Skebでリクエストいただいたものです
「ぐぅ……」
頭がひどく重たいし、意識は散漫としている。尸解仙として蘇った直後を思い出す不快さだ。
呻きながら、あたりを見渡す。見覚えのない部屋だ。広さは七畳ほどで、寝かされていた寝台はそれなりの代物だが、調度品は他に見当たらない。石造りの壁には窓すらなく、唯一の出入り口は見るからに重厚な鉄扉だ。たぶん、独房かなにかだ。
数秒ほど呆ける。まとまらない思考を無理矢理まとめて、何があったか思い返す。少なくとも、悪事を働いた記憶はなかった。
前後不覚になるほど酔っ払い、醜態を晒して獄に放り込まれたのだろうか。いや、覚えていないとはいえ、あり得ないと断言できる。己は聖徳王であり、酒で正体をなくすほど愚かではない。
きっと何かの手違いだろう。獄吏に事情を尋ねるべく、身を起こす。
すると、じゃらりと金属質な音が響いた。自らに首輪がかけられていることに気付く。鎖で壁に繋がれているのだ。
えらくごつい代物だ。常人と懸絶した仙人の膂力でも、外せそうにない。かけた者は、豊聡耳神子が尸解仙であると知っているに違いない。
にしても、まるで犬扱いだ。自尊心がひどく傷つけられる。不愉快だと、顔をしかめた。
同時に、己の異常に気づく。やけに暑かった。室温のせいではない。身体が熱を孕んでいるのだ。明らかに発情していた。
驚かずにはいられない。生前にしても復活後にしても、女性特有の生理現象に悩まされはした。が、肉欲に躍らされたことはほぼない。為政者が色に溺れるなど、百害あって一利なしだ。
にもかかわらず、今の己は、ムラムラとこみ上げてくる情欲を制御できずにいる。腹の奥から湧いてくる熱を、身体をくの字に折り曲げて堪える始末だった。まるで思春期の娘ではないかと、自らを情けなく思う。
露骨な不調の原因は明らかだった。室内を満たす香だ。部屋の反対側に置かれた香炉から、怪しげな煙が立ち上っている。消そうにも、鎖のせいで届かない。寝台から降りることすらできない有様だった。
「ああ、豊聡耳様。お目覚めになりましたか」
「お前……」
しばらく四苦八苦していると、不意に鉄扉が重たい音をたてて開いた。顔を覗かせたのは、かつての飼い馬、驪駒早鬼だ。こちらを見るなり、笑顔を浮かべる。信用ならない笑みだ。暴力の匂いがする。
「飼い犬に……いや馬だが、手を噛まれるとはこのことか。己の不明を恥じ入るばかりだ」
彼女の顔を契機に、ようやく何があったか思い出す。畜生界を訪ねたのが、ことの始まりだ愛馬がヤクザの組長として元気にやっていると聞いて、様子を見に行ったのだ。
早鬼は自分を忘れていなかった。というか、若干引くくらいの勢いで歓迎してくれた。為政者として、数え切れないほどの宴に参加してきたが、熱烈さでいえば一二を争うほどだった。
だからといって、気を許すべきではなかったのだろう。少なくとも、注がれた酒に毒見もなしで口をつけるのは、賢明でなかった。あれを呑んでから、記憶がなかった。
言動が生前のわんぱくなままであっても、弱肉強食の畜生界で生き抜いてきたのだ。笑顔で人を騙すくらいは、わけもない。
「こんなにもすんなりいくとは、思ってませんでしたよ。ありがたいですがね」
何をされるかは、容易に想像がつく。その目に浮かんだ情欲の色、そして何より、聞こえてくる繁殖欲から明らかだった。にしても、聖徳王に一服盛って、やることがレイプとは。まだ人質にするとかのほうが納得できる。
「ああ本当に、いつ見ても美しいお顔ですね? 豊聡耳様……こんなに簡単に、私のものになるとはね」
早鬼の顔が近づいてくる。濃紅の瞳には、性欲がギラついている。
「お前が、こういうことを望んでいたとはね」
「私はずっとお慕いしていましたよ? 昔はそれでも、己を抑えてましたが。……畜生界では、そういう慎ましさは無意味なんですよ。欲しいものは手に入れればいいんです。こうして」
「……やめろ!」
ぐいと顔を引き寄せられ、唇を奪われる。もちろん、されるがままになるわけもない。すぐさま振り払った。
「抵抗しないでくださいよ、そんな細腕で。無駄な努力なのは、ご自分でもお分かりでしょうに」
両腕を掴まれ、寝台に組み伏せられる。ぎしりと骨組みの軋む音が鳴った。
細腕とはいうが、神子は尸解仙だ。見た目通りのフィジカルではない。それを、口笛でも吹きそうな気安さで押さえてくる。まさに、赤子の手をひねるようだ。腕力ではどうにもならない。
「んむ……んぢゅるっ、れろッ、んふ、ちゅむ」。
「っく、ンッ、……ふ、く、ぅう」
気を取り直してとばかりに、再度唇を奪ってくる。柔らかなリップ同士が重なり合い、むにゅりと形を変える。
「ぢゅる……んふ、れろッ、れる、んちゅぅう」
ヌルついた舌が、閉ざされた唇をこじ開けてくる。口内に入り込み、粘膜を探ってくる。ぬるッ、ぬるっと、生暖かい感触が這い回っている。
「ふ、く、ぅ」
神子にとって、接吻は好ましい行為ではない。生前の常識に照らし合わせると、いささかアブノーマルだった。時代が違うのは理解しているが、受け入れがたいのに変わりはない。
