※この作品はR-18です。

上手に潜入出来るかな?   作:くす玉爆弾

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今回は五車祭蛇子のエロシーンIFです。


蛇子が蟲姦調教されたら

 雨がしとしとと降り注ぐヨミハラの街中を、遮二無二に走り回る影が一つ。

 ふうま小太郎である。

 

「クソッ!! リリムの奴! ふざけやがって!!」

 

 ふうまが憤っているのには理由があった。

 事の発端は幼なじみである相州蛇子と共同して担当した救出任務にあった。不運にも、土雲という闇組織に捕縛された対魔忍を助け出すために二人はヨミハラに潜入したのである。

 任務は途中までは順調に進んでいた。元よりツーカーの仲の二人である。対魔忍としては突出した戦闘力を持たないコンビであっても、敵の殲滅を目的としない、救出任務であれは何の問題もなかった。

 常人には不可能な柔軟性から繰り出される“タコ足四刀流”と多少の手傷は物ともしない再生力を持つ蛇子は、多数の敵を相手取るのに最適であり、彼女が警備を陽動している間にふうまが仲間を助け出す手筈であった。

 問題が発生したのは救出後のタイミングだった。ふうまが調教によって息も絶え絶えになった仲間のフォローに回り、蛇子への援護が疎かになった隙に婬魔の一人が彼女に怪しげな薬物を嗅がせたのだ。

 

「蛇子!!」

「ふうまちゃん⋯⋯に、げて⋯⋯」

 

 即効性の睡眠薬だったのだろうか、瞬時に意識を失い何処かへ連れ去られる幼なじみをふうまは見ている事しか出来なかった。

 ふうまの実力では雑兵とはいえ残りの敵を倒し、蛇子を奪還するのは厳しい状況だった。足手まといを守りながら戦うともなればなおさらで、自分が敗北すれば此方は全滅。次の救出チームが送り込まれる頃には、助けた彼女も蛇子も取り返しがつかない事態になるのは確実だった。

 

(蛇子、すまんっ!!)

 

 故にふうまは対魔忍として、何より作戦を預かる指揮官として、合理的かつ冷徹な判断を下した。

 婬魔達が蛇子に気を取られている隙に仲間を担ぎ上げ、敵陣から脱出したのだ。冷静さを失ってはいけない、まずは仲間の安全を確保したのちに蛇子は必ず取り返す。

 そう自分に言い聞かせるふうまの唇は、渾身の力で噛み締められ赤い血を流していた。

 

 

 ※

 

 

「ふっふーん! どうしよっかなー?」

「頼む! お前だけが頼りなんだ!」

「いくら、おやびんの頼みと言っても仲間を売るのはねぇ?」

「そこをなんとか! 俺に出来ることなら何でもする。そうだ、俺の小遣い半年分でどうだ!」

「仕方ないなぁ~。このリリム様にまっかせなさーい! 感謝しろよ? ふ・う・ま!」

「━━恩に着る!」

 

 救出した対魔忍を“高坂静流”が経営する酒場に預け、彼女が静止する声も聞かずに走り出したふうま。

 彼女の言い分では、今回の任務は自分達以外にも複数の対魔忍が土雲の拠点に奇襲を仕掛けており、街中の警戒態勢が上昇しているため迂闊な行為は認められないという。

 数日、間を空けてから再編成した救出チームを送り込むのが確実であると言う、彼女の言葉は正しい判断だと思う。

 しかし、ふうま小太郎だけはそれを認めてはならない。この街での数日間が蛇子に何をもたらすのか、もし生きて帰ったとしてもそれは最早、以前までの彼女ではなくなってしまっているだろう。

 独立遊撃隊が結成される前、“目抜け”と蔑まれる自分にずっと寄り添ってくれた大切な幼なじみ。そんな友人どころか家族と言ってもいい存在を、任務の為とはいえ見捨てたことを彼は心底恥じ入っていたのだ。

 

「俺は婬魔族の知人の伝手を当たってみます!」

 

 そう言って飛び出したふうまが、初めに頼ったのが婬魔族のミーティアである。何度か任務等で世話になった夢魔の女の子で、もう一人の夢魔の知り合いと違い礼儀正しく協力的だ。

 ヨミハラの婬魔達の中でもそれなりの地位に居るらしく、彼女の力を借りれば、蛇子の居所もすぐに分かるはずだった。

 しかし、運の悪いことに彼女はこの日はヨミハラにおらず、連絡を取り付けることが出来なかった。

 出鼻を挫かれたふうまは仕方なく、日頃から散々迷惑をかけられている小動物コンビの片割れ、“夢魔リリム”に頭を下げているのだった。

 

「それで、この地図に描かれている場所が婬魔族の拠点なんだな?」

「そうそう! この中のどこかに監禁されているはずだよー」

「新しい女が連れ込まれた場所とか、内部情報は手に入らないのか?」

「うーん⋯⋯私にはその手の情報は回ってこないからなぁ。商品の出入りは毎日あるし、特定は無理だよおやびん。まぁ、施設に入り込む手引きくらいはしてあげるよ」

 

 この小悪党は同族からも爪弾き者扱いされており、信用も信頼もされていない。当然、鮮度の良い情報など持っているはずがなかった。

 

「動くんなら早い方がいいよ。本能で判るんだけどさ、あの娘、処女でしょ? 婬魔の調教は凄いからねぇ。おぼこちゃんじゃ半日も持たないかもねー」

 

 リリムの心ない言葉にふうまは無意識に歯軋りする。以前、蛇子がカオス・アリーナに拉致された際は、スネークレディの戯れもあり女の尊厳を失う前に助け出せたが、婬魔相手ではそうはいかないようだ。

 

「くっ! 急ごう!」

「はいはーい」

 

 実はリリムにはふうまに言っていないことがある。眉目秀麗な対魔忍や高位種族など、特に高値で売れそうな奴隷が手に入った場合の専用調教施設があること。先程見せた地図にはその施設は記載されていないことの二つである。

 これがリリム。

 蛇子本人と多少なりとも面識があり、ふうまにも幾度か窮地を救われた恩義があるにもかかわらずこの仕打ち。

 悪鬼羅刹の闊歩するヨミハラにおいて夢魔族一のクズの名を欲しいままにする女は伊達ではなかった。

 当然、いくら探せども、蛇子が見つかる筈もなく⋯⋯。

 

「またハズレじゃないか! どうなってるんだリリム!」

「私のせいじゃないもーん。しらみ潰しに探すって言ったのはおやびんじゃん。まだ半分残ってるしガンバ!」

 

 小馬鹿にした物言いに思わず舌打ちをするふうま。リリムの手引きによる潜入捜索も既に四ヵ所、空振りに終わっていた。

 内心は謀られているのではないかと思い初めているふうまだが、他に手掛かりがないのも事実。刻一刻と過ぎてゆく時間に焦りを覚える若き対魔忍は、次第に普段の冷静さを失っていった。

 

「これで最後⋯⋯蛇子⋯⋯どこに行っちまったんだよ⋯⋯」

 

 最後の拠点を探し終えたものの。結局、蛇子を見つけることが出来なかった。思わず膝を付いて放心するふうまに、どこか面白そうな声が掛けられる。

 

「あれれ~? おっかしいなー? 何で見つからないんだろうね?」

 

 その様子にふうまは胸に秘めた疑問を口にする。

 

「リリム⋯⋯お前、騙したな?」

「えぇ~? おやびんが真面目に探してないからじゃないのぉ? せっかくリリムちゃんがおやびんの為に━━」

 

 気が付いたら手が出ていた。

 日頃から迷惑を掛けられてばかりの関係だったが、大抵は怒鳴り散らすなり追いかけ回すなりが怒りの発露だった。ふうまは元来、理知的で温厚な性格の青年である。敵との戦闘や訓練、正当防衛以外で異性に暴力を振るったことはなかった。

 しかし、今回ばかりは限界だった。幼なじみの危機に後手に回ってばかりの自分への焦りと苛立ち。そこにある種の親しみを覚えていた相手からの裏切りが重なり、精神のキャパシティを超えてしまったのだ。

 

「みぎゃあ!!」

 

 拳骨が頬骨を見事に捉え、衝撃に浮いたリリムの身体が二メートル離れた地面に叩きつけられた。肉弾戦は不得意だが、ふうまは仮にも対魔忍である。その身体能力は表の世界の格闘家や軍人のそれを遥かに凌駕している。下級夢魔のリリムには充分な痛打になったようだ。

 

「す、すまん! 大丈夫か?」

 

 ハッとして正気に戻ったふうまが慌てて謝罪した。誰が悪いかといえばリリムが悪いのだが、根が善良なふうまは悪友を殴ってしまったことに罪悪感を感じてしまったのだ。

 

「いったあああい! 何すんのよ! バカふうま!」

「元はと言えばお前の質が悪いイタズラのせいだろ! お前の悪ふざけに付き合ってる時間は無いんだよ!!」

「うるさい! うるさーい!! せっかく満足したから蛇子の居場所を教えてあげようと思ってたのに、もう協力してあげないからね。死んじゃえ、バカふうま!」

「おい! 今、なんて言った!!」

 

 聞き捨てならない台詞を吐いたリリムを捕まえようとしたが、一息に上空まで飛び上がり、そのまま見えなくなってしまった。

 

「クソッ!!」

 

 思わず電柱を殴り、悪態をつくふうまだったが、このまま当ても無く蛇子を探し続けるか、リリムを捕まえて情報の真偽を確かめるか思い悩んだ。

 ふうまとしては、少しでも手掛かりに繋がりそうなリリムを問い詰めたいところだったが、もしもあの言葉が口から出任せだった場合、致命的な時間のロスになるだろう。

 悩む時間すら惜しい。そんなふうまは一つの妙案を思い付いた。

 

「あの人なら━━ひょっとして」

 

 彼なら蛇子の居場所を突き止められるのではないか。根拠のない思い付きだが、藁にもすがる思いのふうまには一筋の光明だった。

 あの人とは、五車学園の先輩である鬼崎きららの知人で、五車と情報及び技術面の協力関係にある人物だった。

 知り合いのさらに知り合いという浅い関係ではあるが、ふうまも何度か顔を合わせる機会がありその都度、彼の人脈と資金力には目を剥いていた。

 某財閥のトップである彼は裏社会での影響力も並ではない。その権力を駆使すれば蛇子を助けられるかもしれない。最悪、居場所だけでも知れれば、後は自分が手足を引き千切られようとも蛇子を救い出してみせる。

 

(待ってろよ。蛇子⋯⋯)

 

 そう決心したふうまは男へと連絡を入れ事情を説明すると自分はリリムを捕まえる為に全力疾走を開始したのだった。

 

 

 ※

 

 

 ふうまがリリムに翻弄されている頃、婬魔に拉致された蛇子は窮地を迎えていた。

 

(ここ⋯⋯は?)

