いわゆるエロステータス鑑定を何故か現代で持たされた学生の話 作:オキフの謳
さて。
唐突だが、俺は今めちゃくちゃ呆れている。
なぜかというと……近所のちょっとしたマイナー宗教の集会場が、例の一神教をモチーフにしつつなんかちょっと違うメジャー宗教のマイナー宗派*1の教会になっていたからである。
なお、昨日はフツーの集会場兼住居、といったものだったが、それが今日になっていきなりガチの教会になっている。
ちなみにそのマイナー宗派自体も今日初めて聞いた。
シナリオにしてもこれやりすぎでねーの……?
元々住んでた人たちどこ行ったの……?
そもそも一晩で建物から変わってるとか今回派手、というか認識阻害で元の建物をそう見せているだけじゃないんだな……?
そんな疑問が湧いて出る。
なんとなくちょっと散歩するかな、と思ったらコレだよ。これだからこの世界はまじで油断ならん……。
呆れつつ、それなりのエイジング加工でもしたのかある程度の貫禄が見て取れる教会を見ていると、ふと、教会からシスターさんが出てきて表の掃き掃除を始めた。
モチーフの方だと頭に……なんだっけ、確かウィンプルだったか、そんな感じのフードのようなものをガッチリ着用していたものだが、今世ではゆるく被り、髪の毛やらも大いに出していても問題ないらしい。
ふと、気になって。
「あの、中にはいってみても大丈夫ですか?」
「え? あ、はい、どうぞ。いつでも門は開かれております」
そのシスターさんに話しかけてから、教会の中に入る。
《鑑定結果》
・名前:國本 理紗
・性別:女
・T/3サイズ:152/76:55:78
・処女 -
・総性経験値:121
・状態異常:なし
・行為歴
3時間前:クリ弄りオナニー:-
……最近覚えたんかね。妙に経験値低いけど。
それはともかく、特に不審点のない鑑定結果である。
教会の中も、近所の人らしき人が、長椅子のあちこちにチラホラと座っていて、祈っていたり考え込んでいたり、果ては寝ていたり……いいんだろうか。
「……」
モチーフの方であれば『主』の偶像はなかったはずだが、こちらの場合はステンドグラスにデカデカとその御姿が描かれており……しかしながら絵心、あるいは宗教的な知識のない俺にはそれがなんのシーンなのか、あるいはどういった存在なのかはまるでわからない。
わからないが……。
「初めていらっしゃる方ですよね。何かお悩みでも?」
今日ぽっと現れたはずの教会に、相応の『履歴』っぽいものがあるような会話を先程のシスターさんに持ちかけられて戦慄しているのである……!
思えば近所らしき人もなんか足繁く通っておりますな雰囲気を醸し出しており、そこに俺のようなやつが混ざればそりゃあ目立つことだろう。
目立つのだろうが……
お前ら昨日にはまだここ教会じゃなかったんですよなんかカルトっぽいまだふぁっかな*2宗教の集会所だったんですよあんだすたん!?
などと言えればどんなに良いことか。
シナリオに認識を弄られている以上、そんなことを叫んだところで頭おかしいやつ認定を食らうのは俺である。
「いえ、特には。単に散歩している最中にここを見つけまして」
そして世界が時折シナリオに動かされてヤベーことになってるわで見過ごせないものにたまに介入してますが終わりが見えないのが悩みの種です!
……なんて、これも言えるわけ無いだろ黄色い救急車に用はねえ!!
つーかこのシスターさん誰だよ見たことねーよ日本人名の癖に染色にしてはきれいすぎる金髪及び碧眼なんだが肌色体型その他がガチ日本人のこの人誰ぇ!?
「そうですか。散歩は健康に良いですからね。いつでもいらしてくださって構いませんし、お悩み事ができたらこちらもいつでも相談してくださいね」
「はい、ありがとうございます」
そんな内心荒れ狂いつつも、表面上は穏やかに取り繕ってそう答える。
答えたんだが、シスターさんの表情がなんとも言えない微妙な、先ほどとは違う笑顔になっている。俺は変な表情でもしてたんだろうか……?
