「イきたいなら俺をその気にさせて」
「アッ、あっ、えっ……? ああっ……」
「ゴムまでつけてやって、どうして俺が千里のお願い聞いてやらなきゃいけないんだ? マンコの締まりでもテクでも優奈たちに負けてるおばさん相手にさ」
「そんなっ、アッ、ああアァ……そこォ……」
「ヨガってんなよ。俺はこのままでもいいんだぞ」
「アんっ……ど、どうして……」
「必死なおばさんの顔見てんの楽しいし。あいつら帰って来たらそっちとヤるからさ」
「ヤっ、ああッ……そんなっ……そんなこッ、とホォ……」
「娘を守りたいなら、どうしたらいいんだ?」
男はまるで恋人がするように、繰り返し唇を重ね、ふいに顔をあげて「ん?」と母さんを促す。いったい母さんが何を考えていたのか、相反する期待と希望に僕の頭がぐちゃぐちゃになる数秒の後、
「はぁっ……くふっ、う……イ……かせて、ください……」
「もっとはっきり言えよ」
「いヒィ!? ちくびッ、つねらないで……」
「何をどうして欲しいんだよ」
「……わ、私……の……」
「私?」
「千里の……んんっ、えっと……アッ……あそこ……」
「はっきり言えって。優奈呼び出した方がいいか?」
「ダメっ! んあっ、む……娘よりっ、き、キモチ良くないかも、しれませんけど……ォ、千里の、おばさん、のぉ……まっ、アはアッ、マンコっ……あなたの、オッ、おちんぽで……キモチ良くして、くださいッ……!」
母さんの恥じらいに潰されそうな懇願の声に僕の鼓膜は愛撫され、実感を失った現実におかしくなって、股間に冷たい感触を覚えた。カウパーが漏れているのかもしれない。もしもこれを夢だと……アダルトビデオか何かなのだと決めつけられたら、僕は今すぐオナニーを始めるかもしれない。けれども信じられないけれど現実で、絶頂を懇願した女の人は僕の母さんで、あんなに乱れた母さんが……。カチカチ歯が鳴り、目の焦点が合わない。どうして母さんが、どうして……。
おかしくなりそうな僕とは違って、男はあくまで小馬鹿にしたふうに、
「それじゃ足りないなあ」と嗤った。
「なっ……ここまで言わせておいて……」
「俺をその気にさせろって言ったろ。なあ? 男を興奮させる方法、知らないのか?」
「んんンあっ……!」
男はグッと母さんの体に……腹に手を置いて圧をかけた。
「ほら。オスをその気にさせてみろって」
「わ……わかったから……、ナマでもいいから……。優奈と優希のかわりに、ナマでしてあげるから…………好きに、していいから……だからっ……! もうっ………!」
「へへっ、じゃあ……」
腰を浮かしかける男の体に、母さんは腕を回し、ぎゅっと抱き留めた。
「でも……お願いします……お願いですから、春までは……孝之の受験が終わるまでは……待ってください……。受験で……大切な時期なんです……。あの子が大学へ行って、一人暮らしを始めるまでは……お姉ちゃんたちにも……お願いです……」
涙があふれて頬を伝うのを感じた。母さんはどこまでも母さんだ。安堵したのか、もうそんな最後の砦しか残っていないと絶望したのか、自分でもわからなかった。
「ああァあんッ! ああっ! イイいぃ! あー……ンあアアッ!」
女の咆哮が響いた。ベッドを軋ませて、男の動きが激しくなった。濡れた肌のぶつかり、擦れる音が生々しい。
「ははっ、それいいな。生ハメねだりながら母親ヅラしてんの。すげーそそるわ」
「アっ、はぁんッ……! ああ……い、ひぃ……すごッ、おォ……」
焦らされきった母さんは、男がゆっくりと抽挿するその一ミリごとに、快感を隠しきれない声をもらし、男が最後のストロークをぐいと押し込むと、