だというのに、身体は昂ぶっていた。早鬼の舌が体内をなぞるたび、ゾクゾクと官能がこみ上げてくる。本能のまま、こちらも舌を絡ませてしまう。繋がった口腔から、唾液の粘っこい音がぬちゅっくちゅっと聞こえてくる。
なんと浅ましいと、己を否定する。明らかに、普通ではなかった。焚かれた香の作用に違いない。薬を盛られてからどれほど眠っていたか知らないが、短くはないだろう。その間香気を吸い続けた神子の肉体は、すっかり発情しきっていた。
「ふ、ッ、ぅ! ンッ、く、ぅう」
早鬼の手が、胸鎖乳突筋をなぞりながら鎖骨へ進む。衣服の上から、ボディラインを確かめるように下へ向かう。
ぎりぎり触れている程度の、曖昧な接触だ。それでも、敏感になった肌は、彼女の指先をはっきり感じていた。ヤクザの組長という、暴力の権化といえる立場にいてなお、柔らかで魅力的だった。
「んッ……く、ふ、ぅ、ッ、う」
石造りの室内に、荒い息づかいがこだまする。口腔粘膜の擦れ合う、淫靡な音が続く。ぎしっぎしっと、ときおり寝台が軋み、何が行われているかを示していた。
「ンッ……く、ぅ」
唾液が送り込まれる。やはり、生前の常識に照らし合わせると、アブノーマルな行為。にもかかわらず、受け入れてしまう。他人の体液を嚥下すると同時に、自らも送り返してしまう。
「!」
早鬼の手は止まらない。曖昧にくびれた腰からさらに下、センシティブな部位に至る。一度太腿まで降りてから、スカートの裾をゆっくりとめくり上げていく。
どこを目指しているか、分からないほど初心ではない。咄嗟に、脚を閉じた。文字通り目と鼻の先にある早鬼の瞳が、嗜虐的に歪んだ。
「んはッ」
「はっ、くは、はぁッ……」
たっぷり一分以上は繋がっていた唇が、ようやく離れる。少女たちの艶めくリップの間を、やや粘り気のある透明な糸が伝う。ちゅるんと、早鬼が啜り上げた。
自らの胸郭が上下しているのを感じるほど、呼吸は荒くなっていた。顔が熱を持っていると、自分でもわかる。紅潮した表情を、早鬼の暗紅色の瞳が満足げに見つめていた。
「さあ、これからヤることをヤるのに、こんなものは無粋でしょう。脱ぎましょうか」
「こ、の、やめろっ」
表現と裏腹に、有無を言わさぬ勢いだった。衣服に手が伸ばされ、剥ぎ取られていく。一つひとつボタンを外すような、まどろっこしい真似はしない。馬鹿力でもって、ブチブチと乱暴に引きちぎられていく。
後世には為政者としての能力・業績ばかりが伝えられているが、神子は相当な美女でもある。凜然たる顔立ちは、男女問わず惹きつけてやまない。彼女のもつカリスマの一部といえた。
体つきも、負けず劣らずだ。すっきりとして、無駄な肉がない。腋から腕まで大きく露出した、大胆な服装をとるだけはあった。
一方で、確かな凹凸も備えている。男なら一目で傾倒せずにいられない、見るからな高級ボディだ。
実際、里で演説するときなども、話よりも彼女自身を目当てに来る輩もちらほらいる。本人はそれを不快に思うでもなく、己の武器として自覚的に用いていた。
すらりとした首に、胸鎖乳突筋が慎ましげに浮かんでいる。鎖骨の窪みと肩は優雅なラインを描きながら左右へと伸びる。
乳房はカップでいえばBとCの中間ほどで、巨乳の多い幻想郷においては控えめに感じられる。絶対的なサイズ感としては小ぶりといえるのだろうが、スレンダーな体つきには実にマッチしている。
また、凄まじいまでの美乳だ。ふんわりと柔らかな曲線は、僅かな身じろぎでもふるふると震えるほどの弾力を備えていた。
ほんのりと色づいた先端はぷっくりと膨らんでいる。今の彼女が何に支配されているか、端的に示していた。
腹回りは華奢でくびれているが、決してあからさまではない。人体が本来持つ、自然かつ健康的な美しさだ。
くりっと窪んだ臍には、知的美貌と裏腹の可愛らしさがある。たまらぬ魅力が醸し出されていた。
全体的にほっそりとした体つきにおいて、骨盤は豊かに広がっていた。女性としてのセックスアピールを演出している。
聖徳道士とあろうものが、身だしなみを欠くわけもない。陰毛は丁寧に整えられており、ふんわりした草叢をなしいている。髪色と同じ、ややくすんだ黄金色だ。
柔らかな太腿の間、秘めやかなる裂け目は、すでに潤み始めていた。てらてらと輝く陰唇は、本人の意思はさておき、なにを望んでいるか端的に示していた。
「あぁ……本当に素晴らしい。コレを手に入れるのを、今までどれほど望んできたことか」
早鬼の様子を擬態語で表すなら、「うっとり」が最適だ。凜々しき瞳を陶然と蕩かしながら、溜息を漏らす。
「そうして良いのだと悟ったころには、私は畜生界にいて、あなたは尸解仙となるべく眠りについていた。いやぁ……ホンット、長かったですよ。私がいったいどれほど嬉しく感じてるか、きっと伝わりきらないでしょうね?」
ぱっと見には、思わず魅了される、艶やかな表情だ。が、神子は暴力と狂気を嗅ぎ取っていた。ただの性欲と呼ぶには、ねじれた欲求だ。こういう欲望を漂わせる輩には、決して近づかないようにしていた。
