※この作品はR-18です。

二度目の人生は幸せに   作:ハルカ

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今回はエロ無しで短い説明回ですが、今後濡場が有るであろうヒロインが複数登場します。
リクエスト箱に応募してくださった読者の皆様ありがとうございます。


異世界の事情

部屋に入れば、そこには三人の女性が円卓の椅子に座っていた。扉が開き、リョウマとレイラが入ってきた瞬間に彼女たちの視線が集まってくる。そこから放たれる圧力は、この建物に来てから、と言うよりも、今までに感じた物の中でも最上級の質量を纏っていた。

 

一つ目は警戒。リョウマ個人に、と言うよりも男と言う未知の存在に対して油断をせず、何が起きても対応できるという自信を感じる。三人の中ではそれが一番圧力のある視線だった。

 

二つ目は興味。新しくこの世界に現れた男がどういうものなのか。頭のてっぺんから爪先まで、値踏みをするかのように眺めてくる。敵意は感じないが、不躾と言えば不躾な物に思える。

 

三つ目はその中間。敵意とまではいかないが、好奇心を抱いて無防備になるようなこともない。有効的でありながら、無言の圧力を向けてくる。纏っている雰囲気はそれなりのモノだろう。

 

「遅れて申し訳ありません。レイラ・マルカル第一参謀。着任いたしました」

 

緊張しているリョウマの隣で、レイラが三人へと敬礼した。その動きや声音だけで、やはり立場や役職的には彼女たちに比べて上にいるのだと理解できる。遅れてきただけに、レイラも緊張しているのだろう。頬には先ほどまでかいていた物とは別種の汗が流れていた。

 

「構わない。事情も……察しはする。席につくといい」

 

警戒心を剥き出しにした、金髪の女性が促す。冷たさと厳しさが混ざったような声音だ。相手をリラックスさせるよりも、委縮させることの方が得意なのだろうと思える。レイラが言われた通りに椅子に座ることからもそれがよく分かった。クセが強い、と言う表現は間違いだったのではないかと疑ってしまう。

 

「君も座ったらどうだい? 立ちっぱなしじゃ落ち着けないだろう」

 

呆けていると、好奇心旺盛と思われる女性が声をかけてきた。長い黒髪に、凹凸の激しい身体のラインがよく分かる衣装で身を包んでいる。揶揄うような笑みを浮かべて口元に指を添え、視線で椅子に座ることを促している。逡巡したリョウマだったが、フゥと息を吐き、レイラの隣の席へと腰かける。

 

「それでは……改めて。皇リョウマ様。ようこそ、共和国へ」

 

そして話を切り出したのは、敵意と好意の中間と言える視線を向けていた女性だった。色素の薄い髪を短く纏め、それとは対照的に派手な赤い服に身を包んだ彼女は、無表情を貫きながら真っすぐリョウマを見つめてくる。

 

「私は、共和国医療系統統括、フローレンス・ナイチンゲール。貴方の点滴治療を担当させていただきました。以後、よろしくお願いします」

 

「あ、どうも。ご丁寧に……」

 

圧力に負けて思わず礼をする。なぜか彼女を見ていると、姿勢を正してしまう。やはり治療をしてくれた人だからと言うのがあるのだろうか。組まれた腕の下で机に押しつぶされたナイチンゲールの乳肉に目が行くと、ゴクリと生唾を呑んでしまう。

 

「体調に異状は無いようですね。これからも無理をせず、決して病や怪我などに犯されぬようにしてください」

 

「は、はい。気をつけます……」

 

下半身に熱が回りそうになったとき、ナイチンゲールの冷たくも気遣いを感じる言葉に背筋を正せば、邪な考えが姿を潜める。息を整えて何とか抑え込むと、平静を取り戻した視界でその隣に座っていた黒髪の女性へと向き合う。

 

「じゃあ私だね。レオナルド・ダ・ヴィンチ。広報兼支援系統統括さ。主にトリガーの開発や、非戦闘員の子たちへの情報操作とかをしているよ」

 

神秘的な衣装と、左腕を大きな籠手で包んだ彼女は、凡そ人が思い浮かべる美しいものを併せ持ったかのような美女だ。少し身体が揺れると、服越しでも柔らかさを主張する巨乳がユサユサ♡と揺れる。どこか声がレイラに似ているのは気のせいだろう。

 

「トリガーの開発っていうのは……さっきのも?」

 

「はい。ランク戦のシステムや、緊急脱出のギミックを開発したのもダヴィンチ女史なんです。彼女のおかげで、戦闘時の死傷者は大幅に減りました」

 

