「ん、ぁ……」
「ぐぅ……!またでる……!」
強烈な脱力感と共に、亀頭から精液を放出した。
臀部のみあげてうつ伏せになる古手川さん──いや、唯の背中に覆い被さりながら、股間を密着させて精液を絞り出した。
汗でしっとりとした身体を抱きしめ、豊満な乳房を揉みながら、股間を柔らかいお尻にグリグリと押し込んだ。
「ん……、んぅ」
肉棒を引き抜くと、ぽっかりと空いた膣穴から精液がゴポッと流れ出た。
外はすっかり白んでおり、窓から差し込む陽の光が、唯の、そしてこの部屋の惨状を浮き彫りにしていた。
ベッドはお互いの汗や愛液で濡れてないところはないほどで、シーツには淫靡な水溜まりが所々できている。
そんなことが気にならないほど、僕たちは休憩なしでヤり続けた。
あれから数時間で唯の意識は朦朧とし始め、それからは時折喘ぎ声をあげながら身体をピクッと跳ねさせるだけとなった。
そんな唯にもお構い無く、僕は欲望のままセックスし続けた。
意識は朦朧としていても、膣は相変わらずの名器で、僕の精液を搾り取っていた。
そして何より驚きなのが、これだけセックスしたにも関わらず肉棒が萎えていないことだ。
「唯。起きて、そろそろ学校行かないと……」
「う、……ん……」
ムニムニと乳房を揉んで感触を楽しみつつ、うつ伏せになった唯の顔をこちらに向けた。
顔を唾液や涙でぐしゃぐしゃにした唯は、虚ろな目をこちらに向けながらもゆっくりと首を縦に振った。
「いや、まずはシャワーを浴びないと。何してたのか丸分かりだな……」
お互いの体液で濡れた身体を見ながら、そう思った。
そのあと、二人でシャワーを浴びたが、それだけで済むわけがない。二回ほど精を吐き出した。
結局学校には遅刻した。
「古手川さんが遅刻なんて、何かあったの……?」
「な、何でもないわよ西連寺さん。少し寝坊しちゃっただけ」
「なら、いいんだけど……体調悪かったら言ってね?」
「ええ、ありがとう」
西連寺さんに心配されてる唯だが、まさか本当のことを言うわけにもいかない。
あれから、二人で一緒に教室に入るわけにはいかず、一時間ほど間を置いて別々に入った。まあ、仮に一緒に入ったとしても、まさか僕と唯に何かあったと勘ぐる人なんていないだろう。
「茂田~、唯何かあったの?」
「!?」
「うお、びっくりした」
後ろから肩をちょんと突かれて驚きと共に振り向くと、籾岡さんがいたずらな笑みをうかべていた。
「な、なんで僕に聞くの……?」
「いや、唯と茂田が遅刻なんて珍しいじゃん。昨日私いなかったし。何かあったのかなーって」
「あ、ああ、同じグループだからってことね。特に何もなかったよ。偶然同じ日に寝坊しただけだよ本当に」
「本当にー?エッチなことしてたんじゃないのー?」
「し、してないよ!?」
あまりにも核心をつく言葉に、大きな声が出てしまった。
籾岡さんからしたら日常的なからかいだろうが、正直たまったもんじゃない。今も冷や汗がダラダラと出ていた。
しかし、表情を変えない籾岡さんに、この会話を終わらせる雰囲気は感じられない。
「ふーん。なら茂田にとったら残念なのかな?唯に露骨にアピールしてたもんねえ」
「ばれてたの……?」
「いやーあんな露骨なのばれるって。結城は鈍感だから、今んとこ私しか知らないけど」
「そうなんだ……」
「あははっ。心配しなくても誰にもばらさないって。同じグループだし、なんかあったらサポートしてやるからさ」
「うん、まあ……そうだね」
さすがに何かがあったとは思っていないようだ。
ほっと胸を撫で下ろすと、籾岡さんがニヤニヤしながら唇が当たりそうなほど顔を近づけてきた。
彼女の綺麗な顔が間近にあり、思わず息をのんだ。
「唯はエッチの経験ないっぽいし、なんなら私で練習する……?朝までたっくさん……♡」
