魔術王によって焼却された人理を取り戻すため、日々奮闘をするカルデア。その施設内でも一際異彩を放つ、ルネサンス期を彷彿とさせる一室があった。
カルデアに召喚されたキャスターのサーヴァント、レオナルド・ダ・ヴィンチの工房だ。
そこで椅子に座り、カウンター越しに語り合う二人の人影、そのうちの一人の少年はカルデアに所属する人類最後のマスター藤丸立香。
そしてもう一人の美女こそがこの工房の主。カルデアの人間からは通称ダヴィンチちゃんと呼ばれている、自らの理想とするモナリザの身体を得て現界を果たした万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチ、その人だった。
「はい! どうぞ~」
「ありがとう。ダヴィンチちゃん」
特異点の修正を巡る戦いで得た余分なリソースの交換。なんのことはない、幾度となく行われてきたこの工房での日常。
しかし今は一つだけ、普段とは違うものがあった。
「…………」
「おや、どうかしたかい?」
「あ、いや、何でも……」
立香は手渡された品物を受け取る瞬間、一瞬脳裏によぎったことがあった。
彼のその僅かな違和感、何かを思う素振りをダヴィンチは目ざとく見逃さなかった。
「いやいや~そんなことはないでしょう。そういう悩みを聞いてあげるのも私の役目だ、何でも言ってみたまえ」
「うん、そう……だね。わかった、言うよ」
立香はここに来る際に、以前から考えていたとあることをダヴィンチに打ち明ける決意をしていた。
それは彼の大切なパートナーであるマシュにも言えない、他でもないダヴィンチのみに打ち明けられる相談であり、またその夢物語を叶えてくれるかもしれない相手であったからだ。
「改めて聞くけど、ダヴィンチちゃんってサーヴァントとして召喚されるときに、その身体になったんだよね……」
「そうだけど……ああ、なるほど。もしかして君も?」
「さすがダヴィンチちゃんは鋭いよね。うん、実は俺も……ダヴィンチちゃんみたいに女性の身体になってみたいんだ」
ダヴィンチの問から少し間を置いて、立香はそう口にする。
それは彼の紛れもない本心。カルデアには数多くの美少女、美女のサーヴァントが滞在しており、彼へと好意を向けるものも少なくない。
もちろん彼も健全な男子である以上、多少慣れてきたとはいえ、彼女らに対してそうした反応をするのも普通のこと。
だが、それとは別に……彼には近頃、心に抱きはじめた願望があった。それがダヴィンチに打ち明けたこと、すなわち自分自身が女性の身体を体験してみたいという願望だった。
あくまで完全に女性になりたいというわけではない。
ただ一時で構わないので、自らが女体であるということはどういうことなのか、それを知ってみたい。
そしてその興味は日に日に増していった。
「はっは~ん、確かにそれは私にしかできない相談だね」
「そうなんだけど……」
そしてダヴィンチこそはそれを叶えた存在であった。
カルデア内には他にも元男性であるが、現在は女性体であるというサーヴァントも、わずかながら存在する。しかし能動的に、それも理想の身体としてそれを成し遂げたのはダヴィンチのみである。
カルデア技術部のトップとして多くの影響を与えた彼女の、そのおよそ万能といえる能力を持ってすれば、自分をそうしてもらうことも可能かもしれない。そう考え、今回その思いを伝えたわけであったが……
「いや、やっぱりこの話は聞かなかったことにして!」
勢いのまま打ち明けたあと、立香はやはりこんなことを言うのはおかしなことだと、ダヴィンチちゃんとはいえ無理を言ってしまったと、そう考え発言を撤回した。
そして椅子から立ち上がり、そのまま工房を立ち去ろうとした彼に、ダヴィンチは声をかける。
「まあ、待ちたまえ。この天才に不可能は概ねないんだよ」
「えっ……じゃあ」
「わざわざ言ってくれたんだ。そうだね……二、三日ほど時間をくれるかい? 君が望むものを用意してあげよう」
「本当に……」
その撤回を遮るようにして、ダヴィンチはそう言い放った。