隣でレイラが説明してくれる。お気楽そうな見た目をしているが、それだけの技術を生み出しているとなれば驚きを隠すことなど出来はしない。剣術の天才に出会ったことはあるが、分野を別にしていたとしても圧倒的に彼女の方が格上だろう。

 

「いやいや、優秀な開発陣のお陰だよ。私は、知識から発案して、理論を組み立てた。あとは技術者のみんなと試行錯誤した結果さ。天才は一人では成立しないからね」

 

何卒よろしく、と手を振られたリョウマも軽く会釈をした。これで二人の挨拶が終わる。ここまでは特に問題なく顔合わせは済んでいる。比較的友好的だったお陰だろう。だがしかし、最後の一人。金髪の髪を美しく纏めた麗人だけは話が違う。

 

ギロリと睨みつけてくる碧眼は切れ長で、まるでリョウマの心の奥を射抜くかのような鋭さを持っている。背筋に走るのは緊張だけではない。冒険者に成りたての頃、毎日のように感じていた命の危機だ。

 

「アルトリア・ペンドラゴン。防衛系統統括。最初に言っておきますが、私は貴公のことを認めていません。余計なことはしないよう。命の保証と引き換えに、種馬としての責務だけを果たしなさい」

 

冷たい、と言うよりも剣呑な声音だった。ピッタリとした服の上にマントを羽織ったその肢体は淫らで、ここにいる誰よりも女性としての性的魅力に富んでいる。しかし、座っているだけで放たれる剣圧は、彼女の戦闘能力がリョウマでも太刀打ちできないものだと理解させていた。

 

ナイチンゲールはジロリと睨みを利かせ、ダヴィンチは溜息を吐いている。リョウマ自身、今までの人生で感じたことが無いほどの圧力を感じ、息を呑みながら意識を集中した。

 

「よろしく、お願いする。お三方。俺も知らないことばかりだ。出来れば教えてくれると助かる」

 

「おや、種馬っていうのにはコメントなし? 一番気になると思ったんだけどなぁ」

 

揶揄うようにダヴィンチが口をはさんだ。だが、種馬という役割は予想できたもので、さらに言えばアルトリアから放たれるような威圧感、と言うよりも、彼女のようにリョウマの存在を良く思わない派閥があることも、大方予想通りだ。

 

「男性の持つ性欲がほとんど無く、繁殖も危ぶまれている状況で、俺のようなイレギュラーが現れたら。保護する理由は意外と少ないものだろう。俺も、それは仕方ないことだと理解はしている」

 

チラリとアルトリアを見れば、いかにも不服であるといった表情で鼻を鳴らす。それを見たレイラも苦笑いをしながら溜息を吐く。この場で一番いたたまれないのはきっと彼女だろう。リョウマとしてはレイラがいるから安心できるのだが、無理をしてほしくはなかった。

 

「ならば話は早いようですね。貴方には、この共和国に留まらず、世界的に起きている極度な少子化を、女性たちとの性行為、メイティングをすることによって解決してほしいのです」

 

「とりあえず、今この世界がどうなっているのか、っているのを聞いてもらおうか」

 

淡々としたナイチンゲールの願い出、と言うよりも宣言を受けたリョウマは、改めて背筋を伸ばし、ダ・ヴィンチから状況の説明を受けた。

 

     **********

 

事の始まりは、明らかとなっていない。いつから、誰が始めにいたのかも定かではない。ただこの世界に生れ落ち様々な知識を得た状態で発展していった。そんな中で女性たちが抱いた不満は二つ。

 

どうして男たちは、自分たちと同じように力を持たないのか。

女性たちは、様々な異能と知識を持っていた。しかし、男性たちはその十分の一程度の膂力も能力も無かったのだ。

 

そしてもう一つは、どうして子供が増えないのか。

この答えは簡単に分かった。男性たちの生殖能力が極端に低くなっているからだ。力もなく、種を存続させるのに必要な本能すらない。そんな時に誰かが言った。

 

「アレを我々と同列に扱うのは間違いなのではないか?」

 

その言葉を受け取った女性たちは二つに分かれる。

 

一つは共和国が掲げる男女平等を主義とする者たち。弱かろうと何だろうと、人は平等なのだから同じように扱わなければならないというものだ。彼女たちはまず間違いなく善性の高い人々で、その理念を確立するためにトリガー技術を発展させていった。

 