「主にばかり裸でいさせるわけにいきませんから、私も脱ぎましょうか」
言いながら、早鬼も己の服に手を掛ける。肌が露わになっていく。よく日焼けた、小麦色の肌が。日頃から暴力の世界に身をおいているだけあって、細かな傷跡が無数に残っている。にもかかわらず、その美しさは欠片も貶められていない。むしろ勲章のごとく、肉体を飾り立てている。
馬ならではの、筋肉質な体つきだ。意識して鍛錬したわけではなかろうが、しなやかかつ強靱な輪郭をなしている。
かといって無駄にムキムキとするでなく、女性らしい凹凸も備えている。神子とは方向が異なるものの、文句なく美しいアスレチック・ボディだった。
しっかりした首と肩は、悠然たる印象を与える。普段、大胆に肩口の開いた衣装を纏っているが、それも頷ける。
Eカップのバストは確かな大胸筋の地盤に支えられている。おかげで、張りのある、つんと上向いたラインを描いていた。肉が詰まった感じのする、重量感のある乳房だ。
一目見て分かるほどの弾力に溢れた、魅力的な胸だった。荒々しい生活からは、ちょっと想像できないほどだ。
乳輪は胸全体のサイズに比べてやや広めで、色は褐色ぎみだ。やや角のある形であり、己の存在を強く主張していた。
日頃から暴れ回っているだけあって、腹回りは躍動感を窺わせる。うっすらと腹筋の輪郭を浮かばせてもいる。
見せるためわざわざ鍛えたのではない、実用的な筋肉だ。それがかえって、肉体美に磨きをかけていた。
立派でありつつ、女性らしくもある体だ。もともと神子は、なんであれ美しいものを好む。その価値観に沿えば、かなり気に入る部類の肉体だった。
が、彼女の思考は、そうした好き嫌い以前のところに囚われていた。目線は、早鬼の下腹に注がれていた。
骨盤は確かに張り出しており、豊かな下半身を形成している。黒く艶めいた、やや濃い陰毛が、なんともいえない艶やかさを醸し出している。
そんな三角州に、彼女にはあり得ないモノがそびえ立っている。ギラギラといきり勃つ、えげつのないイチモツが。
いうまでもなく、早鬼は女だ。にもかかわらず、そびえ立つソレは、そこらの男と比べても比較にならないほどだった。
性転換したのかと疑う。が、竿と同時に、本来あるべき裂け目が存在してもいる。いわゆる、半陰陽だった。
「お前、それは一体……」
「どうです? すごいでしょう。今日のために、神子様のために用意した代物ですよ。お気に召していただけると嬉しいんですけど」
見せびらかすかのごとく、ぐいぐいと眼前に近づけてくる。文字通りの目と鼻の先だ。
「ッ……」
言うまでもなく、ペニスとはシモだ。まして、生物としてあり得ない器官となれば、見せつけられて嬉しいわけもない。にもかかわらず、神子の視線はソレに釘付けられていた。
全長は30センチを越すほどで、己の顔面よりも長い。亀頭は槍の穂先かと思うほどで、カリ首は彫刻のごとく深く刻み込まれている。赤子の腕ほども太い竿部は、青黒い血管がぐねぐねと這い回っている。
立派な男根を称する語彙として、「馬並み」というのがある。早鬼の肉竿は、まさしく馬並みと称するに相応しかった。
思わず、息を呑む。生命の力強さ、雄としての逞しさ――そういったものを、一目で感じさせるフォルムだ。強い欲望に踊らされている今、そんなモノを見せつけられて、正気でいられるわけもない。女の本能が、意思を超越して疼き始める。はしたなくも、子宮が熱を孕み始める。
「もう夢中じゃないですか? こんなに分かりやすい貴方は初めて見ますよ」
「誰が……」
「口で何を言おうと、どう考えてるか、手に取るように分かりますよ。ほぉら」
揶揄う声色とともに、肉棒を左右に振っている。口では否定しても、ソレに惹かれているのは態度で丸わかりだ。メトロノームのごとくぷらぷらと揺れる先端を、蜂蜜色の瞳が追いかけていた。
「ア……ッ」
あろうことか、麗しき顔面に亀頭を押しつけてくる。やわらかな頬が、鉄のごときモノで形を歪められる。
鼻孔が拡縮する。イチモツの臭気を嗅いでしまう。むわりと漂う熱気が、肺へと流れ込む。
やや生臭さの伴う、独特の香りだ。決して快くはないというのに、脳味噌を蕩かすほど芳しく感じられた。女であれば誰しもが虜になる、牝堕としの濃厚フェロモンを纏っていた。
「ほら、しゃぶってくださいよ」
顎をしゃくり、命じてくる。耳を疑う発言だった。聖徳王に対して、傲岸にもほどがある。
「……ッ」
下卑た欲望を向けてくる輩は、人里にもいる。そうした負の感情は慣れっこであり、いちいち関わり合いにもなっていなかった。
にもかかわらず、早鬼の言葉を受け流せないでいる。征服欲と支配欲を満たすためだけの自己中心的な命令が、どうしようもなく魅力的に感じられていた。
拒むべき場面であると、もちろん理解している。しかし、目の前にいるのは自分を軽く組み伏せられるくらいの怪力もちだ。怪しげな香に燻されて、しかも首輪で繋がれていて、逃げおおせるとはとても思えない。であれば、下手に逆らって相手の機嫌を損ねるほうが、愚かな行いではなかろうか。
「……ッ」