 

 闇の底に落ちた意識が徐々に覚醒してきた。何やら二人の男が話し合いをする声が聞こえる。上司が部下に仕事の指示を出しているようだ。蛇子はその会話を他人事のようにぼんやりと聞いていた。

 

「この牝は明日のVIPオークションの目玉にする。悪いが今夜は徹夜で調教してもらうぞ!」

「一晩では性技の教育が不完全になりますがよろしいので?」

「構わん! この牝は処女だ。客には新鮮な生娘として売りに出すのだから、テクニックを仕込む必要はない。性感の開発と隷属印を刻んでおけばそれで良い。当然、処女は奪うな」

「その程度であれば問題なく。しかし、随分と急な話ですね」

 

 数瞬の沈黙の後、上役と思われる男が語り出した。

 

「実はな、この牝は土雲の拠点に襲撃を掛けた対魔忍の一人なのだ。我々も土雲とは太いパイプがあるからな。奴隷の教育用に派遣していた者が上手くやったのだ。だが、いつまでも手元に置いておいても、再び襲撃されるのは目に見えている。それゆえに早急に売り払いたいのだよ」

「なるほど⋯⋯」

「幸い、明日のオークションは魔界からお忍びで来られた貴族の方々が参加される。いかに対魔忍と言えども、魔界に連れ去られてしまえば手は出せない。そうだ、脳蟲を使ってこの牝の記憶も消去してしまえ。そうすれば処女を奪った男の従順な奴隷になる。逃げ出そうという発想すら持たないだろうさ」

 

 後は任せた。そう言うと上役は調教師の肩を叩いて部屋から出て行った。

 

(処女は奪うな⋯⋯か。上物なんですがねぇ)

 

 不満そうな表情で調教師は目の前の獲物をねっとりと眺めた。

 小柄な体格に不釣り合いな程の豊満な果実を実らせた少女だった。小動物的な愛らしさと肉々しい胸部のもたらす抱き心地は、そのまま売りに出したとしても、寝室の共として一級の部類だろう。

 無論、素直に主人への奉公に徹するかどうかは別問題。その為の教育をこれからするのだ。

 調教師の役得として婬魔が一番に挙げるのは奴隷の味見である。特に娼館に卸す奴隷が処女だった場合は、ロストヴァージンを奪う特権を与えられているのだ、婬魔としてこれほど美味しい仕事はない。

 しかし、彼女は上客専用の性奴隷になる運命だ。日夜、大勢の男達に抱かれる凡庸な牝豚娼婦とは違い、一人の主人に一生を捧げるのだ。その場合、処女であるという事実は重要な付加価値になるので、お手つきは厳禁である。

 

「そろそろ薬の切れる時間です。目を開けなさい」

 

 冷たい声音で調教師が蛇子に呼び掛けた。

 

「う、うぅ⋯⋯ここは? ふうまちゃんは⋯⋯どこ?」

「知る必要はない。これから牝奴隷に生まれ変わる女にはね」

 

 目を開き、虚ろな表情で周囲を伺う蛇子を見て、婬魔は内心で舌なめずりした。

 やはり、この牝は上物だ。顔立ちが整っているのは分かっていたが、目を開くと長くハッキリした睫毛が、大きめな瞳のちょうどいいアクセントになっていて愛嬌を感じさせる。

 若草色の髪も良い。一目で良く手入れの行き届いているだろうと分かる髪質は、艶やかでサラサラでどこか暖かみさえ覚える。

 美麗と言うよりは可愛らしい印象を受ける少女。地元ではきっと、明るい人気者だったに違いない。だが、友人達がその笑顔を見ることはもう二度とないのだ。

 

「どういうこと? ここから出して!」

 

 いまだに状況はハッキリとしないが、本能的に自分が窮地に陥っているのは察したのか、蛇子は起き上がり戦闘態勢を整えようとしたが、手足が動かないことに気が付き愕然とした。

 

「何⋯⋯これ?」

 

 四肢が生々しい肉の塊の中に埋め込まれていた。よく観察すると、部屋中が同じ物体で覆われていて、まるで巨大な生物に飲み込まれたような不快感を覚える。身を捩り、なんとか脱出を試みるが、引き抜くことは出来なかった。

 しかも、薬品の効果がまだ残留しているのか、忍法も使えなかった。もっとも、足だけタコに変えて抜け出したとして、どうするのだという話ではあるが。

 

「拘束用の肉布団がお気に召さないようですね。柔らかさと強靭さを兼ね揃えた軟体は力での突破を不可能とします」

 

 婬魔と思われる男が近寄って来る。蛇子は自身の待ち受ける運命を理解したのか、顔を引き攣らせた。

 

「やめて! 近寄らないで!」

「喚くな。お前は此処に来た時点で奴隷になったんだよ。もう二度と人間扱いされることはない」

 

 仕事のスイッチが入ったのか、調教師の口調が冷厳なものに変わる。この切り替えで女の精神に揺さぶりを掛けるのが、男の流儀なのだろう。

 ゆるゆると蛇子の焦りを掻き立てるように近づくと、無造作にたわわな果実へと手を伸ばした。

 

「随分と立派なものをぶら下げているな」

「うっ!? くぅっ!」

 

 スイカやメロンと評するのが相応しい、豊満な乳がぐにゅりと握りしめられる。

 若い乳房だ。とろける柔らかさの乳肉であるが、中心にはまだ少し芯の硬さが残っていた。

 いくら対魔忍と言えども、蛇子は男を知らない乙女だ。名前も知らない婬魔の無作法な行いに、彼女は唇を噛み、顔を反らした。

 

「ふぅっ! ぁいやっ⋯⋯触らないで!」

「熟成されるまでは、後数年掛かるな。男に触られるのは初めてか? 売りに出す前に少しほぐしてやろう」

 

 五本の指が繊細な動きで踊る。やはり売り物相手ということか、乱雑な扱いはせずに柔肉の質感と弾力を調査する鑑定士の趣だ。

 極薄の生地越しに指先が肌をくすぐる、戦闘の動きを阻害しないよう配慮された特殊戦闘の生地は、厚さ数分の一ミリしかない。これでは直接、肌をまさぐられるのと大差なかった。

 

「んぁ⋯⋯はぁ⋯⋯んっ」

 

 やはりプロの業か、異性に触れられる嫌悪感がすでに快感に屈しかけている。

 横乳から秘めたる頂へとリンパ節に沿ってなぞられると、ゾクゾクと鳥肌が立つ快楽と乳肉内の血液の流れが加速するのが分かった。

 柔らかい脂肪の下に存在する乳線のコリコリを絶妙な力加減でマッサージされると思わず喘ぎそうになり、慌てて口を噛み締める。乳房は次第に熱を持ち始めているようだ。

 

「あ⋯⋯あ⋯⋯だめ⋯⋯だめぇ⋯⋯胸、触らないで」

「気持ちいいか? 今のうちに快楽を受け入れる準備をしておけ。婬魔の調教は人間の比じゃないぞ」

 

 乳房の根元から頂点に絞り出すように握られると遂に声が上がった。

 

「いやぁ! ふうまちゃん助けて! 変なとこ弄らないでよ!」

「ククク、諦めろ。さっきの話を聞いてなかったのか? 助けが来る前にお前は売りに出される。明後日には魔界で性奴隷としての生活が待っているぞ」

「くぅっ!? ふざけないで! ふうまちゃんならすぐに見つけてくれる。蛇子が危ない時はいつも助けてくれた。貴方達の思い通りになんて絶対にならない!!」

 

 毅然とした態度を見せつつも蛇子は焦っていた。以前、拉致された時は数日の猶予があったから救助が間に合ったのだ。気を失っている間にどれだけの時間が経っているのかは不明だが、婬魔の話から推察するに数時間程度しか経過していないだろう。いくら頭の回る幼なじみでも見つけられるかどうか。

 身体の方も問題だった。胸を揉まれ続けたせいで、心拍数が上昇している。生理的な反応が肉体に表れるのも時間の問題だ。

 徐々に血流が胸の頂点に集まってゆくのが分かる。乳房をまんべんなく揉みほぐす婬魔の手は、決して乳首には触れずに焦らしているのだ。

 

(お願い! 勃たないで。我慢しなきゃ)

 

 蛇子の対魔忍スーツはオーソドックスな密着型である。それゆえに肉体の変化は薄布越しにハッキリと表れた。

 青紫色の薄生地の中心にぽつんと小さなしこりが浮かび上がっている。それこそが蛇子の乳首なのだ。

 

「おや? これは何だ?」

「ッ!?」

 

 婬魔のわざとらしい問い掛けに蛇子は歯噛みする。それに答えずに何とか高ぶりを鎮めようとするが、一度、意識してしまった以上はどうしても気になるもの。

 ポッチの周辺を人差し指でクルクル周回し、決して乳頭には触れようとしない手つきにもどかしさを感じる。微弱だが無視するには魅力的過ぎる刺激は、次第に降り積もって行く。

 初めはほんの数ミリの隆起だった乳首が刺激を糧に徐々に成長してきた。殻から顔を出すカタツムリの頭のようにニョキニョキと膨れ、しゃぶりがいのある大豆サイズまで育ち、しこり固まってしまった。

 乳頭に引っ張られるように指先で撫でられ続けていた乳輪もぷっくり盛り上がり、ラバー生地の上からでも秘めたる部分の大きさが丸分かりになっている。目を凝らせばモントゴメリー腺の数まで把握出来そうな有り様は、汚れを知らない乙女にしてはあまりにも婬猥だった。

 

「物欲しそうに勃起しているな?」

「ぼ、勃起なんて⋯⋯してない⋯⋯」

 

 そそり勃った豆に二本の指が近づく。

 

「なら確かめてやろう」

「あっ! や、やめて!」

 

 コリッ!

 

「はうううぅぅ~~~~!!」

 

 絶妙な力加減で乳頭を摘ままれた瞬間、蛇子の脳髄に電流が走った。

 本人の意思とは関係なく背中が仰け反り、食い縛っていた筈の唇から嬌声が溢れる。

 

「やっぱり感じてるじゃないか。え?」

「はうっ! は、離してぇ! いぁん! 痛い! 痛いからぁ」

「そうは見えないな! 自分の顔がどうなってるか分かるか?」

 

 苦痛を訴えているにしては悲鳴も表情も女を強調し過ぎていた。潤んだ大きめな瞳も、時折漏れる熱いため息も、主人におねだりする牝犬を彷彿とさせる。

 しかし、それも無理からぬことであった。初めてなのだ、男にそういった目的で触れられるのは。人前で敏感な果実を反り勃たせるのも、布越しとは言えそれを愛撫されるのも、蛇子は自身の変調に戸惑いと恐れを感じていた。

 

「ぁくぅう、んあっ! やぁ⋯⋯ん⋯⋯こりこりだめぇ」

 

 先っぽを両サイドから弾力を確かめるように挟まれると、乳房が内側から熱を持ち、張ってくるのが分かる。子宮もムズムズする。身体を捩っても疼きは消えなかった。

 そのまま、突起を摘まんで前へと引っ張られた。一瞬だけ痛みが走り瞳が潤むが、それすらも気持ち良いと感じる自分がいる。

 豆粒を上から人差し指で押し潰され、コロコロと転がされると、もう自分を偽ることは出来ないのだと悟った。

 腰椎を介して子宮にまで届く快楽電流が愛液の分泌を促す、蛇子は膣内をトロトロの粘液が満たし下の口から溢れ出すのを認識した。生理反応で小陰唇が潤み、粘り気の強い頸管粘液がスーツの股ぐらに染みを作った。

 肌に張り付く湿った生地に不快感を覚えながら、蛇子は顔を羞恥に染めた。こんな屈辱は子供の頃におねしょを幼なじみに見られて以来だった。それに、このままでは婬魔の愛撫で股を濡らしたことがバレるのも時間の問題だ。

 

「そろそろ下もほぐれてきてるんじゃないか?」

 

 婬魔も経験から既に分かっているのだろう。あからさまに蛇子の下半身へと視線を向けてくる。

 

「くぅっ! そんなはずない! 濡れてなんかない!」

「どれどれ~~」

「いやああ!!」

 

 幸か不幸か、観音開きになった蛇子の股ぐらには、ちょうど良くミニのプリーツスカートが被さり、乙女の花園を下卑た視線から守っていた。

 しかし、この状況では、そんなものは興奮を掻き立てるスパイスにしかならない。婬魔がスカートの端を掴みペロンと捲り上げる。防壁を一枚剥がされた秘部は、楕円形の染みを男に晒した。

 

「んん? 何だこれは? 湿っているなあ」

「し、知らない!」

 

 あからさまな問い掛けに蛇子は震えた。

 

「ひょっとして漏らしたのか? 臭いを確かめてやろう」

「漏らしてない! やだ! 鼻は近付けないで!」

 