「アぁああンっ!?」
と、啼く。「アッ、そこっ、オくっ、は、アあっ、い、すごひィっ!」
「中で焦らされた後だと、全部イイだろ?」
「イイっ! イイのぉ……! オっ、ちんぽ、これ……! あ、アアああああッ、あはぁ、は、ははっ、あァ、ダメぇ……むぐっ、んっ、ちゅ……れろぉ、あむ……あアンッ!」
男が強く、激しい動きに転じると、
「あァああアアーーっ!? そ、それェ、ダメダメダメ……アああっ、はあァああンッ!」
動きに応じるように、喘ぎ声が大きくなった。
「男連れ込んでヤってんの、誰かに聞かれるかもな」
「だめ、ああッ、そんなの……アッ、は、ひああアッ! こんな、ダメぇええっ! オカ、おかしく、なっちゃうぅ……」
男がパンッ、パンッ、とわざと音を立てるようにゆっくりと大きな動きで腰を打ち付ける。
「うぐぉっ、オッ、それっ、へぇエっ……ダべっ! ダメ、なるっ……おっ、ほオッ……!」
一突きごとに母さんは悦楽にまみれた苦しそうな声をあげる。よがり狂う女の声が、こんなにも男を刺激するなんて僕は知らなかった。僕の奥深くで、あの魅惑的なメスを犯したいというドス黒い欲望が渦巻くのを自覚する。けれどもあのオスに敵わないと本能が、母さんが我が子に抱かれるはずもないと理性が、そんな欲望は満たされないのだと悟っていた。
男が腰を引くたびに、白く泡立った粘液がゴムにまとわりついているのが見え、腰を落としたびにそれが飛び散る。母さんの股や太ももや、シーツまでもがじっとり濡れている。
強くしたり弱くしたり、遅くしたり速くしたり、母さんはどこまでも弄ばれた。
「アアあっ、あアッ、もっ……イくぅ……イくダメこれ……」
母さんの口から出た『イく』という言葉に、僕までイきそうになる。
「イきそう?」
「はぃ……」
「まだイくなよ」
「へ……ぇ? ……いヤっ、そんなっ……アッ、アアアッ!」
イくなと言いながら、男は小さく速く、母さんを責め立てた。
「ダメだめこれ、ダメですっ……そんなッ、イっ、イぐ、イっぢゃ、うぅうう……!」
「じゃあ休むか?」
「ダメぇっ、もぉッ……じらされたら、おかしくなるっ、あはァン、そこ、オく、おく、もっと、おねがいっ、きて……」
男はペッとつばを吐きかけた。母さんはそんなことには気付きもしないで、身をよじって悶え続けている。
男が力加減を変えた。母さんをギリギリまで追い詰めるていく。
「アアッ、はァああ、オぉッ、ほッ、おッ? ふぐぅっうう! コレっ、だめぇ、イく、イきます、ア、あああアっ、あっ、はぁあ……!」
「だからイくなって」
「むりぃ! むりなのっ、無理です、こんなっアアッ、むりひィいい……! ヒもちッ、いグっ、こオっ、ンなのほォぉおっ……!」
もはや半狂乱の泣き声だった。たぶん母さんはすでにイっていて、それでも我慢しているつもりになっているのだろう。男に許可をされ、堪えようとする力をすべて抜き、深く激しい絶頂を、求め続けていた。
「娘の処女食ったちんぽでイきたいのか?」
「ァいぃ…‥ッ、イきたいですっ、あ、ああ……ダメな母親で、ごめんなさひ……」
「娘にクンニされてイきまくってた奴が母親だ? メス豚だろ」
「は、はいっ! メス、あっ、ぐふぅううぁッ! あァああっ……ブタですメス豚をイかせて……も……いやぁ……」
男はふいに腰の動きをゆるめ、母さんの乳首を弄びだした。また焦らしているのかと思ったがそうではないらしい。母さんの……女の一番奥深くに刻み付けるように、男の象徴を押し付けているようで、
「おっ……オォおおほぉ……うぁ……はぁ、ああ……オおっ……」
