ある昼のこと、仲睦まじく食事を摂る提督と金剛を、遠巻きに見つめる者がいた。
彼女の名は榛名。金剛の妹にして、淡路島鎮守府のエースの1人でもある、1人の乙女。そんな彼女はある悩みを抱えていた。最近になって、彼女もまた提督に心惹かれる艦娘の1人となったのだ。
だが、皆の尊敬を集める提督と、敬愛するお姉様。側から見ればお似合いのカップルであり、その絆の強さは誰の間にも明らかだ。
楽しそうな2人の間に入れない。
故に話すキッカケが作りづらい。
それが所謂「提督LOVE勢」の悩みのタネとなっていたのである。
私達は諦めるしかないのか。そんな諦めにも似た空気を打破すべく、榛名は勇気を振り絞った。
「提督、お隣よろしいですか?」
「うん、おいで」
「Good afternoon,榛名!」
「はい!お姉様!」
「しかし、榛名が来るなんて珍しいな、何かあったのか」
「そうだ、今日榛名は、お姉様にお願いがあって来ました。」
「OK!カワイイ妹のためなら、何でも聞いてあげマース!」
「今度、その…提督を1日、榛名に貸していただけないでしょうか?」
「どういう風の吹き回しデース?」
「実は榛名…お2人のようなみたいなカップルに憧れているんです!
なので、その……まずは、デートを体験してみたくて…」
「oh!榛名がそんな事を言うとは予想外ネ!」
「ごめんなさい!榛名は出過ぎた真似を…」
「No problem.提督で良ければいつでも貸してあげマス」
「俺は物じゃないんだが……まあいい、何かプランはあるのか?」
「はい!実は榛名、以前からここへ行ってみたかったんです!」
そう言って榛名が取り出したのは、「須磨海浜水族園」と書かれた地図と、2人分のチケット。海水魚はもちろん、淡水魚やペンギン・カピバラと様々な生き物が見られる人気スポットだ。
どうやら彼女は、前々からこの計画を練っていたようだった。
「スマスイか…俺も昔、家族と一回だけ行った事がある。久しぶりに行って見るのも悪くない」
「…!じゃあ……」
「OKだ。予定は榛名、君に合わせるよ」
「ありがとうございます、提督!それじゃあ明日にでも行きましょう!」
「じゃあ明日の…そうだな…マルナナマルマルに港に集合で。」
「了解です!ありがとうございました!」
そして榛名は浮き立つ足取りを隠そうともせず、そそくさと食堂を後にした。
「テートク、榛名をよろしくお願いしますネ♪」
「良かったのか?」
「榛名の気持ちはよーく分かりマス。テートクと一緒にいると、胸がポカポカしてくるネ。だからテートクも、明日は榛名の事をめいっぱい愛して上げてくださいネ♪」
提督は無言で頷いた。一方、
密かにこの会話を聞いていた何人かの艦娘も、何かを決意した表情で目配せをしていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「おはよう、榛名。」
「おはようございます、提督。今日はよろしくお願いします!」
現れたのは、いつもの制服から一転、薄手の白いコートに黒のワンピースを見に纏い、淑女然とした佇まいの榛名だった。
提督はあらかじめ港に持ってきていたジェットスキー「スキッパー」に跨ると、榛名も続いて搭乗した。
「寒くない?」
「はい。提督の背中が暖かいので、榛名は大丈夫です!」
「そ、そうか…じゃ、行くぞ」
恋する乙女とその従者を乗せて、鉄馬は水上を駆ける。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
須磨海岸にある船着場の一角にスキッパーを停め、2人は目的地へ向かう。
案外早く到着したらしい。「ようこそスマスイへ!」と書かれた門が2人を出迎えた。
「それでは、楽しい1日をお過ごし下さい」
「提督、早く行きましょう」
「ちょ、ちょっと榛名!痛い、痛いって!」
回転アーム式ゲートをくぐり抜けると、榛名は提督の袖を掴み、小走りで細い通路を抜ける。その先に待っていたのは、壁一面に広がる大水槽だった。エイやアジ、シロワニを初め実に様々な姿の魚が泳ぎ回っている。
「こりゃ壮観だな…」