もう一つは、女尊男卑の理念を掲げる、女帝国を作り上げた女性たち。高い戦闘能力と知識を持つ彼女たちは、男という明らかに劣っている生命体を根絶やしてしまおうと考えた。だがその計画は、いとも容易く頓挫する。そんなことをすればどうなるか分からないほど、彼女たちは愚かでは無かった。

そうして女帝国は男を管理し、領土を広げていくことでこの世界の覇権を握ろうとしているのである。

 

     **********

 

「だから、トリガーを使って実戦形式の訓練を……」

 

攻め入ってくる女帝国から、資源と民衆、そして数少ない男性を守るために力をつける必要があるのだろう。殺意を持った本気の戦いは、嫌というほど経験を積ませてくる。そうしなければならないほど、この世界は緊迫した状態にあるということだ。

 

「女帝国とは、現在でこそ大規模な戦闘にはなっていません。しかしながら国境線や領土外においての小競り合いは続いています。そこで、我々は貴方と言う貴重な資源を手に入れた」

 

ナイチンゲールからの資源扱いは流石に不服だったが、リョウマは何かを言うこともなく話を聞いていた。要するに、彼女たち共和国側の目的は、リョウマを使っての交渉だろう。生殖能力を持つ男を保有しているということを知らしめることで、両国の間に友好的な関係、もしくは共和国側が有利な関係を築こうとしていると考えられる。

 

「故に、貴公は何もしないでいただきたい。この施設の部屋で何不自由ない生活を与えましょう。それに異存は、ありませんね?」

 

「いや……それは……」

 

アルトリアの念押しに、リョウマは少し考えてしまう。碧眼からの鋭い眼光にも臆することは、もうなくなっていた。彼女の言うとおりの生活をしていたとして、もしも女帝国から侵攻があった場合。それでも自分は何もせずにいることが出来るのだろうか。

 

「それは……できないかも、しれない」

 

「なんだと?」

 

答えは否だ。アルトリアから発せられる威圧感を受けても、その考えを変えることは無い。リョウマは自分がどういう人間か分かっている。やるべきことは必ずやる。だがその最中で、やらなければならないと思ったことから目を背けることが出来ない。

 

「俺は、もしも誰かが俺なんかのために戦っているのだとしたら、眼を逸らすことは出来ないと思う。戦うことを選んで、迷惑をかけると……思う」

 

「リョウマ……」

 

レイラが不安げな声を漏らす。もしも彼女が戦いに巻き込まれた場合、リョウマは見て見ぬふりをすることは出来ない。身の危険も何も考えずに駆け出してしまうだろう。それぐらいに彼は誰かのために生きてきたし、それを受け入れていた。だからきっと、彼女たちが望むように何もしない種馬になることは、きっと出来ないだろう。

 

「貴様……」

 

ガタリとアルトリアが立ち上がる。闘気を張り詰めた彼女と視線が交錯する。だがここだけは譲れない。あと数瞬すれば、二人の間に生まれた亀裂が音を立てて露わになるだろう。

 

その時だ。

 

―――――ッ!

 

顔を顰めるほどの警報が鳴り響き、部屋の壁に備え付けられていたモニターが点く。映っているのは、アルトリアと同い年か少し上、といった年齢の美女だ。癖のある髪を伸ばしており、身体のラインを浮きだたせるピッタリとした衣装をまとっている。

 

「どうかしましたか、スメラギ・李・ノリエガ」

 

『戦術予報が大外れ。あと数日は来ないと思っていた女帝国の襲撃よ。しかも相手は、死神ロゥリィ』

 

スメラギと呼ばれた女性が焦りを纏った声で説明をすると、モニターが切り替わり戦場が映し出される。

刀を振るう五人の少女と、身の丈以上のハルバードを振るう黒い少女の姿だ。狂気を孕んだ笑い声が聞こえてくる。

 

「あれが、死神……」

 

思わずリョウマは呟き、悟ってしまった。

 

あそこにいる少女たちでは、十分もかからずに全滅するであろうということを……




ダヴィンチちゃんは私目線で女性なので女性です。万能キャラは一人欲しいとのご意見だったので彼女となりました。
幹部たちがFGO関連の方ばかりになって申し訳ない……
ナイチンゲールの狂化は少しマシになってます。その方が話を進めやすかったので。許してください……

次回は戦闘回。よろしくお願いします。

エスデス、宇崎瞳、ムジナ、あと一人攻めてくるなら?

  • アルベド
  • 成瀬澪
  • 新橋のえる
  • 敷島魅零
  • エリカ・ブランデッリ
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