 調教師は陰核に鼻先が触れる寸前まで顔を近付け、スウウウウゥっと態々大きな音を立てて息を吸った。水気が染み込んで、濃く変色した布地からは、噎せ返るような婬臭が立ち上ぼり、婬魔の鼻腔を強く刺激した。

 

「生臭いな⋯⋯磯の臭いだ」

「言わないでよぉ⋯⋯ぐす、気にしてるのに⋯⋯ひどい」

 

 会得している忍法の影響なのか、蛇子の愛液は年頃の乙女にしては、少しばかり刺激的な香りをしているようだ。

 異性からのコンプレックスを刺激する言葉の槍は、彼女の心に容易く突き刺さり、目尻に涙が溜まった。

 凌辱者に弱味は見せないと決めた筈が、つい泣き言が口をついてしまう。悲しみを声に出すと鼻の奥がツンとして余計に惨めな気持ちになった。

 

「癖は強いが悪くないぞ。臭いフェチの好事家には、これくらい臭った方が受けが良い」

「ッッ! そんなフォローいらないんだから!」

 

 バカにしているのか、それとも慰めのつもりか、人身売買のプロとして蛇子のマン臭の商品価値を説明する婬魔だったが、再び黒色のラバー生地に隠された秘部へと一瞥を向けた。

 

「さあ、秘密の部分を直に拝ませて貰おうか」

 

 ニヤリと笑う婬魔の爪が三センチほど伸びる。丹念にヤスリ掛けされたソレは人間の喉笛くらいなら容易く引き裂けそうだ。

 鋭利な爪先を大事な場所に向けられ、再び動揺を露にする蛇子。

 

「ヒッ! 何するの!?」

「マンコの準備体操だ。本格的に開発する前のな」

 

 爪の先端がスーツの股間周りに触れ、そのままゆっくりとした動きで円を描いた。薄刃が通り過ぎた後には、黒地が裂け美しい肌色が覗いている。商品の肌に傷を付けない為の配慮か慎重な動作で切り分けは行われた。

 

「秘められた場所を拝見しようか」

「や、やめ━━」

 

 静止の声も空しく、切り取られた生地が引き剥がされる。この瞬間は女にとっては屈辱の極みだが、男にとっては至上の喜びである。じっくり味わいながら捲ると、直ぐに草原の陰りが姿を表した。

 蛇子の下の毛は髪と同じ若草色だった。やや薄くこじんまりと整えられた陰毛は少女らしい初々しさを感じさせる。

 

「見ないで⋯⋯見ないで⋯⋯」

 

 晒されたアンダーの上半分は乾燥しているが、下半分は粘度の高い愛液がじっとりと染み込み婬猥なテカりを放っていた。

 そして、その体液の発生源はすぐそこにあった。蜜の滴る乙女の女性器は未使用であることを強調するようなサーモンピンク色。普段はぴったりと閉じているであろう無花果の実は、性感の目覚めにより半開きになり、やや大きめな小陰唇の肉襞がプルンとはみ出している。

 ベタついた陰毛が恥丘から大陰唇の周りを縁取り、ピンクの生肉と明緑のコントラストが背徳的な肉欲をそそり立たせた。

 

「やっぱり、感じてるじゃないか。この淫乱ホラ吹き女め!」

「うぐっ! くうううぅ!」

 

 誰にも見せたことの無い秘部を観察され、不躾な感想まで言われた。プライドを大きく傷つけられた蛇子は、胸の中の憤りのままに婬魔を罵倒しようとしたが、荒ぶる感情を言語化出来ずに、ただただ唇を噛み締め屈辱に震えた。

 

「うあ!? そ、そこは!」

 

 婬魔の指がピンクの花弁を一撫でした。軽く触れるだけで婬蜜が染み出し、牝しべが僅かに開閉する。排卵日が近いのか平均よりも粘りの強いおりものが銀の橋を渡していた。

 

「ひぁや、やぁん⋯⋯くううっ⋯⋯あっああ~~」

「どんどん溢れて来たぞ」

 

 入り口を彩る果肉を浅く掻き回してやると、ちゅくちゅくと艶かしい音がなる。もどかしい刺激に蛇子は甘えた嬌声を抑えることができない。

 婬魔は未熟な性感帯を徐々に徐々に開花させてゆく。際限無く溢れ出す婬水が指に纏い付き、透明だった愛液に気泡が混ざって、メレンゲ状に白濁する頃には、蛇子の腰が無意識にカクンカクンと上下運動するまでになった。

 

「こ、こんな、こんなのって⋯⋯はぅ!? か、掻き回しさないでぇ!」

「そろそろ欲しくなってきたんじゃないか?」

「ち、違うわ!」

「ほう? ならこの情けない腰振りは何だ?」

「うぐっ⋯⋯く」

 

 男の嘲りに蛇子はみっともない空腰を止めようとしたが、既に肉体は言う事を聞かなくなっているようだ。

 そして、肉ビラを指先で鞣す動きは一時止まり、次に目線が向いたのは薄皮に窮屈そうに収まった肉の芽だった。こちらも臨戦態勢は整っているのか、窄まりの中心からは新芽の輝きが僅かに覗いている。

 

「可愛いじゃないか?」

 

 婬魔は唐突に人差し指で肉芽を押し潰した。

 

「きゃあああああぁッ!!」

 

 自慰の時でさえ恐る恐る弄る過敏な性感スイッチを突かれ、蛇子が悲鳴を上げた。

 そのまま敏感な箇所を守る包皮を剥くと純白の真珠が姿を現した。

 楽しみは取って置くつもりなのか、まずは新芽には触れず、その周辺を指先でクルクル回し、ふうっと息を吹き掛ける。

 

「ひ、ひうぅッ⋯⋯はぅん!」

 

柔らかな風が当たるだけでも蛇子の腰奥が甘ったるくなり、肉真珠がもう一段固さを増した。フーッフーッと吹かれる度に恥丘が浮き上がり背骨が歪曲すると淫らなブリッジの体勢を晒した。

 

「どうして欲しい?」

 

 乙女が物欲しげなを送っているのに気が付いた婬魔がニヤリと笑い揶揄する。

 意図せず凌辱者に潤んだ瞳を向けていたと自覚した蛇子は慌てて目を反らし、男の問いに拒絶で返そうとしたが。

 

「さ━━」

「さ? 何だ?」

「さ、さわら⋯⋯ない、で⋯⋯」

 

 欲望に抗っているのがバレバレな声音だ。息も絶え絶えな様子は、既に発情期に入った牝の姿そのものだろう。

 

「遠慮するな」

「うっく! アアッ! きゃう!? そんな! きぁっ、直接なんて⋯⋯やぁ、やめ⋯⋯」

 

 形だけの否定など何の意味もなく、今度は直接、剥き出しになった陰核を爪弾かれ、愛撫された。神経を揉みほぐされるような刺激が脳内で性快楽に変換され、腰の抜ける快感と脚が引き攣る衝動を同時に味わわされ、蛇子は屈辱の空腰送りを披露してしまう。

 

「うっくぁあん! だ、だめ⋯⋯腰⋯⋯止まらないいぃ~! やめてえ⋯⋯んくぁ⋯⋯おかしくなるううう~~!」

 

 最早、口を閉じることも出来ずに、嬌声混じりの哀願を叫ぶ蛇子は身体を襲う未知の悦楽に戸惑いを覚えていた。そして、その感情の中身は嫌悪感よりも期待感が勝っているのを彼女は理解できない。

 婬魔の手技は女の本能を屈服させる魔力に満ちている。それは、男を知らぬ乙女を堕落させる麻薬そのものだ。

 

(何でこんなに気持ち良いの? 駄目なのに、ふうまちゃんが来るまで耐えなきゃいけないのに⋯⋯我慢できないいい)

 

 消しゴムのカスで遊ぶように、陰核を捏ね回される度に下腹部が痙攣し奥から生暖かいものが溢れるのが分かる。上からトントンされると腰がロデオし、二本指で側面からシコシコされると疑似的な排尿感に襲われ、蛇子は首を振って声を上げた。

 

「これが良いのか?」

 

 反応に気を良くした婬魔が具合を聞くと、判断能力を喪失し、快楽に膝を突いた蛇子はコクコクと頷き鼻を鳴らした。

 

「どうして欲しい?」

 

 そろそろ頃合いかと、先程と同じ問いをする婬魔。蛇子は何かは葛藤しながら口をパクパク開閉させると弱々しく答えた。

 

「もっと⋯⋯もっと欲しいの。触って⋯⋯ううん⋯⋯な、舐めて⋯⋯」

 

 目先の快楽に屈して愛撫をおねだりする。それは、今も自分を探しているだろう幼なじみへの酷い裏切りに思えて、蛇子の瞳から大粒の涙が一粒零れた。

 

「ククク、婬売め! どこを舐めて欲しいんだ?」

「お、お豆とアソコ⋯⋯」

「随分とお上品な言い方だな。奴隷に相応しい言葉を使え! それとも素直になる薬を打たれたいのか?」

 

 魔界産の魔薬の強力さを知る蛇子は、婬魔の言葉に怯えを露にする。魔薬は元々、人外用に調合された薬物だ。人間が注射されば瞬時に発情期の獣になり、治療を受けても半永久的な障害が残りかねない。何としても、それだけは避けたい事態だ。

 

「クリトリスとオマンコを舐めて下さい! お願いします!!」

 

 救助が来た時には迅速な行動をしなければならない。だからこれは仕方のないこと。

 

「駄目だな! おい! 予行練習だ! 俺をご主人様だと思って言ってみろ。明日からお前は肉布団として新しい主に奉仕するんだ。そのつもりで媚びを売ってみろ! 出来なければ薬だ!」

 

 蛇子の顔が怒りと羞恥で真っ赤に染まったが、震える唇は真逆の言葉を放り出した。

 

「へ、蛇子のクリトリスとオマンコをペロペロして気持ち良くして下さい⋯⋯ご主人様に大事なところをチュウチュウされるのが、蛇子は大好きです⋯⋯待ての出来ない卑しい牝犬にお情けを⋯⋯下さいっ」

「まあ、及第点か⋯⋯これからは自分は人間以下だと肝に命じておけ」

「⋯⋯はい、ご指導ありがとうございます」

 

 蛇子は泣きたいのを必死に堪えながら下手に出て自分の身を守る。

 秘めたるマゾヒズムを刺激された肉体は、ボロボロな心とは裏腹にドクンと胸を昂らせ、体温を僅かに上げたが、彼女が自身の性癖を自覚するのはもう暫く後の話だ。

 

「じゃあ、ご褒美だな」

 

 婬魔が口から舌を吐き出した。人間の三倍以上長い卑猥な肉片だ。威嚇する毒蛇のように恐ろしく艶かしいソレは、自立した生物と勘違いしそうなほど生き生きとした動きで、処女の肉華ににじり寄って来た。

 そして、その様子を蛇子はどこか期待に満ちた表情で見つめているのだった。

 

(ああぁ~~⋯⋯舌、近づいて来るよぉ⋯⋯大事なとこ⋯⋯気持ち良いとこ舐められちゃう。ほんとはダメなのに⋯⋯でも仕方ないの⋯⋯)

 

 数瞬の葛藤の間に、這い寄って来た長舌が勃起した陰核を包み込んだ。

 

「はうううぅん! やあぁあ~! き、きもちいいいん! そこイイぃ~~⋯⋯ご主人様の舌、気持ち良いぃ~~」

 

 性感帯を生暖かい舌で舐め回される感覚に、蛇子は酔いしれる。指では到底、得ることの出来ない滑らかで繊細な愛撫は、真珠の先端から包皮の隙間までを隙間なく磨き上げ、卑猥なイソギンチャクに恥垢を補食されている幻覚すら見せた。

 

「ああぁあぁ~~、こんな、しゅごいいぃ~~! 指と全然ちがうう⋯⋯クリちゃんビンビンになっちゃううう~~! ひゃ、ひゃめえええ!」

 

