とある下品な鎮守府の日常 -とゲちん- 作:ハーメルンkpx
食べ物は特に無加工品が良い。
ブリッ
夕立「うぅ……グスッ……ひっく……っぽい……」
提督「……」
―コンコンッ
提督「入れ」
白露「いっちばーん!」
村雨「はいは~い♪」
春雨「司令官、春雨たちに…ご用なのですか?」
提督「ん、ご苦労。あとは……」
―キィ
時雨「提督、呼んだ?」
提督「お前は俺の仮眠室に勝手に入るなと何度言ったらわかるんだ。
あとなんでそこからなのに一番遅かったの?」
時雨「僕が何をしてたか興味があるの?///」
提督「……お前たちを呼び出したのは聞きたいことがあったからだ」
時雨「いいよ、何でも聞いてよ!///」
夕立「っ…………ぅう……」
春雨「えっ……夕立姉さん……?」
白露「なんで泣いて……」
村雨「……提督、これは……」
時雨「……あれ? 夕立、口元が汚れて――」
提督「待った。先に俺の話を聞いてもらうぞ」
「「?」」
時雨(……お昼はカレーじゃなかった。
――まさかっ!?)
提督「……夕立が白状したぞ」
提督「お前たち、食糞してるらしいな?」
白露「」
時雨「」
村雨「」
春雨「」
◇
春雨「はい! …じゃなくて! してません!はい!////」
白露「なななに言ってっ……!////」
村雨「そ、そんなことあるわけないじゃない!?////」
時雨「夕立! ケアはちゃんとしろっていつも言ってただろう!?」
夕立「ひうっ……ご、ごめんなさいっぽい~……」
提督「……もうボロ出てるけど、さっき言質取ってるから逃げられんぞ」
◇
提督「――おぉい……こら、抱きつくなって……。
だから後でな、って言ってるだろ……」
夕立「もー。あとどれくらいっぽいー?」
提督「――っ! あ、あぁ~……そうだな……」
提督(てかこいつ、今日は一段とまた…………ん?)
提督「……待て夕立。ちょっとこっち向け」
夕立「ぽ、ぽい……?///」
提督「……さっき昼って、カレーじゃなかったよな?
ニンジン……はあったけど……赤いのはそれとして、
なんだこの茶色いの」
夕立「」
◇
提督「――……そのあと問い詰めたら吐いた。
ご丁寧に姉妹まで巻き込んでな……。
……吐きたいのはこっちだっての……」
時雨「夕立……」
夕立「うっうっ……」
春雨「」
村雨「……提督も村雨の、ちょっと良いチョコ、食べてみる?
甘くなくて、すこーし苦いんです。うふふ…………」
提督「ひどいごまかし方やめろ! あと開き直るな!
すこーしとかも絶対ウソだろそれ!」
◇
提督「あ~もうほれ、夕立もいつまでも泣くなって……。
問い詰め方が荒かったのは謝るからさ……」
夕立「うぅ~っ!」
―ダキッ
「「!!」」
提督「おまっ、ちょ」
―スリスリスリ
提督「」
夕立「ぅ~……」
白露「……」
村雨「……」
春雨「……」
時雨「新手のマーキングかよ、くそ…………糞っ……!!」
◇
提督「今までホントごくたま~に感じてた口臭は
本人の問題かと思ってこれまで知らぬ顔してきたが……」
※上着は脱ぎました。
「「…………」」
提督「……そういう事情だったなら、さすがに見過ごせんでしょこれはもう……」
「「!」」
提督(……ん?)
提督「……あっ、そういや確認してなかった。
これも聞きたくないけど、もう頑張って聞いとくわ……。
……山風はどうなんだ……? 今遠征で出てていないけど……」
「「…………」」
提督「……おい。……山風は最近来てくれたし、あいつとはまだ距離あるし、
あんまり面と向かって喋ったこともないから、
口臭じゃ判断つかないんだけど……」
白露「……や、山風はちょっと気難しいところがあるけど……。
……うん、それでもやっぱり山風も、
あたしの可愛い妹であることには変わりないよ!」
提督「微笑ましくていいけどさ。今そういう感じの話はしてないよね」
時雨「山風は一人でいることが多いね」
提督「知ってたんならもうちょい歩み寄ってやれよ、姉ちゃんだろ……。
俺の周りで変なことばっかしてないでさ……」
夕立「話すとあれでけっこうコロコロ表情変わるっぽい」
提督「ああ、いいね! そういうとこやっぱ流石だよな夕立は!
