※この作品はR-18です。

対魔忍ユキカゼ參 〜復活の矢崎 バッドエンドワールド〜   作:三紋昨夏(サンモン・サッカ)

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【3話】家族の団欒 禁忌の交わり

「————んっ? んんっ? なんだ? どこだここは?」

 

 意識を取り戻した矢崎は状況が理解できず混乱していた。対魔忍から逃げるため、米連に亡命しようと成田国際空港に向かったことは覚えている。しかし、そこから先の記憶はおぼろげだった。

 

(俺は米連が用意したチャータ機に乗るはずだったのに、いったい何が起きたんだ? この小汚い場所はどこだ? ここはどこかの事務所か? こいつらは誰だ⋯⋯?)

 

 自分に泣き付いてくる見覚えのない美少女。どこかで見たような気もするし、一度も見たこともない気もする。だが、馬鹿デカい乳房を押しつけられている感覚は心地好い。不愉快とは全く思わなかったので、押し退けようという気持ちにはなれなかった。

 

(このバストサイズ⋯⋯っ! マシュマロのような柔らかさ! まるで不知火のようだ⋯⋯!! どこのどいつか知らんが、その乳房に免じて、好きにさせておいてやろう。それよりも⋯⋯)

 

 矢崎が視線を移したのはニコニコと微笑んでいる少年だ。端整な顔立ちは美少女と見間違うほどで、男色を好まない矢崎でさえ、頑張れば抱けそうな気がした。だが、赤茶色の髪と日焼けした褐色肌はどこかで見た覚えがある。そして思い出してしまう。自分が殺された瞬間のことを⋯⋯。

 

「あっ! ああぁぁっ!」

 

 頭蓋骨の内部で雷が破裂する感覚。死の直前に見た光景、体感した恐怖がフラッシュバックした。対魔忍ゆきかぜの雷銃で、消し炭にされたあの夜の出来事は脳髄に刻み込まれている。血液が沸騰し、魂が弾け飛んで絶命した瞬間を完璧に思い出した。

 

「ひいっ! や、やめてくれっ! 金なら払う! 絶対に払う! いくらでも払ってやるぞ! だから、俺の命だけは見逃してくれぇえっ!」

 

 デニムのショートパンツを穿いている宗風の容姿は、母であるゆきかぜと酷似していた。日焼けしている肌の色、さらに体格も似ている。違うのは父親から遺伝した眉の形くらいなものだ。

 

 復活したばかりで、混乱している矢崎が母親似の宗風をゆきかぜと見間違うのは無理もない話だった。

 

「お小遣いくれるの? 復活したばかりだから気前いいね。自由研究とかで無駄使いばっかりしてたから、お小遣いで何回かパパに怒られてたんだよね」

 

「え? お小遣い? パパ? 誰が⋯⋯?」

 

「パパはパパだよ。ひょっとして、ゆきかぜママと勘違いしちゃった? 僕は矢崎宗風。パパがどこかで隠し子とかを作ってなければ長男だよ。抱き付いて号泣してるのは、僕のお姉ちゃん。長女の矢崎ほたる。不知火ママが産んだから、僕にとっては腹違いの姉で、伯母でもあるね」

 

「は⋯⋯? ど、どういうことだ⋯⋯? 俺は⋯⋯、俺は空港であの小娘に⋯⋯殺されたはずじゃ⋯⋯」

 

 記憶を遡る。確かに自分はユキカゼの雷撃で絶命した。殺されたことに関する怒りよりも、自分が生きていることに驚愕していた。そして、少年の告げる事実に困惑し、困惑の度合いは深まった。

 

「信じられないかもしれないけど、僕達は“矢崎宗一”の子供なんだ。並行世界から次元を越えて、こっちの世界にやってきたんだよ。そして、殺されていたパパを復活させたんだ」

 

「死んでいた俺を復活させただと⋯⋯? そんな馬鹿な話が⋯⋯いや、だが、確かに俺は死んだ⋯⋯。あの生意気な小娘が雷銃を撃ちやがったせいで⋯⋯。くそっ! 不知火はどこだ!? 不知火さえ護衛でいれば、あんなことにはならなかったんだぞ!」

 

「落ち着いてよ。パパことは僕達がちゃんと守ってあげるよ。僕らは親孝行な子供なんだ。だから、まずは僕らのことを説明させてくれるかな」

 

