魔法少女あすみ☆マギカ ~Lusty Mercury~ 作:Κirish
とある薄暗い──腐敗した水の様な湿気の臭いが充満する息苦しさを覚える部屋にて。
凡そ用を成していない、申し訳程度の照明の他には、人が二人ほど寝包まる事の出来そうなベッドが一つのみで、外の様子を確認できる──そして外から確認できそうな窓はひとつもない。
あすみは伯父にワンボックスカーに放り込まれ、毎晩その部屋へと連れて行かれて──。
「っぃふ……っ! あすみチャン……っ! 良いねぇ……! っふぅ……!」
気色の悪い──上擦った裏声をあげ悦ぶ中年の肥えた男が、あすみの目の前に一人。
額と頬には雑巾の臭いのする脂混じりの汗が纏わりついてて、薄黄色く汚れた湿気──錯覚だけれど──を含む息をこもらせる。
汚物の体現とも言えるこの男性が今している事。それは、跪くあすみへと──。
「ぅ……。ちゅ……、っ……」
──ううん。あすみは今、この男に跪いて──コイツの『モノ』を、お口で『奉仕』させられてる。
「……ちゅ……っ、む……っ……けほ……っ」
汗にも似た仄かな塩味混じりの苦みと共に、海産物の腐ったような臭い。
そんなとろとろとした粘液が舌に纏わりつき、悪臭に口の中を染め上げられる。
「おぅぁ……、お上手だねぇあすみチャン……。これなら将来有望、っふぅ……だよぉ……」
「っ……ぢゅ……ちゅ……っ」
「ふっぉ……、誰に仕込んでもらったのかなぁ……?」
「っ……、伯父さん……」
おかあさんのお兄さん──いや、あの男。
あすみをあの家に住まわす代わりに、毎晩こうして『店』で働かされ、知らない男共の面倒を見て、カラダでお金を稼いで来る様に言われてる。
ごはんもロクに作れないんだったら、それしか使い様が無いんだって……──。
「あすみチャンの新しいお父さん、だねぇ……。良いお父さんを持ったねぇ……」
「……ちゅ……っぢゅ……」
──あんなの、お父さんでも何でもない。
おかあさんのお兄さんだったとしても、ただの他人。
それに、おかあさんは言ってた。お父さんは外国でお仕事してて、しばらく帰ってこれないんだ──って。
──お父さん、あすみのこと……忘れてないよね……?
「お父さんの為に、頑張ってこう言うお仕事しちゃうなんて……健気だねぇ……」
あすみは──おかあさんに頭を撫でられるのが大好きだった。
わしゃわしゃと──ちょっと雑っぽかったけれど、抱きしめられながら撫でられるのって、おかあさんの『大好き』が伝わってきて、あすみも大好きだったんだ。
けれど──同じ『撫でる』と言う行為だけでも、どうしてこうも──。
「よしよし……。おいちゃんも、あすみチャンの為に頑張って稼がせてあげるからねぇ……」
──どうしてこうも、
あすみの頭に──髪に軽々しく乗せられる湿気た生温い手のひらは、全身の肌を鳥のように立たせるには充分に不快だった。
「……うぉぁ、だめだぁ……! おいちゃん、もうそろそろ……っ!」
女なの──と言う程に甲高く鳴くと共に、じわりじわりと先走る、腐臭のするとろとろとした体液。
──気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い……!
そんな粘液みたいに、ねちょねちょと撫でる湿気の手は、いつのまにやらあすみの髪をつかんできていて──。
「……っ」
正直こんなヤツ──ううん、誰のでも──誰ひとりのだとしても、お口に受け入れたくなんて無かった。今にも放たれるソレの味と臭いを思うと、今すぐにでもゲロを吐きそうになる程には。
けれど、早く済ましてやりたい気もあった。
こんな黴臭い部屋で、脂臭い男と共にする時間が少しでも減らせられるなら、さっさと終わってほしかった。
終わらせて──欲しかった。
「──ぅいっ!」
鳴き声はワンオクターブ更に甲高く──。
あすみの口内へと、ぶぴゅぅっ──と注がれる。
「っんぶ……っ! ぅ……ぐ……!」
──気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いっ!