断じて、色欲に流されたわけではない。香の毒のせいであり、状況から穏便に逃れるためだ。己に言い訳をしながら、突き出された肉竿に顔を近づけていく。
あらためて眺めるに、本当に大きい。こんな丸太じみたものをしゃぶれなどと、人の顎を外すつもりかと言いたくなる。心臓が強く打つのを感じながら、唇を近づけていった。
「っちゅっ……」
艶めくリップが、ギラギラといきり立つ男根に触れる。キッスノイズが小さく鳴った。素晴らしき言葉でもって人を導くべき唇を、ヤクザのイチモツに捧げた音が。
他人の、しかもあり得ないはずの性器に口をつけさせられたのだ。嫌悪して、吐き気を覚え、涙を流すのが当然だろう。神子は違った。初恋のごとき胸の高鳴りを覚えていた。
己が信じられなくなりかける。が、すぐさま思い直す。断じて、己がおかしいのではない。なにもかも状況のせいなのだ。
「えぁ」
そう、状況が悪いのだ。自らに課した言い訳は、行動の制限をなくす。口づけただけで、終わりとはならなかった。
大きく、口を広げる。正面から見れば口蓋垂がうかがえるほどだ。人里で演説をしているときでも、こんな大口を開けたりはしない。そうでもしなければ、文字通りの馬並みをしゃぶるなど不可能だったのだ。
「あむぅうッ……」
次の瞬間には、ぱくりと一口に咥え込んでいた。柔らかな唇が、野太い肉竿を迎える。ヌルつく口腔・ピンク色の粘膜が、男根のために捧げられる。
「んっぐ」
途端、強烈な肉棒臭が口内で炸裂する。女を狂わせ牝に堕とす、最強のフェロモンがだ。いかな豊聡耳神子とはいえ、その作用からは逃れえない。己の所業を嫌悪するどころか、股を強く疼かせてしまう。
「あはッ……! そうですよ神子様、素直なのは美徳ですね。さあほら、続きをどうぞ……」
余裕を漂わせ、しかし声を上ずらせながら、続きを促してくる。逆らうことなく、己の欲望のまま、奉仕を始める。
「んッ、――っふ、んちゅッ、んむっ、んぅう」
「そう、そう。唇で吸い付いて、いやらしく、下品にね……」
ゆっくりと、頭を前後させていく。むちゅッ、くぷっと、唇の端から空気の抜ける音がする。教えられるまま、頬を窄め、肉竿をちゅうちゅうと吸いあげる。
ひょっとこを思わせる頬を窄めた様は、聖徳王が晒すにはあまりに無様だ。とても他人には見せられない様を、早鬼は目を細め、歓喜の色を浮かべて見つめる。
「ほら、舌も使って……」
「んちゅッ、れろッ、れる、れろれろれろ……んふぅっ、んちゅぅ」
指導されるまま、竿からいったん口を離す。唾液でてらてら光る竿を、べろべろと舐め回す。桃舌がヌルンヌルンと亀頭をこねくり、カリ首周りを這う。べちょべちょと、口の周りが涎に濡れる。誰かに見られたら何もかも終わる、だらしない表情が浮かんでいる。
「あもぉッ、んぢゅるッ、んぢゅくっ、れろぉお」
再び、いきり立つモノを迎え入れる。頬が時々もごもごと蠢くのは、舌が口内で踊り、口壁が擦りつけられているからだ。むちゅっぬちゅっと、ときおり室内に響く涎の音が、その熱心さを示していた。
「あッは、アッ。神子様、結構なおしゃぶり上手じゃないですか。……っはッ!」
神子にとってこれが初めてのフェラチオだが、とてもそうと思えない技巧だった。彼女のもつ万事への才が、口腔奉仕においても遺憾なく発揮されていた。
「だけど、もうちょっと奥まで、いけないもんですかねッ!」
早鬼のペニスを、全て受け入れられているわけではなかった。10インチを越えるモノはあまりに大きすぎ、半ばまで咥えるのが精一杯だったからだ。
それをまどろっこしく感じたのか、はたまた、嗜虐心を抱いたのか。両側頭部を、早鬼の手が包み込む。逃げ道を奪った状態で、彼女はそのまま、思い切り腰を突き出してきた。
「ぉゴッ……――!?」
物理法則に従い、陰茎は喉奥を貫く。本来なら異物の入り込まない領域まで、容赦なく侵入する。ぱぁんと、音が鳴った。下腹が顔面を叩いたのだ。
引き裂ける痛みに、身体が跳ねる。反射的に横隔膜がせり上がる。異物を排出すべく食道は蠕動するが、しっかりとねじ入れられた魔羅を、その程度で追い出せるわけもなかった。
「ッぐ、っふ、んぐぅッ、ぅう……ッ」
「そぉら、逃げないでくださいよッ!」
「んぐぅッ、ぉぐッ、んぐぅッ、ぐぶぅうッ、んぐぅうッ!」
引き裂かれる痛みと苦しさから、ばたばたと、身悶えて逃れようとする。その姿に嗜虐心を刺激されたのか、声はいっそう高圧的になっていた。
腰が引かれる。亀頭は「返し」のように、粘膜を抉り、己の存在を刻みつけていく。引きつれる痛みに、目尻から涙が浮かぶ。
そのまま、突き出される。顔面に下腹が打ち付けられると同時に、猛烈な圧迫感が全身を満たす。己の肉体すべてが、男根のための鞘となってしまったかのごとく感じる。
「あっは、神子様が、神子が、私のチンポ咥えて、しゃぶって、あぁ、たまんない、あはぁッ」
「ぉッぐぅッ、んぐッ、ぐッ、ぅぐううッ」
無慈悲なピストンのたび、寝台がぎしぎしと軋む。早鬼の高笑いがハーモニーを奏でる。かつての主を己の所有物のごとく扱い、好き放題する愉しさに取り憑かれている。
