※この作品はR-18です。

スライムを愛する白氷竜   作:アキ 3150

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 毎度毎度お待たせして申し訳ありません。
 ようやく鬼人組のキャラ達が登場します。

 今回のエロシーンはちょっとだけです。



 前回のあらすじ



 魔王リムルへの尋問の結果、恋人を寝取られていたことが発覚しドン引きするリムル。
本心では何かしらの罰を与えたかったリムルだが、魔王には恩があるためチャラにしてことなきを得たのだった。

 その後、魔王リムルは自分の世界に帰っていった。
 彼の忠告を胸に刻んだリムル達は、先の脅威に備えるために子宝の男神(イザナギ)子宝の女神(イザナミ)の権能で眷属を創り出した。

 今回はどんな出会いがあるのだろうか?


第10話  大鬼族(オーガ)の襲撃

 前回、封印の洞窟にて最初の眷属を産み出したリムルとヴェルザード。しかし、生まれた眷属達はどちらも戦力化するのに問題があった。

 

 リムルの眷属──紫色の極小スライム"オラクル"はゴブリンにすら歯が立たないほどに小さく弱い存在だった、名付けをしても尚存在値(EP)がゴブリンを少し上回った程度であり弱いことに変わりはなかった、結局は1万体ほどをジュラの森に放ち今後の進化に期待することになった。

……尚、戦力として使えるようになるのはいつになるのかには目をつぶっている。

 

 

 

 

 ヴェルザードの眷属──白い竜"祖竜:ミラルーツ"は竜種の眷属とあってとてつもなく強く、いい戦力になると思われたが今回はその強さが仇となってしまった。

 

 

 

 

 

「……なあ、ヴェルザード」

 

 

 

「……なに?」

 

 

 

「ミラルーツ…強いけど何処で修行させるんだ?」

 

 

 

「………どうしましょうね」

 

 

 

 

 

 竜族は生まれた経緯からわかるように種族として竜種にとても近く、もはや亜種といっても過言でないほどに似ている。

 そのため彼女達の存在は秘匿する必要がある、しなければこの世界の強者達(魔王や帝国)に目を付けられることになりかねないのだ。

 

 ミラルーツは確かに強い。

しかし、それは存在値(EP)が高いだけであり、生まれたての彼女は技術と経験が完全にゼロなのだ。

 そのため、今のミラルーツに出来ることはその膨大な魔素と強力な権能による広範囲無差別攻撃くらいしかないのだ……非常に使い所の難しい戦力である。

 これを解消するにはやはり修行させるべきなのだが、修行場所に関しては『眷属創造』に内包された権能によって眷属達の心核(ココロ)を保管する異空間があるのだが、その場合は外の世界に残す身体が心核(ココロ)を持っていない状態──つまり本能だけで動く危険な存在になってしまうのだ、そうなればミラルーツは本能のままに暴れ回りリムル達の町にも甚大な被害が出てしまうだろう、しかし、心核(ココロ)を入ったままでは修行出来る場所が無い。

 

 

 つまり、竜族を戦力化をするには──

・竜族が暴れても問題なく、周りに見つからない修行場所。

もしくは

・本能のままに暴れる竜族を封じ込められる手段。

──以上2つのどちらかを満たさなければならないのだ……厳しい……。

 

 

 

 

 

「……仕方ないわね、私が凍結させるわ」

 

「……この子達を動かすには毎回解凍しないといけなくなるけど」

 

 

 

 

 

 周囲に被害を出さずに秘密裏に戦力を増やすにはこの方法しか今はなかった。

 

 ヴェルザードはミラルーツの修行相手とするために新たに4体の竜族を産み出した。

 

 

 

 ある竜は──全身を禍々しい黒の鱗と甲殻に覆われ、忌わしく黒光りする四本の角の生えた頭部、長い首と尾を持ち、背中にはその巨体を包み込めるほどの巨大な一対の翼を有する。

 ミラルーツとよく似た造形をした黒竜。

 その名は、黒竜:ミラボレアス

 

 

 

 ある竜は── 血染めの鱗、闇夜に流れるマグマを思わせる赤黒い甲殻に身を包み、頭部には”天を衝く怒りの象徴”とされる、歪に捻じ曲がった禍々しい紅角を戴く。大地が胎動するが如く脈打つ紅蓮の翼を誇り、血塗られた翼膜をはためかせ天に昇る。

 ミラルーツとよく似た造形をした赤竜。

 その名は、紅竜:ミラバルカン

 