 蛇子は蠢く舌の動きに合わせて腰を振っていた。がに股気味に膝を開き、ガクガクと恥部を揺すりアピールし、涎を垂らしながら半ば白目を剥き婬語を漏らす姿は、今夜からでも客を取れそうな娼婦の色香に満ちている。

 しかし、生まれて初めての本格的な舌技に彼女の堪え性は薄紙も同然だったらしく、婬魔のクリ責めを数分受けただけで、蛇子の全身は痙攣し、溢れ出した脳内麻薬が許容限界を超えてオーガズムへと導こうとする。

 

「くっああ! く、くる!? なにか来ちゃう!? ああ~、が、がまんできないよおおお⋯⋯ぃイクから、ヒィ、イッちゃううう~~!」

 

 快楽の頂点に最後の一歩を踏み出そうとした瞬間、婬魔が舌の動きを止めて蛇子を見上げた。

 

「ひ、ひぁ!? な、何で!? 酷いよ! は、早く、続きちょうだい! オマンコがまんできないのぉ⋯⋯ペロペロ欲しいいぃ!」

 

 絶妙なタイミングでお預けを喰らった蛇子は酷く狼狽し再開を哀願したが、婬魔はせせら笑いながらその様子を観察しているばかりだ。

 

「勘違いするな。こっちはお前を楽しませる為にやってるんじゃない。従順な奴隷になれるように発狂寸前まで焦らしてやる」

「お願い! 一回だけでいいからイカせてぇ!」

 

 狂ったように股座を前に突き出す姿は、既に仲間の事など忘れ性欲に溺れた牝犬に見えた。

 不意を突いて婬魔が肉芽に唇を当てて、チュルっと音を立て吸った。蛇子は“あうう”と喜色の浮かんだ声を出したがまだもの足りなさそうだ。

 そのまま何度もクリトリスに口付けを落とされ、時には少し強めに豆を吸い出され、蛇子はイケそうでイケないもどかしい快感に喜びと不満を交互に募らせた。

 しかし、不満を募らせていたのは蛇子本人だけではなかったようだ。

 婬魔が視線を下に向けると、クリトリスばかり責められ、先程から放置されていたヴァギナが大輪の華を咲かせていた。

 指一本触れていないのに大陰唇はパカリと観音開きになり、白濁した花蜜を滴らせている。やや大きめな小陰唇に彩られた膣口を覗き込むと彼女の純潔を象徴する処女膜がはっきりと見えていた。膜の中央には縦長の僅かな切れ込みがある。

 形の整った垂直状処女膜だ。今夜の調教が終わった後、この乙女を守る最後の肉壁を破った男が彼女の主人となるのだ。

 

「ビラビラはデカイが膜は綺麗なものじゃないか」

 

 婬魔の指が肉壺の中に埋まってゆく、不躾な侵入者をピンクの肉花弁は拒絶ではなく歓喜を持って迎え入れた。男のモノなど未経験な女性器だが、本能で媚びの売り方はわかるのか、積極的に指に絡み、数十枚の舌が同時に指しゃぶりをしてきているようなもどかしさを婬魔に与えた。

 蛇子の忍法は彼女の秘肉にすら人知れず影響を与えたのか、まるで生蛸のごとき艶かしさですがり付いてくるのだ。獲物を補食するつもりなのか、侵入した指を膣口全体を吸盤と化して固定し、チュプチュプと吸い付き引き抜くことを禁じてさえいる。

 

「ハァン! そこぉ、奥がイイのぉ~。オマンコからトロトロがいっぱいでちゃううう~~! やああ、蛇子、おかしくなっちゃうう!」

 

 人格に変調を来たしつつある別にをよそに、婬魔は構うものかと指を上下左右に動かした。ぬるぬるした生暖かい肉の宮を解して行くと指先がコツンと遮蔽物に当たった。蛇子の処女膜だ。

 爪の先端がカリッと膜を引っ掻くと、流石に危機感を覚えたのか、蛇子が慌てて静止しようとする。

 

「あうっ! そ、そこは⋯⋯女の子の大切な━━」

「大切な商品だ。だが安心しろ、今日の調教では処女は奪わない。遺憾だがそういう命令でな」

 

 最後の一線は越えずに済むと安堵した蛇子だったが、婬魔の次の一言に生唾を飲み込んだ。

 

「処女を奪わないだけで他は全部、男好きのする婬売に改造してやる。マンコも尻穴も、頭の中までな」

 

 本来であれば忌避感を覚え、恐怖しなければならない。しかし、彼女の心は不思議と高揚していくのだった。自身の純潔を商品と断言され、これから発狂寸前まで性調教を受けるというのに、子宮からは粘液が溢れ処女膜の隙間から染み出して、蛇子の興奮を示していた。

 

「臭いはキツイが味はどうかな?」

「あっアアッ!」

 

 新たな愛液の排泄に膣肉が弛んだ瞬間、婬魔は指を引き抜いた。

 生々しく濡れた指を一舐めすると、今度は蜜の源泉を味わいたくなったようだ。大陰唇に指を添え、開くとニチャアとイヤらしい音がなった。すると糸を引くプルプルな小陰唇が目の前にまろび出て男の目を楽しませた。

 再度、牝しべの淫らな香りを一嗅ぎし、満足げな笑みを浮かべた婬魔は、長い舌を見せつけるように吐き出し、舌先で蛇子の肉ビラをチロッと舐めた。

 

「あっあっあっ、んっふあああん。ひん、きもちいひぃん。ゃあああぁ~~!」

 

 チロチロチロと蛇が獲物を吟味するかのごとく軽く浅い舌愛撫で花蜜を舐めとる。気持ち良いが絶頂には至らない微睡みの快楽、一種のスローセックスに近い悦楽を蛇子は感じた。

 舐められ続けるにつれ、舌使いが徐々に変化してきた。早いが先端で掠めるだけの愛撫から、舌の腹を使った愛液をねっとりと舐めとる愛撫へと移行してゆき、婬魔は味蕾で蛇子の体液を味わった。

 

「やはり味も濃いな。粘度も高い、玄人向けの愛液だ。処女の分際で生まれついての好き者の証拠だ。お前は経験豊富な変態貴族に貰われるのがお似合いだろうさ」

「い、言わないで! んくぅ! 蛇子、変態じゃないもん。オマンコも個性なんだからしかたなっ━━んああ!」

 

 モゴモゴと口の中でラヴジュースをテイスティングしながら性のプロとしての批評を披露する婬魔。蛇子はデリケートな部分を突かれ憤慨したが、それは表向きでしかなかった。

 言葉責めが心を切り裂く度に子宮に痺れが走り、身体が熱くなるのだ。愛液の排出量も増加し、自分が責められ興奮を高めていることが婬魔にも伝わっている。そう思うと乳首とクリトリスがキュッと固く締まりむず痒さを感じた。

 

「次は膣内のより濃厚な蜜を味わってやろう」

 

 ふやけてグショグショになったサーモンピンクの花弁に婬魔の長舌がヌルヌルと侵入してきた。硬さのある指ほどの強い刺激は無いが、温かく柔らかい肉片はより膣口の構造に密着し、自分すら知らない性感帯を発掘されているような錯覚を蛇子に与えた。

 

「やっらああぁ⋯⋯オマンコほぐれて、トロトロにされちゃうよぉ! ざらざらしたとこチロチロしらいれええぇ~~!」

 

 柔軟でぬるついた舌は膣圧で止めることはできない。常人の倍以上長い舌は膜さえ無ければ子宮口まで届いただろう。それが緩急自在に蜜壺の中を出入りするのだ。

 処女膜の凹凸を丹念になぞり、小陰唇を優しく食まれると蛇子の口から熱いため息が漏れる。何度も何度も花弁をマッサージしてやると、次第に身体からも緊張がほぐれ、あっあっあっと喘ぎ、舌婬に合わせて小刻みに痙攣するだけの肉人形と化した。

 ヴァギナもふにゃりと脱力し、呼吸に同調しながら浅く開閉を繰り返している。自身の愛液で光沢を放つ様は、口に入れたらすぐに溶けてしまう大トロのようだ。

 

「次は尻穴の奥を責めてやろう。小便を漏らすなよ」

 

 そう一言、婬魔が言うと挿入されていた舌が引っ込み、四肢を拘束している肉布団がグネグネ動き出した。視界が突如反転し、仰向けから四つん這いの姿勢に向きが変わった。

 更に尻たぶを開くように破れた布地を開拓してゆくと、婬魔の鼻先に濃ピンクの窄まりが晒し出された。

 

「お尻は見ないでぇ~~⋯⋯汚いからぁ、変なことしないでよぅ」

 

 否定の言葉には羞恥と期待が込められていた。

 無言で婬魔はフリンと揺れる桃肉の谷間に顔を埋めると大きく鼻息を吸った。

 

「うーん⋯⋯汗の臭い以外にも何か混ざってるなあ。これは何だ?」

「嫌ァ! いや、いやぁ! 汗の臭いしかしないから! いつもちゃんと拭いて━━」

 

 婬魔の悪意の指摘を必死に否定する蛇子は思わず余計なことを口走り、羞恥に顔を染めた。

 臭いを嗅ぐだけでは満足出来ないのか婬魔は舌でアナルを一舐めし、そのまま直腸S状部の奥まで肉鞭を挿入した。

 

「ひぁあぁあん! お尻の穴はオマンコじゃないよおおおお!? うんち付いちゃううぅ! 舐めちゃダメぇ!!」

 

 初めての感覚に白目を剥く蛇子は尊厳に更なる罅が入る音を聞きながら、しかし、妖しい喜びを感じている自分に気付かずにいた。

 ジュルジュル、ヌプヌプと音を立て、唾液と腸液の混合酒を滴らせながら舌を出し入れする婬魔。場所により圧力の違う腸壁独特の感触を味わい、内部に残留した老廃物を舐め取るとコクのある苦味が味覚を刺激した。

 

「ひ、ひぃ! アァ! い、イヤ! イヤ! イヤぁ!! そこダメ! 弱いの、くぅ! あっうっく⋯⋯コリコリ止めてぇ~! こ、こんな⋯⋯こんなのしりゃないいい~~!」

 

 舌による擬似排泄とも言える快感に蛇子は震えた。

 さらに、婬魔の舌先は奥へと進み、腸の曲がり角をくすぐった。その部分だけは、他の柔らかい襞のミルフィーユと違い、下の方に何かぽっこりとした弾力の感触があった。

 それは、紛れもなく蛇子のポルチオだった。彼女の直腸奥は子宮と表裏一体になっていたのだ。本来、肛門から二十センチ先にある筈のS字結腸まで、婬魔の常人離れの長舌なら容易く届くのである。

 知識としてアナル性感やポルチオ性感を知っていても。オナニーの時ですら自分で触れたことのない未開の地、そこを濃厚な舌技でペッティングされているのはどれだけの快楽を処女に与えるのか。

 

「アァ、いひは、いひぃ⋯⋯んああぁ~~! そこ、イイよぉ! きもちいひぃ!」

 

 蛇子のポルチオは質感のはっきりした大きめの赤ちゃんベッドだった。凹凸を撫でるように刺激すると、舌のザラザラと腸のツルツルがヤスリ掛けのように擦れ合い、生じた快感振動が腸壁を通して子宮にまで伝わってくる。

 恥ずかしい場所からジワジワ浸透してくる微細振動とむず痒い気持ち良さに、身体の奥からいけない何かが零れ出てしまいそうな漠然とした背徳感に襲われ、蛇子は目を白黒させながらブルリと震えた。

 

「いかへてぇ~~、お願いらから最後まれ気持ちよくしてえ! ひひぃん! んく、んあああ~~⋯⋯おかしくにゃる、蛇子、戻ってこれにゃくにゃるううう~~」

 