自分にとって、その程度は造作もないことであるかのように。
「それじゃあ、ダヴィンチちゃん。よろしく頼むよ」
「はいはい、お任せあれ~」
そうして大きな期待を胸に、彼はダヴィンチの工房を後にした。
それから二日後……
「お疲れ様です、先輩」
「ありがとう、マシュ」
毎日のスケジュールの一環である、サーヴァントを交えたシミュレーターでの戦闘訓練を終えた立香は、マシュから受け取った水分補給のためのドリンクを受け取る。
それを口にしながら今後の予定を確認すると大きな予定はなく、夕食まで数時間ほどの自由時間が続いていた。
「そういえば、ダヴィンチさんから先輩に渡すように頼まれているものがありました」
「えっ……俺に?」
「はい、先輩が訓練をしているときに来て……これです」
そういってマシュが立香に手渡した物は、片手で持てるサイズのロックをしたトランク。
ダヴィンチから渡された物……そう聞いた彼は二日前の会話を思い出す。ついにこのときがきたのだと、ドクンと胸が高鳴ったことを実感していた。
「確かに渡しましたからね、先輩」
「ああ、わかった」
「ふう……」
はやる気持ちを抑えながら、トランクを手にやや早足でマイルームへと戻った立香。
椅子へと座った彼はついにそれに手をかけた。
「本当に……ダヴィンチちゃん、やってくれたんだな」
自身のIDカードでトランクのロックを解除し、ゆっくりと開けていく。
「これは……」
その中身はカルデアが開発したマスター用礼装の一つ、カルデア戦闘服であった。
しかし、普段の任務の際に彼が着用している黒と白を基調とした男性用とは違い、オレンジと白の女性用のもの。
資料で見たことはあったが、彼以外のマスターがいなくなり必要の無くなった現在のカルデアで、実物を見るのは彼にとっても初めてだ。
そしてこれをダヴィンチが用意し、彼に渡したということ、それはすなわち。
「これを着てみろっていうことだよな……よし!」
ダヴィンチの意志を汲み取り、早速その礼装を着用していく。
いつも着ているものよりサイズが小さいことはわかっていたが、これから自分の身体がどうなるのか予想がついており、そしてダヴィンチを信じていた彼は構わず袖を通していく。
「ん? なんだか縮んでる?」
八割方、着用が済んだ時点で立香は既に身体の変化を自覚していた。
最初はきつく感じた足の部分もピッタリになり、腕も過不足ないサイズとなっている。
「最後は……」
最後に男性用との大きな違い、胸の部分の隙間を残し、首元の留め具に手を伸ばす。
これを留めた時、今までとは違う自分になる、彼はそう確信しながら……
「わわっ!」
ついに完全な着用が済んだその瞬間、淡い光が彼を包み込み、マイルームの中をほのかに照らした。
その光は一瞬のうちに消え、藤丸立香という少年がいたはずのそこには……一人の少女が立っていた。
「おっ、おおおっ……」
わずかに低くなった視界、全身をピッタリと覆う礼装の感触、自分自身から感じるほんのりとした甘い匂い、そして今までないはずだった胸の重み。
それらから自分の変化を実感した立香は、すぐさま鏡の前に向かう。
「本当に……女の子になってる」
黒い短髪だった髪は、シュシュで留められ肩にわずかに触れる長さのオレンジがかった赤毛に変わっていた。
蒼い瞳は明るい茶色に、身長は少し低く。
「胸もちゃんと……」
そして先程までスペースを残していた胸の部分には、ふくよかな女性の乳房が胸元のベルトに持ち上げられ、自己主張をするかのように存在していた。
鏡ではなく上からの視点でそれを覗き込み、さらに震える手でそれに触れてみると、柔らかさと弾力、そして確かな自分の肌に触れられた感触を得た。
「ははっ……あははははっ。ダヴィンチちゃん、ありがとう!」
先程までとは違う、少女の高い声で心からの歓喜の笑いを上げ、この場にはいないダヴィンチに感謝の言葉を告げる。
自らの願望を叶えてくれたことへの感謝を。
「ふんふ~ん♪」
女性となったことを確認した立香は鏡の前で様々な角度で様々なポーズを取りながら、自身の肉体を観察していた。
