前回のあらすじ
エレン達と共に魔物の街に現れたリムルの運命の人【シズエ・イザワ】、彼女は異世界から召喚された日本人だった。
同郷の者と出会えたことで意気投合したリムルとシズ。
しかし、突然シズが苦しみ出して暴走、彼女に宿る炎の上位精霊:イフリートが現れ、襲いかかってきた。
暴れ出したイフリートを撃破するも、シズの身体は既に限界であり、本人の要望によって弔おうとしたそのとき
───ヴェルザードですら抗えない黒いナニカによってリムル、ヴェルザード、シズの3人は不思議な空間に閉じ込められてしまった。
3人を捕らえた者はなんと!リムルと瓜二つの容姿をした少年だった!一体何が起きているんだ!!
予感はあったわ。
リムルの人間体の姿は、取り憑いている怪物によって今の姿に強制されているけど……その容姿はシズを幼くしたような見た目だったから……シズと怪物には何かしらの繋がりがあるのは容易に想像できたことよ。
それに…リムルのシズに対する異常な執着…私や大賢者にも尻尾を掴ませない隠密性。
なによりも…私の攻撃を容易く無力化する圧倒的な力。
そんな存在を私は知っている……5年前から私のリムルの身体に取り憑いている……忌々しい奴が!
───でも………これは予想外よ。
まさか……ずっと敵だと思っていた…必ず倒さなければと…そう思っていた相手は………私の大好きなリムルだったなんて………
ヴェルザード達が困惑している間に、もう一人のリムルはふかふかのベットを作り出してシズエを優しく寝かせていた。
「さて、とりあえず自己紹介からしようか」
「俺の名はリムル…リムル・テンペスト」
「ココとは違う並行世界で魔王をしているスライムだ」
「リムルさんと同じ名前?……どういう事なの?」
「同じ容姿…同じ種族…ほぼ同じ名前……まさかお前…」
「そうだ、
「あ、あと5年前からお前に取り憑いていたのも俺だからな」
リムル・テンペスト──並行世界の魔王にして、別の世界線のリムル自身、5年前に取り憑いた怪物の正体。
魔王リムルによって閉じ込められたこの空間は、だだっ広くて一見何も無い真っ暗な世界のようだが、ヴェルザードは気づいていた。
───この空間は時間の流れが止まっていることに…
魔王リムルの目的が"
問題なのは…何故
警戒しながらヴェルザードが魔王リムルに声をかける。
「あなたが並行世界のリムルだという事はわかったわ」
「でも、何故
「それは、二人にシズさんを助けるのを手伝ってもらうためだな」
魔王リムルの言葉を聞いてヴェルザードは警戒度を上げる、目の前の魔王は今の自分どころか全盛期の自分と同等ないし上回りかねない程の怪物なのだ。
そんな世界トップクラスの怪物が何故格下である私達の協力を求めるのかが全くわからない。
[リムル警戒して、何か裏があると思うわ]
[裏って何があるんだ?]
[彼の実力なら私達の協力なんて無くてもシズエを救えるわ]
[つまり……他の理由があるということか?]
[考えすぎじゃないか?アイツは俺なんだから悪い事はしないと思うけど……]
[そうかも知れないけど警戒して損はないわよ]
≪それは違いますよお二方≫
「「!!?!???」」ビクッ
突然リムルとヴェルザードの脳内に届く声、その声はリムルの持つユニークスキル『大賢者』と似ていたが今回の聞こえた声は大賢者よりもかなり人間味のある理性的な声だった。
間違いなく大賢者では無い──ならいったい何が?
