※この作品はR-18です。

ToLOVEる転生物語   作:大軍

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第21話 モモはついに気付いてしまう(1)

 

 寝過ごした朝。

この日は曇りで、薄暗い日差しが部屋に差し込んでいた。

 

 目を擦りながら、リビングへと向かっていた。

 俺は寝癖をつけたまま今日は誰に会いに行くか考える。

 

「あ、おはようございます、リトさん」

 

モモだ。

 朝の薄暗い廊下の曲がり角で、モモと出会い頭にぶつかりそうになるが、ピタッと立ち止まったモモがニコッと笑った。

 寝巻きの俺とは違い、お出かけするにはラフだが、気を使っていることが分かる程にはお洒落な格好をしている。

 

「今日はお出かけですか?」

 

「いや、今日は家にいるよ」

 

 やはり年齢にしてはたわわに実った胸を強調するように、前屈みになって上目遣いで俺をみてくるのだから、朝から目の毒と言っても間違いではないだろう。

 瑞々しい肌に、柔らかそうな胸。

 服の裾から覗く吸い込まれそうになる二つの山に挟まれた影。

 

「あの……リトさん?」

 

「な、何だ?」

 

 しまった、と思った時にはもう遅い。

 モモのことなどすっかり忘れて、豊かな胸部をガン見してしまった。

 

 軽く冷や汗をかきつつ、伺うようにモモの顔を見る。

 

「……」

 

(やっちまった……気を抜いたばかりに……)

 

 俺は己の愚行を呪った。

 モモの表情、もとい視線だ。

 

 モモは両手で自分の谷間を隠しながら、恥ずかしさと表現し難い他の感情を混ぜたような表情をして俺を見ていた。

 胸元を押さえているから、俺が胸を見ていたのは間違いなく気づいている。

 その表情は、胸をジロジロと見られていたことに対する羞恥。

 そして、何か俺に対する大きな疑念を持っていることがありありと感じられた。

 

「あの……」

 

 モモにしては珍しく、言葉を選んでいるのか口をモゴモゴとさせる。

 俺のことを見たり、斜め上を見たりと視線は忙しない。

 

「どうした?」

 

「えっと、前から気になってたことがあって……」

 

 ごくりと喉がなる。

 

(まさか……)

 

 前々から恐れていた事が起きているのかも知れない。

 俺が積極的にエロい行為をしていることをモモには知られたくない。

 

 

「もしかして、リトさんって……」

 

 

 

 __________その時だった。

 

 

 トットット、軽快な足音が階段を降りてくる。

 

「おっはよー!二人とも今日は早いねー」

 

「リト?モモさんと何してんの、こんなとこで」

 

 動きやすそうな服に着替えたララと美柑だった。

 もう朝食の時間になっていた。

 

「何かモモと話してた?」

 

 ララがグイッと俺の顔に近づいて覗き込んでくる。

 この場にいる中で一番大きな胸はぎりぎり俺の体に触れることはない。

 

 

 

「モモ?」

 

「っ……な、なんでもありません!朝食にしましょう!行きましょう、お姉様!」

 

 俺は、モモが一瞬俺の体を見たのを見逃さなかった。

 廊下に一人残された俺。

 モモ達の後ろ姿を眺めながら、モモの真意を考えていた。

 

 

/////////////////

 

 

 食事もそこそこに、俺はモモの部屋の前に来ていた。

 

 先程のことが気になっていたのだ。

 食事中やそれ以外の時間、チラチラとモモを観察してみたが、特筆して変化があるわけではなかった。

 それでもここに来たのは、喉の奥に引っかかる何かをモモから感じ取ったからだった。

 

 俺には大きな懸念があった。

 モモが俺の生活に多大なる影響を及ぼすかも知れないことだ。

 

(まずいな、どうする)

 

 もしかしたら、俺が『意図的にモモやララたちにセクハラをしている事』がバレているのかもしれない、という仮説だ。

 モモに関して言えば、夜這いしてきた彼女の尻尾を嬲ってイカせたりした。

 最近だとナナの前で、マッサージと称してバックで犯す真似事をして小便まで吹かせてしまったりした。

 

 普通の人間なら俺が意図的に性的な行動をしていることに気がついてもおかしくない。

 モモはララに隠れてはいるが、勉強もできると聞いている。

 

 俺の予想では、モモは半分確信に近いものを持っていて、その最後のピースを俺に求めてきたのではないかと考えていた。

 