ぴっちりと肌に張り付くボディスーツ状の礼装により強調された背中から尻へのライン、腹から腰にかけてのくびれ、スラリとした細い足。
女性ならではのそれら身体的特徴はどれも自分には無かったものである。
今までデミサーヴァントとなったマシュの、盾をかまえ自らを守る後ろ姿に心惑わされたこともあった。
それが今は自分にもある、好きなだけ見れる、好きなだけ触れるということが彼女は何よりも嬉しかった。
「……やあっ!」
一通り、自らの身体を観察し終えた立香は物は試しにと、そのままいくつかの運動を行っていた。
拳法家のサーヴァントから少しだけ受けた手ほどきを思い出し、礼装の軽い身体強化も合わせて技を出していく。
「うん、なるほど」
筋力の低下は実感したが、代わりに女性ならではの要素が加わり……例えば今繰り出した蹴りなどは動きのキレがより良いものとなっていたことを感じていた。
ふと腹部や腰周りを触ってみると実感するのは、先程までの自分の男性の固く無骨な筋肉とは違う、鍛えられていることを思わせながらソフトな触り心地のしなやかな女性の筋肉。
さらには関節の柔軟性の大きな向上を感じた彼女はもしやと思い、再び鏡の前に立つ。
「んんっ、できた……すごっ……」
鏡の方向を向きながら左足で立ち、右足を持ってほぼ地面と垂直になるように持ち上げる。いわゆるI字バランスの姿勢。
基礎として柔軟性についてはこれまでも十分に訓練してきたが、ここまで出来るとは彼女自身思ったことはない。
そして鏡に映るむっちりとした太もも、強調された股間、それらは非常に扇情的であり、自らであるとわかっていても、視線を向けざるを得ないほど。
「なら、これも」
さらに立香はベッドへと深く腰掛け、その上で開脚運動を試みる。
その開き幅は男のときよりも大きく、百八十度に近い開脚ができていた。
「胸が……なるほどな、こんな感じなのか」
そのまま前屈をすると彼女が感じたのは、柔らかな胸がベッドと自らの身体に挟まれて形を変えている感触。
何よりうつ伏せ状であるのに男では必ずある圧迫感を感じない、まさしく女体になったことを実感させるものであった。
「……いいよな。自分の身体だもんな」
その初めての感覚に満足し、開脚前屈を終えた彼女は改めてベッドの縁に腰掛けていた。
これまで軽く触るのみであった自身の胸。心のどこかで遠慮していたのか、楽しみは最後にと思っていたのか。
だが、ついにそこに手を伸ばす。その瞬間、少しだけ礼装の上からも触ってわかるほどの突起があったことに彼女は気づいていた。
「おおっ……」
ベルトをゆるめ、礼装の胸の部分をはだけると、大きすぎず小さすぎず、程よい大きさの乳房が姿を現した。
先端は桜色の突起が興奮からか小指の先程の大きさとなり、かすかな熱を帯びている。
「……ふわっ!」
立香はゆっくりとその先端に触れると、想像以上の敏感さに思わず声を上げた。
しかしそのまま再び、今度は全体を手のひらで包み込むように手を伸ばす。
「気持ちいい……胸だけでこんなに……」
揉んでいる手に力を入れると指はずぷりと沈んでいき、力を緩めるとその弾力によって押し返される。その感触を楽しんでいると、じんわりとした快感が登ってくる。
先端を手のひらで転がすようにすれば、さらなる快感にぶるりと身を震わせた。
「……」
しばらく左手でその動きを続けたまま、やがて右手はゆっくりと、いまだ触れてこなかった部分、秘部へと伸ばされようとした……そのときだった。
「入るよ~♪」
「……えっ! ちょっと待っ……」
「おやおや開いてるね、不用心だぞ…………これはこれは」
軽快な挨拶とともに突然入室してきた人物、それはこのマイルームには普段ほとんど来ないはずの人物。
立香へとこの礼装を提供した、ダヴィンチである。
「ダヴィンチちゃん……」
「さっそくやってるね~もしかして、興奮していて部屋のロックを忘れちゃったのかな? いずれにせよ、上手くいったみたいだね」