粘液と言うには──舌に触るぐらいには形がある程には粘っこく、ゼリー状で、半固形とも言えるほど。
そんなのをあすみの口内に注ぎ続けられ、お餅が詰まりそうになるみたいに──汚物で口の中が詰まりそうになる。
「っ……ふぅ……」
口臭が、跪くあすみの嗅覚にまで伝わって──ううん、これはこいつの──お口に注がれ尽くした汚物の臭いかな……。
──もう、どっちか分からない。
──どっちも汚いし。
もうどれがどの臭いか分からない程に悪臭にまみれて苦しんでるって言うのに、オッサンは目を蕩けさせながら余韻に浸る。
「あすみチャン……」
──ああ、来たよもう……。
「……っ、あに……っ」
口に未だ残ったままなのもあって、回らない呂律で『なに……』と返すものの──。
──早く終わらせて……。
伯父さんの指図か何か知らないけれど、あすみを抱く客は──こうしてお口に出した後、余計な注文を加えてくる事が多々あるの。
と言うのも──。
「お口の中ぁ……見せてくれるかな……っ……!」
──ほら来た……。
口に出しただけじゃ飽き足らず、含んだ口内を客に見せろって言う注文。
──絶対、伯父のせいだ。
あすみは以前──こうした事をさせられた時に、客の目の前で何度も──何度も何度も吐き出した事があった。
こんな奴らのなんて飲みたくない。
死んでも飲みたくない。
あすみは、こんな奴らの処理道具なんかじゃない。
でも──何度もそんな事してると、
その一件以来、こうして嫌がらせのように──あすみの口の中を見せるような注文が、目に見えて増えたんだ。
「っ……っっ……」
今でも従いたくない。
このまま吐き出してやりたい。
あすみは、こんな奴らの奴隷になんて成り下がりたくない。
でも──。
「……ぷは……っ」
精液に塗れた口内を見せなきゃいけなかった。
むわぁ──と、濃い粘液の臭気が醸し出され、咳き込みそうになる。
舌にまとわりつく、粘っこい感じ。ダマになって、泡も立って──。
「っ……わぶ……っ」
収まりきらず、零れ滴る液。白濁液──と言うには薄黄ばみ過ぎていて、それがなんとも汚らしかった。
そしてさっきまでは閉じていた口だからか、せっかく臭いも感じられずにいたのに──。
「っ……ぅ……!」
気道が通る事により感じられる、口の中から嗅覚へと直接通る、苦み混じりの精臭。
嘔吐きそうにもなるけれど、ここで全部吐き出したら……また伯父にチクられ折檻されてしまうので、どうにか堪えた。
けれど、そんなあすみを──あざ笑うように──。
「じ、じゃああすみチャン……の、飲んでくれるかな……ぁ?」
男のモノを口で奉仕し、剰えその子種を飲み込む。
それは、ソイツへの絶対服従を意味するもの。
あすみには、そんな事実には到底堪えがたかった。
──でも、従わなくちゃいけない。
従う他なんてない。
それが、今のあすみの──。
「──っん──く──っ」
ひと思いで、これ以上なるべく味わわないように飲み込む。
飲み込む──それだけで済めば良いけれど、精飲はそうはいってくれないもの。
「っう……けほっ……! ぉぇ……っ……!」
喉につっかえる異物感。
半固形とも言える粘度からか、素直に喉奥へとは流れ込んでくれずに喉へとこびりつく。
吐き気が胸を詰まらせ、今にも嘔吐しそうなほど。
──のみならず──。
「……ぁ……」
──青臭さ。
栗の花の臭いにも似た、精液その物の臭い。
口中だけじゃなくて、息をするところ──肺までもが、そんな臭いに染め上げられたかの様に、自分の息までもが青臭い。
息をする度に、精臭があすみの嗅覚を刺す。
肺に新鮮な空気を取り入れられない──そんな錯覚すら感じられるせいか、息が出来ないと頭が間違えたのか、クラクラと立ち眩み、意識にも靄が掛かる。
「はぁはぁ……、よく飲めたねぇあすみチャン……! これで将来は立派な風俗嬢カナ……?」
──苦しい。
何度味わわされても、この臭いと味には慣れない。
男共の下半身から出たモノ──そう思うだけでも、鳥肌に蛆虫が這うかの様な嫌悪感があるのに、こんなにも味と臭いに意識まで汚染されるんじゃ、あすみ──もうぜったい精液なんて飲みたくない。
けれど──。
「でも──良いのカナ? そんな反抗的な目をして──」
──バレた。
──ううん、どうせ隠しようもないんだ。
あすみが伯父共々──客の連中を全員、社会のゴミだと常々蔑んでる事なんて──。
こんな小さいのを相手に、自分の欲すら隠せない獣同然の奴らなんて──!