 

 

 ある竜は── その威容は大地の具現化と称されるに相応しいもので、海底山脈の如き圧倒的な巨体を誇る。

全身は灼熱の花弁の如き黒鱗、燃え盛る岩石のような甲殻に覆われ、

体表にはマグマのように赤く光るラインが走っている。

岩盤と錯覚するかと思われるような巨大な翼の先端部、

および背部に連なる連山のような突起には『火口』と思わしい穴が存在し、

大地を震わせながら大噴火の如く灼熱の溶岩を噴き上げ、周囲の全てを火の海へと変える竜。

 その名は、煉獄竜:グラン・ミラオス

 

 

 

 ある竜は── 全身は天を向いて生え揃った鋭利な刃の如き漆黒の"逆鱗"、そして逆鱗が重なり合って形成された"逆殻"と呼ばれる甲殻に覆われ、纏う逆鱗は触れるもの全てを無慈悲に引き裂く恐るべき凶器であり、

逆殻は受けた衝撃を跳ね返し、攻撃そのものを破壊する不壊の鎧である。

 逆立つ鱗と巨大な棘を携えた尾は見るものを夢幻の世界に誘い込む妖気を帯びるとされ、時空を切り裂き、世界をも消滅させるのではないかと思わせる程の禍々しさを湛える翼は、広げれば闇が拡がったようにも、光が差したようにも見える竜。

 その名は、煌黒竜:アルバトリオン

 

 計4体の竜族が新たに産まれた。

 

 

 

 そして産まれた竜族達は封印の洞窟の奥深くに凍結封印され、その心核(ココロ)はヴェルザードの管理する異空間【フロンティア】にて日夜、互いにぶつかり合うことで不足している技術と経験を積んでいる。

 

 

 

 オラクル達と竜族、両眷属たちがリムル達の親衛隊として機能するようになるのは果たしていつになるのか………

 

ーーーー

ーーー

ーー

 

 眷属達のことがひと段落したため少し休憩をとることにしたリムル達。

 

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

 

 

「ヴェルザード大丈夫か?」

 

「ミラルーツに続いて4体も生み出すのは少し無茶だったんじゃないか?」

 

 

 

「大丈夫よ 心配してくれてありがとうリムル」

 

 

 

 

 

 リムルはヴェルザードの体調を心配する。

短期間に強力な竜を5体も産み出し、さらには名付けまでしたのだ、いかに膨大な魔素を保有するヴェルザードといえど無茶なのでは…と考えたのだ。

 事実としてヴェルザードが消費した魔素はかなりの量だった、2人が出会った5年前からずっと抑え溜め続けた魔素を全て消費したらしい。(周辺に被害を出さないように魔素を抑え込んでいた。)

…とはいえ、消費したのは抑え込んでいた魔素と他少しだけなのでむしろずっと抑え続けていた魔素がなくなり楽になったと言っていた。

 

 とはいえ、疲れているのは事実なのでリムルはヴェルザードをマッサージすることにした。

 

 

 

 

 

「ヴェルザードこっちに来てくれ、マッサージしてやるよ」

 

 

 

 

 

 そう言ってリムルはスライム形態に戻り、さらに身体をヴェルザードより少し大きいくらいまで巨大化させてヴェルザードに乗ってもらうのだ。

 

 

 

 

 

「えーと、本当に乗っていいの?」

 

 

 

「大丈夫だよ、その方がマッサージしやすいしな」

 

 

 

 

 

 ヴェルザードは恐る恐る巨大化したリムルに寝っ転がる。

 すると、ふんわりとした優しい弾力に、ホッとするような絶妙な暖かさがヴェルザードの全身に広がった。

そう、リムルは『大賢者』に頼んで日本にある"人をダメにするクッション"を自分の身体で再現してもらったのだ。

 

 

「あ〜凄いわリムル〜すっごく気持ちいいわ〜」トロ~ン

 

 

 ヴェルザードは見たことが無いほどにトロけた顔になりながらダラーんとしている。地球人類が作った"人をダメにするクッション"は異世界の最強種すらもダメにしてしまうようだ。

 ヴェルザードがリラックスしているとき、さらにリムルが身体を変形させてヴェルザードの全身を揉みしだいて解していく、肩や足裏はもちろん、背中、腰、手の平、腕、足、お尻にいたるまで全身をしっかりと解していく。(マッサージも『大賢者』に頼んで、地球のプロ達の技術を模倣している。)

 

 

 

 

 

