朝5時30分目覚まし時計のベルが鳴りセレナは目を覚ました。
「うん…。ふぁ〜」
セレナは目を覚ますと腕を上げて伸びをした。その瞬間彼女の大きく形の良いバストが上に向かってぷるんと揺れた。
隣にはフランが未だに心地良さそうにすやすやと眠っている。本当ならもう少しこのまま寝かせてやりたいが、この部屋の退出時間は6時丁度だ。そろそろ身支度を始めないと間に合わない。
「フラン、起きて、朝だよ」
優しく体を揺すってみる。少し身じろぎするが目を覚まさない。こうなるとフランは中々起きない。仕方ない、あれをやるか…
あたしはフランに抱きつきキスをした。
「んっちゅうううう!」
舌を突っ込み激しめのキスをする。するとフランはようやく夢の世界から帰ってきた。
「ふぁ〜、おはようセレナちゃん」
「おはよう、フラン。早速だけどこの部屋の退出時間は6時なの、あと25分しかないわ。急いで身支度して」
「え、そうなの!?急がなきゃ!」
フランはベッドから飛び出し昨日あたしが洗浄魔法をかけた服に着替えた。
「それじゃあ、洗浄魔法をかけるわよ。」
「うん、お願い」
あたしはフランの顔に洗浄魔法をかける。フランの顔は洗顔を済ませた後のようにさっぱりした。口の中にも同様に洗浄魔法をかける。
「ありがとう、セレナちゃん。はぁ、わたしも洗浄魔法使えたらなぁ。」
「練習すれば誰でも出来るわよ。今度教えてあげましょうか?手取り足取り…ね」
「お、お手柔にお願いします…」
そんな会話をしつつ身支度を整え、全ての準備を済ませていざ部屋から出ようとしたとき、部屋の真ん中で拘束されたままの哀れなオークがいるのを思い出した。
「どうしたのセレナちゃん?」
突然立ち止まったあたしにフランは不思議そうに尋ねた。時計を見る。時間は5時52分。あと8分ある。もしかしたらもう少し遊べるかも。
「フラン、うまくいけば面白いものが見られるかもしれないわ」
あたしはオークの拘束されている部屋の中央に鞭を持って歩いていく。オークの顔を見れば、元々醜かった顔はさらに歪み、鼻水や涙、涎でこれ以上ないぐらい汚れている。最後に気絶したとき泡を吹いたのか、血の混じった赤黒い泡をダラダラと口から流していた。
昨晩オークをこんな状態になるまで苦痛と絶望を与えられたことに内心満足しつつ、あたしは念動力でオークの腕を拘束している手錠のみを外した。両足を焼かれ、それ以前に立っていられる体力のないオークはそのまま床に音を立てて崩れ落ちた。
床に叩きつけられた衝撃でオークは目を覚ました。その瞬間全身にとてつもない痛みが走り、覚醒したばかりのオークは苦痛に顔を歪めた。なんとか立ちあがろうとするが足に全く力が入らない。顔を足に向けてみると、両足は真っ黒に焼け焦げ、肉はめちゃくちゃに抉られていた。それ以外の箇所も鞭傷がびっしり刻まれていた。
「………!!!」
オークは昨晩の出来事を思い出して気が狂いそうになった。だが…
「あら、起きた?」
オークの正面側から女の声。振り返って不自由な体に無理やり力を込めて上を見ると、そこには鞭を手にした銀髪の女が、その美しい顔に冷徹な笑みを浮かべながら立っていた。
「あ、あ、あ、ごめんなざい!!!ごめんなざい!!!鞭だけはどうか、ゆるじでくだざい、どうか鞭だけは、あ、あ、ああああああ!!!」
昨晩の出来事が完全にトラウマになっているオークはセレナに必死に懇願した。最早オークに女に反抗や抵抗する意思はこれっぽっちもない。その体力もない。ただただ頭を床に擦り付けて手を床に置き許しを乞うのみ。
「それが人にものを頼む態度なの?わたしは何をすれば鞭打ちをやめるといったかしら?」
「あ、あ、でも、しかし…」
そう、セレナは未だに土下座を要求している。しかし腕が自由になっても今度は足が動かない。オークの足は伸び切ったままだ。オークはなんとか足を折り込んで土下座の姿勢を取ろうとするが、筋肉がズタズタに引き裂かれ殆どの皮膚が焼かれてしまった両足はいくら力を入れても動かなかった。
