いわゆるエロステータス鑑定を何故か現代で持たされた学生の話 作:オキフの謳
まあ当然のことながら、神社のボスへの道中、及びボスは、クソビッチ魔法少女どもの支援をバリバリに受けた理沙さんによっていとも容易く粉砕される結果に終わった。
“淑女の尾”を一蹴できる戦力が護衛についているので、当然のことである。
一方、もともとの「退魔師理沙」は、持っている資源と相談しながら敵を撃破、あるいはやり過ごしながら自身を強化していくタイプのゲームで、そのバランスは割とカツカツ寄りであったそうな。が、現実では頭数からして異なり、バリバリの支援、あるいは岡本さんによる緊急回避支援*1もあるので、遭遇戦闘を一切回避せず、むしろこちらから索敵してぶちのめしていった結果、理沙さんはダンジョンのバランスを大きく超えた戦闘技能及びステータスを持ち合わせた上でまるで消耗していない、という結果に至ったのである。
さらに一方、ダンジョン攻略の上で、俺の幻影及び認識阻害に対しての無効は隠されたトラップや仕掛けの類を次々と暴いていくことができたが、別の弊害も発生した。
俺には、雑魚が見えないのである。より正確には、俺には、雑魚が靄のような、あるいは水煙のような、不確かなものとしてしか見えないのだ。
それを、理沙さんや魔法少女どもが攻撃すると、ぽろりとその場にドロップ品が転がるのである。ちなみに、試してみたが、俺が殴ってもただ突き抜けるだけで、雑魚は何事もなかったかのように、なおかつ俺を無視して理沙さんや魔法少女どもとの戦闘を続行した。打撃が効かなくはあったが、手応えや反動そのものはあった“淑女の尾”とは何かが完全に異なっている。
“淑女の尾”と雑魚とで何が違うのだろうか。どこぞのTRPGでもあったような、ゲスト、エキストラ、トループの差とでも言うのだろうか。
……で。
「で、なんでお前はまだ付いてきてるわけ?」
「そんなイケズなこと言わんといてや~。ワイとて野良犬生活はそれなりに苦しいねん。話ができる相手についていくのは当然やろ? 本音言うならあのシスターちゃんがよかったんやけど、ワイの言う事わからへんよーやしな。この際だから贅沢は言わんといたる」
「ぶっ飛ばすぞ」
件のナマモノ、仮称人面犬のチャッピィ*2である。
本来ならばイベントが終わったらダンジョン進行が再開され、チャッピィ自体はいつの間にかいなくなっているものらしい。が、今回はその正体が暴かれたからなのか、こちらの後をてってこてってこ付いてきているのだ。俺以外からは可愛らしいチワワに見えるのは変わらずであることと、例のいわゆる幸運バフが継続してもたらされているようで、ドロップが良いことに理沙さんが喜び勇んでおり、ボスのレアドロップをもれなく回収できる予定、とあってはそりゃあ同行してくれることに否やはないのであろう。
この顔も思考も言動もオッサンの人面犬に俺がかなり辟易していることは、残念ながら理解を得られなかった。
なにせ、俺からもカメラを通すと可愛らしいチワワにしか見えず、動画の場合音声すらチワワのキャンキャン声。これには俺も面食らったのであるが、果て指て。
「それに、あのシスターちゃん、怪異からの汚染がヤバすぎて、そのうちワイまで見境なくヤりにくるやろうし、落ち着いて生活できなさそうなのはノーサンキューや」
「……は?」
突如、聞き捨てならないことを言い出しやがった、このナマモノ。
慌てて、理沙さんを再度鑑定する。
《鑑定結果》
・名前:國本 理紗
・性別:女
・T/3サイズ:152/76:55:78
・非処女 初体験:繋がりし羊
・総性経験値:64325
・状態異常:恐怖症(蛭、犬、蜥蜴、虫、蛙)、理性崩壊(22%)、性交依存症(中度)、潜伏淫紋、魔力噴乳体質、催眠抵抗度減衰、感度増幅(倍率4)、精臭発情体質、その他23種省略
……理性崩壊の度合いは大幅に下がっているが、流石に完治までは行っていない模様ではあるが……あー。
淫乱度とか汚染度とか、そういう項目……か?