「見てください提督!あの平べったいお魚、前に見た事があります!」
「あれはマンボウだな。時々海上へ日向ぼっこに来るから、榛名が見たのはそれじゃないかな。」
「お魚達にとっても、海は冷たい物なんでしょうか…?」
「かもな、。まあ、日向ぼっこする魚はマンボウ位だろうけど…」
「今度見かけた時は、榛名もご一緒してみたいです」
「…任務に影響が無いように頼むよ」
「えへへ…さあ提督、次へ行きましょう♪」
「ああ」
++++
その後は順々に、海で生活する生き物や淡水魚、熱帯魚なんかを見て回った。少し前まではラッコやアザラシを見れたり、イルカショーなんかもやっていた様だが、来るべき大規模リニューアルのために本館以外の展示をストップしているとの事だった。
提督もイルカショーには興味があっただけに残念だったが、榛名がとびきりの笑顔を見せてくれたのでヨシとした。
…だが、最後の最後にトラブルが発生した。バケツをひっくり返したような大雨が、2人の帰路を阻んでしまったのである。
「提督、どうしましょう…」
「ホテルが無いか調べてみる………お、ちょうど近くにあった。
…榛名、そこを真っ直ぐ進んで、ここを曲がるんだが、走れるか?」
「はい。榛名は大丈夫です」
「よし。それじゃあよーい…ドン!」
「提督!お土産がっ!」
「俺が持つ!とにかく走れーッ!」
それでも転ぶといけないので、2人は小走りで雨の中を行く。
飛び込むようにホテルの入り口へ入ると、素早くチェックインを済ませ、部屋に転がり込んだ。
「かなり濡れたな…」
「はい…あ、提督!洗濯機がありました!こっちにはシャワー…も………あれ?」
その部屋は、薄いピンクの照明に照らされたダブルベッドを中心に、天井から腰丈まで伸びる縦長の窓、なぜか全面ガラス張りのシャワーブースが置かれており、一般的な「ホテル」とは明らかに違った空気感を漂わせていた。
(これってもしかしなくても…)
(ラブホテルってヤツか!?)
(らぶほてる…でしょうか…?)
急に2人の空気が気まずくなる。勿論提督に悪気は無かったのだが、ここがどういう場所かを悟った時、多少の下心が湧いたのもまた事実だった。
一方榛名はというと、気恥ずかしさで頭が一杯だったものの、
心の奥では密かに、まるで漫画のような展開に胸を躍らせていたのである。
「えっと…榛名は先にシャワーを浴びててくれ。
お、俺は鎮守府に連絡とかしなきゃだし…な?」
「わかりました…」
榛名はクローゼットから備え付けのバスローブを___他に入っていた"オモチャ"やらは無視して___引っ掴むと、そそくさと個室へ入っていった。
幸い、このけしからんシャワーブースにはカーテンがあり、内側からすっぽりと榛名を隠してくれた。
提督は金剛に一泊するとだけ伝えると、震える手でテレビのスイッチを入れた。すると今度は、大音量で女性の喘ぎ声が流れ始めたので慌てて切った。
「…どうしよう」
雨音とシャワーの音だけが響く中、提督は独りごちた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
榛名がシャワーを浴び始めてから数十分が経った。
冷たかった服も自分の体温で緩くなって気持ち悪くなってきた頃、いいかげん焦ったくなった提督はシャワーブースの扉を軽くノックした。
「榛名ー?そろそろ交代してくれると嬉しいんだけど…」
返事は帰ってこない。念の為もう一度、今度は音量を上げて聞いてみても結果は同様だ。諦めて戻ろうとした時、提督の耳は助けを求めるような榛名の声を逃さなかった。
「とく…ていとくっ…!」
「榛名!?」
一気に緊張の糸が張り詰める。どうやら、扉の向こうで何かがあったらしい。
「おい、大丈夫か?開けるぞ!」
ガチャリ
「きゃあ!」
提督の目に飛び込んできたのは、無防備に足を広げて床に座り込み、一心不乱に己を慰める榛名の姿だった。
こちらに気づいた途端、乳首をくりくりと弄っていた片手は止まったが、もう片方は寧ろ、提督の出現に歓喜するかのように指の速度を上げていった。
