とある下品な鎮守府の日常 -とゲちん- 作:ハーメルンkpx
もっさぁ……
明石「はい! これがムダ毛を気にしなくなる薬です!」
提督「でかした!」
明石「企業秘密ならぬ、工廠秘密の成分で、
主に精神に作用する薬ですが、促毛成分も配合済みです!」
提督「流石だ、明石ぃ!!」
明石「でへへ/// ですが、提督。くれぐれも悪用は禁止ですよ?」
提督「言われなくとも!」
明石「それで、なんでまたこんな薬を?」
提督「……俺はさ、常日頃から思ってたんだよ。
皆の負担、大きい上に多すぎない?ってね」
明石「皆……?」
提督「あぁ、艦娘の皆のことね。
いくら軍属と言えども、やっぱり皆、心も体も年頃の女の子と妙×の御婦人だ」
明石「まぁ、そうですね……」
提督「普通だったら、オシャレしたり、友達とランチやら映画に出掛けたりしたいだろう」
明石「……」
提督「まぁ、そういう気持ちはわかるから、うちでは酒保を充実させてたり、
図書室を無ジャンルの蔵書と化してみたり、
視聴覚室に無理やり4KTVおいてみたり――あっ、明石。
そういえば視聴覚室のゲーステ直してくれた?
なんか何台か調子悪いらしいんだけど……」
明石「あ、はい。ゲームディスクは読み込むけど、
映画とかのBlu-rayは読み込まないってやつですね。
ネットに繋いで認証したら読み込めるようになりました。
ただ、一台だけ……読取レンズが問題だったみたいなので、
今日交換しておきます」
提督「ありがとう。すまんね」
明石「いえ。……それで……」
提督「ん? ――あぁ。……うん。
まぁいろいろとしたいであろう年頃なのに、
それをおして頑張ってくれている皆の気苦労を少しでも軽減してあげたいと思ってね」
明石「……それで、この薬なんですか?」
提督「うん。だって大変じゃない?
戦時中なのにわざわざムダ毛の処理にまで気を遣うのって。
作戦行動期間とか、連日連夜のときだってあるのに」
明石「っ……の、ノーコメントで……///」
提督「…………明石は髪の毛の量が多いよな……。
まぁ別に? だから何がどうってことじゃないけどね?」
明石「ノーコメントでっ!///」
提督「そうか。まぁいいけど。
それでさぁ、大破して肩出ちゃう子だっているだろ?」
明石「え、ええ……」
提督「平常でも服装規定でノースリーブの子だっているしさぁ」
明石「…………」
提督「……俺、腋毛の処理しなくちゃいけない子が一番大変だと思うんだよね」
明石「…………」
提督「……俺は、日々、腋毛に頭を悩ませてる子たちを助けてあげたい」
明石「…………」
提督「腋の下を毛でいっぱいにしてる子たちに、
俺はこう言ってあげたいんだ。『腋毛、いいんだよ』って」ニコッ
明石「……そうですか」
提督「うん」ニコリ
明石「……なんかやたら腋毛推しなのが気になりますけど……」
提督「いや別に腋毛に限った話じゃないけどな。
ぶっちゃけ、アソコの毛が濃いだの、
ヘソから股ぐらまで毛が広がってるだの、
尻毛まで剛毛だのはドンと来いよってなもんなわけよ、俺はね」
明石「えぇ……」
提督「仮に腕毛だの、すね毛だのがもさーっとしてても愛せるね、俺は。
むしろムダ毛が一切ない女の子なんて、それこそ信用が出来ないな。
ムダ毛があればあるほど、女性は信用できる。俺はそう思うよ」
明石「聞かなかったことにしようと思います……。
――ん? あれ……?」
提督「どうした?」
明石「そういうことでしたら、
リクエストにあった促毛成分配合って、特に必要な――」
提督「――いやいる。どう考えても絶対にいる」
明石「えっ……。い、いりますかね……?
気にしなくなるってことでいいなら、わざわざ……」
提督「だって、腋毛の生え具合で極端に差があったりすると、
それはそれで、また意識の壁を作ってしまうじゃないか。
この薬は、ムダ毛があるということを気にしなくなる薬なんだろう?
『みんな腋毛濃いのに、私だけ薄い……どうして……?』みたいなことに
なる可能性の方は残るわけで――」
明石「いやありませんけど……」
提督「……え?」
明石「この薬は正確には、ムダ毛があってもなくても気にしなくなる薬、ですね」
提督「……」
明石「……」
提督「…………そうか。まぁ、わかった。
とりあえずは引き続き、同様の成分で生産を続けてくれ」
明石「わかりました」
提督「各艦娘の個人差も考慮して、促毛成分を増やす必要も出てくるだろうから、
それも配合の調整を今から予め、考えておいてくれ」
明石「わかりました」
明石は考えるのをやめた。