《鑑定結果》
・名前:國本 理紗
・性別:女
・T/3サイズ:152/76:55:78
・非処女 初体験:繋がりし羊
・総性経験値:64325
・状態異常:恐怖症(蛭、犬、蜥蜴、虫、蛙)、理性崩壊(22%)、性交依存症(中度)、潜伏淫紋、魔力噴乳体質、催眠抵抗度減衰、感度増幅(倍率4)、精臭発情体質、その他23種省略
・淫乱度:100(上限値)
・汚染度:-
……あかん。
これ絶対まずい。チャッピィの言を鑑みるに、おそらく淫乱度分岐で自ら苗床になりに行くとか手当たり次第に相手を問わずヤりまくりとかのエンディングに行くっぽいな。
さて、これをどうやって伝える? ストレートに鑑定を明かすのは、前も言ったが厄介なバタフライエフェクトを起こす確信があるのでナシ。
加えてどうやって対策する? いわゆる淫乱度の操作アイテムが普通に手に入ればいいのだが、クリア報酬だったりクリア後ダンジョンでしか売ってないなどのパターンは非常に困る。
……とりあえず問題提起して、理沙さんの原作知識で対応できないか確認をまずしてみるか。そのためには何をとっかかりにするのが良いだろうか……。
と、アレコレと理沙さんのステータスを覗いていたところ、良さそうな項目を見つけた。
「あ、そうだ理沙さん」
「はい?」
ぞろぞろと、神社の次のダンジョン、工事現場へ向かっているところだが、まあこちらが優先で問題なかろう。
「ちょっと確認、ご趣味は? 3つぐらい、直感的に10秒以内で」
「え……えっ? 10秒? えっと、触手とのセックス、獣姦、産卵……でしょうか」
岡本さんがぎょっとした顔で振り返る。魔法少女どもも『ん?』といった顔。
「おけおけ、じゃあ好きな食べ物もついでに。こちらも10秒以内で」
「はい……? ザーメンぶっかけカルボナーラ、口移し系全般、おちんちん」
「はいありがとうございまーす。では今の回答を、ゆーっくり何を言ったか確認してみてください」
「……? 別に、普通のことしかいってないような……な……なぁ!?」
自分の状況に気づいたようで、真っ青な顔で頭を抱えている理沙さん。
「全然自覚なかった……! 理性が侵食されてるってこういうことだったんだ……!」
「気づいていただけたようで何より。チャッピィがなんか理沙さんの理性がヤバい的なことを言ってまして……なんか、対策とかあります……?」
「対策……く、クリア後ダンジョンで上下させたり初期化アイテムが購入できます!」
「その、一旦クリアした時のエンディングに、淫乱エンドとか苗床エンドとかあったりしません……?」
「あります……!」
やはり淫乱度があるんだから、エンディング分岐とかあるよな。ないやつもまあたまにあるが……「退魔師理沙」はきちんとあるタイプだったようだ、がっくりと地面に崩れ落ちる理沙さん。
しかし、真面目にどうにかしたい。淫乱エンドにせよ苗床エンドにせよ、相手が必要なので致命的な風聞の悪化や、苗床になりに行くなんて破滅的な経緯を辿らされるのを看過するなどはさすがに良心が咎めるものである。
かといって、対策アイテムがクリア後ダンジョンにあるのでは、文字通り時すでに遅し。入口が開くのがラスボス撃破に依るものなので先んじて入るのもできない。
何か無いものかと考えていたが*3、ふと、思い至る。
現在は「退魔師理沙」をメインに考えているが、では「魔法少女グリモアノクターン」ではどうだろうか? ゲームの範囲から出ることは、ゲームであれば当然できないが、ここは現実である。その差異に理沙さんが不利補正を受けていたのと同じく。
「理沙さん、『グリモアノクターン』にそういうお店とかアイテムってありました?」
「え? グリモアノクターンに? ……えっと……あ、ありました、ね?」
「利用可能になるのは?」
「それ自体はいつでも……いわゆるチートショップなのでやろうと思えば最初から……あ!?」
はっとした顔をする理沙さん。
「お気づきになられましたか。では、そちらに行ってみましょうか」
と、そういうことになった。