※この作品はR-18です。

マブラヴ エクステンデッド   作:ろっくLWK

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prologue 夢、そして現
第0話


 

 

 

 

――……人類を……無礼(なめ)るなッ……!!

 

 

 

 

 

 

 

――……人間を無礼(なめ)るなああああああああぁッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――……辛いこと……いっぱいありましたね

 

 

 

 

――……悲しいことも……いっぱいありましたね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――……もうこれ以上、苦しまなくてもいいんです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――……タケルちゃん……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 ……また、あの夢だ。ベッドから身を起こし、そしてオレはかぶりを振る。

 窓の外には青空。今日も天気は良好のようだ。

 穏やかな空気。和やかな時間。それが夢と現実の境界を教えてくれる。

 無意識のうちにストレスでも溜め込んじまってるのか、ここのところどうも夢見が良くない。あんなワケ分からん夢にうなされて目覚める毎日なんて、どう考えても健康に良くないよな。

 

「たまにはパーッと気晴らしでもした方がいいかな……?」

 

 寝ぼけ眼をごしごしとこすり、部屋の中を眺め回す。

 黒い学習デスク。

 使い込まれたゲーム機。

 そこかしこに放られた段ボールと雑誌の山。

 中身のゴチャゴチャしたクローゼット。

 うむ、極めていつも通り。あんな夢の光景、オレの身近には一つだって存在してやしない。

 ――いや、無いことも無いか。部分的には。

 

「タケルちゃん? いる~?」

 

 しばらく呆けていたその時、階下からオレを呼ぶ呑気な声が響いてきた。いるに決まってんだろ。そう返事したい気持ちを堪え、オレは掛け布団をかぶり直す。そうしないとアイツが機嫌を損ねるからだ。

 のしのし、と階段を踏みしめる音が近づき、その気配はオレの部屋の前で立ち止まる。

 

「開けるよ~、どうせまだ寝てるんでしょぉ?」

 

 ノックも無しに、ガチャリと戸の開く音。

 足音は予想通りまっすぐこちらへ近づいてきて、「ほぉらやっぱり」という声と共に、どこか満足気な鼻息が漏れたみたいだった。

 

「さあさあ、起きてータケルちゃーん! 朝だよ~~~」

 

 ためらいなしに掴まれた掛け布団ががばりと捲られる。内側のオレはしっかりと目を閉じ寝たフリを決め込んでいた。その体を遠慮ゼロの勢いで、ソイツはゆさゆさと揺さぶってくる。

 

「起きて! 起きてよタケルちゃ~んっ」

 

「――うぅー……ん、あと、五分……」

 

 そんな風に唸ってみせると、ソイツはますます強くオレの体を揺さぶった。

 

「ダメだよぉ、早くしないと遅刻しちゃうんだから~」

 

 毎度のようにこうして急かされ、一緒に学校へ通って、一緒に授業受けて、放課後は日が暮れるまで一緒に遊んで。こんな日常をもう何年も、オレとコイツは繰り返してきた。

 何故だろう。最近妙に、そんな当たり前の日常に強烈な嬉しさを感じてしまうオレがいる。

 他愛もない光景の一瞬一瞬、突き刺さるように目頭を熱くするオレがいる。

 それはオレの中で何らか心境の変化があったせいなのだろうか。それともここしばらく見ている、あのヘンな夢のせいなのだろうか。

 

「起ーーきーーろーー、タケルちゃぁぁぁん」

 

 揺さぶりはますます激しく……つうか、もうほとんどヘドバン状態になりつつある。やめろ。これ以上は首がもげちまう。

 

「……だあああああああっ! いい加減にしろっ!!」

 

 叫ぶなりオレは身を起こす。やっと起きたぁ、とこぼしたその呆れ顔は、すぐに満開の笑顔へと塗り替えられた。

 

「おはよう、タケルちゃん!」

 

 コイツ――鑑(かがみ)純夏(すみか)は今日もやっぱり、いつも通りの純夏だった。

 

 

 

 

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