≪失礼しました。私は
≪
≪警戒するのは分かりますが…まずは話を聞いていただけませんか?≫
いくら並行世界とはいえこれほどの力を持っているとはヴェルザードも想像すらしていなかった。──益々、リムル達に協力を頼む理由がわからない。
「わかったよ、とりあえず話を聞こうか」
「助かるよ」
「さっきも言った通り、二人にはシズさんを助けるのを手伝って欲しいんだ」
「それは聞いたわ、何故私達の協力がいるの?あなたほどの力があれば人一人救うことくらい容易いでしょ?」
「そうだな本来なら俺一人でも救える……ここが並行世界じゃ無ければな」
「この世界では俺は力をあまり使えない…というより使っても無意味なんだよ」
「俺が何をしても、【世界の修正力】でなかったことにされてしまうからだ」
曰く、この世界の
それの派生で魔王リムルがこの世界でやったことは最終的にこの世界のリムルがやったことになるんだそうだ。
しかし、現在のリムルにソレを成せるだけの力を持っていないため、【世界の修正力】によって魔王リムルがやったことは尽く無かったことされてしまうのだという。
そのせいで魔王リムルは──既に100の世界線で
「だからこの世界線の存在である君たちの協力が必要なんだ」
「そういうことか…それで俺たちは何をすればいいんだ?」
リムルが自分たちの役割を聞くと、魔王リムルは気まずそうに視線を右往左往させて言い淀むが、やがて控えめな声量で答えた。
「えーと……言いにくいんだけど……二人には子作りをして欲しいだ」
「「えぇ!?///」」「なんでそうなるの?」
魔王リムルの爆弾発言にリムルとヴェルザードは顔を赤らめて驚き、シズエは困惑していた。
「混乱するのは分かるけど、説明させてくれ」
「子作りが必要なのは、シズさんを二人の娘にしてほしいからだ」
「娘って……なんでそんなことを」
「今のシズさんの身体には寿命がほぼ残されていない、だから新しい身体が必要なんだ」
「しかし、他人の身体を奪ったり、死体を用意しても意味がない」
「シズさんの魂との相性が良くないからだ」
魔王リムルが【世界の修正力】の存在を認識したのは10回目の世界線で失敗した時だった、シエルが解析能力によって暴いたのだ。
以降、それぞれの世界線のリムルに協力要請して共にシズエを助けようとして来た。
しかし、救えない。
90回───それぞれの世界線のリムルの協力を得ても尚、魔王リムルは90人の
生命力を分け与えて延命した。
───リムルが限界ギリギリまで与えたにも関わらず2ヶ月で寿命が尽きた。
───精霊との相性が悪く完全な魔人になることが出来ず、寿命は変わらなかった。(シズエが炎系の精霊を宿らせたくなかったから別属性の精霊を宿らせた結果である。)
リムルの分身体を依代にしてシズエの
───分身体では器としての強度が足りず、直ぐに亡くなった。
リムルとハルナの子供に宿らせた。
───スライムとゴブリンの子供ではシズエの
リムルとエレンの子供に宿らせた。
───スライムとエルフの子供ではシズエの
そういう運命だと思わざるを得ないほどに、どうやってもシズエは死ぬのだ。
「どうすればシズさんを救えるのか…俺にはわからなかった」
「そんな時にこの世界線に到着した……俺が今まで見てきたどの世界線とも大きく違う…この世界線に。」
「大きく違う?そんなに他の世界線と違うの?」
「全然違うな、そもそも転生した時期がこの世界線だけ5年早いし」
「ヴェルザードさんと出会うのはもっと先の時代だし、出会って以降も顔見知り程度の関係だしな」
リムルとヴェルザードは耳を疑った。
二人の関係が顔見知り程度?
出会うのがもっと後の時代?