 体裁を投げ捨て絶頂をねだる蛇子の股座からは白濁液が滝のように溢れ、自分から腰を送りながら尻たぶを押し付けるものだから、異臭のする腸液が婬魔の口元をビショビショに濡らしてしまっていた。

 手足を拘束された状態でそのような行為を続けたものだから、淫らな曲線を支える為の太腿と二の腕は震え、弧を描く背筋から臀部にはじっとりと汗が滲み、彼女の対魔忍スーツを色濃く変色させている。

 その時だ、下腹部に快楽とは異なる震えが走ったのは。蛇子は瞳を右往左往させ、拘束された四肢や菊座にむしゃぶり付く婬魔、部屋の四隅等に忙しなく視線を向けた。

 そして、何度か煩悶とした後に、意を決したのか情けない声音で婬魔に嘆願した。

 

「っ!? あっ! ま、待って、離して! お手洗いに⋯⋯お手洗いに行かせて!」

 

 執拗なアナル責めで膀胱の元栓が弛んだのか、蛇子は突如として猛烈な尿意を自覚したのだ。

 女としての尊厳を守る為に脳は警鐘を発し、先程とは違う意味で腰をモジモジさせ、固定された足を内股に持って行こうと必死だ。

 

「に、逃げたりしないから! 何でも言うこと聞くから! お願い!」

 

 女の尿道括約筋は男より短い。それに、今の体勢では股に力も入らないので蛇子の焦りは当然と言えた。

 

「離す訳がないだろう。馬鹿女め! 見ててやるから此処で出してみろ」

 

 婬魔は鼻で笑いながら蛇子に死刑宣告を言い渡した。

 

「ひ、ひどい⋯⋯酷いよ⋯⋯」

「よし! 排尿を補助してやる。ほら、ほら⋯⋯」

「ひああ! お、押さないでぇ! 出ちゃうから! ほんとに出ちゃうからあああ~!」

 

 婬魔が四指の腹を使って下腹部を揉みほぐしてくる。円を描く様に撫で回し、時折、圧を掛ける。蛇子は押される度に膀胱の蝶番が弛むのを自覚し悲鳴を上げた。

 

「たっぷりと溜め込んでいるな。外から触っているだけで分かるぞ。任務前にスッキリしておこうとは思わなかったのか?」

「ちゃ、ちゃんとしたもん! あっ!?」

 

 良く鍛えられ、皮下脂肪の少ない蛇子の下腹部は、軽く押し込むだけで内包した液体の波打つ様を婬魔に伝えた。

 生々しい感触に興奮をそそられたか、不躾にも女性のトイレ事情に踏み込んできた婬魔に蛇子は憤慨した。しかし、一瞬だけ意識を逸らされた隙に尿道の絞めが疎かになってしまった。

 プシッという音と共に黄色い飛沫が股間から吹き出した。

 すぐに尿道括約筋に力を込め、完全決壊は防いだが、止め切れなかった数滴の汚液は婬魔の袖に付着し、小さな染みを作った。

 

「イケナイ奴隷だ⋯⋯服が台無しだ。しかも、臭うぞ! お前も嗅いでみろ」

「へ、蛇子っ⋯⋯悪くな━━ひぁ! ご、ごめんなさい! ごめんなさいいぃ!」

 

 蛇子はおねしょが親にバレた子供のようにみっともない表情で言い訳をしようとしたが、膀胱の真上を強く押され慌てて謝罪した。

 腹筋に力を入れ、少しでも尿袋への圧力を軽減しようとしている表情は年頃の少女と思えないほど凄惨なものだ。

 歯茎を剥き出しにしてカチカチと歯の根を噛み合わせる口は端から涎を垂らし、くりくりと愛らしい瞳は、半ば白目を剥き焦点は定まっていない。

 そして、弛んだ尿道を再び抑える気力は、ほとんど蛇子に残されてなかったのだ。

 

「ほら! お仕置きだ!!」

「ひぐっ! いぎいいいぃ~~~!!」

 

 蛇子の臀部に平手が打ち込まれた。痣にならないように大した力は込められていなかったが、今の彼女には致命的な衝撃だった。

 一瞬、頭の中が真っ白になり、決壊が始まった。

 

 プシッ! プシャ! ジョロロロロロロ~~~~~~⋯⋯⋯⋯

 

「あああああ~! 止まってえ! 止まってえええ! イヤ! イヤァ! 見ないでえええええ~~~~!!!!」

 

 無駄と分かりながらも最後まで尿意に抗おうとしたのか、数度の間欠泉の噴射の後に、聖水のアーチが宙に描かれた。

 悲痛な悲鳴を上げる蛇子をよそに排尿は続く、勢いよく放出された黄金水は少し離れた床に当たり、ビチャビチャと大きな音を立てた。

 泣き叫ぶ蛇子の声は、その音を掻き消そうとする最後の抵抗に思えた。

 

「ううぅぅ⋯⋯止まらない⋯⋯止まらないよぉ⋯⋯ふうまちゃん⋯⋯助けてよぉ⋯⋯」

 

 メソメソと泣き言を呟く蛇子だったが、心はともかく身体は爽やかな解放感に包まれていた。もしも、この放尿がトイレでの事ならば、あまりの安堵と心地良さにため息をついていただろう。それは、性的な快感に極めて近い喜びだった。

 

「随分出たな? え? 濃厚で甘い臭いが部屋中に漂ってる。これは、ジュースの飲み過ぎだなぁ⋯⋯糖尿になるぞ?」

 

 床に形成された濃黄色の水溜まりを観察しながら婬魔が蛇子を小馬鹿にする。

 何かしらの反応を求めての言葉だったのだろうが、蛇子は死んだ魚のような目であらぬ方向を眺め、ポロポロと涙を流すばかりで応えることはなかった。

 チョロチョロと滴る残尿すら放置する姿は心の折れた廃人と言っても過言ではない。

 婬魔はその様子を見て舌打ちを一つすると、一旦、彼女の体勢を元の仰向けに戻すと、意識を反らし部屋の隅に設置されている巨大な箱の中をガサゴソ漁り始めた。

 放心状態の蛇子はそれを無言で眺めていたが、婬魔が箱から取り出したモノを見て即座に正気に戻った。

 

「婬魔虫だ。此処の奴隷はコイツらの手で性器と脳を淫らに改造されてから売りに出されるんだ」

 

 婬魔が持ち上げているのは、何とも奇怪な生物だった。軟体動物と節足動物を掛け合わせたような吐き気を催す姿。

 腐肉を連想させる灰蘇芳色をした半透明の体と八本ある節足の組み合わせは、醜悪な寄生虫を百倍に肥大化させた悪夢の造形だ。

 

「い、いゃ⋯⋯そんなの近付けないで⋯⋯来ないで⋯⋯」

 

 キシキシと音を立てる魔虫を見て蛇子は震え上がった。魔界産の生物であれば、もっと大型のものや、危険なものも多数目撃し排除してきた。

 しかしそれは、戦いの中での話だ。彼女にとって、今のような身動き出来ない状況で異形に好き放題蹂躙されるなど初めてである。

 視界に入るだけで鳥肌が立つのに、抵抗すら許されないというのは恐怖でしかないだろう。

 

「今夜は三種類の婬魔虫を使用するが、まずはコイツで膣内開発と脳の性的行為に対するセーフティ解除を行う⋯⋯楽しみだな?」

「くっうううぅ! 気持ち悪い! 向こうにやって!」

 

 蛇子は必死に身悶えして拒絶を示すが、拘束が解けないのは周知の事実。わざと虫を見せ付けながら婬魔はご満悦だった。

 自身が使役する魔虫が人間に恐怖を与えるのが彼の魔族としての自尊心を満たしていた。

 異形を鼻先に突き付けられ、魔虫の口に相当するであろう器官が視界に映った。巨大なヴァギナを彷彿とさせる肉の谷間は黄ばんだ体液にまみれ、呼吸に合わせて開閉している。そして、孔の中には数本の触手と排卵管のようなチューブが蠢いて、苗床を犯すのを心待ちにしているのだ。

 

「ほぉうら! 虫もお前を気に入ったみたいだぞ。随分と興奮している。お前のマンコをグチャグチャにしてやりたいと、そう言っているんだ」

「ひぃっひぃぃぁ~~! 助けてぇ! ふうまちゃん! 虫に犯されるなんてイヤぁ!」

 

 蛇子の恐怖する姿を存分に堪能した婬魔は、まずは性器からだと婬魔虫を彼女の秘部に近付けた。

 愛液の匂いに反応したのか、歪に身を捩らせた虫が勝手に飼い主の手から飛びだし、乙女の花園にしゃぶり付いた。

 

「ひわぁあぁぁ! おマンコ吸わないでえええええ! 裂けちゃう!? おまんじゅう壊れちゃうう~~!! くあぁっ! ひううう~~ん! やらああああ!」

 

 八本の節足を駆使して蛇子の腰を抱え込んだ婬魔虫は自らの婬口を秘部に擦り付け、卑猥な具合わせを開始した。

 

「アアァアァン! 触手が! 触手がオマンコの中に入ってきたあああ~! ビラビラ弄らないでよぉ! ツブツブ擦っちゃダメええぇ!」

 

 蛇子の恥骨から臀部までを覆い尽くす魔虫は見ようによってはピンク色のオムツを履いているようにも見える滑稽な姿だが、内側では触手達が蠢いて性器の改造に着手しているのだ。

 女性器の感度を増大させる体液を纏った触手で小陰唇をなぞり、婬核を撫で回した。そうすると、舌婬に反応して溢れた愛液と発情体液が混ざり合い蜜肉に溶けていった。これにより膣内が解れ、どんな巨根でも苦痛を感じる事なく受け入れる生オナホになるのだ。

 

「はああぁン! こ、これ、あっやん! 虫なのにいいい! き、きもちよくなっちゃ⋯⋯うふぁ! そこダメぇ!」

 

 肉弁の一枚一枚、アナル皺の一つ一つを丁寧に丹念に揉みほぐされて蛇子は乱れ狂う。限界を超えて高まり続ける快感が虫けらに犯される屈辱を塗り潰してゆく。

 陰核がかつてない程に勃起し、蛇子はいつの間にか触手に合わせ、自分が腰を振っていることに気付いた。

 

「そこ! そこぉ! クリトリスまで弄られてる!? っああん! グチャグチャになっちゃうう~~!!」

 

 異形の責めを受け入れ始めた蛇子をよそに、トロトロな愛液をかき混ぜながら蜜壺開発に勤しむ婬魔虫の体に変化が生じた。

 触手や節足に視認が困難なほど細い針が生えてきたのだ。長さは自在に調整出来るのか、数ミリから数センチの細針を得意げに出し入れしている。

 鋭利なソレを婬魔虫はどう使うつもりなのか。

 

「あぎいぃ!! な、何!? ッ~~~~!! イヤアァ! 入ってくる!? 何するの!?」

 

 婬魔虫はまずフル勃起したクリトリスに針を打ち込んだ。その細さゆえか苦痛はないが、おぞましい異物感に蛇子が悲鳴を上げた。

 

「お゛っ お゛っ お゛っ!!」

 

 過敏な白真珠を灼熱の針が貫き、乙女は白目を剥いて痙攣した。針は陰核亀頭に穴を開け、陰核体の根元まで達した。

 しかし、これは調教であって拷問ではない。針の先端から熱い何かが墨汁の様に陰核周辺に広がり、じわじわ浸透してゆく。

 婬魔虫の体内で生成された特製媚毒だ。

 本来であれば、最適な苗床を作る為に女体を強制的に絶頂地獄に陥れ、快楽の虜にする為のものだが、この魔虫の毒は調教用に改良された特別な効果を持っている。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛~~~~~~!!! グリとりすごわれるううう~~!! イ゛グうう~~!! クリトリスいじめられてイ゛グヴヴヴ~~~~!!?」