そんな、そんな獣のクセに──!
「ぼ、ボクらを馬鹿にしても勝手だけどね? だれ、誰のおかげで食べていけてると思うのカナ? だってあすみチャンは──」
──やめろ。
──やめてよ……!
その先を言うな──!
あすみはそんなんじゃない──!
あすみはお前らとは違う──!
あすみは、お前ら
「──こうしないと稼げない、売春婦なんだなあ……!」
……ああ、もう……。
「っ……ぐす、うぅ……っ……!」
「あ、ゴメンね! おいちゃん、ちょっと言いすぎちゃった……!」
やっぱり、やだよ──。
「うぅ……っ。っぁぁああ……っ……!」
「で、でもでも……あすみチャンも悪いんだよ……? あんまりにもおいちゃんのコト、睨んじゃうから……!」
あすみ、したくてこんなお仕事してないよ……。
普通の女の子みたいに、おかあさんといっしょに……お父さんと一緒に暮らしたいよ……。
けれど、あの男が──伯父があすみに無理やりさせるんだ……。
こんな──知らない男の人相手に裸を見られて、見せちゃいけないところまで見られて──汚いものを、あすみの中に注がれるんだ……。
なのに──なんで……?
「っ……うう……ううぅぅ……っ!」
なんでそんなひどいこと言うの……?
こんな事やらせる人の事を『おかげ』って言わなくちゃいけないの……?
親って普通、こんな事をさせるものなの……?
「……あーあ。泣き止まないネ、こりゃ……」
「ひぅ……ぅう……っ!」
『普通』への憧憬に焦がれ、啜る涙は止め処なく──。
「しょうがないネ……。でも、早いうちに社会勉強だと思って……今日の最後のお仕事、あすみチャン頑張らなきゃ……! じゃないと、社会じゃやってけないよ……?」
こんな『社会』──知らなくて良い。
こんなもの、この人達だけが知ってるだけでしかない、狭いセカイでしかないんだ。
どいつもこいつも──伯父も、学校の先生も、このオッサンも──押しつけがましい『性善説』には、もうウンザリなんだ。
これが社会なら──いっそ消えてなくなって欲しいぐらい。
「よいしょ、っと……」
腑抜け力抜けたあすみの──もう折れそうな程に細い脚を、大の大人の手に捕まれ、徐々に徐々にと──大股に開けられる。
「あ……生でいいよね? 伯父さんにはもう、そう言うお金……払っちゃったからね」
もう──コトバ一言すら返す気力なんて、残ってる訳ない──。
そんなこと、目に見えて知ってるくせに──返答を待たずに、あすみの下腹部に粘着質なモノを挿入される。
ゴムなんて、着けもせずに──。
「っあっふう……。やっぱりあすみチャンのココ……小さくて温かくて心地良いねえ……」
ズイズイと……ギシギシと……。
小さいカラダを上下に揺らされ、ベッドと共に心も軋む。
「っ……ぁう……! っ……ひぐ……っ……!」
オッサンの上に跨らせられ、細い腰を掴まれ、上下上下に揺らされる。
あすみの気持ちなんて考えもせず、道具を扱うみたいに──ただ、自分だけが気持ちよくなる為だけに──。
「……うぅ……っ! ひぅ……っ……!」
あすみの下から、あすみのカラダの中を蹂躙される異物感。
いま──汚らわしい肉の塊があすみの中へと出し入れされてると思うと、身の毛がよだつ。
──でも、それだけじゃなかった。
「っふぅ……。あすみチャン、だいぶと慣れてきたねぇ……」
慣れ──なんてない。
ただただ気色が悪い。
──でも、それが何よりの証拠だった。
と言うのも──。
──おしっこする穴が痛い──なんてあまり感じなくなったの、いつ頃からなのかな──。
部屋の湿気に濡らされたのか、それとも揺らされ疲れたのか、汗ばむあすみの肌。
前髪がお顔に張り付くのを鬱陶しく思う中、思い返す。
最初──伯父の指示で抱いてきた舎弟。
アイツに初めて犯されていた時──『初めて』を失った時からしばらくは、下からビリビリと破かれる痛みに堪えられなんてしなかった。
でも一方で──今はどうだろう。
あすみの中が腐肉に蹂躙される不快感に、毎日毎日吐き気を催すばかり。
──痛みを感じられない程にまで捩じり込まれた──そう言う事なのかな──。