「……!」
「ふふ、冗談だって♡」
籾岡さんはどこかに立ち去っていった。
色々勘違いをしていたようだが、それでもとてつもない色気だ。本当に同級生か疑いたくなるくらい。
その証拠に、今日あれだけセックスしたにも関わらず、ズボンの上からでもわかるほど勃起している。
「……」
そして、唯は眉を潜めながら僕をじっと見つめていた。
「ふふ、どうした、嬉しそうな顔をして。ほれ」
「れろ……。当たり前じゃないか。あの古手川唯とセックスできたんだぞ……!」
「ああ、いいぞ……自信でもついたのか、なかなかの舌遣いじゃないか……んっ」
その夜。
いつものようにネメシスの足を舐めながら、これまでの結果を報告した。
唯にフラれてから昨日まで最悪な気持ちだったが、今は最高の気分だ。
唯の柔らかい肢体。学校でも一二を争う巨乳。瑞々しい唇。そして肉棒を包み込む膣内の感触。全てが最高で気持ち良かった。
何より、あの古手川唯で童貞を卒業できた興奮はとてつもないものだった。
足を舐める勢いも増すというものだ。
「でも、フラれることが分かってたなら言ってくれたら良かったのに」
「フラれるとわかってる告白を、貴様ができるならな……」
「……」
「そもそも、事前に全て話したところで貴様は信じないだろう。全てを全力で取り組んだからこそ成功したんだ」
悔しいが事実だ。
多分、あのときの自分に告白する勇気はない。
それを全てわかった上でネメシスはこの計画を練ったんだ。
やっぱり、ネメシスは信用できるのかもしれない。
「ふふ、だがフラれた時の貴様の絶望している顔は良かった……♡やはり、人の積み重ねたものが崩れる瞬間というのは最高だな……♡」
頬に手を当てて、恍惚とした表情を浮かべたネメシスに、かなりの不安を覚えた。
信じて、大丈夫だよな……?
「これからは学校の屋上とかトイレとかで、古手川唯と好きなだけヤりまくれ。ヤればヤるだけ貴様の性欲は解放されていくからな」
「学校で……?あの唯が応じてくれるかな。下手すると嫌われるんじゃないの?」
「応じるさ。今回の出来事で古手川唯は完全に堕ちた。それにあいつはエロエロだからな」
堕ちた、か。
今回のセックスで、唯から好きとか愛してるとか、そういう告白をされていない。ただ気のすむまでセックスしただけだ。
あれ、本当に堕としたのか?
僕の勘違い?
今度僕の方から告白した方がいいんだろうか……。
「あ。でもしばらく身体だけの関係を続けていろよ。絶対に貴様から愛をささやく真似はするな。あの手のヤツは一番ではダメだ」
「そうなのか……?しばらくって一体どのくらい……」
「次の標的、籾岡里紗を攻略するまでだ」
『貴様はいつも通りにしていろ。それだけで充分だ』
ネメシスにそういわれたので、特別何かをするようなことはしない。
「唯……!」
「んっ、あん……太君……」
ただ、タガが外れた僕たちは、ネメシスの言う通りに、学内外問わず身体を重ねるようになった。
今は昼休みの屋上で、唯をフェンスに押し付けて後ろから剛直を突き立てていた。
制服の中に手を潜り込ませて、おっぱいを揉みしだきながら、ぷっくらと膨らんだ乳首を指で摘まむと、唯の身体がピクピクと跳ねた。
「ん……!んぅ……」
「唯の膣内トロトロで気持ちいい……」
「だ、だめ……こえ、でちゃう……!」
「唯のエロい声聞きたいよ……口覆ってる手を外して……」
「ん、……あ!んん!んぅ……ゃあん!」
屋外だからなのか、唯は口を覆って声を我慢している。
無理やり手を剥がし、両手を繋ぎながら強く腰を打ち付けると、我慢できなくなったのか大きな喘ぎ声をあげはじめた。
「でも、まさか唯から誘ってくれるなんて、思いもしなかった、よ!」