 

 髪を振り乱し、獣の牡叫びを上げながらオーガズムへの階段を昇り詰めた蛇子だったが、最後の瞬間に異変が生じた。

 

「イ゛ッ━━けないいい~~~~!!? な、何でぇ!? イキたいのにいい~~!!」

 

 頭の中が真っ白になるその一瞬、歩みが止まった。脳内の性感が消滅したのではなく絶頂寸前で固定された状態に近い。これが、改造された婬魔虫の媚毒の効果だった。

 今度は尿道口の周りを囲むように針が刺され、毒を注入すると腰がびくんと震え大量の潮が吹き出した。

 

「ああ!? 何か出ちゃう!? 気持ち良いのにいいい!! イケないよおおお~~!」

 

 肉体は絶頂まで達しているのに精神は寸止めを喰らっている。断続的に潮を撒き散らしながら蛇子は焦りを高めていく。このまま責め苦を受け続けると自分は正気を失ってしまうのではないか。もし今、拘束を解かれれば彼女は逃亡という選択肢すら忘れはて、毒の効果でオーガズムを得られないのも知らずに猛烈な自慰行為に耽るだろう。

 

「ジュルジュル! ギュッギュッギュッ!」

 

 焦る蛇子など知らないとばかりに異形の調教師はおぞましい歓声を上げた。婬虫にとって女の排泄水は甘露に相当するのであろうか嬉々としてしょっぱい体液を啜り出した。

 

「ヒグッ! うああ~! イギたい! イギたいのに、おがしくなるうううう~~!」

 

 毒針の刺突と激しさと繊細さを合わせ持った触手の媚薬マッサージ責めを受け入れ、白濁液を秘部から垂れ流しながら空腰を振る蛇子に、先程から静観に徹していた婬魔が近づいてきた。

 その手にはもう一匹の婬魔虫を持っている。

 

「中々お楽しみのようじゃないか。え?」

「も、もう言うとおりにするから⋯⋯良い奴隷になるから⋯⋯お願いします⋯⋯イカせて下さい⋯⋯」

 

 寸止め地獄で意地をへし折られ、卑屈な態度で情けを貰おうと必死な蛇子の様子を見て、婬魔は頃合いだなと判断しニヤリと笑った。

 

「さてどうするか⋯⋯そうだ! コイツとキスをすれば考えてやってもいい」

「━━ッ!?」

 

 悪意に満ちた提案に蛇子は一瞬の躊躇を見せたが、既に我慢の限界を越えていた彼女は尊厳をまた一つ捨てることにした。

 

「するわ! するから━━お願い」

「クク、良いだろう!」

 

 目の前で涎を垂らす婬魔虫の幼虫とイソギンチャクを合成したような口を見て、反射的に顔を背ける蛇子だったが、震えながらも何とか持ち直し運命を受け入れた。

 

(あぁ、ファーストキスはふうまちゃんにあげたかったなぁ⋯⋯)

 

 つい昨日までは対魔忍でありながら、初めての口付けは初恋の少年としたいと乙女の夢のような理想を抱いていた蛇子は現実との落差に自嘲気味な笑みを浮かべる。

 

「口を開いて舌を伸ばせ! 自分から迎え入れてやるんだ」

 

 プライドを手放し、ただ少しでも楽になりたい、既に諦めの境地に至っている蛇子は黙って婬魔の言うとおりにした。

 桃色の瑞々しい唇から艶かしい舌がてろりと顔を覗かせて宙をさ迷う。そして、舌先が婬魔虫の醜い唇に触れた瞬間、婬魔虫がガバッと蛇子の顔面に覆い被さり八本の節足で完全にロックした。

 

「━━ッ!? ふごっ! ン、グムム!? ん~~ん~~!?」

 

 キスと言うよりも補食と言い換えた方が妥当な抱擁を受けた蛇子は、口内と鼻に触手を挿入され反射的に嘔吐いた。

 このままでは窒息してしまうとショック状態に陥った蛇子だったが、異物感はあるものの呼吸には支障がないことに気が付いた。

 魔虫のキスは元々は獲物に卵を産み付ける為の行為であり、排卵中に母体が窒息しないように触手から酸素も供給されるのである。

 しかし、この婬魔虫は性調教用の特別製であり、本来とは違う用途に機能を使用するのだ。

 

「ふぐ! ふぁんっ━━んっんっ! ちゅる⋯⋯んちゅっ!」

 

(嘘、本当にキスされてるの? しかも、なんか上手⋯⋯甘い、そんな、むし━━なのに、こんな⋯⋯嘘、嘘━━)

 

 婬魔虫の触手は実に熟した舌技を持っているようだ。ある触手は舌に絡まり、もう一本は歯茎を撫で、別の一本は口蓋の上天井をくすぐった。

 複数の触手による口内愛撫は、一本の舌では到底再現出来ない悦楽を牝に与えるのだ。その生々しい所作は蛇子に人間のキスではもう一生、満足出来ないのではないかという不安さえ抱かせた。

 巨大なナメクジを思わせる触手の動きに蛇子は徐々に舌を合わせるようになってきた。押せば受け入れ、引けばすがり付き、螺旋を描くように絡みあった。口内を擽られ、むず痒い快感を甘受しながら、体液と唾液が混ざり合ったカクテルをまるで甘い蜜を舐めるようにうっとりと飲み干しさえした。

 

「むひゅ⋯⋯あむ⋯⋯あま、ぃひ⋯⋯もっひょ⋯⋯もっひょ、ちょうらい⋯⋯」

 

 知らず知らずの内に蛇子が虫達に愛情すら抱き始めているのには理由がある。

 鼻と両耳から侵入した触手が脳に改造細胞を植え付けていたのだ。本人の認知していないところで少しずつ、だが確実に蛇子は自己を改竄されていった。

 えぐみの強い体液を甘いと感じ、人外の醜さにも抵抗感が薄れてゆく。それは上客の買われる為の一種の花嫁修業と言えた。

 

「ん⋯⋯ちゅっ⋯⋯はん! んっんっんっ⋯⋯ちゅるちゅ⋯⋯くち、れむぅん」

 

 蛇子は口をすぼめて自分から頭を振り、婬魔虫へのご奉仕フェラを始めた。血管の浮き出た触手を男性器に見立てて前後にしごく。舌先で擬似肉棒の先端を舐め回し、頬肉で両サイドから挟んだまま媚薬体液を啜る。

 いつか、初恋の彼に奉仕する為に学んだ拙い性技を、蛇子は名も無き下等生物に捧げているのだ。キスをすれば絶頂出来るようにするなどと言う約束すら彼女にとって二の次と化していた。

 頭の角度を僅かに傾け、触手に掛かる圧力を調整しながら大きくストロークをすると、婬魔虫も喜びを感じるのか、ギィギィと耳障りな鳴き声を上げた。

 

「うぷっ! あ、あま⋯⋯ぃん、うぁぁ⋯⋯ごく⋯⋯ンぐ」

 

 口婬奉仕を受け、とりわけ太い触手が痙攣すると、蛇子の舌の上に濃厚な粘液を吐き出した。人間の精子にそっくりな栗の花の匂いを放つソレは婬魔虫が特別気に入った牝に与える特濃媚薬だった。

 婬魔虫の体液や毒針から注入される物の百倍の濃度を誇る粘液は牝を強制的に排卵させる効果があり、本来は魔虫の卵と一緒に子宮に放出され、確実に孕ませる役割を持つ。

 下ではなく上の口とは言え、媚薬ザーメンを飲ませたということは、婬魔虫も蛇子を番として認めているようだ。

 

「もっとぉ⋯⋯もっと、のはへてぇ~~⋯⋯」

 

 嫌悪すべき汚液をメープルシロップを舐めるように味わいながら、蛇子はおかわりをおねだりするのに必死だ。

 もはや彼女は運命を受け入れ、気持ち良くしてくれるなら魔族に買われるのも吝かではないと考え始めていた。そして、もしも誰も自分を買ってくれなかったらこのまま婬魔虫のお嫁さんになってもいいかもしれないとも考える。

 蛇子の脳改造は既に容姿の醜美や種族の違いを通り越して、自身に性快楽を与えてくれる存在を求める域に達していた。

 そして、調教が進んでいるのは脳改造だけではない。異形の恋人との口付けに夢中な彼女は気が付いていないが、性器にへばり付いていた婬魔虫は既に動きを止めていた。これは、女性器の改造が完了した証拠に他ならない。

 

(さて、こちらも作業を再開しますか⋯⋯)

 

 役割を終えた婬魔虫を剥がしながら調教師は独りごちる。彼の手には万年筆に近い形状の器具が握られていた。違いがあるとすれば先端がやや太めの針になっていることだろうか。

 この暗器じみた道具で何をするつもりか、婬魔は蛇子の下腹部に先端を突き刺した。

 痛覚を刺激され蛇子の身体がビクンと震えたが、酩酊状態にある彼女はすぐに異変を忘れ果てて触手しゃぶりに再び集中した。

 

(あまり、動かないで下さいよ⋯⋯)

 

 婬魔が真面目な表情で器具の握りに付いたボタンを押すと、蛇子の肌に小さなパールピンク色の染みが点描された。そのまま針先を1ミリほど動かし再び刺す。この動作を何度も繰り返す内に、蛇子のきめ細かい肌がけばけばしい彩飾に犯されてゆく。

 それはタトゥーだった。

 一生消えない刻印は徐々に形を成してゆき、どれくらいの時間が経ったのか、ちょうど子宮の真上に、蛇の意匠を凝らしたハート型の婬紋が刻み込まれた。

 

「これで良し」

 

 婬魔の刻んだ婬紋である。当然、調教の為の魔術効果が付与された特別製だ。

 処女を奪われたが最後、奴隷のオーガズムから着床まで凌辱者の意思で自在にコントロールされてしまうのだった。

 

「ギィ! ギュル! クチクチクチ!」

「あっ⋯⋯くぅ⋯⋯んっ⋯⋯ひ⋯⋯んぁ⋯⋯」

 

 作業を終えた婬魔がそろそろ脳改造も終わっているはずだと虫に目をやると、予想に反して婬魔虫は未だに蛇子の顔面に張り付き、既に意識を失っている彼女を蹂躙していた。

 余程、彼女を気に入ったらしい。本来なら所定の改造が完了した時点で大人しくなるように調整されているのだが、この個体はそれを無視していた。

 その様子を見て、婬魔は舌打ちを一つすると我が儘な虫ケラを回収する為に手を伸ばした。

 

「ギァッ! ギイイイイィィ!!」

 

 番と引き剥がされることを嫌がった婬魔虫がおぞましい悲鳴を上げて暴れ出す。

 婬魔は大切な商品の顔に傷が付かないように、細心の注意を払って魔虫を取り除いた。

 

「うぅ⋯⋯ん、あ⋯⋯れ?」

「目が覚めたか? なら次の━━」

「虫ちゃんは?」

 

 意識が朦朧としている蛇子に、失神している間に何をされたのか聞かせてやろうと、自慢気に開いた口は彼女の一言に遮られた。

 

「虫ちゃんどこ? 虫ちゃんを返して!」

 

 錯乱気味に婬魔虫を探す蛇子の様子に閉口する婬魔だったが、自身の使い魔が余計なことをしたのだと思い至り、また一つ舌打ちをした。

 

「クソッ! 脳に好意を刷り込まれたな! 何とか誤差を修正しなければ━━」

 

 婬魔虫を恋人だと思い込んでいる哀れな女を横目に、オークションまでに婬魔虫への恋慕を取り除かねばならない。

 

(いや、アイツを使えば⋯⋯)

(どうせ最後にはコイツの記憶を消すんです。その時、一緒に洗脳の効果に手を加えればいいでしょう)

 

 何やら打開策を思い付いた婬魔は、別種の婬魔虫を使って調教を続行することを決めたようだ。

 

