朝焼けの赤い光が、東の方からにじむように広がっていく。
動き出す人の気配が街中を満たし、光が空の青に溶け、そのかすかな輝きが空気の層を白く照らしていく。
今日もこの街にいつもと変わらない朝がやって来る。
僕は朝は苦手だ。
低血圧な事もあり、寝起きの僕はいつもの3%以下の動きしか出来ない。
霞がかかっている視界と脳とを起動させるだけで15分はかかる。
布団から這い出すなんて事は尚更だ。
……まあ、今日はそんな事を心配する事は無いのだけれど。
そう。遂にやってきた休日なのだから……!
さあ、誰から邪魔されることも無い、布団の中の温もりに身を委ねようじゃないか…
寝起きの気だるさからもう一度意識を身体の奥底へと投じ、しっかりと目を閉じた。
やがて、重い鉛の扉のような眠気がやってきて…………
「えーい♡」
ズン と唐突に腹部に重力が掛かり、その反動で口から息の塊が押し出された。
「かはっ……!?」
その重みによって先程までの心地よい微睡みは遠い何処かへ行ってしまい、霧の奥底に沈みかけていた意識もまた引きずり上げられる事となった。
「おはよう、寝ぼすけさん♪ よく眠れた?」
「………うぅ…………おはよう…ございます、
「ホンット朝に弱いのねぇアナタ…朝餉の時間でしてよー」
「うぇぇ…もうそんな時間なんですかぁ……」
特に理由はある暴力で無理やり起こされた僕の視界に映ったのは
「黄土色掛かった金髪に垂れ気味の目尻、サファイアのような青い瞳を持つ美女が、羽衣のような透けた水色のネグリジェを着て僕に馬乗りしている」
という光景だった。
1ヶ月前、僕らの街の空に突如流星群が観測された。
天文台の予測にも想定されていなかった、突発性流星群…と呼ばれるものだそうだ。
それは天球上に降り注ぐ雨のように見えた。
草木も眠る丑三つ時、僕はベランダから降り注ぐ光の雨を眺めていた。
すると、一筋の赤い光がその流れから外れて山の中へ落ちていったのだ。
「あれはなんだ?」「隕石なら衝撃波が出るはずなのに」「見間違い?」「この時間なら見ている人は少ない」「発見者になれるかも?」「未知との遭遇?」
とりとめもない考えが脳裏をかすめていく。
けれど、僕の足はそういった混迷する思考とは関係無しに光が落ちた先へと向かっていた。
自転車で坂道を駆け登り、一直線に光が落ちた先へ向かう。
コンクリートの道を外れ、砂利道を行き、遂には道無き道を進むようになった。
真っ暗だった山道が仄かに明るくなっていく。
黒から薄暗い瑠璃色に空の色が変わり、夜に慣れた目からしても明るさが明確に増してきた。
おそらく駆け出してから2時間は経ったと思われた頃、
遂に、赤い光の堕ちた場所に辿り着き─────
僕は"
赤い光の落ちた場所にあったのは、奇妙な形をした銀色の筒だった。
その筒は破損していて、まるで真ん中を
その破損部分の裂け目から、ふらふらと揺れる何かが飛び出している。
人の腕だ。
思わず駆け寄ってみると、筒の内部には赤いライダースーツ?のようなものを身につけた女の子が気を失って倒れていたのだ。
その時、筒の端の方で大きく弾ける音がした。大きいプラズマのようなものも見えている。
コイツ、もしかしなくても爆発するのか!?
すぐに離れないといけないのは分かっていた。
……けれど、目の前に居る女の子を見捨てるような真似だけはしたくなかった。
身を捩りながら身体を裂け目に入れ、背中を使って人の身体が通れる程の隙間をこじ開ける。
そして、その裂け目にある鋭い金属片で傷つけないように女の子を素早く、慎重に運び出す。
途中、背中と手の甲に鋭い痛みが走ったが、ここは気合いで無視した。
女の子を肩に担ぎ、急いで銀の筒から離れると、筒は一際大きい爆発音を出すと、青い炎を出しながら炎上していった。
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流星が墜落した事には気づかなくても、流石に爆発音にこの青い炎が見えれば人が遅かれ早かれやって来るだろう。
既に遠くの方から消防車のサイレンが微かに聞こえてきている。
もしそれに今鉢合わせなどしてみようものなら、僕は放火&誘拐&不法投棄の容疑で即お縄だ。それだけは避けたい。
先程の爆発で目を覚ましたであろう女の子は、知らない人間に担がれている事を認識して目をぱちくりさせている。
……このタイミングしかないな。
僕は彼女に着ていたワイシャツを掛けてあげながら、彼女の動揺に付け込み交渉を仕掛けた。
「……アンタが誰かは知らないけれど、多分こうしてやってきたのは何かしらの理由があるんだと思う……それも不正規に。ここは協力して切り抜けるべきだと思うんだけど…どうかな?」
女の子は少し考えた素振りを見せたが、小さく頷いて僕の自転車の後ろに座ってくれた。
砂利の路面にハンドルが取られ、自転車が揺れる。
二人乗りのためか重心バランスも悪く走行が安定しない。
よろめく度に彼女がきゅっとしがみつく力を強める。
ふに、と背中にほんのりと暖かく柔らかい感触が伝わってくる。
その感触に下着のようなこわごわとしたものは感じられない。
このライダースーツ(仮)……もしかして直履きなのか?