「あぁ〜いいわ〜そこそこ、そこが気持ちいいわ〜」

 

 

 

 

 

 全身を解されているヴェルザードはとても気持ち良さそうな声をこぼしながらリムルにされるがままに揉みしだかれている。

 なお、リムルは胸と性器には触れていない、ヴェルザードの胸と性器はとても敏感な性感帯のため、たとえマッサージでも性的な快楽を与えてしまうことになるのだ、そして感じているヴェルザードを見て我慢できる自信などリムルには微塵も無いため自重しているのだ。

 

 

 

 そうして、ヴェルザードをマッサージしていると突然『大賢者』から連絡が来た。

 

 

 

 

 

。眷属:オラクル No.3491を通しての『魔力感知』により、リグル率いる警備隊が大鬼族(オーガ)の集団と接触、戦闘を開始しました。≫

 

 

 

大鬼族(オーガ)の集団!?戦闘!?」

 

 

 

 

 

 リムルの眷属であるオラクル達は戦力としては、まだ使えない。

しかし、使い道が無い訳ではなかった。

それは、眷属達を『魔力感知』などの感知系スキルの中継点になってもらうことである。リムルと眷属達は【主従の縁】によって繋がっている、その繋がりを辿ってリムルは『魔力感知』を使っているため、その感知範囲はかなり広がっている。

 今回はそれが功を奏したようだ。

 

 リムルはすぐに『分身体』を創り出してヴェルザードのマッサージを変わってもらい、本体は急いで警備隊の救援に向かった。

 尚、大鬼族(オーガ)程度ならリムル1人で余裕なのでヴェルザードには引き続きマッサージを受けて貰っている。

 

ーー

 

 ジュラの大森林の中を某・忍者漫画のように木々を飛び移りながら高速で移動する人影があった──リムルだ。

 

 大鬼族(オーガ)と戦っている警備隊を助けるために向かっているところだった。

 

 

 

 

 

(ヴェルザードとの特訓を思い出すな)

 

(剣片手に森の中を追いかけ回された記憶が…)ガクガクブルブル

 

 

 

 

 

 ヴェルザードとの修行の中に、追ってくるヴェルザードから逃げ続けるというのがあり、この修行でリムルは森の中を素早く移動出来るようになったのだ。

 

 ヴェルザードに鍛えられた機動力を遺憾無く発揮し、警備隊が壊滅する前に合流することに成功した。

 警備隊に向けて放たれた眠りの魔法を掻き消しながら着地するリムル。

 

 

 

 

 

「ランガ、リグル、全員無事か?」

 

 

 

「「「リ、リムル様!?何故ここに!?」」」

 

 

 

「お前達が大鬼族(オーガ)と戦ってるのを感知したんだよ」

 

 

 

 

 

 リムルはリグル達に簡潔に理由を伝えながら、大鬼族(オーガ)達に話しかける。

 

 

 

 

 

「事情は知らないけど、ウチの連中が失礼したな。」

 

「話し合いに応じる気はあるか?」

 

 

 

 

 

 リムルは大鬼族(オーガ)達と話し合いを試みる。

経緯は不明だが警備隊に対して眠りの魔法を使用したこと、彼らの装備に返り血がかなりの量付いていたり、防具の損傷が激しかったりと、ただの狩りや襲撃とは違うように感じたためだ。

 しかし、大鬼族(オーガ)達の反応は苛烈だった。

 

 

 

 

 

「正体を現せ 邪悪な魔人め!」

 

 

 

(は?何言ってんだコイツ?)

 

「……俺が…何だって?」

 

 

 

「魔物を使役するなど、普通の人間にできる該当ではあるまい、見た目を偽り妖気(オーラ)を抑えているようだが甘いわ!」

 

「あの襲撃も貴様らが仕組んだのであろう!?」

 

 

 

「まてまて、俺はお前達と会うのは初めてだし、襲撃というのにも心当たりは」

 

 

 

「惚けるな!全て貴様ら仮面の魔人の仕業ではないか!!」

 

 

 

 

 

 完全に目の敵にされてしまっている、当然リムルに心当たりなど無いのだが、大鬼族(オーガ)達はかなり殺気だっており、特にリーダーであろう赤い大鬼族(オーガ)はまるで親の仇を見るような顔で睨んでくるのだ。

 聞いた感じではリムルが着けている【抗魔の仮面】が彼らを襲った仮面の魔人に似ているため仲間扱いされてしまったのだろうが…良い迷惑である。

 

