いわゆるエロステータス鑑定を何故か現代で持たされた学生の話 作:オキフの謳
「おっすおはよう」
「おはよう、磯田くん」
両親の「シナリオ」ブレイクからまたしばらく。
夏休みも終わり今日から新学期である。
たまたまいつもの2人に出くわした俺は、妙にテンションが高い。まあ、俺の趣味を真に理解しているやつなら(当然、エロステ鑑定については公言できるわけがない)、こう言えば想像がつくだろう。
《鑑定結果》
・名前:植木 紗希
・性別:女
・非処女 初体験:瀧口 泰樹
・総性経験値:22841
そう、2万超えである!
もう一度言おう、2万超えである!!
好奇心を抑えきれず、ただ、朝の通学途中であるのでそこまで疲弊するわけにも行かないので、適当に行為歴を盗み見てみたところ、この初体験の相手とそりゃあもうずっこんばっこん。試しに見てみた10件全てが昨晩の数時間もしないうちの行為で埋められていたので、こりゃ相当の好きモノさんかな、という感じだった。
明日も同じ時間帯、同じ乗車位置に並んで、この人が今日もズコバコなのかチェックする所存である。
ぐへへへへへ。
「……また磯田くんニヤニヤしてる」
「よくわかんないけど、あいつがそこまでのめり込む趣味って一体何なんだろうな……?」
「いや、ほら、思い出し笑いってあるだろ? うん」
いかんいかん。水原と遠山に不審な目で見られている。
いや、今に始まったことではないのも確かだが、この迂闊に顔に出るの自体は直したい。というか直さねばならぬ。
「や、おはよう」
「おっはー」
続けて合流してきたのは、俺の友人カップルその2の北林と古谷のコンビ。
……今日はやつれてはいないようだ。いい加減古谷も加減を覚えたのだろうか?
いやさ、俺が言うなと怒られそうではあるが、親しい友人のあれこれを覗き見る趣味は俺にはない。以前も言ったかもしれないが、対象が赤の他人であるからこそ無責任に下衆く覗いて堪能できるのだ。
「……ああ、大丈夫。……今日は」
「ん? 何の話してるの?」
「くだらない内緒話だよ」
「おおー? 彼女にも内緒な話?」
「最近彼女って単語が、ミーム汚染を受けている気がするんだ」
「わたしのせいって? ナルホド。今夜、お話があります」
「ぐっ……」
いちゃいちゃするのもソレぐらいにしておいてほしい。
男女3人ずつのグループで、そのうちでカップルが2組成立したので、残るもう一組も……と虫の良いことを考えなかったと言ったら嘘になるが、現実は厳しいもので、遠山は今は何よりも部活が楽しいらしい。俺がなんのアプローチもしていないのも事実だし、そう都合のいいことは早々現実にはありえないのだ。
ちょっと悲しくなってきた……のであたりを見回してみる。
このささくれ立った心を癒やしてくれる、エロステ鑑定の生贄にちょうど良さそうな方はいないだろうか……と思っていたところ、実に良い人を見つけた。
容姿端麗、文武両道、博覧強記。三拍子揃った我らが学園の生徒会長、日紫喜美南殿である。
《鑑定結果》
・名前:日紫喜 美南
・性別:女
・処女 -
・総性経験値:326
うんうんそうそう、こうでなきゃねー。
こういう時もあるだろう、と思って、夏休み前とかにさっくり鑑定しておかないでおいてよかった。
恐ろしく長い髪とか、高い身長に均整の取れたスタイルなど、まさにラノベや漫画などのフィクションの登場人物もかくや、と推定16辺りのAPPを誇る、我が校の顔とも言える人物である。
…………フィクションの登場人物もかくや?
……いや、まさかな。
念の為、念の為……。
《鑑定結果》
・名前:日紫喜 美南
・性別:女
・処女 -
・総性経験値:326
・開花済み性癖:なし
・状態異常:軽度疲労(慢性的)
ヨシ!*1
あ、慢性的疲労は若干心配かも?
「……人間観察ってやつなのかな?」
「たまに鋭いけど普段すんごく鈍い理由がまるで思いつかない」
「助けてもらった身としては、悪くいいたくはないんだけど……」
「視線があからさますぎるよね……」
「あれさえ無きゃあいいのになあ……」
おっといつの間にか遠山も合流していた。
……なんでみんな俺を見てるんだ……?
「え、なに? なんかついてる?」
そう言った俺の前で、みんなは一斉にため息を付いた。
……いや、なんなんだ……?