矛盾や誤字脱字などなどいろいろあると思いますが暖かく見守ってください。
更新は気分次第なのでお察しください。
第1話 転生。そして出会い。
俺の名前は
気がつくと俺はスライムに生まれ変わっていた。
「ここは…何処だ?」
≪解。ここはジュラの大森林にある封印の洞窟です。≫
(え!?誰!?何処!?)
≪解。私はマスターの保有するスキルの一つ、ユニークスキル『大賢者』です。≫
と答えが返って来た。
その後、大賢者にいろいろ質問をしてみた。
俺はどうして此処にいるのか。
此処はどんな場所なのか。
俺の保有スキルは何なのか。
そのスキルで何が出来るのか。
などいろいろな事を聞いた。
大賢者はその質問の全てに答えてくれた。
スキルの使い方も教えてもらい練習したその過程でエクストラスキル『魔力感知』を習得することに成功した。
『魔力感知』は周囲の魔素を感知するスキルでこれを使えばスライムでも周囲の状況を五感で感じているように認識できるというのでさっそく使って見ようと思う。
≪エクストラスキル『魔力感知』を使用しますか?YES/NO≫
「YES」
と了承した瞬間周囲の光景が頭の中に映し出された。
周囲は氷に覆われた洞窟の中だった。
「うわー。大賢者に聞いてわかっていたとはいえ本当に氷に覆われているな。」
(さてこれからどうするか。)
「大賢者、出口は何処かわかるか?」
≪解。この辺り一帯は非常に強固な氷塊によって塞がれており出口はありません。≫
「げ!マジで!?うーん。あっ、そうだ!
大賢者、捕食者で食い破ることは可能か?」
≪解。不可能です。
この氷塊は強力な氷結系魔素の影響により出来上がった氷塊であり大元の魔素を弱めなければ脱出は不可能です。≫
「そうか…
その魔素の大元の場所はわかるか?」
≪解。この洞窟の最奥であると予測します。≫
「それじゃあそこに向かうか。」
そして俺は凍てついた洞窟の最奥に向かった。
途中に遭遇した魔物達を捕食してスキルを増やしながら進んで行きついに最奥に辿り着いた。
そこには何かの祭壇の様な人工物があった。しかも、その祭壇には長い白髪が特徴的な美しい少女が凍りついた状態で横たわっていた。
「この娘は…いったい。」
(めちゃくちゃ可愛い!それに綺麗!)
≪解。この少女がこの辺り一帯を凍てつかせた魔素を放出している大元です。≫
(マジかよ…でもなんで凍りついているんだ?)
≪解。恐らく、自身のスキルで自身を凍結させたものと推測します。≫
「え!なんで自分で凍らせるんだよ!。」
≪解。少なくとも洗脳や思考操作などにより操られたりした形跡は確認されませんでした。≫
(洗脳とか思考操作とか、そんなスキルもあるのか。
でも操られたわけじゃないなら本当に自分で凍らせたのか?)
俺は凍てついた少女をもっと良く観察してみた。
そして、少女の表情を見た時に驚いた。
少女の表情はまるでこの世の全てに絶望したかのような悲しみに満ちた悲痛な表情だった。
(そうか…この娘は…死にたかったんだ。…これは自殺ということなのか。)
≪告。対象の解析が完了しました。≫
(ん、解析?)
≪対象の正体がわかりました。
個体名:ヴェルザード
種族:竜種
称号:白氷竜
ステータスの解析に失敗しました。≫
「え…竜?この子ドラゴンなの!?」
≪解。竜種とはこの世界で4体しか存在しない最高位の精神生命体のことで非常に強大な力を保有する生命体です。≫
世界で4体だけの最上位生命体。
そんなすごい竜がなんでこんなとこで泣きながら自殺しようとしてるんだ。
わからない。
でも、俺はこの子を助けたいと思った。あの全てに絶望した様な顔で泣いている少女を助けて笑った顔が見たいとそう思った。
「大賢者、この子を起こすことは出来るか?」
≪解。不可能ではありません。
しかし、目覚めた後敵対してしまった場合マスターの生存は絶望的です。≫
「敵対したら…ねぇ。問題ない!