感触の内側を想像してしまい、Tシャツ一枚なはずの身体が暑くなって落ち着かない。
身体を密着させて心拍数と体温とが上がっているのに気づいたのか、彼女はクスクスと笑っている。
出会って20分も経っていない彼女に何か見透かされてしまったような気がして、身体どころか顔まで熱くなってしまった…。
朝焼けの街を少女と2人、自転車で駆け抜ける。
まるで「物語の主人公」のような経験をしているな…と思いながら、僕達は我が家である403号室が待つマンションへと向かっていった。
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自転車を駐輪場に置き、彼女を伴って自宅へと向かう。
403号室の扉を開けるまで、僕らは会話と呼べるような会話は一切していなかった。
「……どうぞ、狭いかもだけど。」
彼女に入るよう促し、玄関の鍵を閉めた瞬間にどっと疲れと痛みが身体中から主張を始めてきた。
「ここがトイレで……ここが風呂場。あとここがキッチン。布団はこの押し入れにあるから勝手に出して寝ていいからね。」
疲労困憊になりながらも、必要最低限の説明だけこなした後、床にへたりこんだ僕はそのまま気を失ってしまった。
意識が飛ぶ前に見た光景は、赤いライダースーツに身を包んだ金髪碧眼の少女が自分のワイシャツを着てこちらを所在なげに見つめている姿だった……。
《──郡で観測された突発流星群は、どの天文台も予測できなかったものと考えられ、大きな話題となっています。また、同時刻に発生した山中でのボヤ騒ぎについては小隕石の落下ではないかとの見方がなされており──》
ラジオのニュースと、とんとんとん、と何かを刻んでいる音が聞こえてくる。
トーストの焼ける匂いと、珈琲のほろ苦い香りが鼻腔を刺激する。
掛けられた毛布をもぞもぞと動きながら退かし、目を開けるとライダースーツ擬きが綺麗に折りたたまれて部屋の隅っこに置かれていた。
キッチンから声が届く。
「あら、起きた?もう少しで出来るからお待ちなさいな」
「あ、どうも……っ痛」
身体を動かした時に怪我をした所をぶつけてしまったようだ。
手の甲を見てみると、綺麗に包帯が巻かれている。毛布といい、彼女がやってくれたのだろうか?
キッチンから押し入れに入れて置いた「平常心」と書かれたTシャツを着た彼女が芳ばしい香りを漂わせながら現れた。
「…おまちどうさま。まずは朝食を食べましょ?話はそれからで。」
程よく焼かれたトーストでハムとレタスを挟んだサンドイッチとオレンジジュース。シーザードレッシングがかけられたサラダとスクランブルエッグ。
カリカリに焼かれたベーコンに珈琲が食卓の上に並んでいる。
「………何処のホテルのモーニング?」
「あら、嬉しい事を言ってくれるじゃない。見た目も中身もプロ級よ?ほら、食べてみて。」
サンドイッチに向かって大きく口を開けてかぶりつく。
見た目はハムとレタスが挟まれただけなように見えていたが、トーストにはマヨネーズとバターが塗られており、それが旨みとコクを加えてくれている。
舌の上で脂の旨みが広がる。
「どう?美味しい?」
妖しげな色気を持ちながらも幼げのある可愛さを持つ彼女の垂れ気味な目がこちらを見つめる。
「………………めちゃくちゃ美味しいです。」
「ふふ、良かった。私も食べようっと。」
彼女も皿からサンドイッチを取り、かぷかぷと食べ始めた。
朝食を取ったあと、彼女は自己紹介をしてくれた。
彼女の名前は「式波アスカ」と言うらしい。下の名前をあまり気に入ってないらしく、上の名前で呼ぶことを求められた。その習慣は今も続いている。
何故あの筒に居たのか、あのライダースーツ擬きは何なのか?