「んん!ち、ちがうわ……。あなたが、他の子にハレンチなことしないか、風紀委員として見張る必要が……ひゃん!」
「でも、すごくエッチな顔で誘ってきたよね!」
「そんなこと、んぅ……!ないわ……」
このエッチは唯から誘われたものだ。
急に屋上に誘われてなにかと思っていたら、控えめに袖を掴まれ、物欲しそうな表情で『太君……』と囁かれた。
あの唯の顔を見たら、どんな聖人君子でも理性が消滅して襲いかかっただろう。それほどエロい表情をしていた。
「あんなエロい誘惑されたら、誰だってその気になるよ!」
「あ、あれは……だって……その」
「だって?」
「あなたのが、忘れられなくて……ん!やあん……!はげしすぎ……!」
「そんなこと言われたら、止まれないよ……!」
無自覚でハレンチな言葉を言うのは反則すぎる。
さらに激しく腰を打ち付けると、股間が唯の柔らかいお尻にぶつかり、乾いた音が響き渡った。
トロトロの膣肉は意思を持っているかのように肉棒を包みこんでくれる。柔らかい媚肉を無理矢理掻き分けていくと、愛液がドロッと分泌されて敏感な肉棒に垂れてくる。
結合部からはお互いの液が溢れ、動かす度に淫靡な水音が漏れている。
めちゃくちゃ気持ちいい。
「唯、こっち向いて……」
「あ、太君……ちゅ、ふっ……んむっ……ちゅぱ!」
唯と唇を重ねて、本能のままに舌を絡ませあう。激しく動きながらなので、唇の隙間からダラダラと唾液が垂れるが、そんなこと気にならないほど僕たちはお互いしか見えていなかった。
口内の至るところを舐めて唯の唾液を嚥下すると、唯と一つになれたようで幸せな気持ちになる。
気持ちいい。ただただ気持ちいい。
亀頭が膨らみ、射精が近づいてくる。
限界が近づくのが分かったのか、唯がキスをしたまま囁いた。
「ん、ちゅ……今日、大丈夫な日だから……」
「ゆ、唯……あ……やば、でる……!」
「んん……!あ、ついのが……いっぱい……」
唯の言葉があまりにもエロすぎて、思わず射精してしまった。
大量の精液が膣内に流れていく。唯の子宮を白く染め上げていく感覚が堪らない。
唯とセックスする前と比べて、精液の量と濃さが変化した気がする。ドロドロの精液は唯の膣内にこびりつき、意思をもって孕ませようとしているかのようだった。
大量の濃厚な精液が流れる感覚に、唯も我慢できなくなったのか、僕の口に思いっきり吸い付いて絶頂した。
「はあ、はあ……」
「あ、もう時間なのね……」
僕達の邪魔をするかのように予鈴が鳴り響いた。
名残惜しいが、さすがに何度も一緒に遅刻する訳にもいかない。
最後に激しく舌を絡ませあって、屋上を後にした。
「いやー、唯たちのお陰で楽勝だったわ」
「あなたね……まだ終わってないのよ?」
「まあ、俺たちじゃあろくに進まなかっただろうし。本当古手川がいて良かったよ」
「そうね……」
この集まりもあと一週間。
今日は学校で集まることになった。
というか、あの出来事以降、唯の家で集まる機会が減っていた。
「じゃあ、使わない資料を図書室に返しに行くわね」
「俺が持つよ。古手川」
「あ、ありがとう結城君」
あの出来事以降、唯の結城リトに対する態度はこれまでと変わらなかった。結城も唯に対する態度は変わらない。
結局、二人の間に何があったのかは分からずじまいだが、変化がないということは、遺恨なくキッパリと終わったということだろうか。
しかし、結城リトにはあれがある。
結城リトが古手川の分の荷物を持とうと近づいたとき、なにか嫌な予感がした。
すると、案の定それは起こった。
「うわあ!」
「……ひいっ!」
結城リトが足を滑らせて、唯の背後から胸を揉む体勢になった。
……。
あまりの早さに、唯を助ける暇もなかった。
「ご、ごめん古手川!」
「……」
「あちゃー。結城ぃ……」