「ていとく!?…だめ、みないで…っ…だめ…なのにいっ…♡イ…く、ああッ!!」
数秒後には大きくその肢体を跳ね上がらせ、とてつもない快楽と共に絶頂してしまった。
再び陰部に手を伸ばす手を理性で押さえつけ、提督を見上げた榛名は、ろくに回っていない頭で必死に弁解を試みる。
「ていとく…はぁ…はぁ…これは…」
「…ごめん」
そう呟いて戸を閉めると数分後、身体にタオルを巻いた榛名が出てきた。
「…どうぞ」
乱暴に服を脱ぎ捨てると、それを榛名の服も一緒に入った洗濯機に放り込んでスイッチを押した。
無言のままシャワーブースに入ると、甘ったるい匂いが鼻をくすぐる。そんな最高で最低な気持ちのまま、手早くシャワーを浴びるのだった。
いつのまにか、雨は止んでいた。
「榛名…?」
ベッドにうつ伏せになり、枕に顔を埋めている榛名に、恐る恐る声をかけてみる。
「…ごめんなさい」
名前を呼んでも返ってくるのは謝罪だけ。
「悪いのは俺の方だ。もっと注意を払っていれば…」
「いえ…悪いのは榛名の方です…提督が待っていたのに、あんな所ではしたない真似を…」
「それにその…アレだ。俺だって我慢できない時はあるし、大胆な事がしたくなる事もあるよ」
「本当ですか?」
「本当だ」
「………提督。今から榛名が何をしても、提督は榛名の事を嫌いにならないと誓えますか?」
「…良いだろう。約束する」
これで気分が晴れてくれるならと、軽い気持ちで提督は頷いた。
___それが、榛名の欲望に火をつけるとは知らずに。
「許して下さい、提督。今日…榛名は、大胆になります!」
榛名はバスローブの帯を解きしなやかな、しかし、出る所は出ている裸体を提督に晒した。
行動とは裏腹に、その顔は真っ赤に染まっていたが。
「はる…な…?」
「それでは提督、榛名の…はしたない…オ、オナニーを……しっかり見ていて、ください…」
両手で胸を鷲掴みにすると、まるで料理の下準備をするかのように揉み始めた。
「はじめは…んっ♡こうやって…おっぱいから、あっ♡順番に気持ち良くしていくんです…」
やがて乳房から、ぐちょぐちょに濡れた女陰へと指が移り、それに合わせて、榛名から漏れ出る声も段々とうわずっていった。
「提督も我慢しないで…っ♡おち、んちん…しこしこしてる所、榛名にも見せて…んっ♡ください♡」
提督もゆっくりと下着を下ろし、これ以上ないほどギンギンに勃起したペニスを榛名に見せた。彼女の目の色が変わったのがよく分かる。その熱い視線は、提督の表情と、扱かれるペニスに注がれていた。
お互いの身体をオカズにしながら、2人は順調に高め合っていく…
「提督の先っぽから、何か漏れてます♡…榛名で興奮してくれているのですか?」
「ああ。正直、すぐにでもイきそうだ…!」
「良かったぁ……榛名も、もう限界です…///提督、もっと近くでしこしこしてる所を見せてくれませんか?」
榛名の動きを阻害しないよう、彼女の目前にペニスを突き出した。逐一かかる榛名の吐息が、更に提督を射精へと導いていく。
加減するのを止め、限界まで擦る速度を上げると、鈴口に夢中になっている榛名に、その狙いを定めた。
「もう無理……っ!」
「はい…♡はるなも、イきまひゅ…っ♡」
「ぐぉっ_____!」
ビューーっ!びゅぐッ!びゅるるっ♡
反り身になった身体目掛けて、白濁した欲望をぶちまけた。溢れた液体は顔を伝って谷間へと吸い込まれていく。榛名は慣れない食感に戸惑いながらも、ソレを飲み干した。
「はぁ…はぁ…これが、提督の……」
「悪い。今水を__」
「いえ、榛名はこのままで大丈夫です。
それより提督、これを…見てください♡」
榛名はだらしなく涎を垂らす陰唇を広げ、提督に見せつける。ぐちゅり、ぐちゅりと舌なめずりする音が聞こえてくるようだ。
「榛名は準備万端です♡提督……最後に一回だけ、本物の恋人みたいに、榛名のおまんこを…ぱんぱんって、突いてくれませんか……?」
提督は無言で榛名の上半身を抱き起こしてやると、そのままペニスをズプリ、と挿入した。
「んっ…ん…あ♡♡これが…て、とくのおち……んぅっ♡」
(なんだこれ…締め付け…やば…!)