 

 

 

 

「同胞の無念、その億分の一でも貴様の首で贖ってもらおう!」

 

 

 

(はぁ…やるしか無いか)

 

 

 

 

 

 赤い大鬼族(オーガ)が刀を突きつけながら闘志を漲らせる。

もはや、話し合いは無理。

 ならば、なるべく怪我をさせずに無力化してから誤解を解くしかないだろう。

 

 

 

 

 

「ランガ、お前はみんなを守ってやってくれ」

 

 

 

「しかし、それではリムル様が大鬼族(オーガ)6体を相手にすることになりますが…」

 

 

 

「問題ない、負ける気がしない」

 

(ヴェルザードに比べれば大鬼族(オーガ)6体なんて余裕余裕)

 

 

 

「…真勇か蛮勇か」

 

「その度胸に敬意を払い挑発に乗ってやろう」

 

「後悔するなよ」

 

 

 

 

 

 そして、リムルと大鬼族(オーガ)達の戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 最初に仕掛けたのはリムルだった。

 狙いは片手にハンマーを持った黒い大柄の大鬼族(オーガ)

 リムルが最初に彼を狙ったのは彼が1番弱いからだ、戦いに置いて数とは力だ、故にまずは落とせるところから落として数的不利の解消を目指すことにしたのだ。

 

 この黒い大鬼族(オーガ)は一見、体格に優れたパワータイプのように見えるがリムルにはわかる、彼は戦闘を生業にしている者ではない。

 まったくの素人と言うわけでは無いだろうが、桃色髪の大鬼族(オーガ)のような魔法系でもなく、他の4人のように体術や剣術に秀でているわけでもない、その程度なら動きを見ればリムルもわかるようになったのだ。

 

 音もなく黒い大鬼族(オーガ)の背後を取ったリムルはその無防備な首に最小限の力で手刀を叩き込み、一撃で意識を刈り取る。さらに、保険として麻痺を付与しておく。

 

 いきなりのことで何がおきたかもわからないまま地面に倒れ込む黒い大鬼族(オーガ)と彼が倒れたことでようやくリムルを認識したほかの大鬼族(オーガ)達が向かってくる。

 

 

 

 次に向かって来たのは紫髪の雌大鬼族(オーガ)だ。

 彼女は手に持つメイス型のモーニングスターを勢いよく薙ぎ払ってくる──落ち着いてバックステップで距離を取ることで容易く避けた。

 反撃に出ようとしたリムルの視界にある()()が映った。

 

 

ばるん

 

 

(デカッ!)

 

(ヴェルザードよりもさらにデケェ!)

 

 

 

 

 

 (ヴェルザード)よりもさらに立派な乳房を見たリムルは思わず凝視してしまう、その隙を狙ってさらに攻撃してくる紫髪の大鬼族(オーガ)

 少し動揺して回避が遅れそうになったため逆に接近して手首を掴むことで抑え込み、さらに右手で胸ぐらを掴んで投げ飛ばす。

 

 

ビリィ!

 

(ビリ?)

 

 

 

 

 

 変な音が響く、リムルの右手には今だに投げ飛ばした筈の紫髪の大鬼族(オーガ)の衣服の感触が残っている。

 ゆっくりと自身の右手に視線を向けると、無惨にも引き千切られた衣服の残骸が握られていた。

 

 投げ飛ばした彼女の方を見ると、胸元の衣服が破られたことで解放された2つの巨大な果実を"ばいんばいん"と暴れさせながら鬼の形相で突撃していた。

 

 

「ご、ごめん!わざとじゃないんだ!」

 

 

 咄嗟に謝罪するが聞く耳は持ってくれず、さらには背後から青髪の大鬼族(オーガ)も向かって来たため、前後から挟まれる形になってしまったリムル。

 しかし、その程度で倒されるほどリムルは弱くない。

 まずは正面のおっぱい丸出しで突っ込んでくる紫髪の大鬼族(オーガ)から無力化する。

大鬼族(オーガ)達が反応出来ない速さで接近して、足払いをかける。

いきなり足を払われた彼女は前のめりに倒れそうになるが、リムルの『粘鋼糸』によってしばられ空中に固定される。(このとき、糸を何重にも巻きつけて胸も隠しておく。)

 

 

 

 続けて背後から迫っていた青髪の大鬼族(オーガ)の刀による突きを最小限の動きで避け、手首に手刀を放ち刀を叩き落とし、そのまま絞め技で意識を奪い地面に寝かせる。(もちろん、麻痺を付与するのも忘れない。)