結城リト……。
今ほどこいつを憎く思ったことはない。
謝ってすむわけないだろ。唯は僕のものだ。
唯の身体を堪能していいのは僕だけだ。
拳を思いっきり握りしめ、殴りかかりそうなのをギリギリ耐える。
「……」
「こ、古手川?」
「あ、あはは……ゆいー……?」
いつもの唯なら声を張り上げて怒鳴るが、今回は静かに俯いたままだ。
結城リトは怪訝に思い、籾岡さんは僕が唯を狙っていると勘違いしているので、チラッと僕を見てなんか気まずそうな表情をしていた。
「……茂田君。本を運ぶのを手伝ってくれる?……結城君はここで籾岡さんと別の作業をしていてください」
「え、あ、うん」
唯と一緒に教室を後にした。
「んぅ、ちゅ……太君、もっと……!」
「唯……」
首に腕を回されて、激しく唾液を交換しあった。
資料を返しに教室を出たあとすぐ、唯に強引にトイレに連れ込まれた途端にこうなった。
「もっと、触って……?結城君に触られた所を上書きしてほしいの……!」
積極的に舌を絡めながら、僕の手を取って胸に誘導してくる。制服越しでも感じる極上の柔らかさ。彼女の要望通りに両手で全体をマッサージするように捏ね回して唯の胸を味わっていると、彼女の口から微かに甘い声が漏れてきた。
「結城リトに触られるの嫌だったの?」
「ん……彼に触れられた瞬間、背筋がゾワッてしたわ……」
「……でも、前まではそんなに嫌そうにしてなかったよね」
「うん……前までは、結城君はわざとじゃないから、彼は本当は誠実な人だからって思ってたけど、今はすごくイヤ……!太君……!」
そう言うと、ムチムチの身体を密着させて、さらに激しく舌を絡めてきた。
僕はニヤニヤを抑えることができなかった。
あの結城リトのラッキースケベが全く効果を発揮してない。そう、それが正常だ。むしろ今までがおかしかったんだ。今までは、度を越えた結城リトのセクハラに、わざとではないとはいえ、なぜか美少女は頬を赤らめて許すという、あいつに都合の良すぎる展開。それがようやくなくなった。
唯はあいつの呪いから逃れることができた。
その事実が嬉しすぎて、唯をきつく抱き締めて、ズボン越しの肉棒を引き締まったお腹に擦りつけた。
「はあ……はあ!唯、かわいいよ……!」
「あ……太君……私、もう……!」
もうお互いしか見えていなかった。結城リトのラッキースケベをスパイスに、僕たちは燃え上がっていた。
口元が唾液まみれになるまでディープキスをしながら、僕はズボンを脱いで肉棒をさらし、唯はスカートを履いたままショーツを下ろして、立ったまま抱き合いながらお互いの性器を繋ぎあわせた。
「すご……トロトロだ……!」
「あっ……すごく大きい……♡」
唯の膣内はすでにトロトロにほぐれていて、肉棒がグズグズに溶かされていくかのようだった。何度も味わった唯の膣は僕の形にぴったりと収まり、いれた瞬間に膣ひだが待ちわびたかのように吸い付いてくる。
もっと気持ちよくなりたい。本能のままに腰をふった。
その時だった。
──ガチャン
「っ!」
隣の個室の扉が開く音。
そういえばここは女子トイレだった。
突然の事態に、僕と唯は動かずに息を潜めた。
しかし、僕の肉棒は蜜壺の中に挿入されたまま、極上の快楽を受け続けている。今すぐ動きたいくらい気持ちいい。そしてそれは、唯も同じだった。
「はあ……ん……♡」
「ちょっ、唯……!」
「ごめんなさい。でも、我慢できないの……!んぅ……」
股間から痺れるような快楽が走ったと思ったら、唯が待ちきれずに腰を動かしていた。
僕の身体に密着して柔らかい肢体を押し付けたまま、器用に腰を動かして快楽を貪っていた。声が出てはまずいと思っているのか、唇を押し付けあって嬌声が漏れるのを防ぐ。
(唯、エロすぎる……!)