本人は気づいていないだろうが、榛名の蜜壺は名器と呼んで差し支えないモノだ。
内部の襞がぞわぞわと蠢き、ペニスの敏感な部分をランダムに擦り上げてくる動きは、提督も対応しきれない程の強烈な快楽を生み出した。
反撃したい所だが、上にのし掛かられているせいで、上手く腰が動かせない。
一方で、一心不乱に腰を振る榛名も限界が近いようだった。
「榛名!手を離せ!」
「ダメですっ!中に…中に下さい…っ!大丈夫、です、からぁっ!」
「ぐっ……
「んあぁあぁっ、はるなも、もうだめなのっ♡イきます…っ、いっしょに…っ!あぁ、はぁあああ…!!」
ぶぴゅっ♡ びゅぷぷぷぷぷぷっ! どぷぅっ♡びゅぐぅッ!!!
その射精を最後に、2人の意識は闇へと沈んだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
日の出と共に、提督は目を覚ました。
全裸のままで寝ていた2人の間に、朝の冷たい空気が通り抜けていく。榛名が身体を震わせていたので布団を掛けると、やがて彼女も覚醒した。
「おはよう、榛名。」
「おはようございます、提督」
「…気分はどう?」
「うまく言い表せませんが…身体が、ふわふわします…」
「それは良かった。
……お腹が空いたな、何か買ってこよう。」
提督は洗濯機から服を出して着ると、近くのコンビニへ朝ごはんと飲み物を買いに出かけた。
榛名は部屋の窓を全開にし、軽くシャワーを浴びた後、身だしなみを整え提督の帰りを待った。
++++
「…ずっと憧れてたんです、こうやって恋人みたいに過ごす事。」
ホットココアを啜りながら、榛名は独り言の様に語り始める。
「提督に抱かれている時…榛名は幸せな気持ちで一杯になって……それで気づきました。」
そして提督の顔をじっと見つめ、言った。
「榛名は提督のことが好きです。心から…愛しています。
金剛お姉様がいるのは
提督は榛名の腰へ手を回し、義手で彼女の頭を撫でた。
「君が望むなら、俺は金剛と同じように君を愛そう」
「…本当ですか?」
「ああ、約束する。」
無言で唇を重ねる。湿っぽい音が、小さく朝焼けにこだました。
「提督は優しいのですね。」
「…見境がないだけだよ。口だけならなんとでも言える」
「そうですか___でもそう言ってくれて、榛名は嬉しかったです!」
「…帰ろうか」
「はい!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
帰投後、榛名を待っていたのは、艦娘からの質問の嵐だった。
憧れの提督とデートに行った上、朝帰りまで行ったとあれば、誰だって興味が湧くだろう。
「__それで、榛名の事も愛してやるって言われたんです。」
聞いていた艦娘達の間で、小さな歓声が上がる。
「それで榛名さん。ぶっちゃけ提督の
「えっと…その……とても気持ち良かったです…」
「「きゃー!!!」」
「皆楽しそうだな」
その様子を遠まきに眺めていたのも束の間、提督は瞬く間に囲まれてしまった。今度は提督の番である。
「提督!私も愛して頂けますか!?」
「コレはチャンスよ…これを機に司令とお近づきになって……」
「私の事は…どう思ってるのかしら?」
「お前ら落ち着けって!言いたいことは分かるけど、要件があるなら書類にまとめて……」
「そう言い逃れすると思って、昨日の内に彼女達の要望をまとめた用紙を作成しておきました」
会話に割り込んできたのは、向かいの席でパフェを食べていた大淀だった。提督を睨みつける彼女の心境を例えるなら、割れる寸前の風船、といった所か。
「えっと…大y「毎日毎日……報告に来るたび惚気を見せつけられる私の身にもなって下さい!
ああ良いですよね提督は!金剛さんという者がありながら取っ替え引っ替え楽しんで!私なんて毎晩1人寂しく____あっ」
「……」
「__コホン。兎も角、執務室に戻ってさっさと目を通しておいて下さい!」
「提督、貴方に好意をもってるのは金剛さんだけじゃ無いって事、それは忘れないでね」
「……肝に命じておく。」