「っ……っっ……! う……うぁあ……っ……!」
──情けなかった。
あすみはこのまま、使われるだけ。
あすみはこのまま、弄られるだけ。
あすみはこのまま、犯されるだけ。
なのにあすみは、こうして頬を濡らすだけ。
逆らう事も出来ず、ましてや逃げる事も出来ず──おかあさんとの約束──『幸せになる』──も守れず。
そして何より──。
──『花嫁』にも、もうなれずに──。
「っ……。ねぇ……っ」
「んぉ……?」
あすみを抱く人なんて、みんな同じ。
下卑た笑みを浮かべ、こうして毎日あすみを
なのに──あすみは──。
「っ……あすみ、ずっと……こんなお仕事……しなきゃいけないの……?」
「……」
ああ──また伯父さんに懲らしめられる。
このお仕事を嫌がった罰だ──って。
あの家の中に閉じ込められて、また──人間扱いされない事をされるんだ。
弱音なんて吐いても──誰も助けてくれないセカイなのに。
──だって、いまもそうだ──。
「嫌だとしても頑張ってお仕事をする。それがオトナの世界なんだよぉ」
こうして──誰かを甚振る為だけに、都合の良い『社会』を語るんだもの。
「あすみ……ずっとずっと、っ……売春婦……なの……っ……」
「うんうん。けどすぐに慣れて愉しくなるよぉ。愉しくなって、立派な淫乱風俗嬢になっていっぱい稼ぐんだ。お父さんも粋なコトをしてくれるねぇ……」
「……」
弱音を吐いた。
けれどやっぱり、助けてなんてくれない。
むしろ弱い人を見れば──人は進んで足蹴にする。
無償の愛──なんて、このセカイには存在しない。
あすみは今──有償で、コイツにカラダを売ってる。
そうして稼いだお金も、全部あの悪魔が奪ってく。
──愛情をくれたのは、あの人だけ。
でも、もうおかあさんは──居ないんだ。
セカイのどこにも──どこを探しても──。
「んくぉ……っ! そろそろあすみチャン、そろそろ出る……ッ!」
──もう、勝手にしてほしかった。
今日と言う最悪な一日なんて、早く過ぎ去って欲しい。
けれど、明日もきっと最悪。
おかあさんが居なくなってから──毎日が最悪。
毎日毎日、あすみはこうして──失った春の花弁を散らす。
「っ……うぅっ……! ぐす……っ……!」
この終わりなき辱めの中、かつての愛に包まれた──真っ当な幸せを恋し渇望しようと、夢と現実のギャップは、あまりにかけ離れ過ぎてしまった。
「っくぅうぅうぅうぅう……! も、もう我慢できな……っゅいぃいぃっ……!」
豚の屠殺のような、聞いても居られない、耳を塞ぎたくなる甲高い鳴き声。
ビクンっ、ビクンっ──と下腹部を突き出し、あすみを突き上げる豚。
「……ぁ……」
脈打つ肉にドクドク──と、黄ばんだ白い毒液をあすみの中へと注がれる。
──また、花が枯れた──。
おかあさんに貰った『
こうして花弁を対価に端金を稼がされる度、あの頃の
ブーケに包まれるには、あすみが穢され過ぎてしまった。
「ふいィ~~っ。泣かないで? あすみチャン……。その内このお仕事にも、きっと慣れちゃうから……ね? おいちゃんも応援しちゃうよ……? 育てちゃうよ……?」
用が済んだのなら、さっさと帰って欲しい。
せめて、温かな憧憬に浸る事だけは許してほしい。
「っひ……ぐ……うぅ……うぅう……っ!」
腕で顔を覆い、嗚咽を噛み締める。
そっとしておいてほしい……。
おかあさん以外の声なんて、聞きたくない……。
あすみの──あすみの
──こんな日々が『普通』となってしまった。
もう全て──全てが遠く離れ過ぎ去ってしまった。
あすみはこうして毎日、白く白く穢されてく。
稼いだお金も、全て伯父のもの。
あすみが得られた事なんて何一つなく、いつカラダが使いものにならなくなる時が来るのか、怯える日々。
──ううん。カラダが壊れるよりも前に、あすみ──もう『普通』になんて戻れない。
学校の他の子はこんなセカイきっと知らなくて、こんな『お仕事』しなくていいんだ。
なのに、なんであすみだけ──。
なんであすみだけが、こんなにも不幸なの──?
