サイバーパンクな忍者世界で不死身の剣士してます 作:ニゴリエース
『やぁやぁ初めまして、私は君たちで言うところの神様という奴だ♪』
『君は覚えていないかもしれないが、君は実は現世で死んでしまったんだ』
『そして魂だけになった君を私が回収したのさ♪』
『目的?死んだ君と神である存在が出会ったんだ、そんなの一つに決まっているじゃないか♪』
『そう、転生というやつさ・・・君たち人間が娯楽として楽しんでるあれだよ♪』
『あれを実践してみたくなってね、君をここに呼んだのさ♪』
『んっ、なんで自分なのかって?勘違いしないでほしいんだけど別に誰でも良かったんだ』
『たまたま都合良く死んでいたのが君だった、それだけの話だよ♪』
『さて、下らない話は終わりにして早速本題に入ろうか♪』
『まず最初に特典というやつさ、君たち人間も好きだろ特典によるチート能力だよ♪』
『どれも選りすぐりの能力さ、この中から一つだけをランダムで選んでもらうよ♪』
『一つは世界を滅ぼしうる宇宙人の力、一つは人間が生んだ悪意の力・・・・・・そしてもう一つは不死身の剣士の力・・・この中から一つを君にあげるよ♪』
『えっ、貰える物が全部ろくでもないって・・・・・・いいじゃないか、ろくでもない力・・・・・・正義の味方より、悪役の力を持って転生なんてそれだけでろくでもないことになるんだから物語も面白くなるだろ♪』
『・・・・・・うん、君はそれを選んだんだね♪』
『それじゃあ次は転生した後のことだね♪』
『君がこれから転生する世界は基本的に、神様やそれに近い存在がたくさんいるんだ』
『それこそ純粋な力や異能で私と同等かそれ以上の存在もいるわけだ』
『だから君を送り出した後、基本的に私はほとんど君に干渉することはできない』
『まぁ茶々を入れる程度をすることはあっても、積極的に君に関わることはないよ』
『そもそも私は読み手だ、読み手が物語に登場するなんてナンセンスだろ♪』
『そして最後に、君が転生する際に君の体と因果に少しばかり細工をさせてもらうよ』
『君が喧噪から離れて穏やかに過ごすことがないように、入念にね』
『だって登場人物がただただ平穏に過ごす物語なんて、だれが面白がるんだい・・・・・・そんなの喜劇にも劣る駄作だよ』
『だからせいぜい、私のために面白おかしく生きてくれよ、主人公君♪』
「・・・・・・最悪の夢見だ」
俺は寝ていたベッドから体を起こし一人で愚痴る。夢の内容はあのくそったれな神様に初めてあった日のこと。唐突に転生だのなんだのと言って無理矢理この世界に俺を放り込んでいった。そして20年以上の歳月をこの世界で過ごしてきたが、今でもあの時のことを思い出すとハラワタが煮えくり返る。
この世界で目覚めた俺には『井河カムイ』という名前が与えられていた。そう、あのエロゲーで有名な対魔忍の住人となっていたのだ。生まれこそ分家であるが、心境はとても穏やかでない。当たり前だ、あの登場人物一人一人がR-18的な意味でろくでもない目に遭うサイバーパンクな世界にだ。絶対に碌な目に遭わない。そして俺の予想通り、そして神様の目論見通りに俺の人生はだいぶイカレていた。
忍びの家系に生まれたことによるしがらみ、権謀術数渦巻く身内のもめ事、欲望にまみれた連中の相手―――どれもこれもろくでもないものだった。しかも今じゃ抜け忍で、里からも追われる身であろう。
何よりこの20年余りで最も俺を苛んだのは自分の中にある『疼き』だ。きっとこれはあのくそったれな神様が言ってた細工の一つなんだろう。言葉を発する頃から俺の中に巣くっていた激情にも似た感情。強い相手を見ると疼きだしてたまらない俺の心。いわゆる闘争本能ともいうべきものが強く俺の中に根ざしていた。強い奴を見ると戦わずにはいられない、戦いから離れると疼きがいつ爆発してもおかしくないほど強くなるのだ。
昔の立場上我慢しなければならなかった俺はつねにこの疼きに身を焦がしていたため、自然と任務に赴く回数が増えていた。じゃないと対魔忍の総本山である五車の里で誰彼かまわず襲ってしまいそうだったからだ。これも俺が今抜け忍となった理由の一つである。