 不思議な感覚だった。ゆきかぜを男性化させた容姿の宗風は、とても友好的に接してくる。ゆきかぜは矢崎に対して憎悪と敵意、そして殺意を向けてきた。だが、宗風は真逆だ。

 

 ————宗風は懇切丁寧に事の次第を説明をする。

 

 矢崎宗一がノマドと手を組み、日本を支配した並行世界から、ほたると宗風やってきたこと。淫魔王がエドウィン・ブラックが行おうとしていた世界創世の計画を乗っ取り、自分にとって都合のいい新世界を作り、旧世界を上書きしたこと。矢崎が無惨に死んだのも淫魔王が意図したことに違いないとも吹き込まれた。

 

 宗風の状況説明は、事実と寸分の相違もなかった。米連へ亡命するタイミングで、護衛の不知火を取り上げたのは矢崎宗一を抹殺し、不知火を淫魔王の手駒とするためだったに違いない。

 

「ぐうぅぅ⋯⋯! 淫魔王め! よくも、よくも謀りやがったな⋯⋯!! 不知火を取り上げたのは、最初から俺を殺すつもりだったのか!」

 

 宗風が話した内容は現実離れしている。平時の矢崎なら受け入れがたい内容だった。しかし、死体から復活したことが何よりの証拠で、信じるほかなかった。言われてみれば、ほたるや宗風は母親達に容姿が似ているし、自分の血が混ざっているように思えた。

 

 娘のほたるは不知火を若返らせ、身長を低くした感じだ。矢崎の遺伝を感じるところを強いて言うなら、不知火よりも髪色が明るい。バストサイズは順当に形質を受け継いでいるが、15歳でKカップは不知火以上かもしれない。

 

 息子の宗風は、ゆきかぜを少年にしたイメージだ。髪をショートヘアにしているが、ツインテールに伸ばしたら、後ろ姿では見分けがつかなくなるだろう。矢崎から受け継いだのは眉の形だと当人は自称する。

 

「パパに再起してもらわないと、たぶん僕らは因果律の修正で消えちゃう気がするんだ。つまり、帳尻を合わせないと矛盾が起きて、何もかも抹消されてしまう」

 

「⋯⋯う、うーむ。とりあえずお前達が俺の子供だということは認めてやる。だが、産まれてもいない子供に助けられるというのは⋯⋯、どうなんだ? 既に大きく矛盾している気がするぞ?」

 

「そこは大丈夫だよ。僕らは別世界から来た。でも、この世界で産まれた僕らが、タイムスリップしてパパを助けたってことにもできる。それで帳尻は合う。重要なのは『矢崎ほたる』と『矢崎宗風』が生まれ落ちるってことなんだ」

 

「⋯⋯そ、そうなのか?」

 

「うん。だって、僕らがいないとパパは、成田空港でゆきかぜママに殺されてデッドエンド。そこで終わりなんだ」

 

「ゆきかぜママ⋯⋯? ああ、そうか。俺とゆきかぜと子供なら⋯⋯そう呼ぶのが自然か⋯⋯。俺があの小娘を孕ませるとお前みたいなガキができるのか」

 

 宗風が聡明なのは、自分に似たのだと頷く矢崎だった。しかし、実はゆきかぜはそこそこ頭が回る。ヨミハラ潜入時は母親を探すということで熱くなっていたのと、同伴した一見すると知的な相棒が、そうでもなかっただけなのだ。矢崎は悪知恵こそ働くが利口な男ではない。

 

 むしろ宗風の聡明さは、若かりし頃にアサギの相方を務めた不知火の知能を色濃く受け継いでおり、利発な性格はゆきかぜが本来もっていた素養が遺伝しただけだ。もっとも宗風がセックス好きで、どんな女とでも寝る性格は完全に父親からの遺伝だ。

 

「僕らがいなければパパは死んだまま。だから、僕らがこの世界に存在し続けるには、パパは不知火ママとゆきかぜママをちゃんと孕ませないといけない。タイムリミットは僕らの受精日だ。お姉ちゃんは今年の11月中旬、僕はクリスマスだね」

 

「不知火とゆきかぜに俺の子供を産ませるか⋯⋯。俺が調教した不知火なら世論で孕むだろうな。だが、あの小生意気なゆきかぜに仕込むのは骨が折れるぞ」

 