 

 戦闘が始まってまだ数分ほど、その数分で大鬼族(オーガ)達の半分が無力化されてしまった。

 

 

 

 

 

「ブラックスパイダーの『粘糸・鋼糸』」

 

「あの反応速度から『魔力感知』持ち」

 

「さらにあの速度、一瞬でも気を抜けば手遅れになります。」

 

「ご油断召されるな若」

 

 

 

 

 

 白髪の老大鬼族(オーガ)がリムルのスキルや実力についてリーダーに忠告していた。

 やはり、あの老大鬼族(オーガ)が1番厄介そうだ。

 

 

 

 

 

「ここら辺にしないか、そろそろ俺の話を聞いて欲しいんだけど」

 

 

 

「黙れ、邪悪な魔人め!」

 

「確かに貴様は強い、だからこそ確信が深まった」

 

「やはり貴様は奴らの仲間だ」

 

「絶対に許さんぞ!」

 

 

 

 

 

 赤い大鬼族(オーガ)が刀を構え、リムルの意識が赤い大鬼族(オーガ)に集中した瞬間、老大鬼族(オーガ)の姿が掻き消えリムルの背後へと移動し抜刀術の構えをとった。

 しかし、老大鬼族(オーガ)はその瞬間、自身の失策を悟ってしまった。

何故なら『魔力感知』から逃れて移動した筈なのに現在進行形でリムルと()()()()()()()()()のだから……

 しかし、老大鬼族(オーガ)は既に抜刀術の構えをとってしまっている。

今から構えを解いて動くのは明確な隙になる、かといってこのまま斬りかかっても不意打ちがバレている以上は通用するかわからない。

 

 どちらの選択肢も危険な賭けである。

──老大鬼族(オーガ)が選んだのは"攻撃"自分の剣の腕を信じ、最高速でリムルに抜刀術を放つ。

 

 老大鬼族(オーガ)の放った斬撃は正確にリムルの首元に迫るが、リムルは避けようとしない、しっかりと刀を目で追っていながら動こうとしないのだ。

 その意図が全くわからないが避けないならこのまま斬り捨てるだけ、とそのままリムルの首に刀を叩き込む……が

 

ガキーン

 

 硬い金属同士をぶつけ合ったかのような音が響き、老大鬼族(オーガ)の刀が首元で止まってしまう。

大鬼族(オーガ)達は勘違いしていたのだ、今までリムルが回避ばかりしていたため、当たりさえすれば通じると思ってしまっていたが、彼らの力ではリムルに傷一つ付けられない……それほどに明確な実力差があったのだ。

 

 そして、己の渾身の一撃が全く通じていなかった事実に一瞬とはいえ放心してしまった老大鬼族(オーガ)の隙をリムルは逃さず手刀で沈めてしまった。(麻痺付与も忘れない。)

 

 

 

 

 

「バ…バカな!爺が!」

 

 

 

「生憎だが、あの程度の攻撃じゃ俺には通じないぞ」

 

 

 

「ば…化け物め!オイ…合わせろ!!」

 

 

 

「は、はい!お兄様‼︎」

 

 

 

鬼王の妖炎(オーガフレイム)

 

鳳天衝(ほうてんしょう)

 

 

 

 

 

 赤い大鬼族(オーガ)と桃色髪の大鬼族(オーガ)同時に魔法を放つ。

 

 赤い大鬼族(オーガ)の放つ炎と、桃色髪の大鬼族(オーガ)の放つ竜巻が合体し、巨大な火焔竜巻となってリムルを襲う。

 

 

 

 

 

「やった…のか?」

 

 

 

「いえ…おそらくは…まだ」

 

 

 

 

 

 桃色髪の大鬼族(オーガ)の言葉を証明するように、火焔竜巻から水色の球体:リムルの『分身体』が勢いよく飛び出し、桃色髪の大鬼族(オーガ)に襲い掛かる。

 全身に巻きつき、両手を頭の上で組まされ、両脚もガッチリと固定されてしまい、魔法詠唱を阻害するために口も塞がれてしまう、全身を拘束されて身動きが取れなくなった彼女はそのまま地面に転がるしかなかった。

 

 

 

 

 

「ムグッ‼︎」

 

 

 

「なに!?」

 

 

 

 

 

 火焔竜巻の中からリムルがゆっくりと歩いてくる。

 その身体に火傷など存在せず、衣服に焦げ跡すらもない、大鬼族(オーガ)2人による渾身の火焔竜巻が無意味であったことを証明していた。

 