唯のあまりのエロさに圧倒され、しばらくはされるがままだった。股間から伝わる性器同士が擦りつけあう気持ちよさ。さらに、普段真面目で、ハレンチなことが嫌いなあの古手川唯が、学校の女子トイレで、隣に他の生徒がいるにも関わらずセックスを優先させるというハレンチ具合が僕をどうしようもなく興奮させる。
唯と舌を絡ませて、濃密な甘い唾液を味わいながら、至近距離で彼女の発情しきった雌の顔を眺めると、興奮のボルテージが上がって、いよいよ我慢ができなくなってきた。
「唯……そろそろ……」
「ちゅ……♡私も……あん♡やばい、かも……」
向かい合いながらしているため、お互い思うように快楽を得られないが、その分お互いの身体をこれでもかと押し付けあった。右手で唯の大きな生尻を揉みしだいて、おっぱいよりも弾力のある極上の感触を味わいながら、左手で豊かなおっぱいや括れたお腹、ムチムチの太ももなど、古手川唯の魅力的な身体をまさぐる。
唯の方も、僕の頬や胸板など、あらゆる所を触りあって、お互いに性感を高めあう。
「ちゅ、太くん……♡太くん……♡ちゅう……♡」
唯はひたすら僕の名前を繰り返しながら、キスの雨を降らせてくる。目の奥にはハートマークが見えるほど発情していた。
性器同士の擦りあいも激しさを増し、個室には水音が響いていた。確実に隣の生徒には何をしているのかまるわかりだろう。その証拠に、隣で息を潜めている様子がなんとなく伝わってくる。しかし、そんなことは僕も唯もどうでも良かった。完全に二人の世界に入っていて、お互いを求めあうことしか頭になかった。
お互いに激しく求めあっていると、同時に限界を迎えた。
「あ、ああ……!でる……!」
「~~!!っっ!」
唯の膣内で、思いっきり射精した。
最後はギュッときつく抱き締めあいながら、艶やかな黒髪に顔を埋め、甘い匂いを一杯に嗅ぎながらの射精は格別だった。
「はあ、はあ……んっ♡」
荒ぶる息を整え、お互いに見つめ合いながら、唇を重ね合わせる。セックス中の激しく貪るようなキスではない。事後の余韻に浸りながら、舌を根本からゆっくりと絡め合い、たっぷりと唾液の交換をする。
やがて濃厚なキスも終わり、至近距離で見つめ合う。僅か唇が当たるほどの超至近距離。ふにふにとした唇の感触と、顔に当たる甘い吐息を味わいながら唯に問いかけた。
「あいつからのハレンチは上書きできたかな……」
「正直、まだ足りないわ……でも、もう行かないと怪しまれちゃうし……ん、ちゅう……♡」
と、言いつつも、再び口付けをする僕たち。
僕もまだまだ唯のハレンチな身体を味わいたい。隣の生徒もとっくに居なくなって、僕たちの行為を邪魔する存在はいない。
「太君……♡」
唯は熱を帯びた眼差しで僕を見つめている。その目からは、セックス以外の選択肢は見られなかった。
依然として挿入されたままの膣肉からは愛液が分泌され、逃さないと言わんばかりに締め付けてくる。
もう我慢できない。
「唯……!」
「んっ……あん……!」
再び腰を振るい、お互いを貪りあった。
結局、教室に戻るのは30分ほど経過した後だった。
「遅かったな二人とも。なんかあったのか?」
戻って早々、結城リトの不快な声色が僕たちに届いた。
「あー、ちょっとね」
「ふーん、そっか」
「……」
あんなことがあってもケロッとした態度で接する結城リトに殴りたい気持ちが湧いてくる。こいつにとってラッキースケベは日常茶飯事で、形だけの謝罪をすれば許されると思っている、ただのルーティーンに過ぎないってことだ。まあ、今まで本気で嫌がる女の子がいなかったこともあるのかもしれないが。
唯は本気で嫌いになったのだろう。
結城リトを無視してそそくさと席についた。
それからしばらくは全員無言で作業していた。
たまに結城が言葉を発しては、誰かが適当に相槌を打って終わるだけだ。
のほほんとした結城リト。
それに殺意を抱く僕。
鉄面皮で作業する唯。
そんななか、唯一籾岡さんの様子がおかしかった。
さっきからずっと黙ったままだ。いつもはあんなにうるさいのに。
それだけじゃない。たまに僕をチラッと見ては目をそらすという行動を繰り返している。
いや、僕だけではない。唯の方も見てはそらすのを繰り返している。
僕たちが戻って来てから急変した態度。
僕と唯をチラ見してくる様子に、なんとなく察しがついた。
(さっきトイレにいたのは籾岡さんか……)
だとしたらすごい衝撃だろう。
最近まで結城リトに惚れていた真面目な唯が、学内であんなに激しいセックスをしていて、しかも相手は僕なのだ。
籾岡さんの混乱も凄まじいだろう。
幸い唯は気づいていない。気づいているの僕だけだ。
(しかし、参ったな……)
この一件で、籾岡さんは、僕と唯は隠れて付き合ってると思っていることだろう。
だとしたら、籾岡さんをモノにするハードルが一気に上がるんじゃないんだろうか。籾岡さんはこう見えて優しい。友達の彼氏と浮気なんてするだろうか。
いや、ネメシスはこの事も想定内なのか?