対する神子が覚えるのは、暴力的行為への反感・怒り・悲しみ・恐怖――などではない。喉から漏れる苦悶の呻きには、官能の色が見え隠れしていた。普段は為政者の仮面に隠れている、マゾヒスティックな裏の顔が、現われ始めていた。
「んふッ――んぐぅッ、んぐッ、んっぐ、んぅうッ!」
痛みと恍惚に脳味噌を掻き回され、がくがくと身体を跳ねさせる。目を白黒させるかたわら、ほっそりした指が自然と股座へと伸びていく。
ぬち……と、濡れた音が鳴った。指先からは、生暖かくヌルついた感触が伝わってくる。秘裂はたっぷりと濡れ、太腿にまで淫蜜が滴っている。
とてつもない性的興奮を覚えているのは、誰が見ても明らかだ。豊聡耳神子の下半身とは、到底信じがたい。己がどれほどはしたない状態になっているか、思い知らされる。恥じ入るどころか、より興奮する始末だった。
「んっふッ、んぅッ、ぐぼッ、んぐぅッ、ゥぐッ、んぐぅッ、んぅううッ……!」
肉貝を擦る。ぬちゅっ、ぬちゅっと、粘っこい汁のこねられる音が鳴る。そのまま、体内へ侵入する。
肉穴はひどく熱く、異物に対して敏感に反応した。ネトつく蜜に塗れた襞が、絡みつきながら奥へ誘うかのごとく蠕動する。娼婦よりもいやらしく卑猥であり、己の肉体の一部だと思えないほどだった。
「んふッ、ふぅッ、んくぅッ、ンッ、んぅうッ、くぅう……!」
快楽神経から脳味噌へ、背骨を通じて電気信号が伝えられる。イラマチオの苦痛とない交ぜになって、意識を揺らしてくる。指は際限なく激しく動き、マゾヒスティックな快感を貪っていく。ぐちゃぐちゃと雌汁が散り、寝台を濡らしていく。
「あっは、いやらしいですね、ほらッ、チンポ奉仕も忘れちゃいけませんよってッ」
「んぢゅるッ、ごぶぅ、んぐぅうッ」
自分の仕事を忘れるなとばかりに、勢いよく腰を打ち付けてくる。ごぼごぼと、排水口に水を流すときのような音が響いている。当初と異なるのは、それにフェラチオサウンドまでもが追加されていることだ。あろうことか、己の口腔をレイプするペニスに傅いているのだ。
「んゴッ、ぐッ、ぐぶッ、おぶぅうッ」
摂食器官を性処理玩具にされ、目尻から涙が零れる。悲しいのではない。固形物の入らない領域に、鉄ほど硬い異物が入ったことによる生理的反射だ。そしてなにより、蕩ける恍惚を脳味噌が処理しきれなくなったことによる、生理的な涙だった。
「あっは! そぉら、そろそろ出しますよ、そのお綺麗な顔、ぜんっぶマーキングしてあげますから、そらッ、あっ、アッ、アァ――あっはぁあッ!」
自分勝手に喚きながら、早鬼は腰使いのペースを上げる。口内を串刺しにする槍が、次第に太く熱くなるのが分かる。何が始まろうとしているのか、本能的に悟る。先ほどから垂れ流されている、やかましいまでの欲望を聞けば――聞く努力をせずとも分かるほどだ――明らかだった。
「そぉら、イくッ、出るッ、アハッ、ああぁあッ!」
「んっぐッ、んぐ……ぷはッ、アッ、嗚呼……ッ」
腰が勢いよく引かれる。ぶぽんッ、と鳴った音は、どれほどイチモツに強く吸い付いていたかを示していた。
男根が炸裂し、神子の眼前で白濁を放ち始める。濃厚極まる汚泥が、麗しき美貌へとぶちまけられていく。
「アッ、は、あぁッ、ああ~……ッ!」
元・主の顔面を己の種汁でまみれさせる征服感・支配感に、早鬼は酔いしれているらしい。膝をカクつかせながら、神子へとぶちまけていく。べちゃべちゃと、額からおとがいにかけて、それどころか鎖骨のあたりにいたるまでスペルマまみれにしていく。
「あぁんっ、はぁッ、あぁあア……」
対する神子はといえば、他人の体液まみれにされているのに、甘い声を漏らす。花のかんばせは真っ白に染め上げられ、みっともなく情けない様になっていた。
おぞましいほどの欲望が、かけられた汚濁から聞こえてくる。人としての形すら取っていない、無数の精虫からの繁殖欲が。こんなものを聞かされて、涼しい顔などしていられない。あてられて、身体が自然と、子作りのための用意を整えてしまうに決まっていた。
己は一体、何をしているのだろう――かつての飼い馬に犯され、悦ぶなど、正気の沙汰ではない。だというのに、零れ落ちるのはマゾヒスティックな悦びの吐息だった。太腿を擦り合わせ、ネチャついた音を鳴らす姿は、とても聖徳王などと名乗ってよいものではなかった。
「あぁ、ダメだ。全然収まんない。……ほら神子、そんな風にモジモジしてないで、見せてくださいよ、そこがどうなってるか」
「あぁッ」
また、組み伏せられる。両脚を掴まれ、グイと開かされた。
早鬼の腕力に抵抗などできはしない。分かりきったことだ。とはいえ、それと抗おうという姿勢を見せるかは全く別問題だ。そして今の神子は、まったく抗する様子を見せなかった。いっそ、自ら股を開いた節すらある。
大きく、恥じらいもなく晒された股間は、透明な蜜でヌラついている。肉貝はヒクついて、快楽を求めているのがありありとわかる。さらに、その柳腰はくねっくねっと躍っている始末だった。
「嗚呼……早鬼……」