いくら転生した時期が違ったり、並行世界の話とはいえ、状況が違いすぎる。
「私とリムルが…ただの顔見知り程度の関係?」
「オイ!じゃあお前や他の世界線の俺は、泣いてるヴェルザードを放置したのかよ!!酷すぎるだろ!!!」
リムルが魔王リムルに詰め寄って文句を言うが、彼の抗議は筋違いだ。
そもそも他の世界線では、ヴェルザードは振られていない、故に他の世界線の彼女は今もあの男に夢中であり、リムルなど眼中に無いのだ。
「そう……」
(他の世界線の私は振られていないのね……叶わない恋を追い続けているなんて……可哀想に)
ヴェルザードは自分が振られた理由を知っているため、他の世界線の自分が無駄な努力をしている可哀想な女に思えて仕方がなかった。
同時にハッキリと振ってくれたあの悪魔に感謝していた。
もしもあの時、希望が残るような曖昧な答えをされていたら、自分も他の世界線の自分と同じようにそれに縋って無駄な努力を続けていたことは容易に想像出来ていた。(尚、実際は性格が若干違う世界線もあるので無駄ではないし、実際に結ばれた世界線もある。)
結果論ではあるが、自殺するほどに絶望できたおかげでリムルと出会えたのだ、感謝したくもなるだろう。
「ん?……ちょっとまて…何故お前がそのことを知っている?」
リムルが違和感から魔王リムルを問い詰める。
ヴェルザードが振られたことを理由に自殺を図ったことを知っているのは、彼女を救ったリムルと流れで概要だけ話したエレンの二人だけである、魔王リムルが取り憑いたのは冒険者になってはじめての依頼の途中、時系列的に知っているのはおかしいのだ。
「その理由は簡単だよ、俺が取り憑いたのは盗賊討伐の時じゃない」
「俺が取り憑いたのは
「はっ?…どう言うことだよ、だって『大賢者』は
「それは単純に俺があのタイミングで『大賢者』に気付かせただけだ」
つまりは魔王リムルが相手では、大賢者の権能では勝負にもならないということだ。
まあ、ある意味当然ではある、ユニークスキルで
「なんか勘違いしている見たいだけど、俺はむしろ助けてたんだからな」
「え?どういうことだ?」
「つまりは、本来出来ないことを俺(正確にはシエルさんだけどな)が密かに支援して成功させていたってことだ」
「知らないはずの魔法やスキルが使えたり、明らかにユニークスキルの権能を超えた成果を出したりとか、心当たり…あるだろ?」
「………」
事実だった。
大賢者がいつのまにか知らない魔法やスキルを習得していることは何度もあったけど、どうやって習得しているのかが不明な上に、スキルであれば必ずある筈の"世界の言葉"による報告がなかったりと、おかしいところはいくつもあった。
転生した直後に知らないはずのスキルの習得方法を教えられて得たエクストラスキル
───魔力感知。
『永久凍結』によって封印されているのにも関わらず何の問題もなくヴェルザードの情報を得られた
───異常な解析能力。
エレン達に隠れて森の中でヤッたときに大賢者が展開した
───遮音結界。
最初の依頼の時に盗賊の頭領に施した
───記憶の消去。
ヴェルザードにプレゼントしたペンダントを作る時の
───
そして、何よりもおかしいのは
リムルとヴェルザードの出会いのきっかけになった事態
───『永久凍結』の解除。
他の事例もおかしいが、この事例に関しては群を抜いて異常だ。
『永久凍結』とは、ヴェルザードの持つ
対象を時間ごと凍結させ、世界の理から外させてしまう最高位封印術。
これに囚われた場合、自力で解除するのは不可能と言える。
時間が止まっているため、対抗手段を持たないものはその時点で終わる。