「さっきまで恋人だか幼なじみだかの名前を呼んでた癖によ! 虫なら次の奴が待ってるぞ!」

 

 メソメソ泣き腫らす蛇子に新しい調教用の魔虫を見せて気を引こうとする婬魔。その手には長さ三十センチ、太さ四センチ程の蚯蚓がのたうっていた。

 勿論、ただの蚯蚓ではなく、魔界蚯蚓に調教用の品種改良を加えた厭らしい凌辱者だ。

 蛇子も口ではさっきの虫がいいと主張しながら、ピンク色に光る婬虫に興味津々のようだ。

 

「コイツもマンコに入りたがってるぞ。新しい恋人にどうだ?」

「で、でも⋯⋯こんなの挿入されたら処女膜破れちゃうわ⋯⋯」

「勿論、対策済みだ」

 

 蚯蚓の頭部と思わしき箇所にプツプツと幾つもの小さな点が浮かび上がると、髪の毛よりも細い触手が何十本も生えてきて、その一本一本が意思を持つが如く不気味に揺らめいた。

 この触手の束でヴァギナを苛むつもりか、蛇行しながらすり寄る蚯蚓を見ても蛇子は嫌悪感を抱いていない自分に気付いた。寧ろ無意識に舌で唇を舐め、期待に満ちた視線を送っている。陰部からは既に追加の愛液が滴り、受け入れ態勢を整えていた。

 

(あぁっ! こんなの絶対、気持ち良いよぅ⋯⋯早く⋯⋯早く来てぇ⋯⋯) 

 

 触手の群れがさわさわとヴァギナの表面を擽る。それだけで蛇子の腰が大きく跳ねる。

 

「あひっ! いぃん! そこぉ、もっとぉ~~! 奥までちょうだいい!」

 

 ミクロ単位で動く繊毛の妙技で愛撫され、蛇子はすぐに触手の虜になってしまった。勃起した陰核と潤んだ小陰唇を毛先でツンツンされる度に送り腰を繰り出し、アナルを撫でられるとイヤイヤと尻を振った。

 触手の大半はそのまま膣の中へと入ってゆき蛇子の処女膜をカリカリと引っ掻き始めた。

 

「いひぁああ! 処女膜にいたずらしちゃダメぇ! 破れちゃうから⋯⋯お願いだから⋯⋯良い子にしてぇ~~!」

 

 膜越しに微細な振動が伝わり、思わず身を捩る蛇子。発情した子宮が愛撫を求めて膣内を降りて来たが、処女であるがゆえ直に、慰めて貰えないことに嘆き悲しみ、涙の代わりの愛液を垂らした。

 そんな彼女を慰めるつもりか数十本の触手が処女膜の隙間から膣内へと侵入してきた。

 膜と言っても処女膜には隙間が開いているのが普通だ。蛇子の場合は膜の中央にスリット状の穴がある垂直状処女膜だが、髪の毛並みの細さの触手なら十分に通ることが出来る。

 

「くひん! あっ! 嘘!? 処女膜の奥まで弄られてる!? ンヒィ! こんなの初めてぇ~」

 

 指とは比べ物にならない程、細い触手だ。しかし、未だに未開の地である蛇子の膣内にとって、擽るような焦らし責めでも初体験の快楽である。

 本人すら触れたことのない膣奥の肉襞を器用に解され、反射的に嬌声を上げてしまう。蚯蚓はその手を使いミルフィーユ状に重なり合う膣肉を一枚づつ捏ね回していったのだ。処女喪失の瞬間から牡のイチモツに奉仕出来るように、優しく刺激し襞の脈動を誘発させる。

 

「オマンコが気持ちいぃよぉぉ~~! いひぁぁ! 膣内のビラビラ悪戯されるの癖になっちゃうからぁ⋯⋯でも、我慢できないから⋯⋯もっとしてぇ!」

 

 愛液に濡れながらうねり蠢き、ぺニスを本能で欲する膣襞に満足したのか、細触手の群はそのまま二手に別れてより敏感な性感帯へと向かった。

 一方は膣の最奥に、もう一方は反転し天井を目指した。その天井部分は襞ではなく粒々が密集した異質な部位、ちょうど恥骨の裏側にある場所こそ蛇子のGスポットに他ならない。

 女体を扱うプロとも言える婬魔虫にとって、メジャーな性感帯を触診で探り当てることなど児戯にも等しい。

 弱点を見つけた触手達は寄り合わさりブラシ状に合体した。そのまま蛇子の数の子天井をしょりっと引っ掻くと下半身がビクンと暴れた。

 

「い゛あ゛あ゛あ゛!!! そこは強いぃ! 強すぎるからあ! や、さしくぅ! ヒィ! あぁ~~~っ! ショリショリしゅごいいぃ~~~!!」

 

 ショリッショリッコリッコリッと軽快な音が膣内に響く、数日ぶりに耳掻きをするような心地よさと理性を溶かす快感が同時に蛇子を襲う。

 

「い、いいひぁ⋯⋯そこ! そこぉ~! いいよぉ⋯⋯気持ち良いよぉ~~! んはぁ~~⋯⋯色んなとこ⋯⋯ビンビンになっちゃううう!」

 

 触手ブラシが粒々Gスポットを磨く度に腰が跳ねる。恥骨を上に突き出し、勃起したクリトリスを誇示するように妖しいダンスを踊る蛇子は、そのまま違法クラブで踊らせても直ぐにナンバーワンになれるだろう。

 ピュッピュッと時折、潮なのか尿なのか判別のつかない液体を尿道から吹き出し、空腰を振る。背筋は淫らに反り返り、乳房は重力と下半身の動きの間に板挟みになり、ゆさゆさと左右に揺れ、傍観に徹している婬魔の眼を楽しませた。

 

「あひぁああぁ~! またお潮でるうぅ~! と、とみゃらないいぃ~~! こんなしゅごいの初めてぇ~~!」

 

 さらに、Gスポット開発とは別に膣奥へと向かった触手群は、蛇子の子宮にまでたどり着いていた。

 完全未使用の女の秘部をどう躾けるつもりか、触手達はまずはその針状の先端で子宮口の周りをツンツンつつき始めた。

 

「あっあっあぁっ! そ、そこはぁッ!」

 

 極細でもそれは婬虫の触手。媚薬の滴る針先で責められれば、閉ざされた蜜壺の入り口もすぐにふやけてしまう。

 処女膜はまだ健在だというのに子宮口はくぽくぽと開閉し、おしゃぶりをねだる赤ん坊の口のような姿を見せる。ただし、本当に欲しいのはおしゃぶりではなく牡の肉棒だ。

 花開き全てをさらけ出した牝しべの最奥に触手達が殺到した。そして、その内の数本が子宮口を容赦なく割り開く、視界を塞ぐ処女膜さえなければピンク色のベビーベッドの中身が婬魔に晒し出された筈だ。

 

「そこは⋯⋯そこだけは⋯⋯弄らないでぇ! ひ、ひぃ~! 傷が付いたら⋯⋯赤ちゃんが⋯⋯赤ちゃんが作れなくなっちゃううううぅ~~!」

 

 光沢を放つポルチオ内に凌辱者がつつぅと侵入した。子宮内膜をカリコリと引っ掻かれ、卵管までも触手の侵攻を許し、螺旋状のそれで受精卵を運ぶ道筋を新たな性感帯へと改造された。

 そして、たかだか三十センチ程度の胴体にどれだけの触手を内包していたのか、次々と長大なそれが伸ばされ続けて母胎内を満たしてゆく。

 蛇子の生命を育む揺り籠への一番乗りを果たしたのは、愛しい男でも新しい命でもなく穢れた異形であった。

 

「し、子宮はエッチなことする場所じゃない⋯⋯からぁ! や、やめへッ! ヒギィッ!」

 

 毛糸玉状に堆積した触手達がしだいに子宮内を圧迫し始める。蛇子には身体を通してミシッミシッという軋みが伝わってくる気がした。

 既に触手玉は握りこぶしサイズになり子宮の容量を超えていた。そして、まだまだ止まる気配はないのだった。

 

「ほおお! おい! 自分の腹を見てみろ。中々、味わえない体験だぞ」

「ヒ、ヒイイイィィッ!!!」

 

 際限なく肥大化してゆく子宮はもう外側から確認可能な程、巨大になっていた。蛇子にとっては肌に密着するスーツを着ているのも最悪だった。その腹部はまるでサッカーボールでも仕込んでいるのかと思うほどの有り様だ。

 

「その婬魔虫の仕事は子宮の開発だ。そうやって処女のまま子宮をガバガバにして、オークのぺニスだってスッポリ根元まで咥え込めるように改造してやるんだよ」

「お゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! い゛や゛あ゛あ゛あ゛!!」

 

 手持ち無沙汰になった婬魔の説明も蛇子の耳には届いていないようだった。

 擬似的とはいえ処女懐妊を体験している彼女の負担は相当なもので、身悶えしながら言葉にならない悲鳴を放出している。しかし、それも当然のことだろう。通常の妊婦が数ヶ月かけてその身に受ける変化をほんの数分の間に収束されたのだから。

 

「う゛あ゛ぁ゛!! こ、これはだ、だ⋯⋯ひぎぁ! お、奥にズンズンくるぅ~~~! し、子宮がああああ!! オマンコあついいいぃぃ!!」

 

 蛇子に最もショックを与えたのは苦しみではなかった。無理矢理に拡張された子宮が段々、熱く蕩け出したことだ。改造は痛覚にも及び、いかなるハードプレイにも喜びをもって受け入れる土壌は既に完成していた。

 

「奥が熱いよお~! こんなの絶対⋯⋯ひん! おかしいよ! 赤ちゃん入れる所なのに⋯⋯あはぁ⋯⋯このままじゃ⋯⋯ほんとに妊娠した時に⋯⋯いひぁ⋯⋯赤ちゃんに⋯⋯赤ちゃんにイカされちゃうよぉ」

 

 腹の奥がジンジンと熱を宿している。蛇子は未経験だが、それは肉棒で子宮をノックされた時の快感と同種のもの。

 ただ、ぺニスと違い、子宮全体が圧迫される衝撃は比較にならない程に高い。

 母胎を犯した触手達は常に絡み蠢き、蛇子を苛んだ。羊水の代わりに媚薬が内側を満たして、神聖な場所を淫らに改装してゆくのだ。

 辛くて苦しいのに熱くて甘い、そんな相反する感覚は彼女の心を壊していった。

 

「ひぅんんん~~、子宮が気持ち良いよお。いけないのに、がまんできないいぃ~~! もっと⋯⋯もっと沢山、エッチなことして欲しいからぁああ」

 

 子宮内膜に触手が擦れ、愛液が過剰分泌される。母胎が拡張に馴染むと同時に、玉状だった触手塊に変化が生じた。形状を変化させ表面に無数の凹凸を作り出したのだ。

 突起の圧により卵巣までも圧迫され、歯を食い縛る蛇子。呻き声を堪えながらも、その痛気持ち良さに腰骨が蕩ける感覚を幻視し、思わず臀部を引き締める。

 

「ゴリゴリしゅごいいい! ポルチオマッサージ癖になりゅううぅぅ~! おひいィッ!?」

 

 突如、イガ玉と化した触手がゆっくりと回転を始めた。子宮のコリをほぐすような動作は性拷問と言ってもよかった。

 しかし、あらゆる刺激を快感に変換されるように調整された蛇子にとっては、ご褒美でしかなかった。

 徐々に速度を増していく回転に蛇子の身体は陸に上げられた魚の如くのたうち回り、腰を上下にヘコヘコ振り、新たな小水すら撒き散らしていた。改造により処女のままではオーガズムに達することの出来ない彼女は、快楽の発散も出来ずに頭の中が真っ白になっていった。

 

「あっあァ~! ィや、いひゃアアア! ひぐ、あひうううぅ~!」

 