今は闇の世界の犯罪都市――東京キングダムで傭兵をしている。抜け忍となった俺にはまずそういった魔がひしめき合う場所しか身を隠すことができないし、こんな魔都でまともな職にありつけるなんてまずない。故に傭兵稼業に身を染めるのは自然の成り行きであった。
そして俺は今日も日銭を稼ぐため、布団から出るとすぐに着替え出かける準備を整える。行き先はいつも利用する酒場である。
酒場に到着するとそこには様々な奴らで溢れていた。人間の犯罪者やギャングはもちろん、闇の住人であるオーク、人間に似た姿の魔族もいる。俺は空いている席に腰を下ろし、店員にコーヒーを頼んで本を広げる。東京キングダムに来てまだ2年ほどだが、そこそこ傭兵の依頼を受けるようになり、噂が広がってこうして待っているだけで自然と依頼人が俺の元に来るようになっていた。
今日も俺は待っていればいつものように依頼人が来るだろう、今日は退屈な依頼でなければ良いななど暢気に考えながらコーヒーを片手に飲み本を読み進める。すると本を読んでいる俺の正面にわざとらしく音を立てて椅子に座る奴が現れる。
依頼人が来たかと思い視線を上に上げるが、そいつの顔を見た瞬間に俺はうんざりした。相手は依頼人でもなんでもなかった。
「よオ、少し話があるんだが」
俺の前に現れたのはフードがついた黒を主体と服装を纏った男だ。目つきは悪く軽薄そうな雰囲気で、闇の世界ではめずらしくないチンピラ然とした男である。しかし俺はこの男を知っている。なにせ古巣である五車の里の元同業者、今じゃ袂を分かったろくでなしの一人である。
「内調の犬がなんのようだ、お前らと話すことなんざ何一つないぞ」
「おいおい、元は同じ主に仕えただろ・・・そんな邪険にすることはねえだろ『井河カムイ』」
「今はただのカムイだ・・・・・・二度と俺を井河と呼ぶな『井河影臣』、次は殺すぞ」
俺の目の前にいる男は軽口を叩いて俺の名前を呼ぶ。それがたまらなく不快で仕方ない。俺は威嚇の意を込めて睨み付ける。
俺の目の前にいるのは『井河影臣』―――俺と同じくあの最強の対魔忍である井河アサギの遠い親戚であり、そしてかつては『井河長老衆』に仕える対魔忍でもあった。俺自身も分家一族が長老衆に仕えていたため、立場上は長老衆の配下であったため顔と名前は覚えている。
井河アサギと敵対していた長老衆が追放され、彼も里を追われることとなったが今では内調――『内閣情報調査局』の一員、つまり政府の犬である。ちなみに内調は表面上は対魔忍組織と協力関係にあるがそんなのは建前で、ほぼ対立関係に等しいのである。
そんな内調の犬である影臣がわざわざ抜け忍である俺に接触してくるなんてきっと禄でもないことに決まっている。昔から政治関係は苦手なのだ、人間の愚かさが顕著に表れる。そしてそんなものに巻き込まれれば決まって碌な未来が待っていない。
しかし影臣はそんな俺の嫌悪や威嚇を気にすることなく、まっすぐ俺を見つめる。そしてなんでもないような声色で俺に一言告げる。
「局長がお前を欲しがってる、内調と協力しろ」
「くたばれ」
よりによってそんな内容か、思った以上に下らなかった。俺は内心ため息をついて簡潔に自分の気持ちを伝えると席を立つ。実に時間の無駄だった。俺は足早に店を出ようとするが、影臣は俺の肩を掴んで引き留める。
「くたばれはねえだろ、話くらい聞いてけって。今じゃお前も抜け忍だろ、だったら今更井河アサギに義理立てする必要もないだろ」
「義理がなくてもアサギさんには恩がある・・・・・・それに内調の連中は同じ空気を吸うだけで反吐が出る、お前含めてな」
「へぇ・・・・・・つまり内調とは敵対するってことで良いんだな」
「内調なんて糞の掃きだめだ・・・これ以上俺に構ってくるなら殺す、忠告はしたぞ」
影臣の手を払い、俺は今度こそ店を出ていた。
店を出た俺は足早に人気のない場所へ急ぐ。そして予想通り、店を出た瞬間に気配を殺して俺に近づく連中がちらほらいる。おそらく内調のエージェントとやらだろう。恐らく従わないなら殺せって命令を受けたってことか。わざわざご苦労なことだ。
そして俺は人っ子一人見当たらない場所に出ると、腰にあるブレードライバーにあらかじめ差していた無銘剣虚無を引き抜く。