たとえ時間停止に対応できる者だとしても、封印が成立した段階で各種スキルや耐性も凍結しており、その上で全身を物理的にも凍結させられているのだ。
つまり、『永久凍結』を自力で解除するには───
──スキルも魔法も使えず、耐性も無い状態で、止まっている時間の中から、『核撃魔法』も防げる程の硬度を持つ、氷塊を破壊しなければならないのだ。
超無理ゲーである。
決まってしまえばいかなる相手も封じることのできるヴェルザードの奥の手だ。
しかし、今回の場合は状況がかなり異なる。
ヴェルザードがこの技を自殺の手段として使用した理由は保険の意味合いが強かった。
というのも、当時のヴェルザードは本気で死にたがっていた。
しかし、ただの自殺では不滅の竜種であるヴェルザードはすぐに復活し、自分だけ好きな人に見向きもされないという、地獄のような生活をしなければならなくなる。
それ故に、死ぬことは出来なくても二度と意識を取り戻さないために『永久凍結』という手段を使ったのだ。
さらには、この時の『永久凍結』発動のために使用した魔素は正真正銘、ヴェルザードの全ての魔素を使っていた、自身の
ここまでやると、たとえ原初の悪魔ですら復活出来なくなってもおかしくないほどの暴挙である。
そう、ヴェルザードは自身を封印すると同時にあわよくば本当に死ぬつもりだったのだ、死ねたら万々歳、仮に生きてしまっても意識が戻ることは永遠にない、という二段構えの自殺だったのだ。
さて、最強種たる竜種の長女である"白氷竜ヴェルザード"という世界最高クラスの強者がそこまでして発動した『永久凍結』を特殊な生まれとは言え、ユニークスキルしか持っていない上に、当時はまだネームドですらなかった名無しのスライムごときに
否、出来るわけがないのだ。
つまりは、そもそもとして魔王リムルの支援が無ければリムルとヴェルザードは出会うことすらも出来なかったのだ。
もしも、魔王リムルが取り憑かなければヴェルザードは文字通り永遠に眠り続け、リムルも洞窟の中で死ぬまで孤独に過ごすことになっていたのだ。
魔王リムルとしても、このままリムルが洞窟から出られなければシズエを救えないため、少し無茶をしてでも『永久凍結』の解除を実行したのだ。
【世界の修正力】に目を付けられないように細心の注意を払いながらのため完全に解除する訳にはいかなかったが、その甲斐あって無事に洞窟からの脱出出来るようになった上に、ヴェルザードとの恋人フラグが立つという嬉しい誤算もあってかなり喜んでいた。
「そうだったのか……知らないうちにかなり助けられていたんだな」
「ありがとな」
「私からも感謝を、起こしてくれてありがとう、おかげで素敵な人と出会えたわ」
「気にすんな」ニカ
ここに来てリムルとヴェルザードの態度が軟化した。
二人にとって魔王リムルは恩人だったのだから当然だろう。
「さて、話を戻すけど二人には子作りしてほしい」
「そして出来た受精卵にシズさんの
「それで大丈夫なのか?ハルナやエレンとの子供だと耐えられなかったんだろ?」
その通りだった。
魔王リムルが各世界線のリムルとの子供にシズエを宿らせようとしたことは何度もあった。
理由としてはシズエと相性の良い
リムルとシズエは運命で繋がっている。
そのため二人の相性はとても良い、だからこそスライムとの混血でも人間であるシズエの
問題なのは、召喚者であり数十年の間戦い続けた英雄であるシズエの
種族としては弱小であるスライムやゴブリンと、
長命種とはいえ、乳幼児の時は人間と大差ないエルフ、
これらの種族の赤子にソレを求めるのは酷と言えた。
