※この作品はR-18です。

貴族たちのセックスライフ   作:浅見智幸

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必ず最後に「愛は勝つ」逃避行 8話

 真子を支えているのは大室圭司への愛。

 

 家庭では真子も針の筵。

 弟は未成年。妹は勉強に忙しい。

 

 休まる日々は無い。文雄の冷たい反応が真子を混乱させていく。

 

「愛してるよ。日本の現状は・・・・・・」

 電話の向こうで圭司が尋ねる。

 

 わざわざ電話をかけてくるという事は、圭司も何かと苦境に立たされているのだろう。

 

「おかあさまの事で何かと少しね・・・・・・」

「そうだろうな・・・・・・俺と真子じゃ・・・。あまりにも身分がなぁ・・・・・・」

 卒業を無事に果たしても、日本での就職は難しいだろう。

 

 日本に帰りたくても、周囲がそれを快く迎えてはくれないだろう。

 

 真子もまた苦境に立たされていた。

 両親の許しをもらうのは至難の業。

 

 真子の血縁関係も・・・はい、そうですかと素直には言えないだろう。

 

 苦しい環境におかれている秋ノ宮真子と大室圭司。

 2人の意地を貫こうとすれば、両親も頑なにならなけばならないだろう。

 

 ふたりとも、もうすぐ30歳。

 愛するがゆえに人並みに、圭司の子も欲しい真子。

 

 私も、圭司がいるアメリカに行こうかしら?・・・

 

 頭をよぎるのは、世間で噂になっているロイヤル・ファミリーのようす。

 故郷を捨て異国の地に渡った男性。

 

 それを可能にしたのは恵まれた財力と稀に見る世渡り上手。

 憎まれながらも、敵が多かれば味方も多い。

 

 これまでの真子は、いま苦難に立たされている恋愛を抜きにすれば、敷かれているレールの上をひたすらに歩いてきた女性。

 

 雨中のなか、黒塗りの乗用車から裾が汚れぬように降りれば、決められた係の者が濡れぬようにと傘を差し出してくれる。

 ニッコっと微笑み、会釈さえすれば、それは当たり前のこととして許されてきた。

 

 アメリカでは圭司も就職が可能だろうし、真子も周囲を気にすることなく日々の暮らしをおくれる。

 恋の逃避行も念頭におき、彼女は生活していた。

 

 しかし、逃避行を決め込んで大室圭司(おおむろ けいし)のもとに飛び込めば、今までのようにはいかない。

 雨が降れば、自分で傘をささねばならない。額の汗も自分で拭わなければならない。

 

 そんな真子だったが一筋の光明が見えてきた。

 明るいとまでは言えなくとも、微かには見える明かりだった。

 

「圭司さん・・・・・・」

「またせてね・・・・・・」

 

 どうも圭司が帰国するみたいだ。

 アメリカで就職先が見つかり、秋ノ宮真子(あきのみやまさこ)を迎えに来るのだろう。

 

 またぞろ、世間がうるさくなるだろう。

 

 それでも心無いものは、体のいい国外追放だと陰口をたたく者もいるだろう。

 良し悪しにかかわらずとも、何かと非難の表向きに立たされる2人だった。

 

~完~

 

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