媚びた視線に甘い吐息、誘惑する腰使い。何を求めているかは一目瞭然だ。交尾を希っている。
早鬼の目が、逆三日月の形に歪んだ。もはや、主従が入れ替わったといっても良い状況だ。現に、自らの恥部を指で割り開かれ、神子は文句一つ言わなかった。むしろ、見せつけるかのごとく、腰を前方に突き出したほどだ。
「あぁッ……」
膣道に空気が流れ込み、ひんやりした感覚に身体を震わせる。ほんの少し冷静になった頭で、己が何をしでかしているか強く自覚する。感じた羞恥は、興奮をいっそう強めるばかりだった。もう後戻りできない状態に陥っている。
「ああ、やっぱり、おぼこだったんですね?」
揶揄うような声色で囁いてくる。言葉のとおり、神子は処女だった。民を導き政を為すべく蘇ったのだから、色事にかまけている時間などなかったのだ。
早鬼の瞳に浮かんでいるのは、喜色だった。何に基づく喜びであるか、状況を考えれば明らかだ。すなわち、豊聡耳神子の肉体に、己の痕跡を刻めることへの。。
「さぁ、何をしてほしいか言ってみてくださいよ? そうすれば、その通りにしてさしあげますから。極道としての誇りをかけましょう」
そこまで言うなら、約束を違えることはないのだろう。であれば、今すぐ己を解放しろと命じるのが筋だろう。床に額を擦りつけて土下座させるのもよい。人々を導く聖徳王を嬲り者にした罪は重い。
けれども、今ここにいるのは、為政者・豊聡耳神子ではない。いやらしく染まって色に溺れた、淫らな牝犬だ。千載一遇の好機に何をすべきかなど、考えるまでもなかった。
「入れてほしい……私に、お前のその逞しいのをねじ込んで、私をオンナにしてほしい。お前の欲望をココに、思い切り、お前が満足するまでたっぷりぶちまけてェ……ッ」
蕩けきった瞳をイチモツに注ぎ、開かれた脚をさらにおっ広げながら、余人には聞かせられない言葉を垂れ流す。そのうちの一言だって、彼女から放たれるとは到底信じられない言葉をだ。
何一つ偽るところがないのは、その様子を見ればわかる。紅潮した肌には汗が浮かび、きらきらと輝いている。荒い呼吸を繰り返せば胸郭が上下し、柔らかな乳房がふるふると震える。先端は尖りきって、どうぞ嬲り者にしてくださいと自己主張していた。
「あはッ。素直で素晴らしいですね。さてと、そんなふうにねだられたんじゃ、焦らしてやるのは可哀想だ。くれてやるとしましょうか?」
軽口を叩いてこそいるが、早鬼もまた、昂ぶりきっているのは明らかだった。目は血走り、吐息は荒く、眼前に差し出された肉へと今にも飛びかからんばかりだ。ぎんぎんとそびえ立つイチモツは、今しがた射精したばかりであるにもかかわらず、天に歯向かうかのごとく聳え立っている。まさしく大業物、女殺しの大名刀と称すべき代物だった。
「ああでも、あたしのをねじ込むとなったら、オボコの神子にはちょっとキツそうですね? ほら、自分でペースつくっていいですよ」
言いながら、ごろりと寝台に寝そべる。10インチを越す大砲がびぃんと天井を指したのもあいまって、さながら凸の字のごときシルエットだった。
さも親切心で言っているふうを装っているが、とんでもない。自分から男根に腰を下ろして、純潔を捧げよと言っているのだ。暴力団組長らしい、下衆で悪辣な発想だった。
「嗚呼……」
だいぶおかしくなっているのは自覚しているが、そうはいっても己は豊聡耳神子、聖徳道士だ。一時の快感のために自らの貞操を売り渡すのが愚かだと、聡明なる頭はきちんと理解している。
いるが、燃え上がる肉欲を前に、拒む理由となるにはあまりに弱かった。高く掲げられた槍へ己自身を差し出すことを思い、むしろ期待すらしていた。
「ほら、どうしました?」
どうせ逆らえませんよね? とばかりに、早鬼は口元をニヤつかせている。その通りだった。肉欲に疼ききった身体は、こうしてじっとしているだけでも、次から次に淫猥汁を垂れ流している始末だ。熱く硬く逞しいモノで鎮めてもらわなくては、きっと今にも、気が狂ってしまう。
「っは……あ」
早鬼に跨がる。女らしくもありながら、しっかりとした頼もしい体つきだ。近くで見れば、古傷がいくつも残っている。どういう世界を生き抜いてきたのか、まざまざと感じさせられる。
まさしく生き馬の目を抜くような社会で生きてきた結果、もはや己の知る彼女とは違ってしまっているのだろう。己を陥れたことからも明らかだ。今の彼女は、畜生界の一大組織・勁牙組の組長なのだ。
だから決して気を、まして貞操など絶対に許すべきではない。理解していても、どうにもならなかった。理性の主張を本能はまるきり無視し、手は震えながらも、早鬼のイチモツを摘まむ。
思わず息を呑むほど熱く、硬く、そして野太い。今から人体に――自分の中に入るなど、とても信じられないほどだ。それでも、受け入れずにはいられない。
「はっ、あはッ、あ」
亀頭を導き、淫ら肉に押し当てる。性粘膜で味わう、被せ物なしの極大ペニスは、呆れるほどに熱い。キュンッ、キュンッと、襞がしきりに収縮を繰り返す。はやくはやくと、母親を急かす子供のようだ。
「アッ、はッ、あッ!」