そのまま良いお姉ちゃんでいてやってくれ」
夕立「ぽっ!? ……ぽーい!!////」
時雨「……」
春雨「春雨の、おいしいって言ってくれました、はい!///」
提督「春雨の春雨を? ……ん? いやどっち?」
村雨「えっと……あ、山風はストレス抱えてるとき抜け毛がひどいです!」
提督「それは知ってる。尻餅つきそうなってたときに慌てて支えたら頭に触ってて、
ふと気付いたら俺の手が緑色になってた。
……すごい俯いて歩いてたんだよなぁ……」
◇
提督「――って、そうじゃなくてだな……。
……いや、もういいわ。なんかもう察したわいろいろと……」
「「……」」
提督「……えーっと……とりあえず、お前たち座れ。
そこの来客用ソファーでいいから。
時雨、悪いけど、人数分お茶出してくれ。
入り浸ってるんだから勝手は知ってるだろ?」
時雨「わかったよ。提督はミルクと砂糖は?」
提督「? いや俺いつも煎茶なんだけど。知ってるよね?」
時雨「そうだけど、この際だし、せっかくだからさ。
たまにはホットう……チョコレート、なんてさ」
提督「……」
時雨「どうする? ココアパウダーと うん……チョコだけでってのも乙だよ」
提督「全員、煎茶を飲みなさい。
今せっかくとか意味わからんから。何のせっかくなの」
時雨「…………チッ」
提督「開き直られるとマジで怖いからやめてね」
◇
―ズズッ
白露「いっちばん! ――あつぅーーいっ!?」
春雨「ひゃうっ! 姉さん大丈夫ですか!?」
村雨「なんかお腹の調子良くなりそう……」
夕立「実際、効果あるっぽい。睦月ちゃんが言ってた」
村雨「へぇ~」
時雨「お通じ……じゃなかった。お通しも持ってきたよ」
提督「ん。ありがとう」
提督「……なにこれ。なんで羊羹こんなに崩れてんの?」
時雨「……あーごめん。それ切るの失敗しちゃったんだ」
提督「俺のだけ?」
時雨「うん」
提督「そうか」
時雨「……」
提督「……でもこれ、素手で触ってるよね。
切るうんぬんじゃなくてさ。捏ねたのこれ?
所々指の形あるじゃん。故意にやらなきゃこうは――」
時雨「僕、不器用だから」
提督「そうか」
時雨「うん」
提督「……スンスン……」
時雨「……」
提督「……羊羹だなぁ……」
時雨「だからそうだって。何言ってるのさ。変な提督」クスクス…
提督(変なのはこの妙に巻いてる羊羹の形だろ。あとお前とお前の姉妹)
◇
―カチカチ
提督「……ん~、とりあえず……。
……俺はそもそも詳しくはないから、ネットで今ざっと見てるんだけどさ」
「「……」」
提督「……まぁ、原因とか一概には言えないっぽいなこれ」
村雨「……例えば?」
提督「んーと……
①お腹が空いてる
これはいつも定時で食堂でご飯食べてるし、ないとは思うんだが……。
駆逐艦だし。それにお前ら、よく姉妹で間宮行ってるよな?」
白露「行くよー!」
夕立「夕立は吹雪ちゃんたちともよく行くっぽい!」
提督「だよな。そこそこの頻度で俺にタカりに来るもんな。
だったら……
②栄養が足りてない
そのため補食行動を……ってこれもない、はず……。
間宮も鳳翔もその辺りには抜かりないはずだしな。
③いつもの味に飽きた
これもないだろ。日替り定食とかもあるし。
足柄みたいに頻繁に同じの食べてる奴もいるけど、
それは本人が好きだからなわけで。
……ん~……?」
村雨「ご飯以外で原因ってあるのかしら……」
提督「微妙に他人事かよ。
誰のせいで執務の時間削ってこんな事してると…………お……」
春雨「司令官……?」
提督「……あったわ。食事以外。
④かまってほしい
から、相手をしてほしくて食べて気を引こうとしている……」
「「っ!!」」
提督「……これは普通にないなw」
「「えっ」」
提督「てかやばすぎだろwww気を引きたくてアレ食べるとかwwww
いやぁ、ぶっ飛んでんなぁ……w
まぁそもそもお前らの場合は目の前で食べるわけでもないから、
やっぱりこれも該当しな――」
「「…………」」
提督「……ん?」
春雨「ぁっ……ぅ……」
時雨「…………あのさ、提督。その……④番がない、っていうのが
正直……たぶん僕たち全員だと思うんだけど……、
えと……よく、わかんないんだけど…………意味が……」
提督「……?