杖や籠手は身につけておらず、立香の痴態をいつもと変わらぬ柔らかな笑みを浮かべ眺める。
そのままダヴィンチは椅子を自身のそばに引き寄せ、ベッドに腰かける立香と向かい合うようにして座った。
「ちょ~っと様子を見てあげようと、ここまで来てみたわけだけど、タイミングが悪かった……いや良かったのかな? まあロックを忘れていたところに、たまたま入ってきたのが私だったってのはラッキーだったね」
「……」
「その礼装は使っていない女性用の戦闘服に、ランスロットくんの宝具などの変身系統の能力をちょっと参考にした改造を加え……君でも限定的に女性体への変身を可能としたものだ」
「へぇ……」
「君のこうなりたいという無意識の願望をいくらか汲み取るようにしたつもりだが……もしかしたら君が女性として存在していたら、こんな感じなのかもね。とても素敵だよ」
礼装の機能を解説するダヴィンチ。それを立香は頬を赤らめて、胸元を両手で隠しながら素直に聞いている。
もちろん自分に非があったとはいえ、あんな状態から突然部屋に入られた恥ずかしさが主な感情ではあったが……女となった自分の容姿を褒められたことに対する、嬉しさはあったようだ。
「それで? 様子を見に来ただけなの?」
「ん~最初は本当にそのつもりだったんだけどな」
警戒するかのように、立香はベッドの後ろ側にわずかに後ずさりながらダヴィンチにそう問いかける。
この秘密を知る唯一の人物であり、願望を叶えてくれた恩人でもある彼女にそのような態度でいたのは……その視線によからぬものを感じたからであった。
そして……
「でもやっぱり、いいタイミングだったみたいだし~こんなの見せられちゃったら~」
「……っ────!」
「せっかくだ。私が先達として、少しだけ教えてあげるよ」
間延びするような含みのある会話から、ゆっくりと椅子から立ち上がりベッド側へと移動したダヴィンチ。
道をふさがれるようにした立香はどうしようもなく、案の定といった様にダヴィンチにベッドへと押さえつけられてしまった。
キャスタークラスで筋力ランクは最低とはいえ、サーヴァントと人間。ましてや、慣れない女性の身体であった立香が膂力で勝ち目はなく、胸元を隠していた手も広げるようにして拘束される。
だが礼装の機能を行使して本気での抵抗を行えば、抜け出せた可能性はあった。立香もそれをわかっていたが……その行動には移らなかった。
「心配いらないよ、このことは口外しない。ちゃんと優しくしてあげるし、ほんの少しだけだ。それに……本当は君もこうしてもらいたいんでしょ」
「んん……まあ」
やや目を背けながら立香はそう答えたが、実際心の中はその言葉通りであった。
それを察したからこそ、ダヴィンチは行動に移したに違いない。
それに元が男性だったとはいえ、サーヴァントとしてのダヴィンチはまさしく絶世の美女。
何より女になったばかりの人間に、先達として教えてもらう者としてこれ以上の適任者はいないだろう。
「ふふっ……こうしてみると、やっぱり可愛らしい顔立ちだね」
「ダヴィンチちゃん……」
「……えいっ」
「んんっ──」
覗き込むように女性となった立香を見ていたダヴィンチが上着を脱ぎ、同じように胸をはだけるようにしてから、突如そのつややかな唇を重ねた。
「んっ……んん」
「……んんっ」
そのキスに応えるかのように、立香はダヴィンチの背中に手を回し、舌を絡め合う。
立香のできたばかりの乳房とダヴィンチの黄金律スキルに形作られた完璧な美しさの乳房が重なり合い、淫らにお互いの形を変えていく。
その男性では決して味わえないえもいわれぬ感触、極上のキスの心地良さ、ダヴィンチの身体からの不思議な甘い香りなど……それらの要素が立香の思考力に霞を生じさせていく。
「ふう……どうだった? 女同士のキス、胸を重ね合わせる感触は?」
「あ……柔らかくて……気持ちよかった……」
「それはよかった」
十数秒後、口元に一筋の橋を残し、二人はいったん離れる。ぼんやりとした立香の返事を聞き、嬉しそうに笑うダヴィンチ。