『抜刀!』
「しーっ・・・・・・変身」
『エターナルフェニックス!』
『虚無、漆黒の剣が、無に帰す!』
俺はすぐに仮面ライダーファルシオンへと姿を変える。するとそれが合図であるかのように内調のエージェントやアサシン、さらには蜂や犬を模したドローンまでもが躍り出る。
「こっちはただでさえイライラしてるんだ、ちょっとは楽しませろよ犬共」
俺がそう言って虚無を構えると、エージェント達は一斉に手に持った拳銃で発砲する。ドローンもそれに追従するように備えられたマシンガンを乱射した。不死身である俺の肉体にただの弾丸が効くはずがない。俺は体中に浴びせられる弾丸の中を突っ切り、エージェントの一人を斬り伏せる。
「ぐぁっ!?」
「ひるむな、囲んで撃てっ!」
一人が一撃で絶命するが連中は気にすることなく尚俺に向かって発砲する。しかし俺も弾丸を気にすることなく斬りかかっていく。首を刎ね、腹を掻っ捌き、ドローンを叩き切る。十人近くいたであろうエージェントはもはや物言わぬ肉袋となり、ドローンはあっという間にスクラップに変わった。わずか5分の出来事であった。
「はぁ・・・・・・やっぱり退屈だった」
内調のサイボーグ兵士や強化外骨格を纏った兵士ならいざ知らず、生身のエージェントやドローンが相手ではこの程度か。戦いによって疼き始めた感情とは逆に俺の気分は非常に冷めた。
所詮は能力もない兵士に毛が生えた程度の戦闘力・・・そこまで期待はしていなかったが、ここまで一方的だと退屈で仕方ない。俺はため息をはいて殺気を引っ込めた。
---ズドッ!!
そして次の瞬間、俺の胸を何かが貫いた。
「馬鹿が、油断しやがって。それが命取りなんだよ!」
内調のエージェントがあっという間にやられていく中、影臣はひっそりと身を潜め機会を待った。どんな相手でも情報収集を怠らず確実に仕留める。それが影臣が今まで内調の刺客として、数多の凄腕対魔忍を暗殺してこれた理由だ。
突然謎の鎧を身に纏ったのは気になるが、魔剣の類いの能力であろう。そう考え彼は必殺のタイミングを狙っていた。井河カムイの忍法について、肉体の損傷を一瞬で回復することができる、あの未来の対魔忍のエースである『八津紫』と同系統の物であることはあらかじめ調べがついていた。
そして彼の忍法の弱点についても影臣は対魔忍の情報資料から事細かに調べている。治癒することができるのは重要な内臓器官以外―――つまり心臓を破壊されれば再生することはできないと踏んだのである。
さらに影臣は念には念を入れ、たとえ一撃で仕留められなくても確実にカムイを仕留めるために対魔忍を仕留めるための専用の毒物を刃に漬け、彼が油断したタイミングで心臓目がけて必殺の一撃を放ったのである。
背中から貫かれた刃が確実に心臓を貫いた感触があり、影臣は勝利を確信する。
「まったく・・・・・・同門だから優しく声をかけてやったってのに。素直にこっちの言うことを聞かないお前が悪いんだぜ井河カムイ」
「・・・・・・同門だと?」
「なっ!?」
「そんなことこれっぽっちも思っちゃいないだろ?」
仕留めたと思った相手は胸に突き刺さった刃などまったく意に返さず影臣の方を振り向いていた。影臣は驚き距離をとろうとするが、カムイは素早く影臣の腕を掴んで放さない。まるで万力のように影臣の腕を締め付け、彼は苦悶の表情を浮かべる。
そして右手に持った無銘剣虚無をブレードライバーに差し込む。影臣は危険を感じ咄嗟に自らの忍法を発動する。
忍法・影縫いの術―――影遁の術の一種であり自らの肉体と肉体の影を逆転させる忍法である。これによりいくら肉体を攻撃されても本体にダメージは届かなくなり、さらには自らの影が相手の影を攻撃することでダメージを与えることができる、影臣が無敵と称する忍法であった。
たとえ肉体をいくら攻撃されようがダメージは通らない―――そう高をくくった影臣であったが、カムイはすぐにトリガーを引き、無銘剣虚無をブレードライバーから引き抜く。そして炎を纏った斬撃を影臣の足下から伸びる影に向かって放つ。
『抜刀!不死鳥無双斬り!』
「ぎゃああああああっ!?」