腰を落とす。が、挿入には至らない。未使用の穴でいきなり咥え込むには、早鬼のモノはあまりに立派だった。つるりと、入口を滑ってしまう。
驚くべきは、粘膜の入口で摩擦しただけだであるのに、想像以上の快感が走ったことだ。受け入れたなら、一体どうなってしまうのか――生唾を呑まずにはいられなかった。
「あ、ッは」
同じ失敗を二度も繰り返すほど、間抜けではない。竿の根元をしっかりとつまみ、固定して、そのまま腰を下ろしていく。
「ッ、アッ、あ・あ・あ、アッ、くは、ぉ、はぁあああ~ッ……」
何ものの侵入許してこなかった狭穴が押し広げられていく。ぎちぎちと、体内から音が聞こえる。
息が詰まるほどの、強烈な圧迫感に襲われる。同時に、安堵をも。芯まで凍える日に、肩まで熱い湯に浸かったときのような、蕩けた声があがる。
そうしている間にも、肉竿はずぶずぶと、体内に沈められていく。やがて、障害物に行き当たる。行き止まりではなく障害物だ。彼女が未だ清いままであることを示す薄膜が、異物を押しとどめていた。
今ならまだギリギリ引き返せる。が、もちろん、そうするつもりは毛頭なかった。一息に、腰を落とす。
「アッ――が、ッ、あっはぁあああああッ!」
ぶぢりと、嫌な感触が伝わってきた。純潔の膜は、鉄塊のごときイチモツを阻むには、あまりに脆弱すぎた。あっさりと破られ、引き裂かれる。豊聡耳神子の純潔は、永遠に喪われたのだ。
鋭い痛みに、一瞬顔が歪んだ。が、しかめられた顔は、すぐさま蕩けることになる。強烈なエクスタシーが、脳味噌の裏側を痺れさせ、焼き尽くす。
根元までみっちりと埋め尽くされる感覚は、他では決して味わえない。身体が反り、小ぶりな乳房がふるんッ! と跳ねる。上がったのは、切なく焦がれた法悦の声だった。
「アッ、はッ、! アッ、くはッ、ふッ、あぁッ、あぁあ!」
もちろん、痛みもある。が、そんなのは些事に感じられるほどの恍惚に満たされていた。自然と、腰が動き始める。くねっ、くねっと、上下左右に躍っている。
「あっは、いいですよ神子。そらもっと頑張って」
ぎこちない腰使いだ。始めてのセックスなのだから当然だ。けれども、情熱的だった。ぢゅくッ、ぢゅくっと、大口を開けた膣口が男根をしゃぶりたて、どうしようもない淫音を鳴らす。
「あぁッ、はぁッ、アッ、あっあっ! くっは、ッ、あふッ、んぅううんッ」
腰を持ち上げれば、返しのようになった亀頭が、ゾリゾリゾリッと襞をめくっていく。魂まで引き抜かれる快感が背骨を通じて突き抜け、全身を震わせる。
「あっはぁあああッ!」
そのまま、身体全体を落とす。ふるんッと、美乳が震える。肉襞が押し広げられ、ヴァギナ全体がめりめりと拡張されていく。子を成し育むための神聖なる穴が、ペニスの形に造り替えられていく。性処理のための快楽器官へと染め上げられていく。
ソリッドなエクスタシーが脳天を貫く。聞く者の耳を蕩かす声が室内に響いた。
「あっはぁあッ、いいッ、あぁッ、チンポ、チンポいいッ」
生前まで含めてずいぶん生きているが、今までこれほどの快楽を味わったことはなかった。色欲に狂う者が現れるのも頷ける。聖徳道士をして、溺れずにはいられなかった。
夢中になって、腰を振りたくる。ぐちゅッ、ぐちゃっと、口を開けて肉を噛むような、だらしない音が響く。豊聡耳神子の秘裂が、獣欲を満たすための快楽穴にされている音だ。
くねっくねっと柳腰の躍る様は、未だ拙さこそ残るものの、とても先ほどまで処女だったとは思えないほどだ。結合部から飛び散る牝臭い汁が、ほんのりと赤みを――破瓜血の色を帯びていなければ、誰が見ても信じなかっただろうほどだった。
「あはぁあッ、あんッ、あぉッ、ぉおんッ、アッ、あああ~ッ……!」
8の字を描くように、腰全体を躍らせる。時折クイクイクイッと、小刻みな動作が加わる。自らの「よいところ」を発見し、そこへ亀頭を擦りつけているのだ。いわば、男根を使ったオナニーといってもいい。
「あっは、もう夢中じゃないですか。おマンコ全体であたしに媚びてきて、ッ、こんなやらしい人だったとは思ってませんでしたよ」
「アッ! っはッ、あぉッ、あああ! ッ!」
セックスの最中に、そのような独り善がりな行いは禁物だ。無作法へのお仕置きだとばかりに、腰を突き上げてくる。暴力的なまでのイチモツが、狭穴を蹂躙する。ゴリゴリッと、体内からえぐれる音が聞こえると同時に、意識がグラつくほどの性感が駆け抜ける。
「ひッ! あッ、はッ、あぁあッ!」
さらには、躍るヒップへと平手を打ち込んでくる。尸解仙を軽く組み伏せるほどの膂力でもって、しぱぁんッしぱぁんッと、臀部を鞭打ってくる。柔らかな桃尻が赤く、猿のごとく染まっていく。スカートの上でも分かるほどの、恥知らずの巨尻へ育てあげられているというのに、もっともっととばかりに腰を振っていた。
「あっはッ、流石神子ですねぇッ、乗馬がお上手なことでッ! そら、ロデオの時間ですよっと!」
「ッ、あッアッ、あぁああああ~ッ!?」