そもそも僕には女の子を口説くテクニックなどないので、ネメシスの言う通りにするしかない。
「あっ」
ふと、足元に転がってきた消しゴム。
拾おうとすると、他から伸びてきた手と接触した。
「あ、ご、ごめん!」
それは籾岡さんの手だった。
彼女は急いで消しゴムを取って、手を引っ込めた。普段の余裕はどこへやらといった様子で、顔を赤くしながら焦っている籾岡さんは可愛かった。
それから数日は、特に進展はなかった。
唯とひたすらセックスをして、籾岡さんとの距離感も変わらないままだった。
ネメシスに聞いても、『このままで大丈夫だ』と言うだけだ。どうにかしたいが、どうしたらいいのかわからない。そんな日々が過ぎていった。
そんなある日のことだった。
「じゃあ、私は帰るから……んっ……もう、だめよ。そろそろ帰らないと、んぅ……♡」
「でも、土日は家族と旅行に行くから、会えないんだよね……じゃあその分しないとね」
「あん……だからさっきまで散々……んんっ♡」
金曜日の夜。
明日から唯は家族旅行でいないそうなので、学校から帰って早々に僕の部屋で身体を重ね合わせた。
部屋についた瞬間から待ちわびたように激しく口付けをしてそのまま玄関で精を解き放ち、そのあとはお互い一言も発さずに布団の上で汗だくエッチをした。
だが、さすがにお泊まりするわけにもいかず、今は玄関で彼女を見送っていたところ、我慢できずに唯に抱きついて全身をまさぐりながら甘い匂いを嗅いでいるところだ。
「ふふ、もうダメだってば……♡」
唯も口では拒否しているが満更でもないようで、基本僕にされるがままになっている。
こうやってイチャイチャするのは、なんと言うか楽しい。セックスとはまた違う楽しさがある。
しかし、ずっとこうしているわけにはいかない。
結局、月曜には土日分も思う存分エッチすると約束して、最後にたっぷりと舌を絡めたキスをして別れた。
「ふう……」
唯のいなくなった一人の空間は、何て言うか寂しさがある。前まではこんなこと思わなかったのに。僕にも変化があったんだろうか。
「腹へったな……」
飲まず食わずでずっとエッチしてたから、お腹がすいた。冷蔵庫にも何もないし、何か買いに行くか。
「あ」
「あ」
買い物に行く道中、偶然籾岡さんに会った。
シャツにホットパンツというラフな格好をしているにも関わらず、どこか色気が溢れている。
僕の顔を見ると、どこか気まずそうに目をそらした。
「あー……、学校以外で茂田と会うのは初めてじゃない?家近所なの?」
「うん。ちょっと夕飯の買い物に……籾岡さんは?」
「まあ、私もそんなとこかな……」
会話はぎこちなく、以前までの軽快さはない。
会話も尽き、僕たちの間に沈黙が訪れた。
当然だ。あれ以来、まともに話もしていないんだから。
この状況からどう挽回しろっていうんだ、ネメシス。
「……」
と、思いつつ彼女の様子を伺うと、先程の気まずそうな表情とは一変して、真剣な表情でじっと僕の顔を見ていた。
なんだ。僕の顔に陰毛かなにかついてるのか。
彼女はなにか考えるような仕草をした後、決心したように口を開いた。
「ねえ、今から私の家に来ない?」
籾岡さんからのお誘いだった。