その疑問は翌日に解消された。
◆ ◇ ◆
「あの……す、すみません、た、助けていただけませんか……?」
翌日もなんとなーくその教会の前を通りがかったところ、例のシスターさんが俺を見るなり驚いた顔をして、こちらに向かって走り寄ってきてからの第一声がそれである。
「へ? 俺?」
「はい、そうです!」
思わず自分を指差す俺に対して、そのシスターさんは何やら興奮した様子で頷く。
ただ……興奮している、というよりは衝動的に縋ってきた、とでも言えそうな有り様で、この段階でまじまじと顔を見たのだが、顔色が酷く悪いし、なおかつまたたった一日で目の隈が酷い。服の袖を掴んできているのも、摘むではなく掴むと表現したように、両手で俺の両腕の袖を掴んでいる。
「……」
《鑑定結果》
・名前:國本 理紗
・性別:女
・T/3サイズ:152/76:55:78
・非処女 初体験:繋がりし羊
・総性経験値:64325
・状態異常:恐怖症(蛭、犬、蜥蜴、虫、蛙)、恐慌、理性崩壊(62%)、性交依存症(中度)、潜伏淫紋、魔力噴乳体質、催眠抵抗度減衰、感度増幅(倍率4)、その他24種省略
・行為歴
22分前:屈服媚び豚姦:-
「…………」
《鑑定結果》
・名前:國本 理紗
・性別:女
・T/3サイズ:152/76:55:78
・非処女 初体験:繋がりし羊
・総性経験値:64325
・状態異常:恐怖症(蛭、犬、蜥蜴、虫、蛙)、恐慌、理性崩壊(62%)、性交依存症(中度)、潜伏淫紋、魔力噴乳体質、催眠抵抗度減衰、感度増幅(倍率4)、その他24種省略
・行為歴
22分前:屈服媚び豚姦:-
3時間前:粘体子宮責め:-
8時間前:麻痺鼠昏睡姦:-
14時間前:市民拘束輪姦:-
19時間前:妖鬼拘束輪姦:-
22時間前:吸血鬼空中姦:-
1日6時間前:屈服媚び豚姦:-
1日15時間前:蛆出産:-
……おかしいな。
1日3時間前:クリ弄りオナニー:-
って出てなきゃおかしいんだが、ない。
つまり、ループや時間歪曲ものかつ異種姦尊厳陵辱系エロゲに巻き込まれたのか。不憫な……。
しかしこの人が俺に声をかけてきて、なおかつ縋るような目をしている理由がマジでわからん。
ただ、理性崩壊62%って、SAN値38って考えると相当ヤバいというかほぼ崖っぷちと言って良い。つまるところバッドエンド、あるいはデッドエンド直前。どんなエフェクトがこっちにくるかわからないし、あるいはこんな状況の人を見捨てるわけにもいかない。なおかつ、この人がそのような状態であっても状況にいくらかでも乗り気である理由がわからない。
「えっと……よくわからないのでお話を聞かせていただいても?」
「はい、あの、奥へ。全部……全部、説明しますから、助けてください……」
そうやって、教会の奥の部屋に案内されたのだが……教会に入った段階で、鈍い鈍いと言われまくっている俺でもわかる雰囲気の異様さ。
教会に入った瞬間中の全員がこっちを見てくるし、その視線に何やら不愉快なものをべらぼうに感じる。例えるなら、モノトーン調でありながら眼光だけ下卑た真紅。
俺がいるからか、近くを通りかかったシスターさんにセクハラその他を仕掛けるわけではないようだが。
とりあえず、奥の部屋へと入った。単に応接室、あるいは執務室と言った風情である。なんとなくスマホを見るが、一応アンテナは最大感度であった。
「私、理紗といいます。その……し、信じてもらえないかもしれませんが……退魔師で、その……て、転生者です……」
そう来たか。ゲーム転生か、あるいはそもそものシナリオとしての転生か……エロゲだし多分TSもしてるな。
続きを促す。
「こ、この、世界は……その、信じられないかもしれませんが、げ、ゲームの世界を下敷きにしていて……なにも、かも、そのゲーム通りで……」
「なんていうゲームなんですか?」
「……え? あ、はい、退魔師理紗~苗床凌辱無限回廊~、です」
……最悪極まるストレートな名称である。
更に詳しく聞いたところ、分類はRPG。ノンフィールドダンジョンタイプで、ダンジョンを規定階層進み、戦闘や探索で強化要素を得ていくタイプ。つまり、ビルドやプレイングをしくじると、あるいは引きが悪ければ簡単に斃され、今朝に戻るとか。加えて、ある程度の引き継がれる強化もまああるにはあるが、先程の鑑定結果を見れば判る通りバッドステータスも累積する。ゲームであればハハハブザマエロカワイソエロで済むのだが、見て判る通り、この人もう限界なのである。普通は隠蔽するであろう転生者であることすらぶちまけて、俺に助けを求めてくるぐらいなのだ。
さて、それでなぜ俺に話しかけたのかというと、昨日*3見た俺を、再度見たのが今回になって初めて、なおかつ俺に誰にでも効果を発揮するアライメントチェックが全く効果を発揮しなかったからだとか。ちなみに何度も巻き戻され続けた結果、身の回りは堕落しきったアライメントダークだらけの孤立無援。
しかもゲームが現実になったからか、進むを選べば進行していたあらゆる物事が手動になっており、なんなら道に迷えば実質体力浪費のバッドイベント。ダメージによりHPが半分を切る頃には痛みで動けなくなり、MPが同じく半分を切る頃には精神的な疲労で思考すらおぼつかない。そんな難易度リアルナイトメアであるというのに、ゲームバランス自体はゲーム時代のカツカツバランスそのまま。
クリアなど到底できはしなかったし、しくじる度に積み重なり、指数関数的に影響を増していくバステ。雀の涙のような強化もあるが釣り合ってなどいない。人としての尊厳をすべて擲って、人でないナニカまで一度堕ちてから逆襲する、なんてルートもあるにはあったが……いかにすでにか細いとはいえ正気を手放すことは恐ろしすぎてできなかった。だが、このままでは普通に正気を失い、転がり落ちていくのは時間の問題である……というのが彼女の状況だった。
「だから……何でもします! 何されてもいいです! この状況から、助けてください!」
理沙さんは必死に頭を下げる。
とはいえ……とはいえ。
対怪異なんて俺は欠片も戦力にならない。なるとすれば、やはり中田さん界外さんの魔法少女コンビであろう。すべてを物理と神秘の両面からなぎ倒せる、俺の知る限りサイキョーのコンビである。
ただ、状況はあの二人の到着を悠長に待たせてはくれないらしい。
バァン!