カチャ

 

 扉を薄くあけ、覗き込む。

 

 ソファに浅く座ったモモが、PCで何か動画を見ていた。

 ゲームでもない。何かニュースかドキュメンタリーみたいな雰囲気の画面だった。

 

「リトさん……」

 

 俺の名前が呟かれる。

 俺はモモが何を呟くのかを聞き漏らさないように耳を澄ませる。

 

 モモは名探偵さながらの思案げの表情で、顎に手を当てている。

 

 まさに俺が聞きたいことを言わんとしているではないか。

 やはりモモはほぼ確信している。

 俺の口から直接その答えを聞き出そうとしている。

 そして初めて確信を得るつもりだろう。

 

 もしモモが俺に対して不信感を抱いていたらどうする。

 ララに道具でも作ってもらって、記憶を操作するのも選択肢に入ってくる。

 いや、そんな非人道的なことは……。

 

 

「もしかして……リトさんは……」

 

 

 俺の頭の中で案が浮かんでは消えていく。

 俺はドツボにハマっていくのを感じていた。

 

 そして、モモはゆっくりと確かめるように、一人だけの世界で言葉を紡ぐ。

 その声には確信と、少しの疑念が込められていた。

 

 

 

「性知識が、全くない…………?」

 

 

 

(なんでそうなるんだよ)

 

 

 

 

 

///////////////////////

 

 

 それから一週間が経った。

 

 俺は、リビングのソファに座ってテレビを眺めていた。

 隣にはナナが座っており、同じくテレビを見ていた。

 

 俺が部屋に入ってきた時、一瞬ナナが俺の方を見たが直ぐにテレビへと戻した。

 

「……」

 

 休日ということもあって、ナナは長い髪をツインテールではなく一つ結びにして、いつもと違った雰囲気だ。

 相変わらずナナが近くにいるだけで目で追ってしまう。

 雲がまばらに散らされた空からの光がソファーの端を照らしていた。

 

 

(問題はモモのことだ)

 

 

 俺はショートパンツから伸びるスラリとした太ももに、じわりじわりと距離を詰めながら手をソファに這わせる。

 すぐ隣に座っているから、あと10cmも手を動かせば触る事ができるが、ナナは気づいていない。

 

 

(モモのやつ、俺の事をあんな風に思っていたなんて)

 

 

 少しずつ伸ばした手が、ついに少女の魅惑の脚へと到着する。

 

「っ……」

 

 太ももに指先が触れると、ナナはピクリと身体を揺らす。

 だが、怒るでもなく、離れるでもなく5秒前と同じようにテレビに目を向けている。

 

 

 話を戻そう。

 あれから一週間。モモは俺にちょっかいを出していた。

 この間のように偶然顔を合わせたり、夕食中や、美柑たちの目がないところで。

 

(くそ……)

 

 ちょっかいとは、もちろん性的なものだ。俺の事を舐めるような目で見てきたかと思えば、さりげなくでもハッキリとセクハラだとわかるようなことをあのニヤけ顔でやってくる。

 俺はどうにかそのセクハラをやり過ごし、一週間が経ったのだ。

 美柑やナナたちに散々セクハラしてきたが、俺が逆セクハラを受けるようになるとは思わなかったのだ。

 

 そしてこの一週間でわかったことがある。

 

(モモの勘違い通りに行動しないと、俺の首が締まる)

 

 そう。

 モモが俺にセクハラをするのは、俺に性的な知識がないと確かめるためだ。

 実際、今日までのモモのセクハラは徐々に激しさを増している。

 偶然パンツが見えたとか、谷間が見えたとか、そのレベルではなくなってきている。

 今日にも確信に迫らんとやってきそうな予感がしていた。

 

(くそ……)

 

 

 俺は内心で二度目の悪態をつきながら、産まれたばかりの赤子を撫でるように、ナナの太腿に手を置く。

 瑞々しいシミ一つない肌が、手のひらにペタリとくっつく。

 さらさらの脚だ。

 

「……」

 

 普通なら立派なセクハラ行為でも、今の俺とナナの関係なら許される。

 少し前では考えられなかった進歩に、下半身が熱くなる。

 

 ナナは太腿に手が置かれているのに、何も言わないし、何もしない。

 この少女は何を考えているのか。

 

 俺は堪え切れず太腿に置いた手に力を入れる。

 ぎゅっと痛みが出ない程度に揉みしだく。

 

「っ」

 