既存の存在の身体では相性が悪くて
リムルとの子供では耐久性が足りず、寿命がほぼ無い。
両方の条件を満たした義体を作っても、その製法は未来の技術であり、この時期のリムル達では実現不可能な技術なため使えない。
まさに八方塞がりだった。
しかし、今回は…この世界線は違う。
今回の相手は竜種であるヴェルザードだ、シズエと運命で繋がっているリムルと最強種であるヴェルザードとの子供なら、相性と耐久性…今まで一度も両立させることの出来なかったシズエを救うために必要な条件を満たした赤子が産まれるのだ。
今度こそシズエを救える。
「今から俺の持つ
「スキルを作って与えるって……貴方どれだけ強くなったのよ」
「……いろいろあったんだよ……いろいろと…」
「とりあえず作ったから渡すぞ。」
<確認しました。
個体名:リムル・
<確認しました。
個体名:ヴェルザード・グレイスは
子作りによる両親の弱体化を防ぐための
──『魔素変換』
確実な妊娠と避妊を行うための
──『精子(卵子)操作』
子供を健やかに育てるための
──『母乳生成』(
生まれた子供と家族を守るための盾として
──『慈愛ノ繭』
同じく、家族を守るための矛として
──『眷属創造』『眷属召喚』
このスキル達は単独でもその目的を果たせるが、二つを合わせて使用することでその安全性はさらに上がる。
101回目にしてようやくチャンスが巡って来たのだ、このチャンスを逃さないためにも、二つのスキルを与えたのだ。
「これで大丈夫だ、今送ったスキルを使って子作りをしてほしい」
「そのための部屋を作ったからそこでしてくれ」
真っ暗な世界にいつの間にか白い扉が出来ており、その先にはここで子作りをしろ!と言わんばかりの豪華で快適そうなダブルベットがあった。
早速と言わんばかりにリムルはヴェルザードの手を取って扉の先に行こうとした時──シズエが声をかけた。
「待って……そんなことしなくていいよ……」
シズエが発した言葉は全ての前提を覆すものだった、シズエは既に死を受け入れていたのだ。
当然だろう、今までの話を整理するとシズエのために二人の子供を生贄にしようとしているのだ。
冒険者として人々を守り、引退後は子供達の教師であったシズエに自分の都合で子供を犠牲にするような手段を───許容出来るわけがなかった。
「リムルさんも…ユキさんも……私の恩人なんだよ」
「そんな人たちの……
これが彼女の本心だった。
心残りはある、だけど生まれるはずだった新しい命を踏み躙ってまで生きたくは無かった。
リムル達は困った顔をする。
確かにある意味では彼女の指摘は間違っていない。
しかし、完全にあっているわけでもない。
この世界で新しい命に
つまり、それよりも前に宿らせておけば乗っ取ったことにはならないのだ。
とはいえ、それで彼女が納得するとは限らないため魔王リムルはシズエの心残りのことを指摘する。
「ケンヤ・ミサキ」
「!!!!」ビクッ
魔王リムルの発した言葉に思わず、ビクついてしまうシズエ。
「リョウタ・セキグチ」
「ゲイル・ギブスン」
「アリス・ロンド」
「クロエ・オベール」
「シズさんの心残り──そのボロボロの身体を押してまで、あの子達を助けるために君は旅立ったはずだ」
魔王リムルの言葉に目を背けるシズエ、しかし彼の追及は止まらない。
「シズさん……本当にいいのか?」
「あの子達は今もシズさんを待ってる、帰って来てくれると信じてる」
「未来のない子供達に希望を見せるために旅立ったのに、ここで終わるつもりか?」
「ここで終わって……
シズエの目から涙が流れる。
後悔しないか?───するに決まっている!