「む、むりです…。うごきません…。」
「だから、あなたの都合なんてどうでもいいのよ。土下座しないならまた"おしおき"しなきゃね」
「そ、それだげはどうか、土下座します、させてくだざい!!」
オークは普通の何百倍、何千倍もの労力をかけ、さらに腕の力も使い無理やり足をゆっくり折り込んだ。オークの顔からは脂汗が滝のように出ていた。
「ご、ごれで、どうか、ゆるじでぐだざい…」
オークは頭と手を床につけ、目の前の美しき少女に土下座した。
「ふふ、こんなか弱い女の子に泣きながら土下座するなんて。オークという種族にはプライドというものはないのかしら?」
「うぅ…!」
オークは屈辱と悔しさで体を震わせた。しかし、もう反抗はできない。オークはもう立つことすら出来ず、体中に激痛が走っており、まともに動かすことすら出来ない。
「さて、土下座したからには、あたしにしたことをきっちり謝罪してもらわなくちゃね」
「へ…?謝罪…?」
オークは意味がわからなかった。自分はこの部屋に連行されてからずっと拘束されていた。当然この女に手出しは一切出来なかった。一体何を謝れというのか。
「はぁ、顔も醜ければ知能もない。昨晩あなたがあたしにしたことをもう忘れたのかしら?」
セレナは鞭の先端をオークの頭にチョンと乗せた。
「あ、ああああ!!ごめんなざい!!ごめんなざい!!どうか鞭は打たないで、おねがいじまず!!!おねがいじまず!!!」
「あははっ、すっかり鞭がトラウマになってるみたいね。まあ、あたしは慈悲深いからあなたがわたしにしたことを特別に教えてあげるわ」
「ぺっ!!」
そう言ってセレナはオークの顔に唾を吐きつけた。
「……!!」
オークは思い出した。女は自分の唾がかかったことに怒っていた。そして唾をつけられたことに対し"おしおき"すると言って鞭を振り始めた。つまり昨晩の悪夢は全て、オークが女に唾をつけてしまったことから始まったのだ。
その事を理解したオークは改めてセレナに謝罪した。
「ごめんなざい!!づばをつけでごめんなざい!!もう二度!!もう二度としません!!!」
オークは泣きながら土下座し、セレナに必死に赦しを乞うた。そして数秒セレナは考える素振りを見せたのち、
「ええ、赦してあげる。顔を上げなさい。」
その返事を聞いてオークは安堵し、土下座の姿勢のままゆっくりと顔を上げた。
「じゃあ、"おしおき"はこの一発で最後ということで」
「え…」
次の瞬間。何十、いや何百回と聞いた風切り音。そして…
ビッシッッッイイイイイイインンン!!!!
勢いよく振り下ろされた鞭の先端が、オークの豚鼻に直撃した。
「ぐぎゃあああああああああああ!?!?!!あああぎいいああああああああなん、なんでええええええああああああああああ!!!!!!」
豚鼻を抉るように打たれたオークは足の拘束具をがちゃがちゃ鳴らしながら床をのたうち回っている。
「ふふ、5時59分。ピッタリ計算通り。それじゃあ、機会があればまた会いましょう。もっとも、生きていればだけど。いきましょう、フラン」
そう言ってセレナは部屋から出た。
「うん♪またね、オークさん」
フランは床で苦しみもがいているオークに無邪気に手を振りながら部屋を出た。
受付で鍵の返却と料金の精算を済ませたセレナとフランは帰路に着いた。
「どう?すごく気持ち良かったでしょ?また来る?」
セレナの問いにフランは顔を赤らめながら答えた。
「うん、今までにないくらい気持ち良かったし…。それに、鞭を振るっているセレナちゃん、すごく綺麗だった」
「っ!……っ」
そしてセレナも顔を赤く染めた。
「セレナちゃん…♡」
「フラン…♡」
「ちゅ♡」
こうしてセレナとフランのオーク拷問デートは幕を閉じた。
ここまでお読みいただきありがとうございました。第二章も書き始めたのでよろしければご覧ください。