ちょっと話をするだけだから。」
そう、俺はこの子を助けたいだけだ。笑って欲しいだけだ。
「それで大賢者、どうすればいい?」
≪解。捕食者を一点集中で使用し表面の氷に穴を開けます。
続けてマスターの全魔素を使用して火炎魔法を穴から中に放出します。
こうすることで個体名ヴェルザードを覆っている氷を薄くしその時を狙い捕食者で捕食すれば不可能ではありません。
ただし、最初の穴を開けてから魔法を打ち込むまでの猶予時間は1秒も無いと思われます。≫
「おい!それってヴェルザードは大丈夫なのかよ!」
≪解。問題ありません。マスターの攻撃では個体名ヴェルザードにかすり傷一つ負わせることは出来ません。≫
(そうか、そんなに強いのか。)
「よし。やるぞ!」
俺は大賢者の提案どうりに行動した。
まずは捕食者で表面に穴を開ける。
次に全ての魔素を使って火炎魔法を打ち込んだ。
次の瞬間激しい頭痛と倦怠感に襲われた。魔素を使い切った影響だ。
氷の中は凄まじい業火が荒れ狂っている。捕食者で開けた穴が少しずつ大きくなっていく。
このままでも大丈夫に思えるが大賢者曰く捕食者による追撃しなければすぐにまた凍りついてしまうという。
俺は動きづらい身体を無理矢理動かして捕食者を使用する。
どれくらい時間が経ったのか。数分の様な気もするし、数時間の様な気もするがそれでも、俺はやり遂げた!ヴェルザードを覆っていた氷を食い尽くした!やったぞ!!!
だが!ここで俺は予想だにしていなかった問題に直面していた!
たしかにヴェルザードの解凍は成功した!
氷の上からでもわかった長い白髪も!
可愛くも美しい顔も!
白い肌も!
美しい双丘も!
その丘の頂上に存在する桜色の突起物も!
毛一本も生えた形跡のない二枚貝も!
全部良く見える状態だ!!
「おい!大賢者!なんで裸なんだ!!」
≪解。ヴェルザード自身の耐久力よりも衣服の耐久力が遥かに下回っていたためマスターの魔法により燃え尽きました。衣服を残したままの解凍は不可能でした。≫
「おい!これじゃあ俺は眠っている間に服を剥ぎ取った変態にされちまうだろ!」
「うーん。ここは?」
後ろで少女の声が聞こえた。
ヤバイ。起きちゃった。どうしよう。何か着るものを渡さないと。でも服なんてこんな洞窟であるわけない。どうしよう。ホントにどうしよう。
「そこにいるのは…スライム?」
「えーと、初めまして。僕は悪いスライムじゃないよ!」
「私を起こしたのは君?なんで起こしたの?」
少女。ヴェルザードは寝ていた時と同じく悲しみに満ちた顔をしたまま俺に聞いてくる。
俺は覚悟を決めて話し始める。
「まずは、勝手に起こしてすいません。
俺が貴女を起こしたのは貴女に思いとどまって欲しかったからなんだ。」
「思いとどまる?」
少女は不思議そうに首を傾げる。
その仕草が可愛くて悶えそうになるが気合で我慢する。
「貴女が死のうとしているように見えたんだ。凍りついていた貴女の表情は何もかもに絶望したような悲しみに満ちている様に見えた。今の貴女を見てもやはりそうだと思う。」
「あったばかりで貴女のことを俺は何も知らないけど、それでも泣いている女の子を見なかったことにする事は俺にはできない。」
「話してほしいんだ。貴女がなぜ死のうとしたのか。なぜ絶望してしまったのか。それを教えてほしいんだ。
俺は貴女を救いたい。それが俺の偽りない気持ちなんだ。」
ヴェルザードは唖然としていた。
あの日、全てに絶望して死にたくなった。だから、私自身を凍結して文字通り永遠に眠ろうと思って凍りついた。
しかし、気がつくと何かの祭壇の様な場所で目を覚ました。
スキルを解除したわけではないし、そもそも出来ない、誰かに起こされた。もしかしたらあの人が私を起こしたのかと思ったが周りにいたのは一体のスライムだった。
このスライムは恐らくユニークモンスターなのだろう明確な知性を持っているのがわかった。でも、何故私を起こすのかはわからない。私を起こすために魔素を使い果たしている様だった。
私は理由を聞いてみた。
だけど、その答えは想像の遥か外の回答だった。
初対面の。それもスライムに『貴女を救いたい』なんてもはや、告白の様なセリフを言われるとは思いもしなかったのだ。
「君には関係ない事よ。スライムの君には私の気持ちなんて分からないでしょ。分かったら何処かに行って。私はまた眠るから。」
ヴェルザードはまた自身を凍結させようとし出した。
「ダメだ!!」
俺は未だ倦怠感の残る身体を動かし、ヴェルザードに体当たりをした。
しかし、ヴェルザードの体勢を崩すほどの勢いは出せず受け止められてしまった。ヴェルザードの胸元に埋もれる形になってしまった。
(や…柔らかい……凄い肌触り………って!そんな事考えている場合じゃない!!)