「どうだろう。不知火ママのほうが厄介かもよ。不知火ママもおそらく淫魔王の配下になっているはず。こっちの世界でも淫魔王は洗脳マイクロチップを作っていたんでしょ?」

 

「マイクロチップ? ああ、娼館で使ってるアレか。リーアルは鷲津マテリアルから仕入れていると聞いたぞ」

 

「不知火ママはマイクロチップで洗脳されて、淫魔王の忠実な従僕になってるだろうね。だから、難易度はどっちも変わらない気がするよ」

 

「むうぅ! おのれ、淫魔王めっ⋯⋯! 俺の奴隷娼婦を盗みやがって⋯⋯! いや、まてよ⋯⋯! そうだ! リーアルを頼ろう! 奴は俺の弟だ。きっと協力してくれるぞ!!」

 

 ヨミハラで娼館アンダーエデンを経営しているリーアルは矢崎宗一の実弟だ。ノマドとも深いパイプを持ち、何度も世話をしてやり、政治権力で助けてやった。

 

「ダメよ! パパっ! リーアルは信じちゃダメ! アイツは裏切っているわ!」

 

 今度はほたるが声を荒げた。隣に座っていたので、耳元で叫ばれて鼓膜が破れそうになった。

 

「ご、ごめんなさい。パパ。大きな声を出しちゃって⋯⋯。でも、リーアルは信用できない男よ。私達がいた世界でもアイツは淫魔王と通じてパパを殺す手助けをしていたわ。こっちの世界でもきっとパパの敵になる⋯⋯」

 

「馬鹿な⋯⋯! あいつに限ってそんなはずはない! リーアルは血の繋がった俺の弟だぞ。小さい時から兄弟で助け合ってきたんだ!」

 

「ねえ、聞いて。パパが殺されたとき、リーアルは助けようとしてくれた? もし本当に味方だったら、米連じゃなくて、ノマドが支配してるヨミハラに逃げ込むこともできたはずでしょ? でも、協力してくれなかったんじゃないの?」

 

 ほたるに指摘されて矢崎はハッとする。対魔忍の工作でリーアルとの連絡が絶たれた。そのせいで米連と接触することになったのだ。

 

 保護先としてノマドを選べなかったのは、そういう事情があったからだ。しかし、もしもリーアルが意図的に自分を遠ざけていたとしたら、どうであろうか? ヨミハラに逃げることができず、結果として自分は死んでしまった。だが一つ気になるのは、ほたると宗風が生まれた世界でも、矢崎宗一は殺されたと説明されたことだ。

 

「⋯⋯ほたると宗風は、俺が日本を支配した世界で生まれたと言っていたな。俺は総理大臣になったのか?」

 

「総理大臣どころか、大総統になって日本を完全支配したわ。パパはとってもすごかったのよ。ノマドと手を組んで民主制を廃止して、日本に最高の楽園を作ったわ。魔族と人間が共存する理想郷の支配者になったの」

 

「ほうぅ。そいつはいいな。俺が考えていた野望の通りだ。真の強者が弱者を支配する。愚民どもを俺が支配する最高の国だったわけだ」

 

「パパは不知火ママを大総統第一夫人にしたわ。そしてゆきかぜママを第二夫人にした。首都機能をヨミハラに移転して、私達の暮らす首相官邸はブラックハウスと呼ばれていたわ」

 

 並行世界の矢崎は不知火とゆきかぜに「矢崎」の性を名乗ることを許した。矢崎の極太オチンポに惚れ込んだ母娘は、悦んで水城の旧姓を捨てた。

 

 大総統となった矢崎とノマドは、日本の全国民に洗脳マイクロチップを埋め込み、国民の総家畜化を実施。日本人の97%に脳にチップを埋め込まれ、国民が反抗できないようにした。さらに矢崎は魔界の技術で寿命を延ばし、ノマドの協力を得て不知火とゆきかぜを魔族覚醒させ、永遠の独裁政権を目指した。美しい母娘を大総統の護衛兼夫人として側で侍らせ、夜には子胤を注ぎ込み、世継ぎを産ませた。

 

 2097年、不知火は第8子、ゆきかぜは第6子を懐妊した。大総統の支配体制が盤石になるにつれ、暗殺の心配も少なくなり、矢崎は油断するようになった。妊娠中は不知火とゆきかぜが戦えなくなるが、それでも問題ないと護衛の要である母娘を同時期に孕ませてしまった。

