※この作品はR-18です。

サイバーパンクな忍者世界で不死身の剣士してます   作:ニゴリエース

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R-18Ver投稿しました、頑張って皆さんに楽しく読んで貰えるように執筆していきます。


本編
『不死鳥の剣士やってます』


 みんなは転生ネタって知っているだろうか?二次創作でよく見られるジャンルであり、いろんな世界にいろんな能力を持って文字通り転生するというものである。こういう作品は主人公がチート能力で無双するというのが定番であり、俺もよくその手の二次創作物をパソコンで読んでは自分もこんな風になってみたいなと憧れはしていた。

 

 しかし読むのと実際に体験してみるのとでは大分印象が変わってくる。以前の自分の常識が通用しない、騒動に巻き込まれるかもしれないから自ずと今後の生き方を考えなければならない、必要に応じて自分の能力や素性を隠さないといけないなど考えただけで頭が痛くなるようなことばかりである。

 

 おまけに俺が転生した世界はあのグロエロで有名な『対魔忍アサギ』という作品である。これは闇の存在である魑魅魍魎が跋扈する近未来の日本が舞台であり、人と魔族が結託した犯罪組織や企業と、古くから魔に対抗する忍びの集団――対魔忍の戦いを主軸とした物語が売りのエロゲーなのだが、とにかく主人公たちがひどい目に遭う。

 

 あまりの凄惨でR-18な仕打ちでとても詳しくいえない内容なのだ。しかも性別とかそんなの通用しない。良くて殺されるが、最悪の場合は性奴隷として人格破壊もあり得るのである。

 

おまけに登場人物一人一人の能力のインフレがすごい。モブ程度ならそこまで大した能力はないが、主要人物とかだと身体能力含めてあまりに人外すぎる。なんだよ首を斬っても死なないとか、しかもそれが複数人もいるとか。

 

 そんな世界に転生して、色々と気苦労が激しい。力があるだけで目をつけられる、立場のおかげで厄介ごとが舞い込む、おまけに転生の影響なのか人には言えないようなことも。俺はため息をつきそんなことを考えながら地面に転がっている男共を見下ろす。

 

 東京湾に浮かぶ人工都市―――『東京キングダム』。魔族や犯罪者が闊歩する闇の世界の中心のような場所が今の俺の拠点である。俺は傭兵としての仕事を終え気分転嫁に行きつけの酒場にやってきたのだ。そこは犯罪都市の中でも比較的トラブルが少なく、一人で静かに酒を楽しめるのが売りであったのだが、今日はどうも運悪く新参者の犯罪者集団が居座っており、仕事帰りの羽振りが良い俺に目をつけたらしい。相手は視線を合わせないようにしているつもりだが所詮は素人あがりの犯罪者であり、元対魔忍(・・・・)である俺にはこちらを注視しているのが丸わかりであった。

 

 俺は早々に酒を切り上げるとわざわざ人が来ない場所までやってくると、奴らは悪党のセオリー通り俺を取り囲み、銃でこちらを脅してきた。しかも発声一番に「命が惜しかったら金を出せ」である。まさしく三下の悪党じみた言葉に俺は思わず吹き出さずにはいられなかった。

 

 男共はそんな俺の態度に怒ったのか、怒声をあげて銃を乱射してきたがそんなものは俺に通用しない。転生する前だったらそこで撃たれて終わりだったかもしれないが、今の俺の身体スペックはほぼ人外だったため、弾丸を悠々と躱し男共を殴り飛ばした。

 

「がぁっ・・・・・・!?」

 

「ぐぅ・・・・・・!?」

 

 的確に急所を抜かれて呻くことしかできない男共を見下ろし、俺は再びため息をついた。弱すぎる(・・・・)、期待外れであった。これじゃあとてもストレスの解消につながらない。ただ無駄な労力を消費したに過ぎない。

 

「今度からはちゃんと相手見て喧嘩売りな、ここじゃ軽率な行動は命取りだぜ」

 

 俺はそう言い残し再び店に戻り酒を飲み直そうと考え踵を返すと、額に強い衝撃が走った。額に触れるとぬるりとした感触があり、指を見ると血がべったりとくっついていた。前を向くと先ほどの夜盗連中の一人が起き上がっており拳銃を構えた。銃口から硝煙が上がっており、どうやらそいつに撃たれたらしい。

 

「なっ、舐めてんじゃねぇこの化け物がっ!!」

 

「へぇ・・・・・・♪」

 

 どうやら少しは根性があるやつがいたらしい。俺は少しだけ感情が昂ぶり、額を拭う。すると撃たれた傷口はあっという間に消え失せ痕も残らない。夜盗連中はそれを見て顔を青くしてた。自分たちがどんな奴相手に喧嘩を売ったのか今更理解したらしい。だが、もう遅い(・・・・・・)。

 

この世界に来てからずっとそうだ。戦いを前にすると胸の高鳴りが抑えられない。心がざわついて仕方ない。放置すると疼いて疼いて張り裂けそうになる。我慢してもそれが燻って頭が狂いそうになる。強い奴を見ると尚更だった。自分の中にいる何かが暴れて落ち着かない。そしていつも自分を誘惑してくる。