涙にしゃくり上げる中で豚と共に過ごす夜は、内腿を伝う生温かさと共に過ぎ去った──。
「……」
タバコの煙臭の染み込んだ、ずっと息をしていると頭の痛くなるワンボックスカーの中──伯父の車。
後部座席に雑に寝させられ、車に揺らされ家を待つ。
もう二度と──何度も帰りたくない、悪魔の住処へ──。
「ッチ──」
「ひっ──!」
舌打つ伯父に、思わず体を跳ねさせる。
今日の客にまたチクられたんだろうか。
また折檻されて、凄惨な虐待を受けるのか。
これから起こるだろう、悪い想像しか出来ない中、伯父は──。
「くッさいなぁボケ。テメェみたいなゴミを住まわすだけ感謝しろや? なァ?」
──誰のおかげで──。
あすみに染み付いたあの客の──精臭の事を言ってるんだ。
でもあすみは、好きで臭くなった訳じゃない。
こんな臭い、早くお風呂に入って──何度も何度も、肌が破ける程にまで洗い落としたい。
下着の中も──注がれた体液が垂れてきて、ヌルヌルと蒸れて気持ちが悪い。
こんなこと──こんなお仕事をこの悪魔がさせなければ、あすみにこんな液臭が染み付く事も無かった。
だれの所為だと思ってるの──。
「あーあーアーアー。ヤやなぁ売女っちゅうモンは。盛り出すとすぐザー〇ン臭くなりよってホンマに」
──いいや。
コイツは、分かってて言ってる。
知ってて言ってるんだ。
どんな言い方すればあすみが嫌がるか。
どんな罵声を浴びせればあすみが心で毒づくか。
どんなに馬鹿にすればあすみを貶められるか。
──だから、今こうしてコイツを──殺したい程にまで憎らしく思ってるのも、この悪魔は面白がってるんだ。
「ワレがやりたいっちゅうからウリさせたんやぞ? メシもロクに作れへんやっちゃあ他にシゴトなんてあるワキャないやろがい」
あすみは、性欲の掃き溜め。
あすみは、排泄の掃き溜め。
そしてあすみは、暴力の掃き溜め。
あすみの事が、憎くなんてすらない。
ただただ──苦しむのが見たいだけ。
この『お仕事』でだって──あすみに
避妊具すら着けさせず、お手軽に性欲専用の便所として使えるように仕立ててる。
あすみがこの先──どんなにカラダを壊されようとも、構いもせず──。
「──逃げられると思わんコトや。テメェみたいな無能、一生娼婦のままやさかい」
──お父さん、今なにしてるのかな──。
あすみ、こんな目に遭ってるって──気付いてくれるのかな──。
あすみがお父さんの所に行ったら、助けてくれるかな──。
あすみが外国に行けるぐらいお金稼げるようになったら、お父さんに会えるのかな──。
それに──。
──『花嫁』になれなくなって、今日でもう何回目かな──。