 

 同年、矢崎は娼館アンダーエデンのナンバー1娼婦で、世界シェアトップのAV嬢となっていた秋山凜子を身請けした。凜子はリーアルの奴隷娼婦となっていて避妊手術を受けていた。だが、首相官邸のメイド娼婦とするため、妊娠できる身体に再改造し、リーアルからに強引に献上させたのだ。

 

「パパは凜子を孕ませて、国営放送のAVチャンネルで出産ショーを流そうとしたの。同じタイミングで不知火ママとゆきかぜママも妊娠したから、元対魔忍3人の同時出産を官邸から生放送する予定だったわ」

 

 不知火、ゆきかぜ、凜子が大きく膨らませたボテ腹を晒し、矢崎の赤子を産み落としている最中、クーデターは起こった。淫魔王と対魔忍の残党が決起し、ヨミハラの官邸を襲撃したのだ。対魔忍の残党には、井河アサギと秋山達郎もいた。

 

「パパと不知火ママは淫魔王に殺されて⋯⋯、ゆきかぜママと凜子は爆弾を抱えていた達郎と一緒に吹き飛んだ。井河アサギとブラック様は相討ち。漁夫の利で淫魔王は世界創世を起こしたの。アイツの目的は最初からブラック様の計画を乗っ取ることだったわ」

 

 ほたるは知らないことだったが、対魔忍の残党を率いていた井河アサギはクローンだった。オリジナルは既に死んでいた。

 

 世界創世には吸血鬼に覚醒したアサギの力が必要だった。そこでブラックはクローンのアサギを作りだし、敵に送り付けたのだ。日本を支配した矢崎とノマドを倒しにくるように。

 

 淫魔王はブラックの計画に気づき、世界創世を自分のために使う機会を虎視眈々と狙っていた。最大の障害となるのは、矢崎に付き従う不知火とゆきかぜの母娘。この2人を無力化するため、淫魔王はリーアルを使った。

 

 秋山凜子を矢崎に送り付け、元対魔忍の3人を同時出産させる欲望を煽る。出産直後は魔族として覚醒していても戦える状態にない。殺すのは容易となる。自暴自棄となった達郎が、幼馴染みと実姉と無理心中できるくらいに弱体化してしまっていた。

 

「パパは信じたくないかもしれないけど、リーアルはパパを裏切って敵になるわ。アイツは淫魔王の忠実な手下。ノマドと深い関係を築いているけど、淫魔族とも取引しているわ。だから、アイツを頼ったらダメ。最後には裏切られるわ」

 

「リーアルまで俺の敵だと⋯⋯! くそっ! だったら、誰を信じて、何を頼れというんだ!? 米連に渡すはずだった機密情報はなくなってしまった。もう米連の助けは期待できない! 手持ちの金もない! 中華連合の伝手も⋯⋯政治権力を失った俺じゃどうしようもないぞ⋯⋯! これから、どうすればいいんだ?」

 

「大丈夫だよ、パパ。お姉ちゃんと僕はパパの味方だ。まずはノマドを頼ろう。僕はブラック様の研究を手伝っていたんだ。この世界のブラック様もアサギを吸血鬼に覚醒させて、世界創世を計画しているはず。僕は未来の情報を持っている。ブラック様と接触できれば、ノマドの協力を得られるよ」

 

 ターゲットである不知火は淫魔王の勢力下、ゆきかぜは対魔忍を育成する五車学園にいる。淫魔王と対魔忍、双方の勢力と敵対し、対抗できるのはエドウィン・ブラックが率いるノマドだけだ。

 

「ん? 待てよ。しかし、全てが上手くいっても、その世界創世とやらが起きたら、その世界は上書きされ、泡のように砕け散ってしまうのだろう? 結局、全てがリセットされてしまうじゃないか!」

 

「心配無用だよ。パパが日本を支配すれば、ブラック様とは協力関係になる。ブラック様は支配や統治に興味がないんだ。でも、一定の秩序は望んでる。ブラック様の世界創世は、パパにとっても都合のいい世界になるよ」

 

 吸血鬼の始祖ブラックが望むのは混沌だった。もし支配を望むなら、回りくどいことをせず、敵を皆殺しにしている。ブラックは矢崎を小物と見下すが、俗物の小物だからこそ政治権力を与えた。混沌の中に歪な秩序を生じさせてくれるからだ。矢崎の独裁政治はその点で絶妙だった。