「頼む!話してくれ!俺に出来ることならなんでもするから!だから!死んだらダメだ!」
ヴェルザードは困惑していた。
どうしてこのスライムはこんなに私を助けようとするのか。
まったくわからない。
このスライムは普通ではない、例えユニークモンスターだとしてもおかしい。スライムではありえない知能。まるで人間の様な言葉遣い。
容姿以外が私の知るスライムと違いすぎる。
でも、私はこのスライムに興味を持った。初対面の私にここまで必死になって助けようとしてくれるこのスライムになら話してもいいのではないかと思っていた。
「……そこまでしてどうして私を助けたいの?私がスキルを止めなかったら君も一緒に凍結してたんだよ。」
「…信じられないかもしれないけど、俺は元人間なんだ。」
「こことは違う異世界で死んで気づいたらこの世界にスライムとして転生したんだ。
俺の人生は良くなく悪くもないそんな人生だった、だからこそもっと生きたかった。生きていればもっと良いことがあったかも知れないだろ。」
「だから、自分でその可能性を消そうとするのは勿体ないだろ?
だから、教えてくれないか?」
「貴女が生きたくない理由を。」
「そう…なのね。
いいわ。話してあげる。」
「ありがとう。ヴェルザードさん。」
「私はね、振られたの。」
「ずっと好きだった
「でも、いつだったか彼に仕えているメイドの二人が彼の寝室からコソコソと出てくるのを見たの。」
「それって」
「そう、二人のメイドは彼と身体の関係があったの。二人だけでなく他にも関係がある女性が何人もいたみたい。」
「何ですか!それは!酷い男ですね!」
「酷い…ね。君のいた世界はわからないけどこの世界では一夫多妻なんてよくあることよ。」
「私が不満だったのは、私を抱いてくれなかったことよ。」
「どれだけ誘惑しても、遠回しに言ってみても私だけは抱いてくれなかったわ。」
「だから、思い切って彼に夜這いをしたの。ここまですれば彼も抱いてくれると思って。」
「でも、彼は拒絶したわ。」
「理由は、私が彼の友人の妹だからよ。」
「どれだけの年月を共に過ごしても彼にとって私は
「私がどれだけ彼を愛していても、彼にとっては友人の妹程度でしかないのよ。それが、私には耐えられないの。」
「周りの女性は彼に愛して貰えるのに、私は決っして触れ合えないのに、彼女たちは愛して貰える。嫉妬で狂いそうになったわ。」
「そして、私はそんな生活に耐えられなくなった。でも、彼女達を殺すと彼に嫌われてしまうわ。」
「だから、取り返しのつかないことを仕出かす前に自分で始末をつけることにしたの。」
「そうだったんですか。」
俺はヴェルザードの自身を凍結させた経緯を聞いた。
ヴェルザードは独占欲が強いんだ。でも、好きな人のためにそれを我慢出来る忍耐力も持ってる。嫉妬心に取り憑かれて手を出さなかったのは凄いと思う。それほど、好きだったんだ。
そして、好きな人と結ばれることが不可能だと理解してしまい、思考を放棄したんだ。
「ヴェルザードさん。」
「わかってもらえた?
それじゃあ、そろそろ離れてくれる。また眠るから。」
「俺にはヴェルザードさんの気持ちを完全に理解することは出来ない。
でも、やっぱりそれで死のうとするのは間違ってる。」
「貴女が死んだらその人だって悲しい。友人が、自分が原因で死んだり、居なくなったら絶対悲しく思うよ。」
「それは、そうだけど。でも、辛いのよ。彼と彼女達が話しているのを見ると胸が張り裂けそうになるの。」
「なら、新しい出会いを探すんだ!」
「新しい出会い?」
ヴェルザードは首を傾げる。
「世界は広いもしかしたらその人よりも貴女のことを想い、貴女も愛したくなる人が居るかもしれない。」
「そして、見せつけてやるんだよ。その人に私は幸せになるぞ!って」
「……そっかぁ…そうだよね。………あの人だけじゃないものね。」
「うん。………ねぇ、スライムさん」
「私と一緒に来てくれないかな。」
「えっ?」
どういうこと?
「君の言葉を聞いてアイツを見返してやりたくなったわ。私を抱かなかったことを後悔させてやるわ。」
「でも、不安なの。本当にそんな人に出会えるのか。そもそも存在するのか。」
「でも、君が居たら大丈夫だと思えるの。死にたかった私を起こしたんだから責任持って私が幸せになるまで面倒見てちょうだい。」
「わかったよ。貴女を幸せにするよ。してみせる。約束だ。」
「約束よ。」
こうして異世界から転生したスライムと死にたかった白い竜は出会った。
この奇妙な二人組は今後どんな風に世界に影響を与えるのかそれはまだ誰も知らない。
「ねぇスライムさん。」
「なんだ?」
「何で私は裸なの?」
原作のリムルにヴェルザードをくっつける為に無理矢理な設定が多々ありますがご了承下さい。