だが優しく頬を触る手の動きと裏腹に、その視線は次なる行動を予感させていた。
「じゃあ、お次は~」
「えっ……ちょっと待って、何それ……」
「これは普段着るためのものではないからね。こんな仕掛けもついでに施しちゃった」
わずかに判断力を取り戻した立香の静止を振り切り、ダヴィンチはその秘部に手を伸ばす。そして魔力を込め、軽くさすった瞬間、礼装のその部分だけが光となって消えていく。
当然本来の機能ではなく、この礼装に改造を施す際に仕掛けたものだ。
「それじゃ、心の準備はいいかい?」
「だから待っ……ひゃんっ!」
「ふふっ、可愛い声だね。じゃあいくよ」
興奮から、先程よりも大きくなった立香の桜色の突起をダヴィンチがひと舐めすると、全身を貫く鋭い快感に可愛らしい悲鳴を上げる。
既に二人の立場は決定的なものとなっており、立香の抵抗の言葉は無駄なものであった。
そのまま青い長手袋を外したダヴィンチは、流れるような自然な動作で消えた礼装の一部から立香の秘部へと、その美しい指先を伸ばした。
「あっ……そこっ! ダメっ! ダヴィンチちゃん、もうちょっと優しく……」
「ここがいいのかな~それともここ?」
「あぁん! ダメ……だって……やあぁ……」
既に十分濡れそぼっている膣はクチュクチュと淫らな音を上げ、ダヴィンチは熱い感触を楽しみつつ、リズミカルにその指を動かす。
立香は奏者に奏でられる楽器のごとく、その動きに合わせ、甘い嬌声を漏らしていく。
「どうだい? 女性の身体も悪いもんじゃないだろう?」
「凄いっ……こんなにっ! ダヴィンチちゃん、もっと……あああぁ」
ダヴィンチは密着した体勢で、右手はそのまま、左手は未体験の快感に身じろぐ彼女をなだめるかのように、女性的な背中から尻へ、形のいい乳房へ、腹から足の付け根へと、滑らせていった。
数分ほど、二人はそのまま重なり合う。時おりベッドが軽くギシリと音をたて、艶のある声が漏れる。
「ダヴィンチっ……ちゃん。俺、もう……」
「おや、そろそろかい。じゃあ……」
「んんっ! …………」
そして絶頂が近いことを伝えると、ダヴィンチは軽く微笑んだあと、再び立香の唇を奪った。
ダヴィンチの左手、立香の両手は互いの背に回され、脚は絡まり合い、これまで以上に抱きしめるようにして二人の身体は密着する。
「ん゛んんっ────」
とどめとばかりに、今までは軽くさするようだったダヴィンチの指の動きが、一気に加速する。
そしてこれまで触れてこなかった膣のやや深く、指を上に曲げた部分を強めになぞった瞬間、膣がその指を締め上げて、初めての女性の絶頂に達したことをダヴィンチに教えた。
唇を塞がれたまま、立香はくぐもった絶頂の声を上げる。
全身を駆け巡る、男の時とは比べ物にならない強い快感に背を反らすように身体は硬直し、やや覆い被さる形となっていたダヴィンチを僅かながら持ち上げる。
背に回した手はダヴィンチの服を強く握り締め、腹筋がかすかにピクンピクンと痙攣を繰り返す。
顔を離した後も、そんな立香の焦点の合わない虚ろな瞳をダヴィンチは優しく見つめ、痛いほどの彼女の鼓動を感じながら、その余韻が過ぎるまで抱きしめ続けた。
「もう大丈夫かい?」
「……大丈夫だよ」
未だ頬を赤く染め、息は完全には整っていないものの、立香はひとまず正常な思考力を取り戻す。
既に服装を直し椅子に座るダヴィンチに、やはり向き合うようにしてベッドの縁へと腰掛けていた。
「訓練もあって疲れただろう。その礼装を脱げば元通りだから、夕食まで少し仮眠するといいかもね」
「そうだね……そうする」
「ところで、感想を聞きたいんだけどいいかな? お望み通り女性の肉体へとなってみた、君のありのままの気持ちをね」
「……」
微笑みを崩さないダヴィンチから一度目をそらし……再び目を合わせた立香はやや恥ずかしそうにしながら、つぶやくように言い放つ。
「すっごいよかった……最高だった」
「……喜んでもらえて何よりだ。他に何かあったら、声をかけて。この偉大な天才にね」
「わかったよ……またよろしくね、ダヴィンチちゃん!」