※この作品はR-18です。

いわゆるエロステータス鑑定を何故か現代で持たされた学生の話   作:オキフの謳

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生活周辺の通りすがりの美人や有名人を覗いて楽しんでいたら、身の回りが割と淫獄だった学生の話・2

「おっすおはよう」

「おう、おはよう」

 

 現代日本では、よほどの有名人でもない限り、名前だけぽんと渡されてもそいつがどこの誰なのかを調べる手段に乏しい。探偵とかにはそれなりのコツとかコネとかあるのだろうが、一学生である俺にそんなものはない。

 「青柳良介」とやらが誰なのかを探す方法を考えて悶々としていたが、一晩考えてもまるで思いつかない辺り、下手の考え休むに似たりとは言ったものだろう。

 

「……ん? なんかひどい顔してるぞ? どうした?」

「……え? あ、そうだね。」

 

 そんなこんなで気がつけば部屋には朝日が差し込んできており、結局短時間の仮眠程度しか寝れなかった。そのため、顔に疲労が出ていたのだろう。

 学校の最寄駅から歩く途中に出くわした友人、水原慎吾とその幼馴染、遠山七枝に心配されてしまった。

 

「あー、んー……お前らならいいか」

 

 八方塞がりである以上、こいつらに意見を求めてみてもいいかもしれない。

 なにせ、この水原というやつは、筋金入りのいいやつなのだから。

 

 

《鑑定結果》

・名前:水原 慎吾

・性別:男

・童貞 -

・総性経験値:0

 

 

 そう、0である。

 つまり、こいつは産まれてからこのこのかた、ただの一回のオナニーすらしたことがないのである。隣にかなり美人で胸のでかい幼馴染がいるというのに。傍から見てもしょっちゅうアタックかけられているのに、こいつはそれに気づいていないのか無視しているのか、ともかく梨の礫。

 あまりの朴念仁かつその真っ白っぷりに、俺は内心で水原のことを「午後七時放映アニメ主人公くん」、略してハムくんと呼んでいる。もちろん、口には出さないが。あとその微妙に良い体格とか毛髪量の多い髪型とかも主人公っぽい。

 語呂が悪い? ほっとけ。

 ともあれ。

 

「えーと……麻衣子に男ができたみたいなんだ」

「今更のシスコン発症か?」

「素直に祝福してあげたら?」

「相手が普通ならな」

「……どういうことだ?」

 

 ハムくんが怪訝な顔をする。

 

「どうやって知ったかは麻衣子のプライバシーに関わるから言えないけど。麻衣子に相当の無茶させてんじゃないかな、って気配がな……」

 

 首をかしげるお二人。

 

「……あやふやだなあ」

 

 まあ、あやふやにならざるを得ないのはこちらも承知している。

 なにせ、相手の情報は名前と、あとは麻衣子の総性経験値が千オーバーしていることぐらいしかないので、そうもなろう。

 そして、この総性経験値が千オーバーというのが問題である。麻衣子の年齢に対して明らかに多すぎる。今まで覗き見しまくってきたからにはある程度の傾向というものもわかっているのは以前述べたとおりで、麻衣子の年代だとおよそ200から400程度になるはずだ。なので、それが千オーバーということは、よほど頻繁に盛っていて、なおかつ多種多様でその上マニアックなプレイを相当しているとしか考えられない。先日の初めてベッド・インしたカップルを思い出してほしい。あれくらいの値が普通なのだ。

 なのに、明らかにまだ若い麻衣子にそんなことをさせるとは、相当によくない輩の可能性がとても高い。

 

「プライバシーに関わるってことは相当グレーなことしたのか。まあ、それならそこから更に探ってみるとか?」

「あとは、麻衣子ちゃん本人に聞くか……でも、そんな辛そうとか無理してる気配、あった?」

「まったく。七枝は?」

 

 ハムくんの問いに、遠山はふるふると首を振った。さらさらとしたロングヘアがつられて揺れる。

 

「そっか……まあ、あんまやりたくないが、調べたところからもう一度調べてみるよ」

「そうしとけ。こっちでも一応、麻衣子ちゃんに変な様子がなかったか、気にかけておくし、ある程度ばれないように聴き込んでみるよ」

「私も」

「せんきゅ。購買の紙パックぐらいなら奢るわ」

「こういうのは奢らんでいいさ」

「そうそう。真面目に悩んでるみたいだったし」

「……あー、ありがとう。なんかあったら逆に力になるよ」

「そういうほうがいいさ」

 

 確かに、麻衣子の鑑定をより詳細に行えば「青柳良介」の情報を新たに掴むこともできるだろう。

 ただ、麻衣子の下事情をそんな赤裸々に暴いていいものなのか、という罪悪感はつきまとう。普段覗き的に行っているのは、関わりが薄い人だからこそわーえっろ、で済ませることができる人たちか、あるいはハムくんのような仲間内であったり猥談をしてゲラゲラ笑う悪友などばかり。妹の下事情を暴くなど考えもしていなかった。

 

 この時、俺は魔が差したのだと思う。

 あるいは、言い訳をするならば、ただ、普通の人の、あるいは清楚と評される人のエロステータスを見て安心したかったのだ。

 そんなエロエロな人などそういない、と。

 

 

《鑑定結果》

・名前:遠山 七枝

・性別:女

・非処女 初体験:北林 敏晴

・総性経験値:784

 

 

 ……嘘だろ。

 スマホの写真フォルダを開き、この間仲間内で遊んだときのパーティーショットを開く。

 俺と、ハムくんと、もう一人。

 そこに写っているハムくんの親友。

 

 そいつの名前は、北林敏晴。

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