 ナナが少しだけぐらつく。

 真横にいるため表情はわからないが、足元がそわそわしている事はわかった。

 

 リビングでナナを押し倒すわけにもいかない。

 それは重々承知だ。

 

 俺は興奮と安心を胸に、ナナと同じくテレビを見ていた。

 当然内容は入ってこない。

 

 

 

////////////////////////

Momo's room

 

 

「はあ……」

 

 リトさんのことでため息を吐いたのは今日何回目か数えようかと思ったが、ざっと5回目な気がする。

 多いのか少ないのか分からない。

 

 ため息の回数が増えれば幸せが逃げていくというが、困りごとがあるからため息が増えるだけで、回数の問題でないと私は思っている。

 

(どうしたらいいのよ!)

 

 リトさんに性知識がないとすると、これまでの私の誘惑は全て無駄ということになる。

 前提そのものが覆されるなんて想定外だった。

 

 性知識がないとしたらこれまでの違和感に全て説明がつくのだ。

 普段から家では谷間が見えるようにわざと胸元の開いている服を選び、リトさんの目につくように振る舞った。

 スカートだって短いものを選び、下品にならないように下着ギリギリを攻めて毎日工夫もした。

 

 私が望むのはハーレムだ。

 リトさんがお姉様とくっつくのは全く問題ない。

 それに妹の私がくっつけるかが問題だ。

 一夫一婦制のまま婚姻が決まったらもうチャンスはないのだ。

 

(その前にリトさんにハーレム状態になってもらわないといけないのに……!)

 

 これまで誘惑しても反応が薄かったのは性知識がないためだ。

 バレてないが夜に忍び込んで尻尾をいじられて醜態を晒したのは記憶から抹消したため覚えていない。

 

 それにしてもこの間のマッサージと称した擬似セックスも冷静に考えれば、性知識のなさから生まれたマッサージ方法としか考えられなかった。

 そうでなかったら自分はセクハラマッサージを施されたことになる。

 

(リトさんに限ってそれはないわよね)

 

 リトさんに性知識がないのはほぼ確定。

 問題はそれがどの程度なのかということ。

 

(確かめないと)

 

 そう思い立ったら行動は早いのが私だ。

 半開きになっていた自室のドアを開けると、廊下に出る。

 

 この時間ならリトさんは自室か、リビングにいるはずだ。

 

 リトさんが童貞なのはいいとして、私のセックスアピールをどれくらい察知できるのかが知りたいのだ。

 相手を知れば作戦を考えられる。

 

「リトさんには悪いけど、確かめないとね」

 

 まずはリビングにリトさんがいるか見に足を運ぶ。

 

(もし……もし本当リトさんに性知識がなかったら……)

 

 私は歩きながら頭の端っこでそんな時のことを考える。

 純真無垢な私の好きな人。

 

 うへへ、と思わず口角が上がる。

 

 邪な妄想が脳内を駆け巡る。

 性的なことを一から教え込む私と、それをスポンジのように吸収するリトさんを思い浮かべる。

 私好みに染められたリトさんの性技を想像してしまう。

 自分好みに異性を調教することが好きな人間がいることはゲームで知っていたが、実際にチャンスが巡ってくるとここまで胸が躍るとは思わなかった。

 

 いいえ、これはみんなのハーレムのためなんだから。

 ブンブンと頭を振り、とにかく目の前のことに集中する。

 

(今日で、決める……!)

 

 リビングからテレビの音が聞こえる。

 人が居るのはわかった。

 

 ドアノブを引いて扉を開く。

 

 

/////////////////////////

 

ガチャ

 

 リビングの扉が開いた。

 

「!」

 

 俺は突然の来訪者にビビりつつ、ナナの太腿を揉んでいた手をさっと引っ込める。

 惜しいが仕方がない。

 

「あ……」

 

 扉から出てきたのはモモだった。

 ニヤニヤとしながら歩いてくるモモ。

 

 先程まで自分の部屋で動画を見ていたはず。

 俺について確信めいたことを言っていたが、それでだろうか。

 

 ナナは俺をチラッと見ると、不自然に勢いよく立ち上がった。

 

「あら、どこかへ行くの?ナナ」

 

「……別に。動物たちの世話してくる」

 

「そ」

 

 お互いに過干渉しない関係が今の会話から感じられた。

 姉妹とはそういうものなのだろう。

 俺と美柑もベタベタするような感じではない。

 