突如、すごい力で叩きつけられたかのように、部屋のドアが内側に傾いで、そして再度叩きつけられたか、外開きのドアは真ん中から真っ二つに折れ、蝶番も引きちぎられるようにして破られた。その開いた穴から、なんというか、真っ黒な犬? 狼? ただしそのサイズは自動車並み。*4
「なんで……まだ、時間は残って……!?」
そして、それを見た理沙さんの様子がおかしくなった。
「……妖犬……しかも指揮個体……じゃない、特異個体!? まさ、か、”淑女の尾”!? やだ……」
座っていた椅子から転げ落ちるようにして後退り、壁にぶつかってもそれでも後ずさろうとする。
「やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ嫌だ!? 来るな、来ないで、やだぁぁぁぁぁーーーっ!!」
……恐怖症(犬)のせいだろうか? それにしては反応が劇的すぎる気もする。
恐慌の声を上げる理沙さんを、あるいは俺すらも、くだんの”淑女の尾”とやらは意に介さず、ぬるりと部屋に入ってきて、理沙さんに近づいていく。
せめてもの抵抗に、座っていた椅子を振り上げぶつけてみたものの、特に何も影響がないらしく、俺の腕が反動で痺れただけだった。
「あ、あ、あ、あああああぁぁぁぁぁぁぁ……」
ループしているからこそ、受けた暴虐を覚えてしまっているのだろう。
理沙さんは近づく”淑女の尾”に怯えるしかできず、あるいは失禁すらしてしまっている。
悠々と”淑女の尾”は理沙さんに近づき、ぐわっとその大口を開く。椅子を口に突っ込んでやろうと持ち上げた瞬間、
「どぉっせぇぇい!」
「!?」
突如、文字通りその場に出現した中田さんにぶん殴られて、”淑女の尾”は吹っ飛ばされた。
「お待たせしました」
俺の隣には岡本さん。
《鑑定結果》
・名前:岡本 由希
・性別:女
・T/3サイズ:139/68:53:72
・非処女 初体験:自身の指(激しいプレイにより喪失)
・総性経験値:8270
・状態異常:なし
・行為歴
1分前:時間停止衆人環視環境ロータープレイ:-
つまり、中田さんと一緒に時間停止することで、擬似的に瞬間移動してきてくれたということだろうか。
次いで、砕かれていたドアから、界外さんの得物であるアレ、スターが物凄い勢いで飛び込んできて、”淑女の尾”の頭を粉砕。
”淑女の尾”は、ドロップアイテム*5の妖魔のソウル(無傷)と幾ばくかの素材を残して消え去ったのだった。
名称:淑女の尾
分類:妖魔
種別:妖犬
解説:妖犬の指揮個体*1の特異個体*2。
打倒した退魔師を性的に襲うのは通常個体などと変わりはないが、事後、交尾結合状態のまま対象を連れ歩く特徴があり、その状態が女性を尾にしているように見えるための通称が”淑女の尾”である。亀頭球の膨張により抜けない状態であることと、本来の尾が被害者の肛門から潜り込み、脊柱に干渉して四肢の自由のみを奪うので抵抗もできないまま犯され続けることになる。潜り込んだ尾から栄養供給などがあるのか、被害者は苗床として長期間繰り返し使われる他、戦闘時の盾等としても扱われる。繰り返しになるが、被害者は四肢が動かないだけで意識、感覚などは正常であり、時に殺してと叫ぶ”尾”もいるとのこと。