シズエは子供達と約束していた。
"絶対に見捨てない"と、だからこそ最早戦える身体でないのにも関わらず子供達を助ける方法を求めて旅立ったのだ。
だが、限界ギリギリの身体に鞭打っての旅のため無事に帰れる保証は無く、それ故に彼女は子供達に何も言わずに旅立ってしまった。
子供達からしたら自分たちを見捨てて逃げ出したようにしか見えないだろう。
でも、まだ道は残されている。
二人の子供として産まれ直す──という方法が。
ここで死んでしまえば、本当に子供達を見捨てて逃げることになる。
それは──それだけはイヤだった。
「でも…それでもリムルさん達の子供に成り代わるわけには……」
「シズエ、私たちのことは気にしなくていいのよ?」
「そもそも今回のことがなかったら、おそらく一生子供なんて産めなかったわ」
兄夫婦の末路を知っているため、どうしても力を失うことを恐れていたヴェルザードにとっては『
『魔素変換』は魔素をさまざまなものに変換する権能だ
この権能を用いることで本来なら【魔素の器】を移植するため、名付けや子作りなどの弱体化の原因となる現象が、通常の魔素を消費(スキルや魔法と同じ)して【魔素の器】を作り出すことが出来るようになったのだ。
つまり、この権能を使えばどれだけ名付けをしようとも、何十人と子供を産んでも、二人の魔素保有量は
この権能のおかげでヴェルザードは何の憂いもなく愛するリムルとの子供を産めるようになった。
だからこのスキルを与えてくれた魔王リムルの願いを断るつもりなど、シズエを助けたいリムルはもちろん、ヴェルザードにも無かったのだ。
「だから、自分に正直になりなさい」
「あなたは生きたいの?それとも死にたいの?」
リムルもヴェルザードもシズエを娘とすることを認めている。
あとは、シズエの意思一つだ。
「私は……生きたい」
「生きてあの子達にもう一度会いたい」
「あの子達が成長して大人になって幸せになる姿を見たい」
ついに、シズエが"生きたい"と言ってくれた。
魔王リムルはもちろん、リムルとヴェルザードも嬉しそうに微笑んだ。
この返事を受けて、リムルはヴェルザードを連れて子作りに向かい。
魔王リムルはシズエの側で自分の世界のことを話している。
はたして、魔王リムルの目的"シズエ・イザワの救済"は成功するのだろうか─────
フラグ回収のために詰め込みすぎました。
感想にて取り憑いているのが原作リムルと予想した人は何人かいましたね、感想を見て「露骨過ぎたか?」とちょっと後悔してます。
【補足情報】
・web版最終話にてリムルは前世の自分自身を助けているので、だったらシズさんを助けに行く世界線もあると考えた結果の設定です。
・正直に言ってweb版終了時のリムルならシズさんを助ける方法はいくらでもあると思うので、何とか頑張ってエロい展開になるように足掻きました。
・本作においては、名付けや子作りによる
"戻らない魔素消費現象"="魔素の器の移植(MPの最大値を減少させて、その分を相手に与える)"とし。
"通常のスキルや魔法による魔素消費"="魔素の消費(MP消費の呪文や特技)"とします。
公式の説明がどうも曖昧なので、本作においてはこういう設定でいきます、ご了承下さい。
・ヴェルザードが
その残ったカケラが竜種の不滅性により修復された結果です。
・[新しい
・魔王リムル
web版終了後の世界から来たリムル。
シズに恋心を持っており、助けられなかったことがずっと心残りとしている。
しかし、自分の世界線のシズを助けてしまうと歴史改変によってどんな影響があるかわからないため、仕方なく別の世界線に干渉して「シズエ・イザワが幸せに暮らす世界」を作るために並行世界を巡っている。
・
魔王リムルによって作成・譲渡されたスキル。
権能は、魔素変換・精子(卵子)操作・母乳生成・慈愛ノ繭・眷属創造・眷属召喚
解説
魔素変換:魔素をさまざまなものに変換する権能。
この権能を使うことで、子作りの際に子供に魔素の限界値やスキルを奪われなくなり、代わりに両親の魔素を変換してスキルや魔素の器を作り出すことが可能になる。
これにより、何人の子供を産んでも両親が弱体化する事がなくなり、さらには他の魔素が戻らない事案(名付けなど)にも応用可能になる。
精子(卵子)操作:事実上の受精の有無を操作できる権能。
母乳生成:
慈愛ノ繭:対象に対する愛情をエネルギーに変えて展開する結界、対象に対する愛情の大きさに比例して結界の持続時間が長くなる。(自身には付与出来ない。)
眷属創造:スキル保有者の種族・スキル・魔素量などを劣化させた或いは一部を保有した眷属を創造する権能。
産み出された直後の眷属達は
眷属召喚:上記の『眷属創造』で産み出された眷属達を物質界に召喚する権能。
召喚する眷属の強さに応じた量の魔素を使うが倒されるか、召喚を解除すると使用した魔素は戻ってくる。
また、召喚された眷属の
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