「……」

 

 俺の事を一瞥する。その目は少しだけ不機嫌そうだ。

 そのまま無言で廊下の方へ消えていくナナ。

 

「ふふん」

 

 ナナと入れ替わるようにモモがヒラヒラと踊るように俺の方へ近づいてくる。

 手を後ろに、何かいいことでもあったように。

 

「何かいいことでもあったのか?モモ」

 

「いえいえ、いつも通りですよ?」

 

 モモはニコリと笑いながら俺の目の前に立った。

 キャミソールの肩紐から胸元にかけて、肌色の面積が多い。

 もちろん谷間もばっちり見えている。

 

「あら、どうかしました?私の服、変でしょうか?」

 

「い、いや、すごく似合ってる」

 

 無理矢理谷間から目を外してぎこちない言葉を返す。

 えへへ、と照れ笑いをしてモモは前屈みになり、垂れた髪を耳にかける。

 

「何してるんですか?」

 

「ちょっとニュースをな」

 

「ヘ〜、私もみようかな〜」

 

 

 そういうとモモはくるりとターンして後ろを向く。

 モモの背中がこちらに向く。

 その行動一つ一つが作為的で、演出じみている。

 

「あ、ここってナナが座ってました?」

 

「ああ」

 

 モモは思いついたように俺の隣を見てそう聞いてきた。

 その声には俺に向ける色艶のある声とは別のものが混じっていた。

 

「うーん、じゃあ私はここに座っちゃお」

 

 モモは、キャミソールの背中側は半分以上生地が無く、肩甲骨が丸見えだった。

 モモは胸は年齢にしては大きいが、後ろ姿の肩辺りのシルエットは年齢相応に少女のものだった。

 

 俺はモモの背中を舐めるように見ながら、テレビの画面を見ているふりをしなければならない。

 

「モモ、見えな

「失礼しますね」

 

 完全に意表を突かれた。

 モモが俺の言葉を遮り、さっと足を引くと、ストンと俺の膝へと腰を下ろす。

 モモの発育の良いお尻がムニッと、俺の上に乗っかってくる。

 

 同時にモモの体臭なのか、香水なのか分からないが、甘い匂いが鼻を掠める。

 

「お、おい」

 

「ん、しょっと」

 

 モモは俺の意思など我関せずに行動をする。

 これくらい自分がするのは当然で、俺が許すであろう事を前提にしている。

 

 ムチムチとした尻がズボン越しに俺の触覚を刺激する。

 普段はツンと上を向いている尻の肉が潰され、接地面が輪っか状になってその柔らかさを視覚で伝えてくる。

 スカートの皺が目の前に。

 

 座り方もいつものように上品に脚を揃えることもない。

 前から見たら下着が丸見えになることは容易に想像できる程、脚を開いて俺の膝に跨っていた。

 

「……フフ」

 

 モモはそのまま俺の方に倒れ込み、俺の方に後頭部を乗せた。

 その所作、その表情は明らかに俺の反応を見ていた。

 

(これは……またか)

 

 そう、これがモモの最近の行動。

 しかも一気にギアを上げてきた。

 これまでこんな直接的なセクハラはなかった。

 

「どうしたんだ、急に」

 

「うーん、いいじゃないですか、お姉さまもよくやってますし」

 

「まあ……」

 

 俺は動揺を必死に隠し、モモから視線を外した。

 

 

「もしかして、私はお嫌ですか?」

 

「そんなことないけど、急でびっくりしてさ」

 

 

 こういうのが嫌と言うほど俺はモモを嫌ってない。

 ナナに対して競争心が強いのが気に食わないだけで。

 

 そしてこの状況に下半身が反応しないほど、俺は男を捨てていない。

 

 だが、これは俺にとってチャンスでもあることに、俺は気づいていた。

 超大胆なセクハラ行為は、モモにとって仕上げに等しい。

 このセクハラを乗り越えれば、モモの抱いている『俺に性知識がない』という仮説は彼女の中で確定するは図だ。

 

(耐えろ……モモから意識をずらせ……!)