 瞳を反転させ、みっともなく唾液を垂れ流す牝犬に余裕は残っていない。外から確認できる肥大した腹部には触手の突起が歪に浮かび、得体の知れない生物が腹を裂き、産まれようとしているかのよう。

 彼女の友人達が目にすれば、間違いなく顔を反らすだろう悲惨な光景だが、その表情に明らかな悦楽の喜びが浮かんでいるのを見れば愕然とするかもしれない。

 

「おひぃッ!! おひッ! おひッ! あひいッ! ひ、ヒイいいイぃィィ~~~!!」

 

 限界を越えたポルチオ調教によって、遂に脳がオーバーヒートを起こしたのか、蛇子は発狂寸前の奇声を上げると、背骨が折れそうなブリッジを披露し、ビクンビクンと痙攣を起こした。

 蛇子は自分はもうまっとうな恋愛も結婚生活も送れないだろうという確信を抱きながらその意識を闇に落としていった。

 

 

 ※

 

 

「━━おい! おい! 起きろ!!」

「ん⋯⋯あ、れ?」

 

 声が聞こえ、意識が半ば覚醒する。蛇子は混濁した思考で声の主があの調教師のものであり、あの部屋に捕らえられたままだということを認識した。

 失神している間に蚯蚓の婬魔虫は回収されたのか、膨張した腹部は平常時に戻っていた。

 

「気を失っている内に最後の処置をしてもよかったがな、奴隷が自分を失う瞬間を眺めるのが趣味でね⋯⋯」

 

 恐らく出荷前に行われる最後の調教なのだろう。調教師の手のひらには親指サイズの蛞蝓が乗っていた。

 

「一応、言っておくが、これは性感開発用じゃないぞ? お前の脳味噌の中に侵入して、記憶を消す為に用意した。売りに出す時は下も上も新品が一番、高値が付くからなぁ」

 

 ぼんやりと婬魔の話を聞き流していた蛇子だったが、記憶が無くなると耳にするとピクンと反応した。

 彼女の脳裏に浮かんだのは、ふうまや鹿之助を始めとした友人達の姿。処女膜こそ健在だが、身も心も凌辱された自分でも奪われたくないものはまだ存在したのだ。

 

「き、記憶は消さないで⋯⋯他は何してもいいから⋯⋯処女もあげるから⋯⋯魔界で魔族の奴隷になるから⋯⋯皆との思い出だけは⋯⋯お願い」

 

 疲労困憊の身体に鞭を打って慈悲を乞う蛇子だったが、その哀れな姿も無慈悲な婬魔にとっては楽しみの一つでしかない。

 

「この処置を受ける牝は皆、そう言うがな⋯⋯いっそのこと全て忘れてしまった方が楽かもしれないぞ?」

 

 婬魔が放った蛞蝓が胸元に落下し、そのままモゾモゾと這い上がって来る。

 

「いや、いや! 忘れたくない! ふ、ふうまちゃん! だ、誰か⋯⋯誰でもいいから助けてぇ!!」

 

 蛞蝓が耳の穴から内部に潜り込もうとした辺りで、遂に恐怖の限界を越えた蛇子が泣き叫んだ。

 始めに最も信頼する青年の名を叫び、次に自分を助けてくれる顔の無い誰かへと虚しく鳴り響く。

 大声に怯むこともなく、蛞蝓が外耳道に侵入し、この施設で幾度となく繰り返された悲劇がまた一つ刻まれようとして━━。

 

「あぁ、よかった! ギリギリ間に合いましたか!」

 

 空気を読まないセリフが部屋に響いた。婬魔が後ろを振り向くと、そこには高級スーツにコートを着込んだ男が居た。その男はどう見ても人間だった。

 この施設に人間のスタッフなど存在しない。謎の侵入者の登場に、婬魔は楽しみを邪魔された苛立ちと警戒心を露にするが━━。

 

「お待ち下さい! お前もこの方に無礼はするな!!」

 

 後から追って来たのか、婬魔に仕事を言い渡した上役の男が慌てて割って入った。

 

「困ります、お客様。勝手に出歩かれては危険で御座います」

「いやぁ、申し訳ない! 興味深い物が多く、つい、はしゃいでしまいました」

 

 どうやら客のようだった。奴隷の購入にでも来たのだろうか。しかし、施設の責任者直々に案内役を務めるとは、目の前の男はかなりの上客らしい。

 仕事の邪魔をされた不満が無いわけではないが、それはそれとして、婬魔は上司の顔に泥を塗らないように優雅に一礼した。

 

「それで、このブースの商品にはどのような教育を施しているのですか?」

「はい、こちらの娘にはVIPオークション用の調教をしておりまして、処女のまま洗脳と肉体改造を施しております。絶頂を許さず、性感を極限まで高められた奴隷は、記憶すら抹消され堕落寸前。落札されたお客様が処女を奪った瞬間、身も心も一人のお方に隷属を誓うので御座います」

「なるほど⋯⋯ふむ、気に入りました。彼女は私が買い取ります」

 

 一瞬、目を白黒させた上役だったが、咳払いを一つすると、慇懃な態度で口を開いた。

 

「申し訳ありません、お客様。こちらの娘は既にオークションでの出品が決定されておりまして⋯⋯それに調教がまだ完了していないのです」

 

 この客はどのような立場にいるのか、常に強気な態度を崩さない上役が脂汗をかきながらペコペコしている。しかし、面子があるのか、突然の要求をやんわりと拒否しようとしていた。

 

「魔界から貴族の方々を招いて行うと言う催しですね? その件に関してはこちらも把握しています。しかし、おかしな話ですね、その筋の情報によると彼女が捕らえられたのが今日、オークションは明日。些か、急拵えなのでは?」

 

 この客は明らかに事情を把握した上で強請を掛けて来ている。上役の顔は更に強ばった。

 

「おっしゃる通り、この娘は対魔忍でして⋯⋯ワケありなのです。どうか、深い事情には踏み込まないで頂きたい」

「なるほど。彼女が競りに掛けられるのは突発的な事態だと言うことでよろしいですね? ならば当初から出品を予定していた商品もあるはず」

 

 暗に蛇子を購入してもオークションに影響はないだろうと言う客に上役は内心、ため息をついた。どうあってもこの場で買い取るつもりらしい男に上役は一つ、意趣返しをすることにした。

 

「誠に恐れ入りますが、こちらにも面子が御座います。対魔忍の奴隷は当店でも指折りの人気商品でして、さらにVIPオークションに出品となれば、最低でも二十億の値段が付きます⋯⋯簡単に首を振る訳には━━」

 

 これは半分嘘だ。名の知れたトップクラスの対魔忍ならばそれだけの値段は付く。しかし、いくら上物とはいえ無名のひよっ子では数千万が良いところだ。ちなみに金払いの良い魔界貴族共相手のオークションなら蛇子は五億程度の値が付くと上役は想定していた。

 この客の素性を考えれば特級の上客なのは明確だ。本来であれば売り払っても良い。だが、身の安全を考えるとやはり魔界に厄介払いしたいところだった。

 

「では、これを⋯⋯」

 

 あらかじめ用意していたのだろう。話を遮り、客の男がおもむろに差し出した紙切れを見て、上役の心臓が跳ねた。そして、客の思い切りの良さにやはり、五車と繋がっているのではと言い知れない不安に襲われたのだった。

 数秒沈黙した上役に貴方個人にと伝え、もう一枚差し出しす男。泣き笑いのような表情になった上役に男は諭す。

 

「貴方の懸念は理解しているつもりです。恐れているのは報復。恨まれるのは屁でもないが、実害があるのは困る」

「それは⋯⋯まぁ⋯⋯」

 

 追加でもう一枚渡し、男が上役に耳打ちする。

 

「よろしければ私が間を取り持っても良い。御察しの通り、私は彼女達と浅からぬ縁があります。ここで彼女を売り渡せばそれで手打ち⋯⋯貴方は物好きな富豪に商品を売っただけ、それで如何です?」

「⋯⋯保証はあるのでしょうね?」

「私は個人としてはあなた方に好感を持っています。何なら、魔術効果を伴った誓約を交わしても構いませんよ」

 

 三枚の紙を見ながら上役は考えた。

 ここで男を始末するのはどうか。しかし、それは本末転倒だ。

 危ない橋かもしれないがそれはこの界隈ならばいつもの事。利は十分にある。

 最悪、このチップを持って高飛びも選択肢に入る。

 ならば━━。

 

「良いお買い物をなさいましたな。流石はお目が高い」

「ありがとうございます」

 

 商談は成立した。これで蛇子は男の物だ。

 笑顔で握手する二人を余所に不満そうなのは獲物を取られた調教師だけだ。

 男は意気揚々と蛇子に語りかける。

 

「お待たせしました。迎えに来ましたよ」

「うっ⋯⋯ぐすっ⋯⋯ふうまちゃん?」

「申し訳ありませんが、貴女の王子様は迷子のようですよ?」

 

 男は涙で視界がボヤけ、目の前の人物が誰かの判別もついていない蛇子の目尻を拭ってやった。

 

「あっ⋯⋯会長ちゃん⋯⋯?」

 

 蛇子を助けに来たのは愛しい幼なじみではなく、知り合いの財閥会長だった。学園の先輩である鬼崎きららと親しい関係にある男は、その財力を駆使して五車に技術提供を行っていた。

 先輩の伝で蛇子も何度かイベントやパーティーに招待されていた為に面識があったのだ。

 

「もう大丈夫ですよ。酷いことはされませんから」

「うぅ⋯⋯あり、がと⋯⋯」

 

 全てを失う前に助けられた。その安堵から蛇子は再び涙を流した。

 

「さぁ、私の腕に掴まって立てますか?」

「うん、ッ━━ゃ!」

 

 男が上役に目配せすると四肢の拘束が解かれた。蛇子はようやくの自由に喜び、男の手を取った。しかし、余裕を取り戻した結果、自分が勃起した乳首や、出産直後の妊婦のようにビラビラユルユルなヴァギナをさらけ出したままな事に気付き、強烈な羞恥に襲われた。

 反射的に胸を抱き、秘部を隠す蛇子の身体にふわりと何かが掛けられた。男のコートだった。紳士的な行為が凌辱された心に染み渡り、胸に温かなものが広がる。そして、子宮が一瞬、キュンと絞まる音を蛇子は聞いたのだった。

 

(あっ、優しい⋯⋯何だろ、胸がキュンキュンする⋯⋯おかしいな⋯⋯まだ媚薬が効いてるからかな?)

 

 未だに身体に力の入らない蛇子は、半ばすがり付く形で男に寄り添い立ち上がった。

 

「では、帰りましょう。皆さんも待ってますよ」

「うん⋯⋯うん!」

 

 トロンとした瞳で男を見つめる蛇子は、心ここにあらずといった様子だ。熱に浮かされた彼女の頬は媚薬の影響か、それとも別な要因によるものか、仄かに紅潮している。

 

「彼女はこのまま持ち帰ります。表に車を回して下さい」

「畏まりました」

 

 然り気無く蛇子の腰に手を回しながら、調教室を後にする男の背を眺め、上役は面倒事が一つ減ったと漸く安堵の表情を浮かべたのだった。

 

「実はヨミハラに別邸を建てましてね。着替えも用意してますから、一度、身支度を整えてから五車に戻りましょう」

「ありがとう⋯⋯会長ちゃんが助けてくれなかったら、蛇子は今頃⋯⋯」

 

 従業員総出の見送りを受け、二人の乗った車は男の隠れ家へと向かう。

 男と護衛兼運転手のアンドロイド以外は誰も乗っていない空間で蛇子は微睡んでいる。

 本人は気が付いていないが、蛇子が鼻息荒くコートの臭いを嗅ぎ、恍惚とした表情を浮かべているのを男は薄く笑いながら眺めていた。

 

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