 

『戦いたい』

 

『本気の斬り合いがしたい』

 

『死力を出し尽くして剣と剣をぶつけ合い』

 

『お互いの生死をかけた戦いがしたい』

 

 そんな焦燥感に似た感情が自分につきまとう。昔だったら立場や目的のせいでそれを抑えるのに必死だった。だが今の俺には関係ない。発散したい時に発散させる、それが今の俺には許される。まぁやりすぎると面倒ごとに巻き込まれるため程々にしているが。

 

 こんな雑魚相手に期待するのも馬鹿らしいが、それでももう我慢ならない。そうだ、こんな決壊寸前のダムのような状態であり、酒で気分を紛らわそうとした自分に喧嘩を売ったこいつらが悪いんだ、うんそう思うことにしよう。俺は胸の内でそう言い訳すると懐からこの世界に転生する前に戴いた『神様からの贈り物』を取り出した。

 

 それは一見すると本のようであった。黒とオレンジのカラーが特徴の四角い物体。表面には炎を纏った鳥の絵が掛かれており、『Eternal Phoenix』と書かれている。俺がその表面を開くと誰の者でもない声が発せられる。

 

 

 

 

 

『エターナルフェニックス!』

 

 

 

『かつてから伝わる不死鳥の伝説が、今現実となる!』

 

 

 

 

 

 そして俺はそれを腰に巻かれている『覇剣ブレードライバー』に差し込む。そして、あらかじめブレードライバーに収められていた一本の剣『無銘剣虚無』を引き抜く。

 

 

 

『抜刀!』

 

 

 

 

「・・・・・・しーっ」

 

剣の刀身が炎を纏うが俺はかまわず刀身を左手に持つ。そして右手の人差し指を口に立てる。まるで皆に静かにするようにと言うようなジェスチャーだ。

 

「変身・・・・・・」

 

 

 

『エターナルフェニックス!』

 

 

 

 

 俺は剣を右手に持ち替えそれを振るう。すると炎が溢れ鳥の形を為す。そして鳥が俺に纏わり炎が包み込む。しかし熱さは感じない。内側からはまるで爆発のように力が溢れてくる。炎が消えると俺の体には黒とオレンジを色調とした鎧が備わり、兜には鳥の翼のような複眼が備わる。

 

 

 

『虚無、漆黒の剣が、無に帰す!』

 

 

 

 俺は『仮面ライダーファルシオン』へと姿を変えた。これこそ、この世界に転生する前にもらったいわゆる特典である。先ほどの傷口の回復もこのファルシオンの力の影響であり、今の俺はいわゆる不老不死状態だ。たとえ消滅させられてもすぐに再生し、生半可な攻撃では傷一つつけられないのである。原作でも主人公達を相手にほとんど圧勝するぐらいの強さであった。

 

鎧から溢れんばかりの熱と力が湧き出ており、気分がさらに高まる。夜盗達は俺を見て震え出す。まるで蛇に睨まれた蛙のようである。先ほど俺に銃を撃った男も今では腰を抜かしている。もはや恐怖で抵抗しようとする気力もないようだ。

 

「はぁ・・・もういい、期待した俺が馬鹿だった」

 

そんな情けない連中に俺はまたため息をついた。少しは期待できると思ってこの姿を晒したというのに・・・・・・。がっかりした俺は早々に切り上げるため無銘剣虚無をドライバーに差し込み、トリガーを引いてすぐに抜刀する。

 

 

 

『抜刀!不死鳥無双斬り!』

 

 

 

 再び刀身に炎が纏い俺は一閃する。すると斬撃は不死鳥の形をとり、炎を伴って男達を一人残らず飲み込んだ。男達は悲鳴を上げのた打ち回るがすぐに炎の中へと掻き消える。炎が消える頃にはもはや灰しか残っていなかった。

 

「あー・・・・・・くそがっ、くそがくそがくそがぁああっ!!」

 

 俺は声を荒げて近くの建造物の壁を何度も蹴り上げる。ここ最近ずっとこれだ。傭兵の依頼で相手するのは雑魚ばかり。俺の動きに付いてこれる奴らが一人もいない。酒を飲んでもイライラが募るばかり。

 

 この世界に来てからずっとこれだ。戦いに対する欲求が常に体を蝕んでいく。もはや本能と言っても過言ではない。対魔忍だったころは任務やら立場に縛られていたがまだ強い相手がいたから我慢できた。しかし抜け忍になれば少しは発散できると思ったらそうでもない。東京キングダムなどの闇の世界でもそれなりにルールはある。それを無視すれば明日から生活することすらもままない。

 

 平穏で平凡な日常は俺の心を癒やしはしても、この乾ききった本能を完全に抑えることはできない。面倒ごとも、権謀術数が渦巻く対魔忍だった頃も、目的を達成してからはうんざりであったが、こうもイライラが募るとそれも良いかと思えてしまう。俺は高ぶったままの感情を抑え、自分の家に帰ることにした。

 