 

 

 

 

「これで5人…あとはお前1人だな若大将」

 

「どうする?まだやるか?」

 

 

 

 

 

 リムルの問いに赤い大鬼族(オーガ)は答えない。

 格の差を見せつけられた、彼1人では勝ち目など万に一つも無い。

 今も意識が戻った老大鬼族(オーガ)が「お逃げ下さい!若!」と叫んでいるが、「黙れ爺」と一蹴してしまう。

 

 

 

 

 

「俺は大鬼族(オーガ)の次期頭領として育てられた誇りがある。」

 

「無念に散った同胞の恨みを晴らさずして何が頭領か!」

 

「勝てなくとも…せめて一矢報いてやる」

 

 

 

 

 

 大鬼族(オーガ)達の頭は、文字通り死ぬ気で斬りかかってきた"死んでも一太刀入れる!"という覚悟を宿して突撃してくる。

 

 

 

 

 

(…俺は無関係なんだけどなぁ)

 

(とはいえ、コイツにとっては本当に大事なことなんだろうな)

 

(……せめて…剣で相手をしてやるか)

 

 

 

 

 

 リムルは腰の刀を持ち、居合い斬りの構えを取り

──一閃

 

 その一撃で赤い大鬼族(オーガ)の意識は刈り取られた。

 そしてリムルは6人の大鬼族(オーガ)達に眠りの魔法をかけて寝かせる。

 

 

 

 

 

「ハァ…やっと終わった」

 

「コイツらを村に連れて行く、手伝ってくれ」

 

 

 

「わかりました。」

 

 

 

「流石は我が主、大鬼族(オーガ)6体を相手に無傷の勝利!感服しました。」

 

 

 

「ありがとな、ランガ」

 

 

 

 

 

 こうして、リムルと大鬼族(オーガ)達の戦いはリムルの完全勝利で幕を閉じた。

 眠らされた大鬼族(オーガ)達は武装解除してから結界を張った建物にまとめて寝かされ、マッサージを終えたヴェルザードも戻ってきた。

 

 果たして、大鬼族(オーガ)達との和解は成立するのか。

 そして、彼らを襲った"仮面の魔人達"とはいったい何なのか。




 戦闘シーン難しい、簡単に書くと意味不明、細かく書くと長くなる、難しいです。


【補足情報】
・リムルとヴェルザードが『眷属創造』に使う魔素は普段抑え込んでいる余剰魔素を使用している、このため眷属達は日を経つごとに数が増えていきます。



【眷属紹介】

名前:ミラボレアス
種族:竜族
全長:4110.6cm(約41m)
庇護:白氷の庇護
称号:黒竜
能力:ユニークスキル『黒竜(ミラボレアス)
 解説
 見た目は完全に黒いミラルーツであり、色意外に違いはあまり無い。
 超高温の炎を吐き出したり、漆黒の球体を生み出して出入りしたり、ばら撒いて攻撃したりできる。



名前:ミラバルカン
種族:竜族
全長:4110.6cm(約41m)
庇護:白氷の庇護
称号:紅竜
能力:ユニークスキル『紅竜(ミラバルカン)
 解説
 見た目はミラルーツ、ミラボレアスの色違い。
 地形に干渉して周囲を溶岩地帯にしたり、溶岩の中を泳いだりできる



名前:グラン・ミラオス
種族:竜族
全長:6288cm(約63m)
庇護:白氷の庇護
称号:煉獄竜
能力:ユニークスキル『 煉獄竜(グラン・ミラオス)
 解説
 骨格はミラルーツ、ミラボレアス、ミラバルカンと近く、全身は岩盤のような皮膚と流れる溶岩のような線がはしっている。
 翼の一部や背中には火山のような、砲口がついており、そこから溶岩弾を発射できる。
 火属性の攻撃を得意としているが、最も得意な戦場は海中である。



名前:アルバトリオン
種族:竜族
全長:3105.8cm(約31m)
庇護:白氷の庇護
称号:煌黒竜
能力:ユニークスキル『煌黒竜(アルバトリオン)
 解説
 漆黒の身体を持ち、全身が逆鱗に覆われた特異な見た目をしており、頭には幾多の逆鱗が集まって出来た、二股に別れた大きな角をもつ竜。
 この竜は火、水、雷、氷などの幾多の属性を操る力を持っている。





 次回 第11話 森の異変
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