声が裏返る。両腕を掴まれ、ぐいと下に引き寄せられた。反対に、早鬼の腰は突き上げられていた。相反する二つのモーメントは、神子の腹の奥でぶつかり合う。すなわち、子を成すための小部屋の入口、子宮口でだ。
ポルチオは女体における最大の性感帯だ。そんなところを極大ペニスで、まして粘膜交尾の快楽に狂っている今、刺激されるのだ。まともでいられるわけもなかった。ぐずぐずと、脳髄が法悦によって腐り果てていく。
「あぉッ! おひッ、はっひ、ッ、ひぃいッ、あぉんッ、ぉッ、ああああッ!」
「あっは! ほぉら、ここがスキなんでしょうが、丸わかりなんですよぉッ!」
しかもそれを、何度も繰り返してくる。抉るストロークで腰を突き込み、脆弱なる器官へ亀頭を思い切り叩きつけてくる。腹がぽっこりと盛り上がるほどだった。男根のあまりのサイズゆえ、外からみても分かるほどになっているのだ。
「あは、ほら、神子ォ、もう貴方の身体、全部丸わかりですよ、こうやって、こうされるのがいいんでしょう、そらッ、そらッ、そらぁッ!」
「あぉッ、ひぃいッ、あはあああッ、ぉ、んぁああああッ」
腰が突き入れられるたび、どうしようもない蜜音の他に、ゴリッゴリッと石臼を挽くのに似た音が体内から聞こえてくる。驪駒早鬼の者であるという証が、刻印されていく。もう二度と、このペニス以外では達せないカラダへと造り替えられていく。
「あっはッ、すっごぉッ、こんな女ほかに居ないって、あは、絶対あたしのモノにする、孕ませてやるッ、あたしのつがいにしてやるッ……!」
「あっはッ、あぁあッ、アッ、あぉおおおんッ……!」
暴力的なまでのストロークに、早鬼の乳房も弾むピストンは際限なく激しくなっていた。
その理由を、神子は本能で悟っている。早鬼の、危険なまでの暴力を秘めた瞳。クライマックスに近づいていく抽送と、孕ませるという言葉。そしてなにより、やかましいぐらいに垂れ流されている欲望を聞けば、三歳児でも答えが出る。
「あっは、出して、ぶちまけてッ、私の中に、ッ、はっ、は、種汁全部ぶちまけて、ッ、早鬼ぃ、お前のための牝穴にしてぇッ!」
「あははッ! い~い言葉ですよッ、そら、イきますよ、ッ、アッ、アッ、ッ、孕め、孕め孕め孕めッ、アッ、ああああああッ!」
こんなに気持ちいいのに、何を躊躇う必要があろうか。何もかもかなぐり捨てた言葉を受け、早鬼が瞳に浮かべたのは勝利の優越感だった。
どぢゅんッ! と、ひときわ深く、肉棒が突き出された。対する神子も腰を落とし、彼女を受け入れる。子宮口と亀頭が熱烈なキッスを交わす。むぢゅんっと、独特な音が体内で響く。
同時に、根元から先端にかけて男根が膨れ上がっていく。敏感極まる膣襞でもって感じ取る。膨らみが先の先まで至ると同時に、男根全体が炸裂した。どくッ、どくッと、濃厚な白濁が解き放たれていく。
先ほどの口内射精とは、到底比べ物にならなかった。腹の奥に溶岩を注がれていると、錯覚してもおかしくないほどだった。無数の精虫からなるリキッドが、どぷどぷと子宮を埋め尽くしていく。豊聡耳神子の卵子を蹂躙し、彼女を己のつがいとすべく、鞭毛を蠢かし始める。
「あぉッ、いっく、イく、イッ、アッ、っは、中出しでッ、アッ、あああああああッ!」
達さずにいられるわけもなかった。ひときわ高い声をあげ、全身を弓なりにそらして痙攣させる。脳味噌で処理しきれないほどの快楽信号が、神経まで逆流したのだ。くわっと開かれた瞳には、何も映ってはいなかった。ただ、視神経でスパークする火花を見つめている。
聴覚に垂れ流されるのは、己の嬌声、そして腹の奥から聞こえてくる欲望だった。誕生したいという、おそらくこの世でもっとも原始的で、だからこそ強烈な欲望だ。他者の欲を聞ける神子には、効果てきめんだった。子宮が屈服し、卵子を捧げる用意を整える。最奥部へ辿り着いた精虫が、容赦なく彼女を孕ませるだろう。
「あっはッ、あは、はひ、あは、あぁあ……ッ」
「あはぁッ、すごッ、あっは。こんな締まる穴、久々ァ……」
やがてオーガズムの波が退き、余韻が残される。寝台はぐしゃぐしゃで、汁や汗にまみれていた。どれほど行為が激しかったかを、端的に物語っている。
神子はぐったりとして、もはや腕一本持ち上げるのも大儀な状態だった。あれだけ身体を動かして、喉が嗄れるほど声をあげれば当然だった。対する早鬼には、まだいささかの余裕がある。恐ろしいまでのタフネスだった。
腰が引かれる。ぶぽッ、と、オンナにされた穴から下品な音が鳴る。蓋となるモノを喪った裂け目からどろりと滴る子種は、ほんのりと赤色を帯びていた。彼女が純潔を喪った、何よりの証拠だ。
「さぁて、神子? バテてる場合じゃありませんよ、まだまだ楽しませてもらいますからね?」
「ッあはぁ……ッ」
冗談でもなんでもないのは、彼女の股を見れば分かる。あれほどのセックスをして、大量に精を注ぎ込んだにもかかわらず、いまだにいきり立っていた。今までのが準備運動だとでも言わんばかりに。
「あ、は」
神子の口が、ぼんやりと笑みを形作った。なにか口にするまでもない。ただただ、股を開く。己はもはや、早鬼のオンナとなったのだ。であれば、彼女を受け入れるのは、当然のことだった。