いやだって、俺しょっちゅうお前らにかまってあげてるじゃん」
「「……は?」」
提督「えっ」
時雨「……待って、提督。そこちょっと……。
もうちょっとだけ説明をお願いしたいんだけど……」
◇
提督「説明って……てか今日だってそうだろ。
夕立と遊んでやってたし、
何なら今だってこうしてお前たちに時間を割いてるじゃないか」
「「……」」
提督「……あれ?」
時雨「……夕立、僕たちが呼び出される前って、
遊んでもらってたの?」
夕立「……遊んでもらってないっぽい……」
提督「……えっ?」
夕立「提督さんはずっとお仕事してたっぽい……」
提督「……」
◇
時雨「……まぁ、執務の邪魔をしてたってところは
夕立も悪かったとは思うけど……」
白露「今のこの時間もどっちかっていうと……」
村雨「元々、私たち艦娘のメンタル・コンディション管理は
監督官である提督の業務の内に入ってるって、
前に大淀さんが……」
春雨「それもなんていうか、その……えっと……」
提督「……」
春雨「っ……そのっ……ぇ……と…………は、ぃ……」
時雨「……いいよ、春雨。言っても」
村雨「もうこの際よ、春雨」
春雨「は、はいっ……。
し、司令官には、日頃からお気遣いいただいて、
お声もかけてもらって、あの……いつも私たち皆のことを
気に掛けてくださって、ありがとうございます!
本当に助かっています!」
提督「っ……お、おぉ……なんだ、びっくりしたよ。
そういう話か。いやまぁ、それは鎮守府の監督官として――」
春雨「で、でも!」
提督「ん……?」
◇
春雨「……最近はそれも……何と言えばいいか……。
……事務的な感じがするなぁって……はぃ……」
「「あぁ~……」」
提督「え、何そのリアクション」
白露「言われてみれば、とかじゃなくてもう数ヶ月前から?」
時雨「……2ヶ月と11日前かな。
僕がはっきりと違和感覚えたときから数えるとだけど」
夕立「この前、部屋で吹雪ちゃんたちともその話ちょっとしたっぽい……」
春雨「あ、私も輸送任務のとき隊で話題になったことありました……」
村雨「……ていうか最近ので私的に、さすがにこれはないかなぁって
思ってるやつあるんだけど」
時雨「あれか……」
白露「あー、ね……」
春雨「で、ですよね……」
夕立「……まぁ、ないっぽい……」
提督「ぇ……ど、どれ……?」
◇
白露「えーと……KY用紙?」
時雨「体調管理表だね。まぁ用途一緒だけど」
村雨「あれ、改めてちゃんと初めて見たけど、
提督が毎日問診しながら書いてたのって、
あの用紙だったのね」
夕立「夕立は後ろから覗いたことあるから知ってたっぽい!」
春雨「……あれが今は、印刷して出されてるやつに
各自で記入しておく形になってるんですよね……」
提督「……そ、それが何か……?」
村雨「……毎日してくれてたのに、今は顔合わせもなしで、
ただ自分たちで自己申告で書くだけ……」
白露「……なんだかなぁ……」
村雨「……ないと思わない?」
夕立「あり得ないっぽい……」
春雨「……はい……」
時雨「あれ初日のとき、もしかして提督自身が体調不良で
出られないからなのかなと思って、僕朝から鎮守府中
探し回ったよ。何でかどこにも居なくなってるし」
「「……」」
◇
提督「……いやあれはだな……その……業務効率化の一環というか……」
村雨「……今までずっとちゃんとやってくれてたじゃないですか……。
多くても一人一人ちゃんと顔色見たりとか……」
提督「……い、いやその……何というかここのところ……。
特に最近は俺自身忙しくなってきてるというか……」
時雨「なんだい、それ……。昇進内定でも――」
提督「おぉっ、実はそうなんだよ!
内定じゃなくて本決まりだけどな!ww」
「「っ!?」」
時雨「――っ!」
村雨「うそぉ!?」
白露「マジ!?」
春雨「お、おめでとうございますっ!!」
夕立「いつからっぽい!?」
提督「いやもう本当に最近なんだけどなそれはw
でもやっとこ俺もついに中堅プロデューサーに――」
時雨「……は? プロデューサー?」
「「……?」」
提督「うん? …………ぉ"……」
◇
時雨「――とりあえず一旦話を戻すけど……」
提督「ぉ、おう……」
時雨「つまり提督はこれといって所用もなく、またとくに意味もなく、
職務怠慢を仕出かした。
そういうことでいいんだよね?」
提督「いや、とくに意味もなくっていうわけでも……」
村雨「え、なになに?」
時雨「何?」
白露「んー……?」
春雨「何ですか……?」
夕立「ぽい……?」
提督「……何でもないです。ごめんなさい」
◇
提督(なんでいつの間にか俺がこいつらより
低い位置に座らされてるんだよ……。
フローリングに正座て……)
時雨「――それじゃ、提督にはこれからは心を入れ換えて、
ちゃんと提督としての職務と僕たち白露型にもしっかりと――」
提督(っ!! 冗談じゃないぞ!?
執務は致し方なしにしても、そんなに時間を
取られることになんてなったら、
次のライブイベントがっ……!)
―スクッ!
提督「ちょ、ちょっと待ってくれっ!
お前たちの例のアレについてなんだが、
はたしてそれは本当に――」
時雨「……誰が正座やめていい、なんて言ったかな……」
提督「ひっ……」
「「…………」」
提督「」