 

 ブラックが様々な実験を行うのに適した環境を、矢崎大総統は整えてくれるのだ。

 

「そういうわけだから、僕は東京キングダムでノマドとの接触を試みてみるよ。ついでにパパの服も買ってきてあげる。パパはいつもスーツだったから、それでいいよね?」

 

 話を聞いている矢崎は全裸だった。全裸の中年オヤジが我が子と団欒しているのは、中々にシュールな光景だった。

 

「ボロいのはイヤだぞ」

 

「まだお金には余裕があるから、新品を買ってくるよ。僕はパパの息子なんだから、そのくらいのことは分かってる。ちゃんとパパの趣味に合わせるよ」

 

「うーむ。なんだか奇妙な気分だ。まったく知らないのに相手が、俺をよく知っているなんて⋯⋯。ん? んぁ!? なんじゃこりゃ!? ひぃいいっ! お、俺の指先が焦げてるぞ!」

 

「パ、パパっ!? ちょ、ちょっと! 宗風! どういうことなのよ!」

 

「あらら⋯⋯。やっぱり副作用が出ちゃったか。実はパパの復活に使った超回復薬には副作用があるんだよね」

 

「ふっ、副作用だとぉ!? ふざけるな!なんで、そんな欠陥品を俺に使った!?」

 

「ごめん、ごめん! そんなに怒らないでよ。開発途中の薬だからね。完成品じゃないんだ。魔力か対魔粒子を摂取しないと回復した損傷が戻っちゃうんだよ。そういうわけだから、お姉ちゃんとセックスして対魔粒子を貰ってね」

 

「「え⋯⋯?」」

 

 爆弾発言に矢崎とほたるは、顔を見合わせる。宗風が説明するには、超回復薬の効果は対魔忍の肉体に宿る対魔粒子か、魔族が操る魔力を摂取しなければ、維持できないとのことだった。矢崎は単なる一般人で、どちらの力も備わっていない。

 

「パパがどうしてもって言うなら、僕でもいいけどどうする? 男の子だけど、お姉ちゃんよりはセックスが上手だし、パパを楽しませることができるけど?」

 

 ほたると宗風は対魔忍の血筋だ。ゆえに身体は対魔粒子が宿っている。対魔忍や魔力持ちの魔族をすぐ用意できるはずもない。

 

「とっ、宗風はもう出て行って! 大丈夫⋯⋯! 私がちゃんとパパを助けるからっ! だから、全部終わるまで帰ってこないで⋯⋯!」

 

「はいはーい。じゃあ、パパとお姉ちゃんはセックスを頑張って〜。ちゃんとオマンコの中にオチンポを挿れるんだよ。性接触が濃くないと身体に対魔粒子が供給されない。親子だからって恥ずかしがらずにガッツリやってね」

 

 ケラケラと笑う宗風を追い出した。セックス狂いの弟と違って、ほたるは処女だった。若かりし頃の不知火を彷彿とさせる容姿の美少女だ。しかも、元々の世界では大総統の長女。好きな相手を選べた。だが、彼女が処女を守り通した理由は、好みの男性が少し特殊だったからだ。

 

 世間一般でいうところのイケメンには、なぜか心が反応しない。幼少期から父親と母親が夜に行っていた夫婦の営みを見ていたせいか、肥満体質の中年オヤジが好みとなっていた。

 

「これは仕方ないことだから⋯⋯。ママの代わりに私を抱いていいよ。パパのことは、ママに負けないくらい私だって大好き⋯⋯。遠慮しないでパパ。対魔粒子がないと身体が壊れちゃう」

 

 ほたるはヨミハラの娼婦から奪った派手なドレスを脱ぎ捨て、一糸纏わぬ裸の姿となった。そして身体の末端が焦げ始めた実父を抱きしめる。

 

 実の娘を抱く。許されざる近親相姦は、常人であれば躊躇いがある。だが、矢崎は悪徳の限りを尽くした極悪人だった。ほたるは我が子だが、並行世界からの来訪者で、矢崎自身は娘という認識も薄かった。蘇った心臓は生命活動を維持するため、新鮮な対魔粒子を欲していた。生命の危機は雄の生殖本能を昂ぶらせる。

 

 ————ほたるの処女膜は矢崎の極太オチンポで穿ち貫かれた。 

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