 すると、突然背後からぞわりと怖気のようなものが溢れ咄嗟に身を翻した。そして俺が先ほどまでいた場所に鋭い爪のようなものが突き刺さる。そしてそこにいたのはいくつもの頭を持ち、鎌のような足を持ったムカデのような化け物。それも一匹だけでなく、数えただけで十匹はいた。

 

「「「キシキシッ!キシキシキシッ!」」」

 

 ムカデ達は歯を震わせる。その全てがまるで俺を食い殺そうとしているかのようだった。俺はそいつらに思わず嫌悪感を覚える。だがそれ以上に歓喜した。ようやくまともな奴と戦いができる。本当なら理性ある奴が望ましいが、もう一週間以上は我慢したのだからこの際化け物でも良かった。

 

「ははっ・・・・・・はははははははははぁっ!もうこの際お前らで良い・・・・・・俺を楽しませろぉ!!」

 

 俺は無銘剣虚無を構え直してムカデ達に斬りかかる。それと同時に身を躍らせ襲いかかる。次々と降りかかる鋭い足を軽いステップで躱し、近くにいた一匹の腹目がけて剣を突き刺す。そして剣を振り上げて頭ごと両断する。

 

「キシキシッ!?」

 

 切り裂かれた化け物は体を震わせ、溶けるようにしてその場から消え失せる。しかし他のムカデは仲間の消滅を気にすることなく再び襲いかかる。足を巧みに動かしてこちらを突き刺そうとする。俺は身を捻り、返す刃でムカデの足を切り裂く。他の奴が噛みつこうとすると虚無を横薙ぎに振るい頭を両断して吹き飛ばす。

 

 しかし数だけは多いためその内に一匹が俺の腕に噛みつく。顎の力は尋常じゃなく、数秒も持たずに肉を噛み千切られていた。しかし俺の体はファルシオンの力で不死身であり、大抵の傷はすぐ再生されるため大したダメージにはならない。噛みつかれた傷口もほとんど血が出ることなくすでに塞がっている。

 

 俺は噛みついたムカデの頭を掴んで逃がさないように押さえつける。そして頭に目がけて虚無を突き立てる。

 

「キシキシキシッ!!?」

 

 ムカデは苦しそうに悲鳴を上げて暴れるが俺はさらに強く虚無を突き刺し傷を抉る。やがてピクリとも動かなくなると俺をそいつを捨て、虚無を構え直す。

 

 一匹一匹では敵わないと悟ったのかムカデは身を翻して俺を取り囲み、足をこちらに向ける。どうやら一斉にこちらに襲いかかる算段のようだ。しかし俺にとっては好都合だ。数ばかりで戦い方が直線的かつ単調。最初は少し楽しめたが所詮は獣同然の化け物だ。相手するのも飽きてきた。

 

「はぁ・・・・・・お前らももう良い、飽きた」

 

 俺はブレードライバーに虚無を収め、トリガーを引く。

 

 

 

『必殺黙読!』

 

 

 

「「「キシキシキシッ!!」」」

 

 そしてムカデ達は一斉に襲いかかる。俺に鋭い足の爪を突き立てようと、噛みつこうと躍りかかる。しかし俺は焦ることなく再びトリガーを引く。

 

 

 

『不死鳥無双撃!』

 

 

 

 足に炎が纏う。俺は炎が纏った足を振り上げ体を捻る。そしてムカデ達に回し蹴りを放った。蹴りはムカデ達一匹残らず引き裂き、そのまま炎がムカデ達を焼き尽くした。

 

 周囲に何もいなくなったのを確認すると、俺はエターナルフェニックスワンダーライドブックと無銘剣虚無をブレードライバーから引き抜いて変身を解除する。そして闇が広がる虚空に向かって声をかけた。

 

「次からはこんな真似しないで堂々と襲ってこいよ、あんた相手だったら楽しめそうだからな・・・・・・けど、その時はきっちり殺してやる・・・覚えとけ、エドウィン・ブラック」

 

 俺はそれだけ言うと今度こそ拠点に帰ることにした。ガス抜き程度には体を動かせたため、今日は久しぶりにゆっくり眠れそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして男が声をかけた闇の中から、ゆらりと何かが現れる。それは少年の姿をした何かであった。見た目こそ幼い少年であるが、纏った雰囲気はどこまでもおぞましくまるで闇そのもの。少年のような何かは男の後ろ姿を眺め、冷笑を浮かべる。

 

「あれが『不死鳥の剣士』・・・・・・なるほど、一筋縄じゃいかないわけか」

 

「しかしあんな者まで現れるなんて、随分と因果が乱れているみたいだね、この世界は」

 

「君がこの世界で何を為すのか、とても興味深いよ」

 

「君とはまた会えるのを楽しみにしているよ、虚無を纏う者・・・『井河カムイ』君」

 

 少年は一人そうつぶやくと再び闇夜の中へと消えていく。まるではじめから誰も存在しなかったかのようにその場は静寂に包まれたのであった。

 

 

 

 

 




新しいスペックのPCのおかげで読み込みが速い……。

オリ主のヒロインに追加するなら誰が良い?

  • 甲河アスカ
  • 鬼崎きらら
  • 神村舞華
  • 馬鹿野郎全員ふうまの嫁だろ
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