうか?)
叔母は父の妹で、整形外科がある大きな病院に勤務し、そこで看護師をしている。年は28で、まだ独身である。
その彼女が勤務している病院なら、院内に家族がいるのも同然だから、病室に家族のものがいなくてもおかしくはない。
と思いながらも腹立たしい。
不確かな思考の中で、叔母と思われる看護師の腕が下半身にのび、圭吾がはいているパンツを下ろしている。
(小便でも取ってくれるのかな~)
漠然と考えていた。
冷たい指先が圭吾のペニスを握り、上下にしごき始めた。
(おい、おい。そんな気持ちいいことしてくれるなよぉー)
いま、ペニスを握っている女性は、叔母だと思っていた圭吾は声をかけるつもりでいた。
不自由な下半身を襲う甘い刺激に、ペニスは耐え切れず脈動が始まると同時に、圭吾は頭がクラ、クラっとして気を失ってしまった。
「圭吾、いつまで寝ているのよ。早く起きなさい」
入院しているはずの圭吾が目を覚ませば、母が下半身の腰をゆすり起こしている。
(なーんだ、夢だったのか・・・)
できすぎた話だなと思っていた。
「圭吾、今日から学校を転校したのだから新しいパンツを穿いていきなさい」
母の注意で、ますます圭吾の頭は混乱した。
玄関を出れば景色は一変している。
圭吾が転校した先は、とある高名な私立の中学校だと思っていたがそうではなかった。
玄関を出ると、まっすぐな一本道が玄関から繋がっている。それもジャリ道。
道路の路肩には草が生え、道沿いにある小川との境目が分からない。
昭和の田舎を連想させる風景が、いま歩いている通学路にある。
「おはようございます」
道行く人に朝の挨拶をすれば、ニコニコと笑みは返してくれるのが、どこかに怪訝な顔が見え隠れしている。
通勤していると思われる女性のうしろをついて行けば、この女性の格好が可笑しい。
スカートを穿き上着は普通に着ているのだが、理由は分からないが着ている服全体が何となく危なっかしい。乱暴に服を触ればすぐに脱げそうだ。
こんな時はすぐに反応がある。
股間がムクムクと持ち上がってきた。
このような時の田舎は便利がいい。
道路の周りにある田畑の方を向いて、シコシコと手でしごいても見られる心配が全くない。
「おっ。出るぞ、でるぞ!」
陰茎を出したままで、小川に向けて発射させればティッシュペーパーは要らない。
家を出てから10分ぐらい歩けば校門が見えてきた。
チラッ、チラッ
と在校生が見ている。まるで不思議なモノを見るような顔をしている。
そんな在校生の中から、好みの女の子を探して声を掛けた。
「あのう、僕はナンパではありません」
変な尋ねかた。
「転校生で九条圭吾と言いますが、職員室は・・・?」
「転校生なのね」
「ハイ。九条圭吾と言って、祖先は宮廷に仕えていたそうです」
素性を説明していると、邪魔ものでも相手するように、シッシッと知らぬ顔をして逃げて行った。
つぶらな瞳が似合った在校生に遠慮なく尋ね、どうにか職員室にたどり着くことが出来た。
職員室の扉を開けるときは挨拶をしなければならない。
ガラッ
「おはようございます」
ハッキリと大きな声で声を掛けた。
このような場面で応対に出てくれる先生の相場は決まっている。
男性の教頭がほとんどだ。
「お~、キミが転校生の九条くんか?」
「ハイ。転校生の九条です」
ついて来いと言われ先生の後を追った。
通学の靴を入れる下駄箱を教えてもらい靴を入れる。
「九条、ついて来い!」
早々と呼び捨てされた。
下駄箱が開いているスペースの横に、更衣室と書かれた札が下がっている部屋に案内された。
簡素なロッカーにネーム札が入れられ九条と書かれていた。
(ここが、・・・俺のロッカーか」
と言っても、持っているのは教科書が入ったカバンだけ。
「九条、ズボンとパンツを脱いでロッカーに・・・」
「えっ!?」
つづく