 

 俺は歯を噛み締めながら、必死にモモから与えられた試験を突破しようと決意を固めていた。

 

「そうですか、よかったです」

 

 その時だった。一瞬、足に感じていたモモの体重が軽くなる。

 モモが立ち上がる、と思ったが違った。

 プリーツの入った柔らかそうなスカートの裾がふわりと舞う。

 

「座り直しますね」

 

 先ほどよりも遠慮が消えた動きで再びモモが俺に跨る。

 先ほどと違うのは、モモのスカートの裾が全て俺の視界に入ってることだ。

 

「ぉ……」

 

 つまり俺の膝の上には、モモの下着が直接乗っかっていることになる。

 モモは座り直す時に、スカートを敢えて広げて座り直したのだ。

 

 先ほどよりも温かい感触が俺の脚に伝わる。

 

「どうしました?リトさん」

 

「んあ?いや、別に」

 

 俺は思いがけないモモの行動だった。

 動揺は収まらず、どうにかソファにもたれかかりあえてリラックスした体勢をとる。

 

(ここで俺が演技を失敗したら、モモの確信は崩れる)

 

 俺は自動的にモモに手を出す選択肢を消す。

 正直バレてもいいから、性欲の赴くままにモモにエロい事をするという選択肢もあった。

 しかしそれだと、『リト』そのものへの信頼がなくなる。

 それだけは避けなければならなかった。

 

 問題はどういった態度でやり過ごすかだ。

 そう思った矢先のことだった。

 

「あ〜少し蒸れちゃった」

 

 モモの声とともに、モモが動いた。

 

 俺の前には、白い清楚な下着があった。

 それもチラリとではなく、今も見える。

 

 事もあろうに俺に跨る少女は、スカートの裾を持ち、パタパタと仰ぎ始めたのだ。

 俺のことなど気にしてないふりをして、俺の反応を見るために。

 

(こいつ……!)

 

 俺の肉棒は、ズボンに抑えられて痛いほど硬く大きくなっていた。

 俺は性知識のない人間を演じなければならない。

 

 白い飾り気のない清楚な下着だった。

 少し生地が少ない、大人っぽいデザイン。

 柔らかそうな白い尻が、見えたり、隠れたりを繰り返す。

 

「ふふっ」

 

 モモはさっきよりもさらに激しくスカートを上下に振りながら俺のことを見る。

 スカートで俺の性欲を煽っているとしか見えない。

 

 押し倒したくなるが必死に理性で押さえつける。

 俺はどうにかして、モモの肉体から気を逸らすためにテレビに意識を向ける。

 

「……?」

 

 俺の注意が他に向いたことにモモが気が付く。

 俺の目線を追って、モモもテレビへと視線が向かう。

 

 

『xx年度の出生数が過去最低になり……』

 

 今年の出生数が激減し問題になっているニュースだった。

 服さえ着ていなければ、まさに子作りしていてもおかしくない体勢でいるのがなんとも奇妙だった。

 モモの柔らかい太腿の感触が熱い。

 

「どうなるんでしょうね、これから」

 

 ニュースを見た瞬間から、この手の質問が来ることは予想していた。

 俺は予め用意していた性知識のないアホな回答を口から唾のように吐き捨てる。

 

「ああ、コウノトリさんが赤ちゃん運んで来なくなるなんて思いもしなかったよ」

 

「はい?」

 

 呆気に取られたモモの顔がなんとも間抜けだった。

 それにしても、どんどんと自分の中のプライドが崩れていくのを感じる。

 くそ、なんだよコウノトリさんって。

 

(よし、これで……)

 

 安心した俺は、息を吐きながらソファに背を預ける。

 性知識のない俺を演じるのは疲れるが、今の発言で大分モモは確信を得たはずだ。

 

「……」

 

 モモはポカンとした顔をして、俺とテレビを交互に見る。

 そして何かを悟ったように、はっ!と目を見開く。

 

「(やっぱり……そうだったのね……!)」

 

(くっ!何が「やっぱり」だ、何が)

 

 これでモモも確信したんじゃないだろうか。

 流石にこれで、俺が演じたリトは、子供の作り方も知らないレベルの人間ってことがわかっただろう。

 

 あとはジュースでも飲みながら、モモの挑発的な行動をやせ我慢しながら満喫すればいい。

 

 しかし俺の油断を逆手に取ったのか、モモは俺の想定外の行動に出る。

 

「ん?」

 

「リトさん、手を……」

 

 俺に跨ったまま、モモは俺の手を引っ張る。

 心なしか、モモの声が硬い気がする。

 

「大きい、ですね」

 

 俺の手を下から包むように持って、モモはつぶやいた。

 ふー、と一つ深呼吸をして言った。

 

「リトさんの手……私のブラジャーよりぴったりじゃないですか?」

 

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