すでに影臣の本体と影は入れ替わっている。カムイはそれを見抜き、本体が潜んでいる影を攻撃したのだ。それにより影臣の本体にダメージが入り、彼の全身が焼け焦げ血が噴き出る。
「ばっ、馬鹿な・・・なぜ死んでねえ、なぜ俺の忍法を知ってやがる!?」
「目にした物だけが真実とは限らない。それに、情報収集がてめえらの専売特許だと思ったら大間違いだ」
全身に深い火傷を負わせながらも、わざと手加減して命を取らず倒れ伏した影臣の首を掴んで無理矢理立たせる。そしてぐっと彼の顔を近づける。カムイの顔はファルシオンの兜で見えないが、それでもこちらを睨み付けているのを影臣は感じ取れた。
「今は殺さない、お前はメッセンジャーだ」
「なにっ・・・・・・?」
「内調の連中に伝えろ、次はもっとマシな兵隊連れて来いってな」
「・・・・・・くそが、てめえ・・・俺を生かしておくと後悔するぞ」
「やれるもんならやってみろ三下、次はちゃんと殺してやるよ」
カムイは吐き捨てるように告げると影臣をその場に捨て歩き出す。影臣は倒れたままカムイを睨み付けるが、彼はそんな影臣を気にすることなくその場から歩き去って行った。
また散々な一日だった。今日の収穫はなし、相手にしたのも内調の犬連中でとても楽しくなかった。またストレスがたまるだけの一日だったと俺は愚痴り、拠点へと戻る。
だが拠点のドアを開けた瞬間、俺はすぐに部屋の違和感に気づいた。普段から使っている拠点で、わずかに嗅いだことのない匂いが部屋に残っていた。花のような、香水のような・・・・・・女特有の甘い匂いが部屋に残っている。
また内調の犬か、いつこの拠点がばれた・・・・・・俺は警戒のため無銘剣虚無に手を伸ばした。しかし次の瞬間―――。
―――ガチャっ!
「あらっ、ようやく帰ってきたのねカムイ君」
「んなっ!?」
風呂場のドアが開き、中から出てきたのは対魔忍時代の知り合いであった。勝手にシャワーでも使っていたのか、その肢体は濡れており湯気が立ち妖しい雰囲気を醸し出している。しかも身につけているのはタオル一枚のみ、非常に目のやり場に困る。
「なんでいるんですか静流さん、なに勝手に入ってるんですか!?」
「あらっ、久しぶりに会ったからって知らない仲じゃないんだから部屋に入るくらい別にいいじゃない」
「今の俺の立場を考えてから言ってくださいよ、あと服を着てください!」
「ふふっ、別に初心ってわけじゃないでしょ・・・・・・なんならもっと見てみる?♡」
「からかってないで服を着ろぉおおおっ!!」
俺は思わず大声を出してしまう。部屋にいたのは俺がまだ五車の里にいた頃の同僚であった対魔忍の高坂静流であった。
「抜け忍の俺にわざわざ何のようですか」
散々俺をからかって満足したのか静流さんはすでに着替えており、テーブルを挟んで向かい合う。高坂静流---五車の里にある対魔忍の養成学校『五車学園』の英語教諭であり、俺の同僚だった人、そして数少ない俺が抜け忍なった事情を把握している人物の一人である。まさかこんな突然会いに来るとは思わず面食らったが、相も変わらずのようだ。
「抜け忍って言っても、カムイ君の場合は仕方のないことじゃない。アサギ校長もそのことは理解して、戻ってきても良いって言ってるわよ」
「里の連中はそうは思ってないけどな。どの道俺は戻るつもりはないよ」
「もう、強情ね。まるで悪さをして引っ込みがつかない子供みたいよ」
「ほっといてください」
どうもこの人は苦手だ・・・・・・単独の潜入任務が主なこの人は、口は回るし頭の回転も速い。それに演技力も半端じゃなく、常に大人の余裕というものがにじみ出ている。里にいた頃もよくこうやってからかわれていたため、嫌いではないが苦手な人でもある。
「・・・・・・で、そろそろ本題に入ってくださいよ」
俺はまたも静流さんの雰囲気に流されそうになりながらも話を戻すことにした。この人は本来、ヨミハラという東京キングダムとはまた別の闇の町に潜入しているはずなので、本来はここにはいないはずである。
それがわざわざ俺を訪ねに来るなんて、きっとただ事ではないだろう。俺の考えを見抜いたのか、静流さんは先ほどまで浮かべていた悪戯っぽい笑みを消し、真剣な顔つきで話を始めた。
