いわゆるエロステータス鑑定を何故か現代で持たされた学生の話 作:オキフの謳
「んで、まあ、麻衣子がな……」
「ん? 麻衣子ちゃんなんとかなったんじゃないの?」
さて、学期始まりの日と言えば、つきものなのは始業式である。
まだ日差しの強い時期であるから、校庭ではなく空調のある程度効いた、大型の体育館でそれは行われる。大体バスケットコート一面につき一学年、並んで座っているが、まあ始まるまではヒマなので当然のように雑談が始まる。
当然、俺もそこに漏れるわけでもなく……愚痴っていた。
「いや、まあ、なんとかなったといえばなったんだが、その後がな……」
「何? 変な男に引っかかったからって、女に走ったってか?」
水原の冗談……まあ、本人は冗談のつもりだったんだろうが、それに俺は重々しくうなずく。
「まさにその通りでな。夏休みの間、両親がいない日は結構な割合で連れ込んできてなあ……。もうすでに俺が知ってるからって、俺の前だとちっとも隠しやしねぇ……」
「えぇ……」
北林とてドン引きだ。なんだろう、俺の交友関係とか家族とかは、女性側が肉食のパターンがマジ多いのだろうか。
「あまつさえ、連れ込んでくる子が日替わりで大体5人ぐらい……」
「……嘘だろ。あの麻衣子ちゃんが……?」
「冗談ならどれほど良かったことか……まあ、麻衣子に、自棄とか自罰的とかそういう様子がないのは救いっちゃ救いだけどさあ。現実逃避でゲームしてても演出として無音とか、ローディングの間とか、そういう時に、壁越しにうっすら聞こえてきてさあ……後々めっちゃ気まずい」
「うわぁ……」
俺もうわぁで済むなら済ませたい。朝に、自分で言うのも何だが性懲りもなく沢山の人を覗き見てキャッキャしてたのも現実逃避の意味合いが強くもある。
「でさあ……」
「まだあんの?」
うんざりした顔の水原だが、俺は愚痴るのを止めてやらない。
「この間の週末、両親がいない日の夏休み中最終日な? バイト行って、帰ってきたらさあ……」
「……」
「リビングで、全員で乱交してやがんの」
「…………」
「しかもさあ、俺が帰ってきてもやめねーどころか見られても動じないしむしろ激しくなるし、挙句の果てに『おかえりお兄ちゃん』とか『お邪魔してますお兄さん』だぞ……お前らわかるか、ホテル代節約のために自宅をヤり部屋にする妹の神経が。そんな妹がいる兄の気持ちが」
「……いや、さすがにわかんねーや……」
「むしろわかりたくないっていうか……」
「ビニールシートとか敷いてたから、まだましかなあ、って考える俺も毒されてるって今気づいた。ヤベえ……」
「ヤバいな……」
「ヤバいよ……その、ご両親にチクったりしないの?」
北林の疑問ももっともだが、俺は考えた末に両親には黙っていることにしている。
「いや、その……チクっても、場所が変わるだけだし、それで費用捻出に変なバイトに手を出されるぐらいならまだ動向が監視できる今のままがマシかなって……成績がガタ落ちしたとかならまだ行動制限する理由とかつけられるけどさあ……」
信じられないレベルだが、自宅内に淫獄が出現してまだわずか二ヶ月弱レベルである。1学期末試験は問題なかったようで、その方面から難癖をつけるのも難しく、中間で仮にガタ落ちしても1回なら言い逃れができるだろう。
以前の、水原ハーレムNTR漫画事件からの推測として、「『シナリオ』に乗り気な人物は、『シナリオ』外でも『シナリオ』内の記憶が残り、『シナリオ』による強制行動が起こらないか起こりにくい」というのがある。コレにいわゆる加害者側とか被害者側とかの視点は考慮に入らない模様。
加害者たる北林は全く覚えていなかったが被害者側の一人の古谷はバッチリ覚えていたり、北林(シナリオ)が脅し写真として無人の夜間の公園写真を持ち出してきたりと、サンプル件数1の場合の推測としてはそれなりの精度だと思っている。
何が言いたいかと言うと、麻衣子達全員、あの百合ハーレムゲーシナリオに超乗り気だということだ。
いや、あんな6Pとかしでかしておいてシナリオじゃないとかちょっと信じたくない……いや、わかっている。強制行動にならないので、あれも本人達が望んでやっているということなのだよなあ……。
校長先生が恒例の「君たちが静かになるまで○分○秒かかりました」を皮切りに、夏休みの反省やら新学期に入るに際して、等のBS睡眠が付与されそうなお話がだらだらと続く。
「そこ! 私語をやめろ!」
「あ、やべ」
「おっと」
「おっとっと」