余裕もない、突き上げられた分だけ漏れ出るような声で、母さんは喘いでいた。
「そういや、ガキのことさあ、春までしか待たねえからな?」
「オああ……あ、りがとう、ォ……ぁいます…‥ああッ、そごォ……」
「てめえの息子が浪人しようが、構わず孕ませるぞ」
男の動きが、わずかばかり速くなる。次第にペースを上げていく。
「アッ、あああっ! かまいません! だからっ、ああッ、イ、イかせてッ! イく、これェッ……! イッ、ぐ……」
「バレたくないんだろ?」
「あの子……をッ、おオオっ…い出しっ……ますからぁあアッ! いつでもセックスっ……で、きるよほぉおオッ……ッ! ああっ!? それダメッもうぅううっ……!」
「本音だな?」
「はいっ……はいぃいいいっ!」
男がスパートをかける。その一瞬、母さんの頬を叩いた。
「よしイけッ!」
「あはアアァぁああァァ――――――ッッッ!!」
極まった歓喜の咆哮をあげ、
「ァ……ァァ………」
と、息もできぬという低い声を漏らしながら、母さんは脚や腰を痙攣させる人形になった。
母さんの絶頂を見届けた男が、ふいに動きを再開した。
「ァアっ……! イまっ、だめ……ヒっ、ってる、からぁ……」
「一人で満足してんなよ。俺が出すまでイってろ」
「おっ、ああ……またイく、ア、アアッ、ダメへぇっ! ごれっ、シぬっ……」
「イき死ねよ、ババア」
男は笑ってそれだけ言うと、乱暴に快楽を貪るように腰を打ちつけた。母さんの桃尻がベッドでギシギシと上下に揺れる。喘ぎ声からもはや言葉は消え失せて、ただメスの歓喜が叫ばれ続けた。
ふいに男が動きを止めたのは、それがどれほど続いてからだろう。
母さんと深くで繋がったまま男がピストンをやめる。ああ今だ……と直感する。避妊具をしているとはいえ、母さんの一番大切なところで男が精を吐き出している。母さんが男を受け入れているという情景を、僕は信じたくはなかった。
射精し終えたらしい男が、放心状態の母さんにキスをする。情熱的……というにはいささか激しいキス。男は両手で情事に乱れた母さんの髪をさらにかき乱した。つい先ほどまでピクピクと快楽の沼に浸っていた母さんも、必死に応えるようにして、顔や頭の形を確かめるように両手で触れながら、お互いの口内を貪り合っていた。
どちらからともなく唇を放すと、男はぬるりと母さんの秘所から、まだビンビンに勃ったままのモノを抜く。母さんの愛液でテカテカし、ずしりと膨らんだゴムが現れる。
閉じる力もない母さんの股の間には、開きっぱなしになった肉穴があった。男の形に押し広げられた母さんそのものだ。白っぽい液体が漏れているのは、すべて母さんのものなのだろうか……。母さんは膣を、お尻を、脚を、絶頂の余韻に身震いさせ続けていた。
「おい」
「はい……」
声をかけられて、母さんはのそりと体を起こす。乱れた髪は汗や唾液に濡れて淫靡な雰囲気で、桜色に染まった肌は若やいで見え、とろんと座らぬ目つきと、だらしなくにやけた口元は、ぞっとするほど蠱惑的た。
母さんは男のペニスから丁寧にコンドームを外し、精液でぎっとり汚れた竿に口づけをし、舌で舐めとり、口に含んで清めていく。一心不乱というほど夢中ではないが、だからこそ、母さんが愛を込めて身繕いしてやるような光景に、僕は激しい嫉妬と、強い嫌悪と、逃れられぬ羨望を覚えた。
「楽しみだな」
男がふと呟いた。
「え?」
母さんはちゅぱっとペニスから口を離すと、小首をかしげて男を見上げた。
「春になるのが」
ぽうっと熱っぽい視線で男を見上げてしばらく黙っていた母さんは、やがて恥ずかしそうに肯いた。