「・・・・・・実はある任務であなたに協力をお願いしたいの、傭兵としてのあなたにね」
「任務の協力?」
「任務はとある要人をヨミハラから地上への護送よ」
静流さんがそう言って懐から資料と写真を撮りだした。写真には機械的な手足を備えた男の姿が映っている。そして資料の内容を見ると、その写真の人物が誰なのか事細かに書いていた。
「佐郷文庫・・・・・・元対魔忍でふうま弾正の配下、反乱の後も抵抗を続け米連に亡命。自身の体をサイボーグ化して特務機関Gに所属。しかし特務機関Gを出奔し、反逆行為と見なされ終わる身に、か」
「そして日本政府にコンタクトをとってきたの。自分の持つ情報と引き換えに地上まで護送してほしいと」
なるほど、これは確か原作にもあった話だったはずだ。前世の記憶は朧気で細かい内容はほとんどおぼえていないが、確かそんな話があった気がする。しかし特務機関G―――あのサイボーグ組織が相手か。
「当然追っ手もサイボーグ兵士なんでしょ」
「ええ、佐郷さんの体はいわば機密事項の塊。相手もそう易々と情報が漏れないように必死になってるわ・・・・・・もう、またそんな怖い顔して」
「んっ、なにが?」
「Gの名前が出た途端、あなた笑ってたわよ・・・自覚ある?」
「すんません、また顔に出てましたか」
「あなたのその性癖は相変わらずね」
静流さんはあきれたようにため息をつく。どうやら顔に出てたらしい。静流さんは観察眼も鋭く、長い間任務を共にするにつれ俺の中にある厄介な本能(静流さんは性癖と称している)にも気づいたらしい。しかし静流さんはそれでも俺を忌避することはなかった。―――本人曰く、俺のはまだ可愛い方で外の奴らはもっと特殊な連中もいるらしい。世の中広いなぁ。
ともかく特務機関Gのサイボーグ兵士といえばどれも最新鋭の兵器を備え強敵という話だ。特にこの佐郷文庫は元対魔忍であのふうま弾正の側近だ、強さも経験も半端じゃないだろう・・・・・・護衛対象じゃなければこっちと戦ってみたいものだ。
「はぁ・・・・・・それと、問題がさらに一つあるわ」
「政府―――内調の連中だろ」
「あら、気づいてたの?」
「この手の話で連中が絡んでこないはずがないよ、あのハイエナ共は鼻だけはよく効く」
特務機関Gのサイボーグ兵士―――それこそ高度な技術の塊をあの連中が欲しがらないはずがない。素直に佐郷文庫を地上に送り届けたらきっとなにかしら理由をつけて監禁、最悪の場合は分解ないし解剖されることは目に見えている。
「そっちの方は別の外部の協力者にお願いすることになったわ」
「ふうん、だったら俺がわざわざ協力することもないじゃないですか」
「あなたにお願いしたいのは護送の手伝いよ・・・・・・もう一人協力者がいるんだけど、少し問題がね」
「俺は保険ってことか」
「えぇ、心配しなくてもこちらからも護衛のメンバーを出しているわ。アサギ校長のお気に入りで、期待の新人よ♡」
「期待の新人ねぇ・・・」
「あなたのお気に入りの生徒達でもあったわよ、元先生」
「っ!」
「・・・・・・みんな寂しがってるわよ、たまには顔を出してあげたら?」
「考えときますよ」
静流さんの言葉に俺はつい五車の里に置いてきた『元教え子』達を思い出してしまう。どうやらまだ五車の里には未練があったみたいで、柄にもなくついセンチになってしまう。静流の言葉で、俺は久しぶりに生徒達の顔が見たくなってしまった。
小太郎達は元気にやっているだろうか・・・いや、何も言わないで里を抜けたんだ、今更先生面されてもあいつらが困るだけだろう。俺は振り払うように依頼のことを考えることにした。
オリ主のヒロインに追加するなら誰が良い?
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甲河アスカ
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鬼崎きらら
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神村舞華
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馬鹿野郎全員ふうまの嫁だろ