そこら辺に対する答えはまるで要領を得ない答えしか返って来なかった。
人型決戦兵器なんて名前聞いた事無い、と僕が答えた時の彼女は今では想像もつかないほどにあんぐりと口を開けていた。
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3時間ほどショックで寝込んでいた彼女を介抱していると、ぽつぽつと色々な事を話し始めた。
幼い頃に親を亡くしたこと、それからずっと独りで生きてきたこと、その決戦兵器が心の穴を塞いでくれるかもしれなかったこと、その為に自分と同じ顔のクローンを量産する禁忌にまで手を出したこと…。
過去と罪とを告白する彼女にいつもの妖艶さは無く、悩み苦しむただ1人のか弱い少女がそこに居た。
話の内容はまるで夢物語のようであったけれど、おそらく本当の事なのだろう。
あの銀の筒や彼女の着ていたスーツが何よりの証拠になる。
「…わかった。信じるよ、式波さんの話。これからは僕がアンタと一緒に生きる。それこそがアンタの償いになると、そう思うよ。」
彼女はきょとんとした顔をしてその言葉の意味を考え、理解すると口を開けてぞっとするほど愛嬌のあるえくぼを寄せながらけらけらと大笑いしていた。
その心の底から笑っている彼女を見て、僕も思わず微笑んでしまった。
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[とある休日の朝]
そういった経緯(?)から僕と彼女は同棲生活を続けており、今も上に乗られてお腹をグリグリとされている。
「ほーら、起ーきーなーさーいー」
「まだ眠いんですよぅ……あと…2分…」
「こら!2度寝しようとしないの!もー!!」
「ぐぅ…」
「…………むぅ、どうしてあげようかしら…あ、そうだ♡」
彼女がお腹から退き、圧迫感から解放される。
やっと諦めたか……何か布団がもぞもぞしてるけれど大丈夫…多分………
!?!?
「ん…あむ…ん…じゅる…ちゅ…ん…じゅる…」
股間に温かく、それで居て粘度がある心地よい刺激を感じた。それと同時にぴちゃぴちゃという水音と少女の艶やかな吐息が聴こえてくる。
布団を除けてみると、ズボンとパンツは下ろされ、むき出しになったペニスに彼女がむしゃぶりついていた。
右手で僕のペニスを強く優しく、そしてねっとりと愛撫する。
唾液でヌルヌルになったペニスをカリの部分から根元まで、慣れさせないように緩急をつけて上下に扱き上げてくる。
彼女の透き通るように青い瞳は常に僕を見つめていて、その綺麗な顔立ちと相まって僕は彼女の瞳から目を逸らすことが出来ない。
左手の人差し指がペニスの鈴口に触れる。ゆっくりと亀頭をぐるりとなぞると、そのまま手のひらでぬるぬるに濡れた亀頭を包み込む。
身体をビクンと跳ねさせると、少女の手の動きが止まり、こちらを淫靡な表情で見つめてくる。
「式波さん…何で…!」
「これは躾(しつけ)よ?悪い子には
「ううっ…!」
口の中に亀頭だけを含まれ、舌をまとわりつかせるように絡ませてきたり、歯を痛くないようにそっとあてて、なぞってくる。
そして一気に根元まで咥えこまれてしまった。
気持ちよさに思わず声がもれてしまう。
亀頭の先端に、硬いとも柔らかいともつかない不思議な感触のものが当たる。喉の奥に触れているのだ。彼女が苦しんでいる様子はないが、そうなるギリギリのところではないかという深さだった。
喉の奥がきゅうっと締まる。
その刺激で僕は限界を迎え、精液がまるで押し出されるようにして放出される。
白く濁った精液が、硬くなったペニスの管をすごい勢いで通っていく。
びゅっ、びゅっと、何度かに分けて排出された精液は、彼女の喉奥に当たり、そのまま口内を汚していった。
「…………式波サン。」
「はぁい、何かしら?」
「何かしら?じゃないんですよ!何でそんなに落ち着いてるんです!?」
「ピーチクパーチクうるさいわね、褥で花を散らされる処女でもあるまいし。」
「処っ……もう!!さっきのあーいうのは好きな人にやるべき事であって…うわっ!?」
ベッドに押し倒され、朝起こされた時のように彼女が僕の上に馬乗りになる。
「……こうでもしなきゃ気づかないなんて…朴念仁の謗りは免れないわよ、お馬鹿さん♡」